262 名前:
女王の訪問 事件編1/4 :2008/08/16(土) 09:23:56 ID:???
コウ「一週間ぶりの我が家だ! ただいまー!」
ポチッ ドカーン
コウ「い、いきなり爆発した……ガクッ」
アル「うわぁ、
ミンチより酷いや」
ヒイロ「言い忘れていた。
ディアナ・ソレルの警護のため、家の罠は通常の200倍だ」
ガロード「200倍って……この前でさえ100倍だったのに増えすぎだろ!?」
ヒイロ「月の女王という立場を考えれば、この程度でも脆い……くら……い……」ガクッ
ロラン「ヒイロ? どうしたんですか、ヒイロ!」
ディアナ「ロラン、コウさん、ヒイロさんを部屋に運んでください。
セレーネはお医者様の手配をお任せできますか」
セレーネ「分かったわ。あんた達、しっかりやんなさいよ」
ガロード「セレーネ姉さん! 医者なら俺が!」
コウ「……ぼ、僕は?」
アル「大丈夫。ミンチってある意味絶対死なないしすぐ回復する安全な怪我だから」
コウ「酷い……あ、治ってきた」
テクス「これは過労だな。しばらく安静にして、栄養を取っていれば治る」
セレーネ「過労? 何だ、変な病気とかじゃないのね」
ディアナ「やはり……私が原因なのでしょうか」
ロラン「そんな……そんな事はありませんよ」
テクス「……そういう気遣いができる人に囲まれていればすぐ治るさ。では私はこれで」
ガロード「テクス、ありがとな」
セレーネ「ディアナの警備で無茶させてたのがたたったみたいね……」
ヒイロ「……すまない」
刹那「大丈夫だ。ヒイロの分まで俺とキャプテンが警備を受け持つ」
キャプテン「その通りです。シャギアやオルバの助力も請えば、ヒイロが安全に休める確率85%」
カミーユ「まったく……海から帰ってきて早々、大変な事になったな」
シーブック「アムロ兄さん達には俺達が連絡しといたから」
ヒイロ「……アムロ兄さん、シロー兄さん、ドモン兄さんはいつ帰ってくる?」
シーブック「仕事の都合で夜まで帰ってこれないよ」
ヒイロ「……ディアナ・ソレル。今日は兄さん達が帰ってくるまで……家に……」
シュウト「心配性だなぁヒイロ兄ちゃんは」
刹那「大丈夫だヒイロ。俺達がついている。こういう時は
ガンダムを頼るべきだ」
ヒイロ「……しかし……」
ロラン「さあヒイロ、今日はゆっくり休んで……ベッドから出ちゃいけませんよ」
ヒイロ「……ああ」
263 名前:女王の訪問 事件編2/4 :2008/08/16(土) 09:24:29 ID:???
ディアナ「皆さん。私のせいでヒイロさんに負担をかけてしまって……」
カミーユ「気にしすぎだよ。それにヒイロは回復力が高いから明日にはピンピンしてるさ」
シーブック「そうそう。よく悪いものを食べてダウンしてるから、こういうのには慣れてる」
カミーユ「確かに。何かおいしいものでも食わせりゃすぐ元気になるよ」
ディアナ(私が自分を責めないようにと明るく努めて……本当は心配なはずなのに……)
ロラン「僕、ちょっと買い物に行ってきます。お雑炊か何かを作ろうかと……」
ディアナ「ロラン、私もご一緒します」
ロラン「ディアナ様が
お買い物を?」
ディアナ「ヒイロさんが倒れたのは私の責任です。
私が彼のために買い物やお料理をして差し上げたいのです」
ロラン「ディアナ様……分かりました、一緒に行きましょう」
カミーユ「いいのか? ヒイロが今日は家にいるようにって言ってたが……」
ディアナ「お願いです、行かせてください」
刹那「俺もついていく。ヒイロの分まで俺がディアナを守る」
カミーユ「……まあ刹那も一緒なら大丈夫か。気をつけてな」
ヒイロ「こちらヒイロ……応答を請う。こちらヒイロ」
通信機『ザーザーッ、ザザッ』
ヒイロ「
ギム・ギンガナム。緊急事態だ。ギム・ギンガナム、応答しろ」
通信機『ザザッ、ピー……ザザザッ』
ヒイロ「……何事もなければいいが……」
ロラン「フウッ、買い物はこれくらいでいいかな」
ディアナ「早く帰ってヒイロさんにお雑炊を作って上げなくては」
刹那「……ロラン兄さん、やはり俺も荷物を持とう」
ロラン「刹那は警護のためについてきてるんでしょう? 身軽でなきゃ困りますよ」
刹那「……しかし」
ディアナ「私はいいのです。こうやって買い物袋を持つのも新鮮で楽しいですから」
刹那「……」
ロラン「そろそろ日が暮れます。急いで帰りましょう」
キラ「でも、ヒイロ兄さんもちょっと酷いよね」
シン「どこが? ディアナ様のためにあんなにがんばってたのに」
キラ「その部分じゃないよ。さっき、ヒイロが言ってたじゃない。
アムロ兄さん、シロー兄さん、ドモン兄さんの帰りがいつになるかは質問しても、
マイ兄さんの事は完全にスルー……まああまり頼りにならないのは事実だけど」
シン「そうだな。シロー兄さんは警察官だしドモン兄さんはガンダムファイター。
アムロ兄さんはうちの長男ってだけで最強だぜ」
カミーユ「……いや、待てよ?」
キラ「どうしたの?」
カミーユ「そういう"腕の立つ兄貴"がいない事を不安に思ってた……って事だよな」
キラ「そうだけど、でも僕達だってガンダムに乗れば……」
カミーユ「パイロット能力じゃなく、戦士としての能力っていうか、
そういうのはアムロ兄さん達やヒイロの方が俺達より上だろう」
シン「戦士って、おだやかじゃないな」
カミーユ「嫌な予感が……俺はロラン達を迎えに行ってくる」
キラ「迎えに……って、そっちは格納庫だよ?」
シン「まさかZガンダムで迎えに行く気かよ……何だか俺まで不安になってきた」
264 名前:女王の訪問 事件編3/4 :2008/08/16(土) 09:25:07 ID:???
