回歴する追憶の数え唄

かいれきするついおくのかぞえうた

収録作品:星のカービィ ロボボプラネット[3DS]
作曲者:安藤浩和

概要

5... 4... 3... 2... 1...

GO!!



Fatal Error


ハルトマンの せいしんは、いまや ()えつつある。
超巨大母艦(ちょうきょだいぼかん)「アクシス アークス」とマージし、
(ほし)(ゆめ)は、じが を()(あら)たな(ほし) そのものとなる。
あるじを うしない、もくてきを ()うしなった
(かな)しきキカイを…()めるんだ、(ほし)のカービィ!


本作のラストボスである「星の夢」の第三形態戦及び、真・勝ち抜きボスバトルにおける「星の夢.Soul OS」第三形態戦で流れるBGM。
正式な曲名はMiiverseにおける質問者への回答で明らかになった。
この星をかけた魂の戦い」と同じく、「星の夢.Soul OS」コアソウル形態後半戦でのみ流れる、曲構成のみを変えたver.も存在する。
そちらは後に発売されたサウンドトラックにて「Soul 0 System ~ 回歴スル追約ノ忘レ貝」としてコアソウル形態で使われる2曲をメドレー方式で収録されている。

タイトルで流れる本作のメインテーマのアレンジとなっているが、一部「SDX・USDX」のシューティング面である「ギャラクティック・ノヴァ」のフレーズが使われている。
安藤氏作曲としてもカービィシリーズの楽曲としてもこれ以上ないほどに、まさに機械といった音使いが特徴。
「生きた音」とはっきりわかるのはオルガンのみであり、大半が電子楽器による演奏である。

一貫して非常に重苦しく、そして激しい曲調である。
特に評価の高い、サビ部分の悲愴的なメロディは「星の夢」や「星の夢.Soul OS」のコアソウル形態戦とのストーリー展開ともシンクロし、「もはやどうにもならないところまで来てしまった」という事をプレイヤーに予感させるのに十分なものとなっている。

特筆すべきはやはりその演出だろう。
VS.スタードリーム」で最終決戦を一気に盛り上げ、第二形態に突入する。第二形態の曲名は「主のいないインテルメッツォ」。
あまり盛り上がるような曲ではないが、インテルメッツォは間奏曲という意味であり、「VS.スタードリーム」とこの曲を繋ぐ意味を持ち、評価を高める一因となっている。
アクシスアークスと融合し、新たな星となった星の夢の外装をプレイヤーの攻撃により剥がしていき、いよいよ外装を剥がし切ると、「ギャラクティック・ノヴァ」を思い起こさせる星の夢の顔面が画面いっぱいに表示された瞬間にこの曲のイントロが流れ始める。
猫のような不気味な産声を上げて、開幕の大技の瞬間にイントロ部分の不気味な重い音が流れるという演出である。


だれ(なん)のため(つく)ったのかさえ ()からない。
そんなモノを なぜ わたしは起動(きどう) させてしまったの
だろうか。そうだ、かなえたい(ゆめ)が あったはずだ…
あぁ だが、マシンが (ゆめ)など かなえては くれない
というのは、もう ()かっていたこと だというのに…


さらには、真・勝ち抜きボスバトルでの最終形態では、「Soul 0 System」が前半に流れる。
SDXのギャラクティック・ノヴァ戦そっくりな戦闘形態に加え、BGMはギャラクティック・ノヴァ戦の前半のみという不完全な不気味さがある。
後半戦の「回歴スル追約ノ忘レ貝」は回歴する追憶の数え唄の構成を少し変えた程度だが、ポーズ画面の説明が下記の文章に変わり、プレイヤーを泣かせにくる。


このコアからも ハルトマンのメモリーは、()えた。
最後(さいご)(おも)あの(こころ)も、()えた。その瞬間(しゅんかん)より (ほし)(ゆめ)
完全(かんぜん)存在(そんざい)から ただの こわれたマシン となる。
(ゆめ)()ない、ゴハン()べない、そんな あいては
もはや、(ほし)のカービィの てきでは なかった!


