+ | ……本当の恐怖 |
……が、戦闘後も画面が切り替わらず、プレイヤーが動かせるのは倒したはずのカゲのほう。
置かれた状況に理解が追い付かないまま、一人ウスグラ村まで戻るハメになる。 仲間が一切いない中での強敵が犇めくウスグラの道は、冗談抜きに孤独感で心身ともにツライ状況となる。 そして村の入口に近づくと遂にマリオの姿をしたバケモノが現れ、ネタばらしで絶望に叩き落してくる。 名前と体をいただいた事実を付き付け、更には本物になるために消しにかかってくるのだが、チャンスとしてこのバケモノの名前を当てることが出来れば全てを返してやると言ってくる。 が、何かが足りないためこの時点では絶対に当てることができず、戦闘になり逃げる羽目になる。 この戦闘でもこの曲が流れる上に、入口に近づくたびに襲われることからボス曲にも関わらず何度も聴くことになる。 名前も体も、更には仲間達全てまでもが奪われ、トドメにゴロツキタウンにも帰れぬ八方塞がりの状況は、本作最大のトラウマイベントとして今なお語り草である。(*1) 絶望的状況の中、これまで敵対していたカゲ三人組の一人である「ビビアン」がマリオであることを知らぬままその優しさに触れたことで仲間となる。 そしてたった二人で謎を解き明かし、遂に名前を突き止めバケモノに突きつけるのである。 これにより錯乱し逃げ帰ったバケモノの後を追い、再び訪れたオドロン寺院最深部のカネつきどうにて遂にステージ4のボス「ランペル」との決戦となる。
な…
なんで おまえが
その名前を しってんだよ!?
そんな そんな…
そんな そんな そんな そんな
そんな そんな そんな そんな そんな そんな そんな そんな
どうして どうして どうして どうして
どうして どうして どうして どうして どうして どうして どうして どうして
なんで なんで なんで なんで
なんで なんで なんで なんで なんで なんで なんで なんで
目ぇ~がぁ~ まぁ~わぁ~るう~~っ
ステージ4の真のボス戦では、騙されているこれまでの仲間達までもを総出で相手取る上に、ビビアンも全ての事実を知って戸惑うものの、迷いを振り切りとうとうマリオの仲間になる決断を下すことから、ドン底まで叩き落された分そのカタルシスは計り知れない。
ここに至り、曲が陽気さの中に潜む恐怖と後半のオルガンを思わせる壮大な音色をもって、このステージそのものと、己の存在を掛けたこの負けられない戦いを余すことなく伝えていることを感じられるだろう。 ステージ4のストーリーとバケモノの名が、グリム童話の一つ「ルンペルシュティルツヒェン」に由来することを考えると、どのような考えで作曲されたかは自ずと想像できるはずである。 なおリメイク版は原曲を尊重しながらも追加フレーズと決着時の専用メロディが加わっている。 更には真のボス戦用の曲として「ニセマリオ戦!」も用意されており、聴き比べてみるのも面白いだろう。
余談であるが、このステージ4で仲間になるビビアンであるが、見た目も仕草も女の子なのだが、実は男の子。
中々に凄い設定であるが、これはリメイク版でも一部のセリフが修正された以外は特段変わっていない。 更なる余談だが、このステージ4のタイトルである「ブタのためにカネはなる」は、12年前の作品の自社パロディだったりする。 |
*1 ウスグラ村へ行くドカンの通り方は、自分の名前を書いたものを身に着ける必要があり、ステージ4突入直前のイベントがまさかの伏線だったのである。