296 名前:
女王の訪問 誘拐編1/5 :2008/08/16(土) 19:58:37 ID:???
※ヒイロはマフティーの正体を知らない設定です。
ディアナ「……私はキエル・ハイムです」
マフティー「我々の情報網を舐めないでいただきたい。
今、月にいる
ディアナ・ソレルが偽者だとなったら、
その偽者も、それと知っていた者もどうなりますかね?」
ディアナ(キエルさん……
ハリー・オード……!)
マフティー「フフフッ。我々とてそれを暴露する気はありませんよ。
月の偽者には、あなたの代わりに発表をしてもらわなければなりませんから」
ギンガナム「こちら
ギム・ギンガナム! 聞こえるか! ヒイロ・ユイ!
通信妨害は解除された、聞こえているはずだ!」
ヒイロ『ザザッ……こちらヒイロ。緊急事態だ』
ギンガナム「承知している! ついさっきハリー・オードから連絡が入った!」
ヒイロ『……すまない……俺のミスだ』
ギンガナム「声に元気がないな、ヒイロ・ユイ! 具合が悪いようだな。
今度小生がお雑炊を作ってやろう!」
ヒイロ『……すまない』
ギンガナム「謝罪をする暇があったら、早々に体調を万全にするのだな!
貴様はディアナ奪還のための貴重な人材なのだからなぁ!」
ヒイロ『……ギンガナム。奴等の要求は何だと思う?』
ギンガナム「フンッ! あのテロリストの考える事など、ろくなものではないわ!」
ディアナ「発表? いったい何を?」
マフティー「地球連邦との同盟破棄です」
ディアナ「同盟破棄!? 何を馬鹿な……」
マフティー「月はもう地球に頼らずともやっていけるだけの技術力がある。
それに何もコロニーや木星帝国との同盟まで破棄しろとは言っていない。
あくまで同盟を破棄するのは地球連邦のみ!」
ディアナ「理由を聞いてもよろしいか?」
マフティー「愚問。地球を解放するためですよ女王陛下。
そのためには地球を孤立させねばならぬのです。
そうしなければ、地球の重力に魂を引かれた人間達は……」
ディアナ「地球を押し潰してしまう。それを阻止するのがあなた方の使命でしたね」
マフティー「さすがは女王陛下、話が早い。して、返答は?」
ディアナ「愚問ですね。無論、お断りします」
297 名前:女王の訪問 誘拐編2/5 :2008/08/16(土) 19:59:21 ID:???
アムロ「事情は聞いた。キエルさんは月から離れられそうにないし、
親衛隊も今のキエルさんを放ってはおけないだろう。
地上に来ているわずかなギンガナム艦隊も公に動くのは難しいだろう」
シロー「警察は協力できない。何だかんだ言って地球連邦の下部組織だからな……。
今回の件を知られたら、警察は動きを封じられ、地球連邦と軍隊が動き出す。
そして誘拐事件は政治の駆け引き材料でしかなくなってしまう」
ドモン「くっ……俺がいたら誘拐犯などギタギタにしてやったものを!」
マイ「ドモン」
ドモン「ハッ……す、すまん刹那」
刹那「……いや、いい。俺は
ガンダムじゃない……」
セレーネ「で、これからどうするの?」
アムロ「とりあえず、ディアナ様とキエルさんの事情を知っていて、
なおかつ協力してくれる人に連絡を取る」
セレーネ「具体的には」
アムロ「海水浴でシーマに会ったそうだな。信用できそうか?」
セレーネ「酒を飲み明かした仲だから、シーマさんも大丈夫よ」
アムロ「いいぞ、シーマ一味なら情報戦もいけるし、かなり自由に動ける」
ドモン「よし、コウにシーマと絡を取るよう言ってくる」
シロー「マフティーのアジト……ディアナ様の居場所探しはシーマさんに任せるのが一番か」
アムロ「ヒイロが持っている独自のルートでも探させている」
セレーネ「ちょっと、ヒイロは過労で倒れたばかりなのよ!?」
マイ「ヒイロには申し訳ありませんが、ここは割り切るべきです」
セレーネ「だからって!」
アムロ「聞け。ヒイロは俺達兄弟とは違う世界での戦いを身につけている。
過労だろうが何だろうが……やるべき事はやる」
セレーネ「兄さんがそんな冷たい人だったとは思わなかったわ」
アムロ「……セレーネ。もしアルやシュウトが誘拐されたら、お前はどうする?
残業して徹夜して、もう一歩も動けないくらい疲れていたら、他の誰かに任せて寝るか?」
セレーネ「……でも……弟を心配して何が悪いのよ。
それに……別にディアナの心配をしていない訳じゃないんだから……」
アムロ「俺だって心配さ。でも、思いやるだけが優しさじゃない。今は信じる時だ。
俺はヒイロを信じている。ヒイロなら……活路を開いてくれる」
刹那「…………」
298 名前:女王の訪問 誘拐編3/5 :2008/08/16(土) 19:59:55 ID:???
