ゴッサムシティに悪党がのさばっている事は、最早周知の事実だ。
目先の金に釣られた警官は正義を見失い、まるで機能しないのが当たり前。
今日もマフィアが街で暗躍し、市民はそれを見て見ぬ振りするしかない。
誰もが分かっている、こんな世界は間違っていると。
悪が平気な顔をして街頭を歩き、正義は片隅で震えるしかない現状。
そんな衆愚の街はあってはならない事くらい、皆が理解していた。
だが、例え理解していたとしても、市民は一向に行動しない。
自分一人がいくら騒いだ所で無駄なのだと、既に悟ってしまっているからだ。
たかが一個人の力でこの悪徳の街を救える筈もないと、諦めてしまっている。
だから彼等は、今日も天に向かって祈る他ないのだ。
この腐敗した街を救済するヒーローの到来を、待ち望むしかない。
そんな祈りが届いたのだろうか。
ここ最近、ある団体がゴッサムで頭角を現した。
腐りきった街の浄化を宣言し、正義を掲げ上げる謎の自警団。
最初こそ、誰もが彼等の存在に苦笑した。
こんな場所で錆びついた正義を旗揚げした所で、叩き潰されるのがオチだ。
それを知らずにゴッサムに来たのなら、それはもう不幸とした言えないと。
しかし、彼等は潰されるどころかその勢力を拡大していった。
宣言に違わぬ誠意ある活動と、会長である日本人の圧倒的カリスマ。
力を付けていく自警団を目にし、目を逸らす民は次第に考えを改めていく。
もしかしたら、彼等ならば腐敗したゴッサムを変えてくれるのではないか、と。
個人の力が次々と自警団に加わり、彼等の力は更に増大する。
まるで飛蝗が群れを為し、蝗害を齎す黒色の軍となるかの如く。
気付けば、その正義の集団はヴィランの脅威にまでなっていた。
「グラスホッパー」。
黒い飛蝗の腕章を張り付けた彼等は、自らをそう名乗る。
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□ ■ □
高級ホテルの一室に、グラスホッパーの会長はいた。
窓際に配置した椅子に腰かけ、新聞に書かれたある記事を読んでいる。
"議員が強盗に殺害された"という、物騒かつこの街でよくある内容だ。
議員はグラスホッパーに対し悪印象を持っていたと、記事は語る。
事実殺害されたその男は、日頃からその自警団への嫌悪を露わにしていた。
そのせいか、グラスホッパーが強盗と関係あるのではないかという推測まで書かれている。
この様な推論が語られるのも無理はない。
なにしろここ数日、グラスホッパーに否定的な権力者が次々と消されているのだ。
まるで神に歯向かった者が罰されるかの如く、敵対者が抹殺されていく。
そんな事が起これば、嫌でも疑惑の眼が向けられるのは当然だ。
が、そんな程度では、もうグラスホッパーの地位は揺らがない。
それほどまでに、彼等の基盤は強固なものとなっていたのだ。
この街を変えようとする救世主に、生半端なバッシングは通用しない。
「いやすっかり人気者だねぇ、我々は」
突如として発せられた声に反応し、会長は新聞をしまう。
彼の中性的な美しい相貌が、声の方向に向けられた。
目線の先には、白衣に身を包んだ男が立っている。
音も無く室内に忍び込んだ彼に対し、会長は何の驚きも示さない。
それもその筈、彼はこの侵入者と特異な関係にあるのだ。
サーヴァントとマスターという主従関係が、二人を繋いでいる。
マスターの名は"
犬養舜二"、そしてサーヴァントの名は"
戦極凌馬"。
共に、ゴッサムシティを舞台とした聖杯戦争の勝利を命じられた存在である。
「戦極ドライバーの量産は進行中だ、多分数日もすれば団員に行き届く量は作れるんじゃないかな?」
"魔術師"のクラスとして召喚された凌馬は、道具製作を得意とする。
中でも"ロックシード"と呼ばれる錠前に関する技術は、彼の十八番と言えた。
"戦極ドライバー"なる変身ベルトの製作など、彼には朝飯前なのである。
「しかし解せないねマスター、こんな事に何の意味があるんだい?」
「こんな事、とはどういう事かな?」
「自警活動の事さ、ゴッサムに尽くした所で君に一体何の得がある?」
キャスターの話には、なんら誤りはない。
いくら善行に励んだところで、このゴッサムは所詮偽りのものだ。
聖杯戦争が終われば最後、どうなるかさえ分からない虚構の街。
そんな世界で自警活動に取り組んで、一体何の得になるというのだろうか。
「……本当は、聖杯なんてものは必要ないんだ」
「まさか、そんな物が無くても願いは叶うなんて言うつもりかい?」
「僕が信じる運命が正しければね。正しかったなら、きっと僕は世界を変える」
犬養舜二という男は、運命を絶対的なものとしている。
人間には与えられた役割があり、それを果たす為に存在しているのだ、と。
己に課せられた運命を受け入れるのが、犬養の信条であった。
「もし僕の運命が世界を変えるものなら、聖杯戦争に勝ち抜ける筈だ。
