Machine Heart ◆ApriVFJs6M
「君っ……! まだ走れるか……!」
「走りには自身があるから大丈夫よ!」
「それは重畳、とにかく走るぞ……うおっ! 今横を何かが掠めたぞ!」
「当たらなくてラッキーねっ! 当たったら一発でお陀仏よっ」
廃墟の街を二人組みの男女が走っている。
地面のアスファルトはひび割れて、隙間から無造作に雑草が多い茂る道路。
昔ながらの塀のある民家も朽ち果て塀の一部が道路にまで崩れており、走りにくいことこの上ない。
何十年も放置され、朽ちた街はまるで迷路の様に当たり一面に広がっている。
そんな廃墟の街を駆け抜ける学生服の少女と仮面を付けた怪しげな男。
少女の名は藤林杏。
仮面の男の名はハクオロと言った。
彼女達は執拗に追いかけてくる追跡者から必死に逃れようとしている。
複雑に入り組んだ道や路地が助けになっているというものの一向に追跡者から逃れられず、徐々に追い詰められかけていた。
やがて――
「ウソ……行き止まり……?」
「万事休すか、ならば私が囮になってその間に――」
「馬鹿っ! そんな分かりやすい死亡フラグ立てないでよッ! 何か……何か――!」
そして杏は道端に打ち捨てられ古びたそれを見つけた。
幸いにも鍵は刺さったまま。
後はそれが動くかどうか――
「鉄の――ウマ……?」
「ハクオロさん! 後ろ乗って!」
「あ、ああ……!」
ハクオロは杏が跨るそれの後ろに乗る。
そして杏はそれの鍵に手に添えて祈った。
「お願い……! 動いてぇぇぇぇーーーーーーーーー!!!」
■
訳の分からないままこの島に放り出された杏。
気がついたら変な部屋に押し込まれ、天使のようなコスプレをした男に殺し合いを命じられた。
デイバッグと一緒に支給された名簿には知り合いの名が記されている。
その中には双子の妹である椋の名も載っていた。
まずは妹と知り合いを探そう。
杏は廃墟となった街を一人歩いていた。
仮に他の人と出会ったところで相手も自分と同じ立場のはず。
いきなり拉致され殺し合えと命じられて、それに簡単に従うとは思えない。
出合ったそばからこちらに危害を加えるようとする人間なんてまずいない、そう踏んでいた。
だから支給された武器――回転式弾倉を持ったグレネードランチャーは殺傷能力の無い
閃光弾を装填しておいた。
弾薬は閃光弾の他に榴弾と焼夷弾。閃光弾以外はどれも人を殺すのに十分すぎる兵器だった。
コレを使う機会が来ませんように――
杏はそう願いながら歩く。
すると無人の街の電信柱の向こうからこちらを伺う人影があった。
(うわっ……どうしよう……)
引き返したい。
でも相手が凶悪な人間だったら背中を見せたらズドンと撃たれるかもしれない。
とは言えこちらも物騒な武器を手に持っている。相手を警戒させてしまうのも無理はない。
だが……電信柱からこちらを伺う影はどうみても怪しさ満点だった。
影の正体は少々風変わりな和服をを着た男。
まるで時代劇の世界から抜け出してきたような古めかしい衣装を纏い、
そしてなによりも怪しさを引き立ててるのがその男の顔の鼻から上を覆う鬼のような仮面だった。
(どう見ても変質者丸出しじゃない……)
いくら相手が変質者とはいえ、いきなり榴弾を撃ち込むのは躊躇われるし、それ以前に殺人犯になりたくない。
どうしようかと相手の出方を伺っていた杏だったが、意外にも相手からこちらにコンタクトを取ってきた。
