聖書
- γραφή(グラフェー、単数)、γραφαῖς(グラファイス、複数)…書物。<原文では、「聖なる書物」(聖書)という言い方ではなく「書物」と書かれている。「聖句」を指す時も同じ語を用いる>
- γράμμα(グランマ)…文字,文書,学問。<テモテ第二3:15ではグラフェーでなくグランマの複数形が用いられる>。
- γραφαῖς ἁγίαις(グラファイス・ハギアイス)…聖なる書物(複数)。<聖書を単に「書物」でなく、「聖なる書物」(聖書)と述べている箇所はローマ1:2のみ>
関連聖句
マタイ福音書
- イエスは彼らに言われた、「あなたがたは、【書物】でまだ読んだことがないのか、『家造りらの捨てた石が隅のかしら石になった。これは主がなされたことで、わたしたちの目には不思議に見える』(マタイ21:42)。
- イエスは答えて言われた、「あなたがたは【書物】も神の力も知らないから、思い違いをしている(マタイ22:29)。
- しかし、それでは、こうならねばならないと書いてある【書物】は、どうして成就されようか」(マタイ26:54)。
- しかし、すべてこうなったのは、預言者たちの【書】が、成就するためである」。そのとき、弟子たちは皆イエスを見捨てて逃げ去った(マタイ26:56)。
マルコ福音書
- あなたがたは、この【書物】の句を読んだことがないのか。『家造りらの捨てた石が隅のかしら石になった。これは主がなされたことで、わたしたちの目には不思議に見える』」(マルコ12:10-11)。
- イエスは言われた、「あなたがたがそんな思い違いをしているのは、【書物】も神の力も知らないからではないか(マルコ12:24)。
- わたしは毎日あなたがたと一緒に宮にいて教えていたのに、わたしをつかまえはしなかった。しかし【書物】は成就されねばならない」(マルコ14:49)。
ルカ福音書
- そこでイエスは、「この【聖句】は、あなたがたが耳にしたこの日に成就した」と説きはじめられた(ルカ4:21)。
- こう言って、モーセやすべての預言者からはじめて、【書物】全体にわたり、ご自身についてしるしてある事どもを、説きあかされた(ルカ24:27)。
- 彼らは互に言った、「道々お話しになったとき、また【書物】を説き明してくださったとき、お互の心が内に燃えたではないか」(ルカ24:32)。
- それから彼らに対して言われた、「わたしが以前あなたがたと一緒にいた時分に話して聞かせた言葉は、こうであった。すなわち、モーセの律法と預言書と詩篇とに、わたしについて書いてあることは、必ずことごとく成就する」。そこでイエスは、【書物】を悟らせるために彼らの心を開いて 言われた、「こう、しるしてある。キリストは苦しみを受けて、三日目に死人の中からよみがえる。そして、その名によって罪のゆるしを得させる悔改めが、エルサレムからはじまって、もろもろの国民に宣べ伝えられる。あなたがたは、これらの事の証人である。見よ、わたしの父が約束されたものを、あなたがたに贈る。だから、上から力を授けられるまでは、あなたがたは都にとどまっていなさい」(ルカ24:44-49)。
ヨハネ福音書
- それで、イエスが死人の中からよみがえったとき、弟子たちはイエスがこう言われたことを思い出して、【書物】とイエスのこの言葉とを信じた(ヨハネ2:22)。
- あなたがたは、【書物】の中に永遠の命があると思って調べているが、これらは、わたしについてあかしをするものである(ヨハネ5:39)。
- わたしを信じる者は、【書物】に書いてあるとおり、その腹から生ける水が川となって流れ出るであろう」(ヨハネ7:38)。
- ほかの人たちは「このかたはキリストである」と言い、また、ある人々は、「キリストはまさか、ガリラヤからは出てこないだろう。キリストは、ダビデの子孫から、またダビデのいたベツレヘムの村から出ると、【書物】に書いてあるではないか」と言った(ヨハネ7:41-42)。
- 神の言を託された人々が、神々といわれておるとすれば、(そして【書物】は廃棄されることがあり得ない) (ヨハネ10:35)