ロラン「あっ」ドサッ
通行人A「おっと、失礼……」
ロラン「いえ、こちらこそぶつかってしまって」
通行人A「買い物袋が……お手伝いいたしましょう」
刹那「無用だ。ロラン兄さんに近づくな」
ロラン「刹那、そんな言い方は失礼でしょう」
通行人A「いえいえ、弟さんの言う通りですよ」
ロラン「え?」
通行人A「フンッ!」ドカッ
ロラン「うぐっ……」
ディアナ「ロラン!?」
刹那「貴様!?」
通行人B「おっと、動くなよ」
刹那「もう一人いたのか! キエル・ハイムから離れろ!」
通行人B「……ディアナ・ソレル閣下でいらっしゃいますね?」
ディアナ「!? 何の事でしょう……私はハイム家の……」
通行人B「下手に動くと、引き金を引かせていただきますよ」
刹那「させるか!」
通行人A「坊主。お前が動いたら、まずこっちの銀髪の子に怪我してもらう」
刹那「ッ……!!」
通行人B「撤収だ。車が来たぞ」
通行人A「ああ。刹那とか言ったな、この事を警察や月に連絡しても構わないよ。
ただし……公になると、月にいるディアナ・ソレルが何者なのか……。
まさか替え玉を使ってるなんて知られたら、民衆の支持を失うな」
刹那「くっ……」
通行人A「じゃあな」
通行人B「ディアナ・ソレル陛下も暴れたりなさらないように……」
ディアナ「……ロラン、刹那さん。迷惑ばかりかけてしまいすみません……それから……」
通行人B「早く乗れ」
ディアナ「……信じていますよ……」
カミーユ「あれは……ロラン? それに、ディアナさんが車に連れ込まれている!?」
????「そこの可変MS! 余計な手出しはしないでもらおう」
カミーユ「通信!? あれは……ガンダム!? 上等だ、誰に手を出したか分からせてやる」
????「市街地の上で戦うつもりか? 流れ弾がどこに落ちるかな」
カミーユ「くっ……あのガンダムは何だ! 画像データを……検索……」
????「ディアナ・ソレルは我々が預からせてもらう。さらばだ」
カミーユ「待てっ! くそ……下手に追ってディアナさんに危害を加えられては!
今はロランと刹那の回収を……ん? データが出た。あのガンダムは……」
265 名前:女王の訪問 事件編4/4 :2008/08/16(土) 09:25:44 ID:???
刹那「俺は……ガンダムじゃない……。ヒイロの代わりも満足にできなかった……」
ヒイロ「刹那だけの責任じゃない。奴等はギンガナム隊との連携も断ってきていた」
カミーユ「ギンガナム……見かけないと思ったら、仕事はしていたという事か」
刹那「俺は……
どうすればいい……」
カミーユ「とりあえず、事が事だ。連絡は月にいる事情を知る人……。
本物のキエル・ハイムと、親衛隊の
ハリー・オードに連絡を入れよう」
ヒイロ「アムロ兄さんとシロー兄さんにも急いで連絡を。
それから誘拐犯の正体を調べなければ……くっ……」
カミーユ「ヒイロ、無理をするんじゃない。それに誘拐犯の正体なら分かってる」
刹那「!」
ヒイロ「何者だ?」
カミーユ「奴等の護衛についていたMSはΞガンダム。
つまりマフティー・ナビーユ・エリン……結構有名なテロリストさ」
刹那「ガンダム……なのか……」
ロラン「ううっ……ディアナ様……」
キラ「ロラン兄さん、うなされて……」
シン「俺達には何もできないのかな……」
キラ「誘拐事件……しかもさらわれたのは女王様だからね。
僕達が動いても足を引っ張るだけだよ。
アムロ兄さんやヒイロに任せるのが一番さ……」
シン「畜生ッ……」
キラ「……シン、僕だって悔しいんだ。弟が今泣いているんだから」
シーブック「アムロ兄さんやヒイロに任せるのが一番……か」
ウッソ「どうしたの? 何か考え事?」
シーブック「いや……何でもない」
ロラン「……ディアナ様…………うーん、どうか……ご無事で……」
ディアナ(……ロラン……刹那さん……)
部下A「着いたぞ」
ディアナ「……あなたがリーダーですか」
マフティー「ようこそ我等のアジトへ。私がマフティーだ。
さっそくですが、我々の要求を聞いてもらいましょうか。
ディアナ・ソレル女王陛下」
最終更新:2013年09月19日 21:39