285 名前:新たな住人・中編 1/12 :2014/04/06(日) 11:18:36.77 ID:???
※注意
199の続きです。
BF
主人公の兄弟入り話なので、気に入らない方や都合の悪い方は
パラレル扱いにしてください
コマ数が多いので、数コマごとにしばらく時間を空けて投下します。
マイ「僕は
オリヴァー・マイ・ガンダム。よくマイと呼ばれるよ。職業は
ヨーツンヘイム社の技術者で、趣味は…発明かな」
セイ「発明ですか?」
マイ「うん。発明って言っても日曜大工みたいなものだけどね。ちょっとした機械を作ってみたりとか。
何か思いつくとどうしても作りたくなってしまってね」
セイ「わかります!」
マイ「ほう。君とは気が合いそうだね。よろしく、セイくん」
セイ「はい! …ところで、発明ってたとえばどんな?」
マイ「最近は…
マッサージ機を作りましたね。座った人のペルソナを分離するのですが」
セイ「ペル…え?」
マイ「それで試したアムロ兄さんが三人くらいに分離しt」
アムロ「はい次! ドモン!」
マイ「………」
セイ「分離…?」
意味のよくわかっていないセイと、話を中断させられてどこか不満そうなマイの視線を受け流しつつアムロはドモンに向き直った。
286 名前:新たな住人・中編 2/12 :2014/04/06(日) 11:19:29.02 ID:???
ドモン「…俺か。俺は
ドモン・カッシュ・ガンダム」
セイ「ドモン! 第十三回
ガンダムファイトで優勝した、あの人ですよね! 僕ファンだったんです!
あとでサインをいただけませんか!?」
ドモン「あ、ああ。構わないが…」
セイ「うわあ! こんな有名人の弟だったなんて!」
ドモン「ど、どうにもやりにくいな…」
アムロ「まあ、世間様ではこれが普通じゃないか?」
ドモン「そういうものか…」
飛び上がって喜んでいるセイを見て、世俗とのギャップを感じる二人だった。
セイ「ところでドモン兄さん」
ドモン「なんだ?」
セイ「もうすぐご結婚されるんですよね。式の日取りとかは決まってるんですか?」
世界の危機のさなか、全世界に中継された大告白である。当然、セイも親と一緒に見ていたのだ。
287 名前:新たな住人・中編 3/12 :2014/04/06(日) 11:20:17.59 ID:???
アムロ「そうだな。もうすぐ結婚するはずだ。全世界の皆様の前で告白したんだから。なあ、ドモン?」
アムロも頷く。するとドモンはとてつもなく困ったような顔をしてしばらく沈黙し、やがて
ドモン「ちょ、ちょっとギアナまで行ってくる!」
セイ「この時間に!?」
セイの言葉も終わらぬうちに、ドモンは窓を蹴破り闇の中へと姿を消した。
アムロ「我が弟ながら
情けない奴ッ…!」
セレーネ「ドモンが情けないってんならアムロ兄さんはもっと情けないわよね。三十路のくせに」
アムロ「うるさい! そして俺はまだ29だ!」
コウ「じゃ、次は僕だね。ええと、
コウ・ウラキ・ガンダムだよ。よろしく。
大学に通ってて、趣味は
ガンプラの製作。君と同じだね」
アムロ「ん?」
セイ「え?」
コウ「ど、どうしたのみんな。変な顔して」
いきなり全員からの注目を浴び、コウは途惑い気味に言った。
288 名前:新たな住人・中編 4/12 :2014/04/06(日) 11:21:08.17 ID:???
セイ「え、えっと。言ってないのにどうして知ってるのかなって…」
コウ「この前、ガンプラバトルの大会があったじゃないか。僕は参加しなかったけど見に行ったんだよ。
そこでイオリ・セイって名前があったから、てっきり君かと…違った?」
セイ「いや、合ってます。ガンプラ好きなんですか?」
コウ「大好きだよ! 自慢じゃないけど、大学で僕よりガンプラ作りのうまい人間はいないと思うね」
セレーネ「本当に自慢じゃないわよねー」
アムロ「
これだからチェリーは…」
コウ「外野は黙っててよ! それとチェリーは関係ないでしょ!」
セイ「そんなことないです。すごいと思います!」
コウ「………!!」
滅多にない刹那以外の人間から尊敬のまなざしを受けて、コウは感動に打ち震える。
思わず涙が出そうになるのを何とかこらえてセイの手を握った。
コウ「じゃあ、今度いっしょに何か作ろうよ。参考にしたいんだ」
セイ「喜んで!」
289 名前:新たな住人・中編 5/12 :2014/04/06(日) 11:22:13.83 ID:???