- あなたがた全部の者について、こう言っているのではない。わたしは自分が選んだ人たちを知っている。しかし、『わたしのパンを食べている者が、わたしにむかってそのかかとをあげた』とある【書物】は成就されなければならない(ヨハネ13:18)。
- わたしが彼らと一緒にいた間は、あなたからいただいた御名によって彼らを守り、また保護してまいりました。彼らのうち、だれも滅びず、ただ滅びの子だけが滅びました。それは【書物】が成就するためでした(ヨハネ17:12)。
- そこで彼らは互に言った、「それを裂かないで、だれのものになるか、くじを引こう」。これは、「彼らは互にわたしの上着を分け合い、わたしの衣をくじ引にした」という【書物】が成就するためで、兵卒たちはそのようにしたのである(ヨハネ19:24)。
- そののち、イエスは今や万事が終ったことを知って、「わたしは、かわく」と言われた。それは、【書物】が全うされるためであった(ヨハネ19:28)。
- これらのことが起ったのは、「その骨はくだかれないであろう」との【書物】が、成就するためである(ヨハネ19:36)。
- また【書物】のほかのところに、「彼らは自分が刺し通した者を見るであろう」とある(ヨハネ19:37)。
- しかし、彼らは死人のうちからイエスがよみがえるべきことをしるした【聖句】を、まだ悟っていなかった(ヨハネ20:9)。
使徒行伝
- 「兄弟たちよ、イエスを捕えた者たちの手びきになったユダについては、聖霊がダビデの口をとおして預言した【書物】は、成就しなければならなかった(使徒1:16)。
- そこでピリポが駆けて行くと、預言者イザヤの書を読んでいるその人の声が聞えたので、「あなたは、読んでいることが、おわかりですか」と尋ねた。彼は「だれかが、手びきをしてくれなければ、どうしてわかりましょう」と答えた。そして、馬車に乗って一緒にすわるようにと、ピリポにすすめた。彼が読んでいた【書物】の箇所は、これであった、(使徒8:30-32)
- そこでピリポは口を開き、この【聖句】から説き起して、イエスのことを宣べ伝えた(使徒8:35)。
- パウロは例によって、その会堂にはいって行って、三つの安息日にわたり、【書物】に基いて彼らと論じ、キリストは必ず苦難を受け、そして死人の中からよみがえるべきこと、また「わたしがあなたがたに伝えているこのイエスこそは、キリストである」とのことを、説明もし論証もした(使徒17:2-3)。
- ここにいるユダヤ人はテサロニケの者たちよりも素直であって、心から教を受けいれ、果してそのとおりかどうかを知ろうとして、日々【書物】を調べていた(使徒17:11)。
- さて、アレキサンデリヤ生れで、【書物】に精通し、しかも、雄弁なアポロというユダヤ人が、エペソにきた。この人は主の道に通じており、また、霊に燃えてイエスのことを詳しく語ったり教えたりしていたが、ただヨハネのバプテスマしか知っていなかった(使徒18:24-25)。
- 彼はイエスがキリストであることを、【書物】に基いて示し、公然と、ユダヤ人たちを激しい語調で論破したからである(使徒18:28)。
パウロ文書
- この福音は、神が、預言者たちにより、【聖書】(γραφαῖς ἁγίαις=聖なる書物)の中で、あらかじめ約束されたものであって、(ローマ1:2)
- なぜなら、【書物】はなんと言っているか、「アブラハムは神を信じた。それによって、彼は義と認められた」とある(ローマ4:3)。
- 【書物】はパロにこう言っている、「わたしがあなたを立てたのは、この事のためである。すなわち、あなたによってわたしの力をあらわし、また、わたしの名が全世界に言いひろめられるためである」(ローマ9:17)。
- 【書物】は、「すべて彼を信じる者は、失望に終ることがない」と言っている(ローマ10:11)。
- 神は、あらかじめ知っておられたその民を、捨てることはされなかった。【書物】がエリヤについてなんと言っているか、あなたがたは知らないのか。すなわち、彼はイスラエルを神に訴えてこう言った(ローマ11:2)。
- これまでに書かれた事がらは、すべてわたしたちの教のために書かれたのであって、それは【書物】の与える忍耐と慰めとによって、望みをいだかせるためである(ローマ15:4)。