余談ではあるが、第三形態は「デッド・エンド・コード」、Soul OSコアソウル形態は「ハートレス・ティアーズ」という初見殺し技を持つ。
前者は時間以内に星の夢を倒さなければ「Fatal Error」による大ダメージを食らうというものだが、ある程度ゲームに慣れていれば「Fatal Error」を発動させる事は無く、存在自体を知らないプレイヤーも少なくはない模様。
しかし後者は撃破時に必ず発動し、初見では回避が非常に難しい特大ダメージ技、おまけに防御や無敵技もほぼ全て貫通するので犠牲となったプレイヤーが大量に発生した。

他にも星の夢第三形態には反応が少しでも遅れると食らってしまう開幕ブラックホールや、Soul OSコアソウル形態は上記のような疲弊・油断したプレイヤーを突く回避困難・初見殺しの技を多く持っている点。
ポーズ画面に表示される、絶望したハルトマンの独白や、星の夢.Soul OSの無機質で不気味なデザインとあまりにも強烈な長丁場と初見殺しなどなどで兎に角にもトラウマ曲として扱われやすい。

なお、公式ホームページには試作段階の曲が「ハルトマンワークスカンパニーのテーマ」と共に3曲掲載されている。ラスボス曲だというのにネタバレ全開である。
おまけに作曲者が「ウェザーコック・アンドウ」と記載されていたりする。
これは召喚されるウェザーコックの鳴き声が安藤氏のペットの鶏の鳴き声だからなんだとか。

曲名については、「追憶」は召喚されるギャラクティック・ノヴァに由来する各物体を、「数え唄」はデッド・エンド・コードでのカウントダウンを指していると思われる。
これに対し「回歴スル追約ノ忘レ貝」は原曲名と比べると一見文字化けしているように見えるが、「追約」は娘にふたたび会いたいという夢のために心と記憶を失ったことを、「忘レ貝」は恋しい人を忘れてしまったことを暗示していることから、プレジデント・ハルトマンのことを指していると思われる。
スペシャルページと裏設定の内容にかなり踏み込んだ曲名と言えるだろう。


「あの(かた)の カンパニー… (さい)けんして みせますわ!」

つややかな かみを かき()げて、「ロボボプラネット」から
美人(びじん)秘書(ひしょ)スージーが あの(かた)意志(いし)をうけつぎ、()()がる!
科学(かがく)(ちから)家族(かぞく)だんらん、(しあわ)せな くらしを ごていきょう…
そんな理念(りねん)の もと、ヤバンなヤツは くじょ、いたしますわ!


星のカービィ スターアライズ』では「星の秘書スージー」のバルフレイナイト戦で「VS.スタードリーム」とのアレンジメドレー「幼き日に視たデウス・エクス・マキナ」が流れる。
原曲が徹底して電子楽器を使用したのに対し、今回は逆に電子音を使わずバイオリンとトランペットを中心とした「生きた音色」で構成されている。
そしてサビは絶望すら感じさせた原曲に対し希望を感じさせる前向きな曲調へ変化している。
これは「星の夢の曲」ではなく「スージーの曲」であることを表したためだと思われる。
曲名については、デウス・エクス・マキナとは機械仕掛けの神と訳されることを考えれば、スージーの視点から見た星の夢のことのはずである。
だが、プレイヤーの視点から考えてみると話が変わってくる。果たしてこの機械仕掛けの神とは星の夢のことを指しているのだろうか。それとも…。
スーパーカービィハンターズ』では、わいわいクエストのプレズ・アナザースージーとの対決で「幼き日に視たデウス・エクス・マキナ」のアレンジがサプライズで流れた。
電子音を使わなかった原曲に対し、エレキサウンドをふんだんに使った激しい曲調となっているためまた違った印象となるだろう。

過去ランキング順位

星のカービィ ロボボプラネット「回歴する追憶の数え唄」

星のカービィ ロボボプラネット「回歴スル追約ノ忘レ貝」

星のカービィ スターアライズ「幼き日に視たデウス・エクス・マキナ」


収録サウンドトラック

星のカービィ ロボボプラネット オリジナルサウンドトラック


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最終更新:2024年01月03日 20:55