アセム「次は…俺? あー、
アセム・アスノ・ガンダム。趣味はか………訓練かな」
その前に何か言いかけたような気がしたが、触れてはいけない気がしたのでセイは黙っていた。
ロラン「
ロラン・セアック・ガンダムです。よろしくお願いしますね、セイ」
セイ「よろしくお願いします、ロラン"姉さん"!」
笑顔で放ったその言葉に、場の空気が凍りついた。
アムロ「…おい、セイ。今、なんて言った?」
セイ「え? よろしくお願いします、って…」
アムロ「違う、その先。ロラン…なんだって?」
セイ「ロラン姉さんですよね。身内にきれいなお姉さんが二人もいるなんて、なんていうか――」
カミーユ「やめろ」
セイ「えっ」
カミーユ「それ以上はやめるんだ」
セレーネ「あー、うん。ロランはさ。女の子みたいに見えるけど立派な男の子よ」
セイ「えっ」
291 名前:新たな住人・中編 6/12 :2014/04/06(日) 12:19:18.79 ID:???
マイ「生物学上は男性ですが、まだまだ議論の余地は残さr」
シロー「余計なことは言わなくていい!」
ロラン「そう…そうですよね。男に見えないってよく言われますよ…はい」
怯える面々に、目を赤く発光させどす黒いオーラを放つロラン。これを見れば、本当にまずいことを言ってしまったということは誰にだって理解できるだろう。セイは慌てて頭を下げた。
セイ「ごめんなさい! そんなこととは知らなくて! あの、ごめんなさい! 本当にごめんなさい! 許してください!」
ロラン「…まったく。許すに決まってるじゃないですか。兄さんたちも、そんなに脅かさなくていいでしょう」
ふっ、とオーラが消えていつものロランに戻る。声の調子も元通りだ。
セイ「許してくれるんですか…?」
ロラン「きわめて不本意ではありますが、しょっちゅう間違われるのは事実ですからね
純粋な勘違いを怒ったりなんかしませんよ」
セイ「ありがとうございます…」
ロラン「そんなに怯えないでくださいよ。…大丈夫、次から間違えなければいいんですから。次から」
後半、また黒いものが出てきているような気がしたが刺激するのはまずい気がしたので
セイ「は、はい…」
292 名前:新たな住人・中編 7/12 :2014/04/06(日) 12:23:21.62 ID:???
アムロ「き、気を取り直して自己紹介の続きだ! 次、カミーユ!」
カミーユ「
カミーユ・ビダン・ガンダム。…言っとくけど女じゃないからな!」
セイ「わ、わかってます。はい」
中性的な顔立ちをしているが、男だということは一目でわかった。ロランは例外中の例外なのだ。
カミーユ「趣味は…MSの操縦かな。空手とかプチ・モビもやってる」
しかも多芸な人であるらしい。女の人にモテるというのはこういう人なのだろうかとセイはなんとなく思った。
カミーユ「悪い、それ以外はあまり話すことが浮かばない。よろしくな」
セイ「お願いします!」
シーブック「
シーブック・アノー・ガンダム。カミーユやロランとは同い年で趣味はパン作り。
色々と大変だろうけど、困ったら言ってくれ。出来る限り力になるから」
セイ「ありがとうございます」
シン「
シン・アスカ・ガンダム。趣味はカミーユ兄と同じでMSの操縦と…あとバイクかな」
セイ「なるほどアドラステア」
一部の界隈で有名なバイク戦艦を思い浮かべてセイは言った。
シン「いや、それは違う。断じて違う」
セイ「じゃあメガライダーですか? まさかの戦斗バイクシリーズとか…」
この家はそんなところまでカバーしているのかと戦慄するセイを制止して、シンは必死に説明した。
293 名前:新たな住人・中編 8/12 :2014/04/06(日) 12:26:20.97 ID:???
シン「いやいやいや、違うって! 俺が跨って乗る人間用のやつなの!」
セイ「そうなんですか。すごいですね…今じゃエレカやMSが主流なのに」
シン「ま、それは同意するけど。バイクにはバイクの良さがあるんだよ」
ドゥカー「よく言った少年!」
レンダ「地上をバイク乗りの楽園にしよう運動へのご協力をお願いいたしまーす!」
誰かが轟音に負けぬ大声で叫びながら、家の前の道路を走り去っていった。
その声にマイが少し反応していたが、それに気付いた人間はいなかった。
セイ「…今誰か通りませんでした?」
アムロ「気のせいだろ」
シロー「初日だからな、疲れてるんだろ」
シン「俺は見てないし聞いてない。女と二人でバイクに乗って飛んでるオッサンなんて見ちゃいないんだ」
セイ「そ、そうですね…ナンセンスですよね」
シン「今日くらいはツッコミは勘弁してほしいよ…ほんとに」
疲れた様子でつぶやくシンの表情は、実年齢以上に大人に見えた。
295 名前:新たな住人・中編 9/12 :2014/04/06(日) 14:49:15.02 ID:???