そうでなければ、ゴッサムで死ぬのが僕の運命だったという事になるんだろう」
人は、運命に抗えない。
誰もが逆らえず、運命という名の荒波に押し流されていく。
だが、犬養には聞こえてくるのだ。
"世界を変えろ"と。"未来をその手で選べ"と。
言うなれば、聖杯戦争は試練なのだ。
"世界を変えろ"という声が、偽りのものでないのかを見定める試練だ。
聖杯を手にした瞬間、きっとその声は真実のものとなる。
世界は間違いなく、犬養の手に託されるのだ。
「そうかい。ま、君がやる気なら私も文句は言わないさ。
幸いグラスホッパーのお陰で人手は足りてるからね。しばらくは良い思いさせてもらうよ」
そう言い残して、キャスターは霊体化した。
言い方からして、恐らく犬養の理念に感銘を受けてはいないだろう。
キャスターはそういう人間だ。他者との触れ合いを必要としない、徹底的な利己主義者。
もしかしたら、今もどこかでマスターを裏切る算段を立てているかもしれない。
もしキャスターに裏切られる羽目になったとしても、犬養は別段恨みはしないだろう。
自分に課せられたのはそういう運命だったと、あるがままを受け入れるだけだ。
神が決定した運命を、犬養は否定しない。する気もない。
未来は神様のレシピで決まる。
人間は食材で、運命は味を決める調味料。
聖杯戦争という劇薬は、生まれる料理に何を齎すのか。
【CLASS】キャスター
【真名】戦極凌馬
【出典】仮面ライダー鎧武
【属性】中立・悪
【ステータス】筋力:B 耐久:C 敏捷:B 魔力:B 幸運:C 宝具:C(デューク)
【クラススキル】
道具作成:B
魔力を帯びた道具を作成出来る。
キャスターは本来魔術師ではないが、生前の逸話からこのスキルを得ている。
自らの手で設計した「戦極ドライバー」や「ゲネシスドライバー」は勿論のこと、
ロックシードの上位種である「エナジーロックシード」の製造をも可能としている。
また、その気になれば「ヨモツヘグリロックシード」を始めとした試作品の製造も行える。
陣地作成:D+
科学者として、自らに有利の陣地を作り上げる。
彼の造る工房の在り方は、どちらかと言えば研究所に近い。
【保有スキル】
研究者:A
人類の更なる進化を目指し、日々探究を続ける者。
スキル「道具製作」の発動の際に必要な魔力の量を軽減させる。
Aランクともなると大きな恩恵を得られるが、代償として「精神異常」のスキルを得る。
精神異常:C
精神が歪んでいる。徹底的なまでの利己主義者。
自身の研究を第一とし、他者がどれだけ被害を被ろうと平然としている。
周囲の空気もあえて読もうとしない、言わば精神的なアーマー能力。
単独行動:C
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。
"人との絆が何の役にも立たない生き方"を選んだ為に得たスキル。
話術:B
言論にて人を動かし、事を自身が有利な方向に進ませる才。
国政から詐略・口論・交渉など幅広く有利な補正が与えられる。
【宝具】
『嗤う公爵(レモンエナジーアームズ)』
ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
異界の果実の力を封じたアイテム・ロックシードにより、「アーマードライダー・デューク」へと変身する。
レモンエナジーロックシードにより発動するこの姿は、弓と刃を兼ね備えた武器「ソニックアロー」を得物とする。
また、特注したゲネシスドライバーの機能として、立体映像の投影機能や光学迷彩等の能力が使用可能。
【weapon】
『ゲネシスドライバー』
異世界・
ヘルヘイムからの侵略から人類を救う為、キャスターによって製造された変身ベルト。
戦極ドライバーと同じくヘルヘイムの果実を「ロックシード」に変化させる機能に加え、
エナジーロックシードと併用する事で、果実の鎧を纏う戦士「アーマードライダー」に変身する事が可能となる。
キャスターの道具製作スキルで量産が可能。
『戦極ドライバー』
異世界・ヘルヘイムからの侵略から人類を救う為、キャスターによって製造された変身ベルト。
ヘルヘイムの果実を「ロックシード」と呼ばれる錠前に変化させる効果があり、
また、ロックシードと併用する事で、果実の鎧を纏う戦士「アーマードライダー」に変身する事が可能となる。
キャスターの道具製作スキルで量産が可能。
【サーヴァントの願い】
聖杯を自らの研究の糧とする。
【マスター】犬養舜二
【出典】魔王 JUVENILE REMIX
【マスターとしての願い】
聖杯に託す願いはない。
が、聖杯戦争を自らに課せられた試練と認識している。
【weapon】
無し。
【能力・技能】
圧倒的カリスマと煽動する才能。
【方針】
神様のレシピ次第。
最終更新:2015年05月27日 11:07