- 願わくは、わたしの福音とイエス・キリストの宣教とにより、かつ、長き世々にわたって、隠されていたが、今やあらわされ、預言の【書】をとおして、永遠の神の命令に従い、信仰の従順に至らせるために、もろもろの国人に告げ知らされた奥義の啓示によって、あなたがたを力づけることのできるかた、(ローマ16:26-27)
- わたしが最も大事なこととしてあなたがたに伝えたのは、わたし自身も受けたことであった。すなわちキリストが、【書物】に書いてあるとおり、わたしたちの罪のために死んだこと、そして葬られたこと、【書物】に書いてあるとおり、三日目によみがえったこと、ケパに現れ、次に、十二人に現れたことである。(コリ一15:3-5)
- 【書物】は、神が異邦人を信仰によって義とされることを、あらかじめ知って、アブラハムに、「あなたによって、すべての国民は祝福されるであろう」との良い知らせを、予告したのである(ガラテア3:8)。
- しかし、約束が、信じる人々にイエス・キリストに対する信仰によって与えられるために、【書物】はすべての人を罪の下に閉じ込めたのである。(ガラテア3:22)
- しかし、【書物】はなんと言っているか。「女奴隷とその子とを追い出せ。女奴隷の子は、自由の女の子と共に相続をしてはならない」とある(ガラテア4:30)。
- 【書物】は、「穀物をこなしている牛に、くつこをかけてはならない」また「働き人がその報酬を受けるのは当然である」と言っている。(テモテ第一5:18)
- また幼い時から、【諸文書】(γράμμα=文書(複))に親しみ、それが、キリスト・イエスに対する信仰によって救に至る知恵を、あなたに与えうるものであることを知っている。【書物】は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。それによって、神の人が、あらゆる良いわざに対して十分な準備ができて、完全にととのえられた者になるのである。 (テモ二3:15-17)
公同書簡
- しかし、もしあなたがたが、「自分を愛するように、あなたの隣り人を愛せよ」という【書物】に従って、このきわめて尊い律法を守るならば、それは良いことである。(ヤコブ2:8)
- こうして、「アブラハムは神を信じた。それによって、彼は義と認められた」という【書物】が成就し、そして、彼は「神の友」と唱えられたのである(ヤコブ2:23)。
- それとも、「神は、わたしたちの内に住まわせた霊を、ねたむほどに愛しておられる」と【書物】に書いてあるのは、むなしい言葉だと思うのか(ヤコブ4:5)。
- 生れたばかりの乳飲み子のように、混じりけのない霊の乳を慕い求めなさい。それによっておい育ち、救に入るようになるためである(ペテ一2:2)。
- 【書物】にこう書いてある、「見よ、わたしはシオンに、選ばれた尊い石、隅のかしら石を置く。それにより頼む者は、
決して、失望に終ることがない」(ペテ一2:6)。
- 【書物】の預言はすべて、個人的な解釈によってもたらされていないことを、まず第一に知るべきである。なぜなら、預言は決して人間の意志から出たものではなく、人々が聖霊に感じ、神によって語ったものだからである(ペテ二1:20,21)。
- それは、聖なる預言者たちがあらかじめ語った言葉(旧約聖書)と、あなたがたの使徒たちが伝えた主なる救主の戒め(新約聖書)とを、思い出させるためである(ペテ二3:2)。
- 彼は、どの手紙にもこれらのことを述べている。その手紙の中には、ところどころ、わかりにくい箇所もあって、無学で心の定まらない者たちは、ほかの【書物】についてもしているように、無理な解釈をほどこして、自分の滅亡を招いている(ペテ二3:16)。
関連聖句2
以下は、γράμμα(グランマ、文字,文書,学問)が聖書(特にモーセの律法)に関連した意味で出てくる箇所の抜粋。テモテ第二3:15も含む。
- しかし、モーセの【書】を信じないならば、どうしてわたしの言葉を信じるだろうか」(ヨハネ5:47)。
- ると、ユダヤ人たちは驚いて言った、「この人は学んだこともないのに、どうして【文書(または学問)】を知っているのだろう」(ヨハネ7:15)。
- かつ、生れながら無割礼の者であって律法を全うする者は、律法の【文字】と割礼とを持ちながら律法を犯しているあなたを、さばくのである(ローマ2:27)。