キラ「次、僕の番ね。キラ・ヤマト・ガンダムだよ。そこのシンとは同い年だけど、僕の方がお兄さんなんだよ」
実の兄弟のように育った同年のカガリに弟扱いされているので、兄という言葉には少し敏感なキラであった。
セイ「へえ…」
シン「実際はどうかわかんねーのに、勝手に言ってるだけだろ…」
ぼそりと呟いたが、聞こえていなかったのかそもそも気に留めていないのか、キラは得意げに続けた。
キラ「ふふん。で、趣味はパソコンいじることかな。あとはDVD鑑賞。よろしくね」
刹那「刹那・F・セイエイ。ソレスタルビーイング所属の
ガンダムだ。趣味はガンダムで、そして俺がガンダムだ」
アムロ「刹那、もうちょっとわかりやすく説明は…」
セイ「なるほど、あなたがガンダムですか」
刹那「アムロ兄さんほどではないが、ガンダムだ。お前は
ガンダムなのか?」
セイ「MSには乗れないけれどガンプラについてならばガンダムと胸を張って言えるつもりです。具体的にはビルドストライク」
刹那「そうか、それは僥倖。お前もガンダムというわけだ。同じガンダム同士、ガンダムだ」
セイ「ガンダム!」
刹那「ばんざぁぁぁぁい!」
296 名前:新たな住人・中編 10/12 :2014/04/06(日) 14:51:29.13 ID:???
二人はよくわからない合言葉とともに堅い握手を交わした。
ヒイロ「意味不明な言葉で通じている。何かの暗号か。しかしあの二人に面識はないはず…」
ロラン「僕にはまったくもって意味がわかりませんが、通じてるんでしょうか…」
アムロ「通じてるんだろうなあ…波長は合ってるみたいだし」
マイ「ガンダム語は奥が深いですね。次、ヒイロくんの番ですよ」
ヒイロ「俺か。…俺の名は
デュオ・マックスウェル」
シン「おい!?」
セイ「えっと…デュオ兄さん?」
ヒイロ「冗談だ。本当の名はトロワ・バー」
アムロ「ヒイロ」
ヒイロ「………すまない、兄さん。
ヒイロ・ユイ・ガンダムだ。特に話すことはない」
セイ「そ、そうですか…」
アムロ「すまない、こいつはちょっと口下手でね。こいつなりの冗談だと受け取ってほしい」
セイ「いいですよ。…ところでヒイロ兄さん。自爆はお好きですか?」
ヒイロ「好きだが。なぜそれを知っている?」
297 名前:新たな住人・中編 11/12 :2014/04/06(日) 14:55:37.03 ID:???
セイ「
月刊自爆の表紙にあなたの名前があったので」
ヒイロ「…そうか」
セイ「で、今度作るガンプラに自爆装置を準備しようと思うんですが、専門家の兄さんの意見を聞きたくて」
ヒイロ「特にはないが、一つ忠告がある」
セイ「なんです?」
ヒイロ「死ぬほど痛いぞ」
セイ「AHAHAHAHAHAHAHA!」
刹那「一見して意味のわからない問答で分かり合っている。さすがはガンダムだ」
マイ「…自爆にも適正あり、と」
ロラン「何メモってるんですか、マイ兄さん…」
アムロ「適応力はある…のか?」
ガロード「気を取り直して! 俺、炎のモビルスーツ乗りガロード・ラン・ガンダム! よろしくな、セイ!」
セイ「よ、よろしくお願いします」
298 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/04/06(日) 15:11:00.71 ID:???
ガロード「そうだ、お前の作ったガンプラ今度見せてくんない? 出来によっては結構な値段で――」
アムロ「ガロード!」
ガロード「へーい!」
ジュドー「俺は
ジュドー・アーシタ・ガンダム。ジャンク屋やってるから、入用の時はぜひともごひいきに」
ロラン「ガロードとジュドーはお金に汚いところがあるので、調子のいいことを言ってきた時は注意してくださいね」
にこやかなジュドーとは裏腹に少し険しい顔でロランが耳打ちしてきた。
セイ「は、はい…」
フリット「
フリット・アスノ・ガンダムだよ。救世主を目指してるんだ!」
セイ「…は、はあ」
紹介だけ聞くとアブない人にしか思えないが、なんとなくスゴいものになりたいというニュアンスは伝わった。
キオ「僕、キオ・アスノ・ガンダム! 趣味はゲームと首狩りと、あと
ガンプラバトル! 今度一緒にやろうよ!」
一つだけきわめて不穏な単語があった気がしたが、セイは気のせいだと思うことにした。
ウッソ「僕は
ウッソ・エヴィン・ガンダム。趣味は…いろいろあるけど、一番は農業かな」
セイ「ウッソに…キオ?」
アムロ「どうした、セイ」
最終更新:2016年03月13日 20:14