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wonderer

Wonderer

収録作品:Fate/Grand Order[iOS/And]
作詞・作曲・編曲(ボーカル版):スパイラル・ラダー


「戦ってみたいから、じゃダメかな?
俺たちも歴戦のマスターだ。目の前に凄いヤツが居たら試したくなる。
そっちは人類最後のマスター。
こっちは月の聖杯戦争を勝ち抜いたマスター。
キミたちの先輩として、月の最後のマスターとして、後輩を見送ってみたいんだ。」

「青春、だよね。
私たちにはそういうのがなかったから。
はじめて出来た後輩マスターに精一杯、先輩面したくなっちゃって。
校庭で喧嘩する青春とか、君たちには古くさいかもしれないけど」


「月のマスター、岸波白野!」
「同じく月のマスター、岸波白野!」

「「ムーンセル・ドライバーの名にかけて!
ここに、人類最後のマスターを打倒しよう!」」


Fate/Grand Order奏章Ⅲ:新霊長後継戦アーキタイプ・インセプションもとい、月面都市ムーン・ドバイ篇のテーマソングにして最後に待ち構える「月の勝利者達」(岸波白野)とのエキシビジョンマッチ用bgm。
戦闘用bgm版では一番をループする形でインストアレンジ版が演奏される。

本章自体がAIと人類の関係性、その遥かな未来による「霊長の次代後継」をテーマに奈須きのこ氏が描いたモノ*1で、この話がテーマとするものと「月の勝利者達」(岸波白野)が長い年月で歩み続けた道程を歌詞にこれ以上なく表現し、特殊な出自を経た彼らが経験する事が無かったやり残しの清算…即ち青春の一幕である「卒業式」を以て、これから先を歩もうとするFGOのマスターを送り出す卒業曲として奏でられる。
その細やかさたるや、Cメロ部分の歌詞を読んでいくと「月の勝利者」の名前が浮かび上がってくるほどである。

本曲が公開された後日、奈須きのこ氏と崩壊スターレイル等の崩壊シリーズを手掛けるHOYOVERSEのシナリオライター・焼鳥氏が会談をした際に、別の意味合いをシナリオと共に持たされた曲と推察される内容を話し合っていた事も判明した。
会談の内容を要約すると、テーマとした「後継」はソシャゲであるfgo自体やTYPE-MOON全般の次代後継にも向けられたものであり、奈須きのこ氏が如何にしてTYPE-MOONを、そのうちに含まれるFateを次代に引き継がせたいのか、そして如何にしてfgoという物語を畳んでいきたいのかを描いているという事だった。

即ち、ゲーム内シナリオにおけるシリーズ作品からの「後継」のみならず、ゲーム外でも「後継」を意味し奈須きのこ氏が掲げる「物語を描く10年単位の大テーマ」の集大成を表現した曲とも言えよう。
尚、歌詞についてサウンドクリエイターの毛蟹氏は次の様に語っている。

今回、歌詞で描きたかったのはまっすぐな人間讃歌。僕は今回のシナリオを読んだあとに、「奏章Ⅲ」、そして「FGO」世界における「人間ってなんぞや?」という話を僕なりにしたくてこの歌詞を書いたので、普段のReoNaが歌っているテーマや理念からそこまで変わりはなくいけたんじゃないかなと思っています。

奈須きのこ氏が南米篇ナウイ・ミクトランでも描いた人間讃歌、それを十分理解した上でこの歌詞は成り立ったと言えよう。
ただ、それを踏まえて提供された本曲はフィーチャリングボーカルのReoNa氏によると自身に対する新たな挑戦状として落とし込み、この様に回答している。

シナリオを深く、何度も読み込んでというよりは、全体的なイメージとして、「月姫 -A piece of blue glass moon-」という作品で歌わせていただいた流れを踏まえて過去、今、そして未来に思いを馳せたというか。歌詞の中に「月にだって行ける」っていうフレーズがあるように、駆け上がってそのまま飛び立って浮遊していくようなイメージをどれだけ伝えられるかを意識しました。あとは、曲の中にある場面の切り替えにどれだけ声や歌でついて行けるかはすごく考えました。