「あー……すまない君を驚かせてしまったようだ。私は決して君に危害を加えるつもりじゃない。だからそれを降ろしてくれるとありがたいのだが」
「そんな変な仮面付けてる人に『危害を加えるつもりはない』と言われても信じられると思う?」
「くっ……確かに私は見た目は怪しいが決して怪しい者ではない!」
「日本語になってないわよそれ」
低めの声が渋さをかもし出している仮面の男は少しむっとしたような声色だった。
どうやら見た目の怪しさは本人も自覚しているようらしい。
「……はいはいわかったわ。その代わり腕を上げて頭の後ろに回してこっちに来て。変なコトしたら承知しないわよ」
「わかった。これでいいだろうか?」
そう言うと仮面の男は手を頭の後ろに手を回して近づいてくる。
「……どうやら本当に、怪しい人間じゃないようね」
「だから怪しい者ではないと言っているだろう」
「まあ、それもそうだけど。あなたその気になればいつでもあたしをどうとでもできるでしょ? でもそうしないと言うことはそれなりに信用できる人のようね」
所詮まともに銃を握ったことのないただの女子高生である杏。
それに比べ目の前の男は素人目からでも相当な修羅場を潜っていることが伺える。
例え向こうが丸腰であっても杏を無力化するのは造作もないことだろう。
「あたしは杏。藤林杏よ。杏と呼んでくれて結構よ」
「……それなりと言うのが気になるがまあいいだろう。私はハクオロ、トゥスクルの皇(ウォルォ) だ」
「えーと、ごめん。あなたが何言ってるのかわかんないんだけど……」
「聞こえなかったのか? 私の名前はハクオロだ」
「いや、その後」
「だからトゥスクルの皇(ウォルォ) だ」
聞いたこともない単語に混乱する杏。
トゥスクルのウォルォ?
日本語でOK?
いや、きっと細かいことは気にしないほうがいいのだろう。
わざわざ下手に勘ぐってハクオロの機嫌を損ねなくてもいいだろう。
「……まあいっか。よろしくねハクオロさん」
「ああ、よろしく頼む杏」
二人はお互いこれまでの経緯を説明し合う。
だがハクオロもまた、突然知り合いとともにこの島に連れて来られただけだというのだ。
ちなみにハクオロの説明によりトゥスクルのウォルォという単語がトゥスクルという国の国王を意味することを杏は知ることになった。
「へー……国王ねえ……とてもそうは見えないんだけど」
「よく言われる」
「あはっ、やっぱりその格好気にしてるんだ」
「悪かったな」
「ところで……なんであたし達。言葉が通じているんだろ」
「「…………」」
二人して黙りこくる。
見たことも聞いたことのないような国の人間が日本語を話している。
どう考えても不可解な出来事だった。
「――あの、そこの方々。少しよろしいでしょうか」
二人の沈黙を破ったのは妙な耳飾りを付けた穏やかそうな女性だった。
(なっ……この女……!)
ハクオロは突然現れた女に警戒心を無意識に抱いた。
年の頃はエルルゥとそう変らないように見える少女。
どことなく雰囲気も似てるかもしれない。
だがハクオロが警戒心を抱かせたもの――それは彼女の気配だった。
気配が全くしない。
動物であれ人間であれ生きている者には必ず気配が付きまとう。
熟練した暗殺者等ならある程度自らの気配を断つ者がいてもおかしくないが、それでも完全に、この少女にように気配が全くしないというのはありえない。
いや、気配という以前に彼女からは生気を全く感じさせない。
見た目は普通の人間と変らないのに―そう、まるで人形を相手しているような。
(杏……!)