ギンガナム「同盟破棄ィ!? 同盟などどうでもいいが、奴の指示になど従えんなぁ!」
キエル『現在ハリー大尉が交渉中です。しかし、いったいどうなるか……。
いざとなれば、ディアナ様は自らの死をかえりみず、同盟を守りきるでしょう。
しかしマフティーは私が偽のディアナだと知っています。
それを明かされれば月の民衆からの支持を失い、月は大変な事に……。
マフティーは最悪ディアナ様を殺しても、続けて私達を脅してきます』
ギンガナム「奴等のアジトなど我々が発見し、カケラも残さず粉砕してくれるわ」
キエル『ギンガナム艦隊を動かすな……という命令を受けています。
もし地上のギンガナム艦隊が妙な動きをしたら、ディアナ様の身を傷つけると……』
ギンガナム「ぬうっ……やむをえん。ギンガナム艦隊は!
ヒイロ・ユイと
シーマ・ガラハウのバックアップに回る!」
ヒイロ「……確かか」
デュオ『ああ、間違いない。このあたりのマフティーのアジトなら8割がた把握している。
けど複数あるからなぁ、間違った所を攻めたら即気づかれちまうぜ
アジトを同時に強襲する戦力はないだろ?
MSじゃ気づかれるし、アジトを全部把握してる訳じゃないしな』
ヒイロ「そのあたりの人材はシーマ・ガラハウに頼らせてもらう。
ディアナ・ソレル救出後はギンガナム艦隊でアジトを壊滅させる」
デュオ『問題はどのアジトに女王様がいるか……だな』
ヒイロ「ああ、それさえ分かれば……」
デュオ『俺のデスサイズならうまく探れ……ザザッ、ザッ、ザザッ』
ヒイロ「デュオ? 通信機の調子が悪いのか? デュオ、応答しろ」
通信機『……通信……傍受させてもらった』
ヒイロ「!? 貴様、何者だ!」
マフティー「通信を?」
部下A「ええ。ギンガナム艦隊は月以外……地球の誰かと頻繁に連絡を交わしています」
マフティー「恐らくヒイロ・ユイだな。通信妨害、もう一度いけるか?」
部下A「やってみます」
299 名前:女王の訪問 誘拐編4/5 :2008/08/16(土) 20:00:29 ID:???
通信機『D4ブロックのアジトにマフティーがいる……』
ヒイロ「答えろ、貴様は何者だ。そこに人質もいるのか」
通信機『クイーンまでは特定できていない……あくまでマフティーだけだ……』
ヒイロ「正体も明かさぬ者からの情報など信用できん。名を明かせ」
通信機『名乗るほどのもんじゃない。ただのお節介な海賊さ』
ヒイロ「クロスボーンバンガード……か? なぜ俺に情報を与える」
通信機『幸運を祈る……ザザッ、ザー……』
ヒイロ「切るな、答えろ!」
デュオ『ガガッ、ザザ……ロ、ヒイロ、聞こえるか?』
ヒイロ「デュオか」
デュオ『急に割り込みが入りやがった……まさか傍受されてやしないだろうな?』
ヒイロ「……海賊を名乗る者がマフティーの居場所をリークしてきた。D4ブロックだ」
デュオ『確かにD4ブロックにアジトが1つあるが……海賊からリーク?
まさかクロスボーンの連中か? 義賊を名乗っちゃいるが、
奴等も体制に反発してる連中……マフティーと同じ穴のムジナだぜ』
ヒイロ「男の声だった。恐らく怪盗キンケドゥ・ナウだろう……」
デュオ『で、どうすんの? 信用するのか?』
ヒイロ「罠である可能性も高い……やはりシーマ達がアジトを調べるのを待つべきだ」
デュオ『了解……ザザッ……ん? また通信の……ガガッ……害電波……ザザーッ』
ヒイロ「デュオ? ……くっ、これもマフティーの仕業か?」
コンコン
ヒイロ「誰だ」
クリス「クリスよ。アムロさんに頼まれて、お雑炊を作ってきたわ」
ヒイロ「入れ」
クリス「こんばんは。大変な事になったわね……ロランもまだ目を覚まさないし……」
ヒイロ「……何とかする……」
クリス「アムロさん達も忙しそうにしてて……。セレーネさん、酷くカリカリしてる」
ヒイロ「心配無用だ。俺達は……ガンダム兄弟だからな」
クリス「クスッ、そうね……あっ!」
ヒイロ「MSの機動音? これは……エクシアか!」
クリス「そういえばさっき、部屋の前に刹那が……」
ヒイロ「聞かれていた!? クリス、アムロ兄さんを呼んでくれ!」
300 名前:女王の訪問 誘拐編5/5 :2008/08/16(土) 20:01:05 ID:???
刹那「……奴は……マフティーはガンダムじゃない」
――ロラン、刹那さん――
刹那「俺が……俺達が……」
――迷惑ばかりかけてしまいすみません――
――それから――
刹那「ガンダムマイスター、刹那・F・セイエイ。
これよりマフティー・ナビーユ・エリンのテロ行為に……」
――信じていますよ――
刹那「武力介入する!」
最終更新:2013年09月19日 21:44