歌う自身に描いたイメージはおそらく、使命も殴り捨てた自由なるファニーヴァンプ…即ち、あの「アーパー吸血鬼(アルクウェイド・ブリュンスタッド)」もといアーキタイプ:アース。
歌詞には「月の勝利者たち」を思い描き、月に纏わる彼らのイメージソングとして完成したとも言える。

曲調自体も何処となくExtraな電脳世界を思わせるような音や月面都市のマップBGMを混ぜつつ、所々に冠位探索のテーマも入れ込み互いに後輩を送り出す/未来に向かい進む事を意味しているように聞こえよう。
更にこの戦闘bgm版の入り方も凝った演出となり、演奏開始と共にFate/Extra並びにExtra CCCの戦闘開始描写に似せた演出、その画面が砕けると同時にCCCで拠点にしていた「旧校舎」に桜吹雪が舞う特殊演出が一気にプレイヤーを引き込んでいく。
これらはExtraシリーズを履修してきたマスター(プレイヤー)…もとい、かつて「月の勝利者」だった者たちからすれば思い入れが深く改めてやる気を起こさせるような作りをしているのだ。

観測せよ。
記録せよ、月の柩。
熾天の檻は、彼らの前に燃え尽きる。

合体宝具!
合体宝具!
編纂せよ、虚空の月!!
(ヴォイドレコード・ムーンライター)!!
*2

とはいえ「月の勝利者」の本気度は非常に高くExtra世界を生き抜いたに相応しいものに仕上がっている。
切り札は現時点までの最上位級防御手段を貫通する(また、その一つ下位互換も貫通対象だが更に下の下位互換のみ対象外)という並大抵では倒せないものとなっており、そこから彼らの本気度を伺う事ができよう。

無論、それは後輩であるマスター(プレイヤー)に全力で乗り越えて見せろという先輩からの熱烈なメッセージと同じでもある。
月面都市(ムーン・ドバイ)に到達するまでに培った全てを用い、そのメッセージに答えさせる演出を飾る曲として十分に仕上がっているのだ。

人類文明と月が作り上げしデストルドーを越え、Extra(電子の海)からGrand Order(冠位探索)への「後継」を果たす為に行われる全力の卒業式。
これは月の勝利者がやり残した、青春の一幕にして未来への祈りを捧げる清々しい殴り合い。
どうか、歌詞の意味と共に次なる舞台へ進んでいただきたい。

私たちはお別れをしに来たんじゃないんだよ。
この校舎から旅立つ大切な後輩を見送りに来たんだ。
霊長の座から零落しても人類史は終わらない。
未来はもっともっと続いていく。
その未来にはBBがいて欲しい。
この先には行けない人類(わたし)より、もっと先に。

ー先輩たちよりー、先に
それは、たとえ、

うん、この星から離れても。
故郷から離れた彼方がキミの未来だ。
ほら、だから立って、笑ってほしい。
卒業式ってそういうものだろう?

月の海を乗り越え、エンディングがあろうとも後輩たち(冠位探索をするマスター)は未知なる未来に/人を愛する電脳魔(BB)は彼方の星海に歩んでいく。
いつか、現れるだろう次代に胸を張って未来を託せるよう生き抜くために。


過去ランキング順位


作曲者インタビュー
https://natalie.mu/music/pp/fategrandorder

奈須きのこ先生×焼鳥先生による特別対談
https://news.denfaminicogamer.jp/interview/250708s

収録サウンドトラック

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最終更新:2026年01月11日 08:58

*1 このテーマは当初から固定されていたものではなく、本来なら経済に関するもう少し難題なテーマになっていた事が奈須きのこ氏本人から明かされキッカケは画像生成AI問題が話題になった事とのこと。この様にコンセプト変更は執筆した時期に話題になった事を受けて変わる事が偶にあり、実際に2016年後半の絶対魔獣戦線バビロニア後篇にて当時話題となった「シン・ゴジラ」から影響を受けて描写を変えたとのこと。

*2 こちらはエキシビジョンマッチにて二人が1回だけ使用する合体技もとい合体宝具の詠唱となっており、この戦闘でしか聞くことができない。