ハクオロは小声で杏に囁く。
杏もまたかなりの警戒をしていた。
彼女はまるで鉄の塊みたいな長大な銃を右手にぶら下げている。
とても非力な普通の女性では片手で持てそうにない物。
そしてさらに異様だったのは彼女の肩から腰に巻きつけられたそれ。
まるでどこかのベトナム帰りのワンマンアーミーのように給弾ベルトをたすき掛けにしている。
もちろんそのベルトの先は右手の銃と繋がっていた。
銃を知らないハクオロとて、彼女の異様さは肌で感じ取れていた。
「あの……姫百合珊瑚と姫百合瑠璃という方をご存知ないでしょうか?」
「ご、ごめんなさい。あたしは知らないの。ね? ハクオロさん」
「あ、ああ……私達も今初めて会ったばかりなんだ。その二人のことはし、知らん」
「そうですか……」
少女は少し寂びしそうな表情を見せていた。
そして哀しそうな笑顔を浮かべ――
「申し訳ございません。本来なら人間を傷つけることはあってはならない事ですが……私は……! 私がお仕えする主のために――」
彼女は銃口を二人に向けて――
「ハクオロさん! 目を閉じてぇぇぇーーッ!」
「杏……!? ……うぉぉぉぉぉぉっ!」
「な……きゃああああああああッ!!」
あたり一面が白い閃光に包まれる。
まるで全てを焼き尽くすような白光が周辺を包むも熱も爆風も押し寄せてこない。
杏は咄嗟の判断で少女が引き金を引く前に閃光弾を放っていた。
「ハクオロさんっ走ってっ!」
「あ、ああっ……!」
少し目が眩むもののハクオロはしっかりとした足取りで杏ともに走る。
後ろに目をやると閃光弾にまともに目を焼かれた少女が悶え苦しんでいる。
あれではしばらくまともに動くことすらできないだろう。
この隙に――
「ウソっ……もう動けるなんて……っ!」
「なんなんだあの女――」
確かに相手はまともに閃光弾を受けたというのにもう起き上がり、こちらを追いかけて来ている。
とても人間とは思えない行動を見せる少女だった。
■
「くっ……光学センサーが……! ――視界を一時的に赤外線センサーに変更……!」
真っ白に染まった視界が急に青や緑で彩られた風景に切り替わる。
彼女のカメラアイに映し出された景色の中、遠ざかる赤い影。
先ほどの二人組が遠ざかっていく。
「瑠璃様、珊瑚様……申し訳ありません。だけど私はどんな謗りを受けようともあなた方を――我が主をお守り致します。
その為にはこの銃把を握り、我が主の盾に……いや剣となる覚悟……!」
こんなことになるなら心など持って生まれてこなければよかった。
人に危害を加えてはならない。ロボットとして最低限の原則。彼女はそれを破ろうとしている。
そう命令された訳でもなく。
そうプログラムされた訳でもなく。
愛する主を生き残らせるために自らの意志をもって禁を犯す。
なぜ我が主は自分に自由意志という名の知恵の実を授けてしまったのだろうか。
初めから殺人機械として作られていればどれほど幸せだっただろうかとHMX-17a――イルファは苦悩する。
だが容赦はしない。
これから殺そうとする相手に憐憫の情を持ってはいけない。
そうしてしまえば何のために剣となる覚悟を決めた意味がない。
故に無慈悲に彼らに鉄の火を浴びせよう。
それこそが彼らに対する唯一の手向けだと――
ロボットであるゆえに彼女は普通の人間を凌駕した動きで二人を――杏とハクオロを追い詰めてゆく。
複雑に入り組んだ地形が追跡を拒もうとも、イルファに搭載された赤外線センサーが二人の体温の残滓を探し当てる。
カメラアイが二人の姿を捉える。
視界に丸い照準が現れ二人をロックした。
そして銃を放つ。
高速で飛来する鉄の礫はハクオロ掠めてコンクリートの塀を砕き白煙を上げる。
「……風向き、相対速度、移動における腕部マニピュレーターのブレ、銃の反動を考慮に入れて再計算後照準修正――次は当てる!」
次は確実に当てる。
イルファの赤外線センサーの視界には二人の移動の足跡がはっきりと映し出されている。