- かえって、隠れたユダヤ人がユダヤ人であり、また、【文字】によらず霊による心の割礼こそ割礼であって、そのほまれは人からではなく、神から来るのである(ローマ2:29)。
- しかし今は、わたしたちをつないでいたものに対して死んだので、わたしたちは律法から解放され、その結果、古い【文字】によってではなく、新しい霊によって仕えているのである(ローマ7:6)。
- 神はわたしたちに力を与えて、新しい契約に仕える者とされたのである。それは、【文字】に仕える者ではなく、霊に仕える者である。【文字】は人を殺し、霊は人を生かす(コリ二3:6)。
- もし石に彫りつけた【文字】による死の務が栄光のうちに行われ、そのためイスラエルの子らは、モーセの顔の消え去るべき栄光のゆえに、その顔を見つめることができなかったとすれば、(コリ二3:7)
- また幼い時から、【諸文書】(γράμμα)に親しみ、それが、キリスト・イエスに対する信仰によって救に至る知恵を、あなたに与えうるものであることを知っている。(テモテ第二3:15)
まとめ
- 書物はキリストについて証している。
- 書物の中で、キリストについて預言している書には、モーセの律法、預言書、詩篇が含まれている。また弟子たちは書物全体と述べているから、旧約聖書正典の枠組みは当時(ヤムニア会議以前)すでにあったと考えられる。
- 書物にあることはすべて成就しなければならない。
- 書物に書かれてある事柄は廃棄されることはあり得ない。
- イエスは書物を引用して論じ、書物が成就すべきことを示し、書物にあるご自分の預言を紐解かれた。それ故、イエスは書物を神の権威と認めていた。
- イエスは学問を学んだことがないのに、文書に精通していた。
- 律法学者は書物の中に永遠の命(に至る知識)があると思っていたが、その書物にはキリストのことが証されており、そのキリストこそが永遠の命であったのに、彼らはそのキリストを認めなかった。
- 律法学者が曲解していたのは、実際は書物も神の力も知らなかったから。
- パウロは書物に基づいてユダヤ人と論じ、書物にキリストについて書かれていることを解説した。
- フィリポはエチオピアの宦官に書物(預言書)を解き明かした。
- べレアの人々は伝道されたことが本当かどうかを確かめるために、日々書物を調べていた。
- アポロは書物に精通しており、ユダヤ人に対して、書物に基づいてイエスがキリストであることを強い口調で論破した。
- 福音は、神が聖なる書物の中で予め定めていたもの。
- 書物は、クリスチャンがそれによって忍耐と慰めを得て希望を持つために書かれた。
- 書物の啓示の奥義は長らく隠されていたが、今や現された。
- 約束がキリストを信じる者に与えられる為に、書物はすべての人を罪の中に閉じ込めた(断罪した)。
- 諸文書はキリストへの信仰によって救いに至る知恵を与える。
- 書物はすべて神霊的なものである。
- 書物は人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益であり、それによって神の人は、あらゆる良い業を行えるように整えられる。
- 乳児のように純粋な霊の乳(聖書)を慕い求め、それによって成育して、救いに入るべき。
- 書物の預言はすべて個人的な解釈や人間の意志からは出ておらず、人が聖霊に導かれて神によって語ったもの。
- 書物には、聖なる預言者たちがあらかじめ語った言葉(旧約聖書)と、使徒たちが伝えた主なる救い主の戒め(新約聖書)がある。
- パウロ文書や他の文書について、無学で心定まらない者たちは、無理な解釈をして身に滅びを招いている。
- 文字(モーセの律法)は人を罪に定めるので人を殺すが、霊は人を生かす。
- クリスチャンは律法に対して死んだので、律法から解放された。それ故、古い文字ではなく、新しい霊に仕える。
- 無割礼でも律法を全うする人は、割礼を受けていても律法を守らない人を断罪する。
- 文字による割礼でなく、霊による心の割礼こそが真のユダヤ人の証である。
- 新しい契約は、文字に仕えること(律法契約)ではなく、霊に仕えること。
最終更新:2017年08月29日 05:42