二つ目の角を右に曲っていた。
これで決着を付ける――そう思ったイルファの音響センサーが見慣れぬ音を感知した。
甲高い爆音。
それはこちらに向けて近づいてくる。
「車……? 違うこれは――!」
狼狽するイルファの前――交差点から一台のミニバイクが猛スピードで飛び出してくる。
「どいたどいたぁぁぁぁぁぁぁ!!! 轢き殺されなかったら道を空けなさいーーーーーー!!」
「うおおおおおおおおおおおおッ!!!」
ミニバイクに跨る杏と彼女に必死にしがみ付くハクオロ。
鉄の馬は風のように呆然とするイルファの横をすり抜け走り去って行った。
■
「あっはっはっ! どうよこれに追いつけるモンなら追いついて見なさいっての!」
杏は高笑いを浮かべてミニバイクを運転する。
いくら相手が化物めいた身体能力を持っていたとしても最大時速60km/hで巡航するミニバイクに追いつけるはずがない。
「しかし……乗り心地はなんとかならんか……ウマ以下だぞ」
「しょうがないでしょー原付は二人乗りするように出来てないの!」
杏は広い道をひたすら走る。
とにかくあの追跡者が追ってこれないような場所まで。
「なあ杏……変な音聞こえないか」
「えっ何聞こえないーっ?」
ハクオロの耳は確かに背後から徐々に近づく爆音を感じ取っていた。
まさかあの女が――そんなはずはないと振り返ったハクオロの目はとんでもないものを目撃する。
杏が駆るミニバイクとは比べ物にならない重量感と大きさを誇る鋼鉄の馬。
雷鳴のような唸り声を上げるエキゾースト音を轟かせて二人に迫る鉄塊。
国内最大の排気量は下手な車並みの1600cc以上を誇り、出力は200馬力に達する化物バイク。
その暴力的な加速は200km/hをゆうに超える。
その名はV-MAX。
そんな暴れ馬を手懐け上に跨る少女――イルファの姿あった。
「マ、マジ……で……」
サイドミラーに映るそれを見た杏は血の気が引いた。
あんな物がまさかこの島に置いているなんてあの羽の男は何を考えているんだ――
「杏! 追いつかれるぞ! もっと速度でないのか!」
「無理よ無理無理無理!! 50ccしかない原付なんてどんだけ回したところで60キロが限界よッ!」
「う、撃ってきたぞ! 右、右に避けろ!」
ハンドルを即座に切って右に移動する。
さっきまで走っていた場所に銃弾の暴風が通り過ぎる。
「ひ、左だ左に避けろぉぉっ!!」
「こぉぉぉんちくしょぉぉぉぉぉぉ!!」
辛うじて回避するもイルファのV-MAXはどんどん差を詰めてくる。
「ハ、ハクオロさん! あたしの! あたしの銃を使って! 弾を普通のやつと入れ替えて!」
「どうやって使うんだ……!?」
「何でそんなことも知らないのよぉ……! 狙いを付けて引き金引くだけよっ!」
ハクオロは振り落とされないように杏の荷物からグレネードランチャーを取り出す。
「こ、ここを引けばいいんだな!」
「その中は閃光弾だから効果ないわ! 荷物の中に他の弾があるからそれで!」
「どれだ……どれがそれなんだ……! ええい、君に決めたっ!」
ハクオロはぎこちない手つきで弾倉の中の弾丸を別の物に入れ替える。
そして銃口を背後から迫るイルファに向ける。
「景気よく五発全部撃つのよーーーーーーーーー!!!!」
「わ、わかった……! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
向けられた銃口から飛び出す榴弾。
着弾と同時に爆発が広がってゆく。
続けざまに放たれる榴弾の嵐。
そのうちの一発が運よくイルファのバイクに着弾した。
「なっ――きゃあああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーー!!」
「いよっしゃああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーー!!!」
ガソリンに引火し爆発炎上し炎に包まれるV-MAX。
燃え盛るバイクは地面を転がり完全に大破した。
バイクはなおも火の勢いを弱めず黒煙を噴き出している。
あれだけの爆発だ。おそらく乗っていた少女の命は――
「でも……いくらあたし達を狙ってたとはいえ後味悪いわね……」
「何、君が気に病むことは無い。手を下したのは私だ」
「うん……」
背後に大破したV-MAXを残して走りさる杏のミニバイク。
あれだけの爆発があったのだ。音を聞きつけて人が寄ってくる可能性がある。
できる限り遠くへ離れたいのだが――
「あちゃー……もうすぐガス欠じゃない」
燃料タンクの残量は限りなくEに近い値を示していた。
ガソリンが無くなるのも時間の問題だろう。
「つまりどういうことだ?」
「もうすぐ走れなくなるってわけよ……しょうがないわ、これで行けるところまで行きましょ」
「そうだな……」
杏とハクオロが乗るミニバイクはガソリンが尽きるまで街道を西に向って進むのだった。
【時間:1日目午後2時ごろ】
【場所:B-2】
藤林杏
【持ち物:ミニバイク(ガソリン極僅か)、水・食料一日分】
【状況:健康】
ハクオロ
【持ち物:
エクスカリバーMk2(0/5)、榴弾×15 焼夷弾×20 閃光弾×19 不明支給品、水・食料一日分】
【状況:健康】
■
杏とハクオロが遠く去ってしまってもなお赤い炎が燃え盛っている。
ゴムのタイヤが焼ける嫌な臭いが辺り一面に漂いバイクの残骸は炎と黒煙に飲み込まれている。
誰が見ても酷い事故の現場、このバイクに乗っていた者は確実に生きてはいないだろう。
そう、普通の人間ならば――
ザッと砂利を踏みしめる音が炎の中から響く。
赤く揺らめく業火の中に佇む黒い影。
その炎の中に炎の赤とは違う機械的な赤い光が灯っていた。
そして炎の中から少女が――少女の姿をした機械人形が現れた。
「くぅ……システム損傷チェック――各センサーに異常なし。駆動系及びメインフレームに軽微の損傷が見られるも活動に支障は無し。
行動に支障がないのは幸いでしたが――」
奇跡的に軽微の損傷で事無きを得たイルファだった。
念のためもう一度駆動部のチェックを行う。
右手の手の平を二度三度、握り締める。動きにぎこちなさは全く見られない。
だが右手を動かす度にキュィィンと機械的な駆動音が鳴り響く。
イルファの右腕と右足の人工皮膚と人工筋肉の大半が焼け落ち、内部の銀白色の機械部分が露出してしまっていた。
歩くごとに普段は聞こえない駆動音が音響センサーに響く。
否応なしに自分が機械であることを自覚させられる。
「その代わり人工皮膚の三割を喪失ですか……」
バイクから折れて飛んでいったサイドミラーの残骸を覗き込むと気が滅入る。
イルファのその美しい顔の右半分は無残に炎で焼け爛れ、人の頭蓋骨を思わせる機械的な装甲が露になっていた。
右目があった場所に赤く灯る剥き出しのカメラアイ。
ほぼ無傷の顔の左側と相まって異様さを際立たせていた。
酷い姿だ――まるで映画に出てくる未来から来た殺人機械のような姿だ。
人の心を持っていながらこのような異形の姿を晒さなければならないのが苦痛だった。
(いや……禁を犯した私に相応しい姿ですね)
イルファは辺りに飛び散った自分の荷物を拾い上げる。
銃も特に異常はない。弾薬も豊富に残っている。戦闘に何ら支障を及ぼすことはない
イルファは空を仰ぐ、光学センサーに切り替えたカメラアイに綺麗な空の青が映しだされている。
彼女は祈る。
大切な主の無事を祈って。
大切な家族の無事を祈って
魂の無い自分に祈るという行為が許されているかわからない。
もし魂があれば望んで地獄に堕ちよう。
その覚悟は出来ている。
「神様――魂のない私があなたに祈る資格はあるんでしょうか――」
【時間:1日目午後2時ごろ】
【場所:B-3 東部】
イルファ
【持ち物:、
M240機関銃 弾丸×432 水・食料一日分】
【状況:軽症】
最終更新:2011年09月03日 10:12