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それは特に、前触れが在った訳じゃなくて、
きっと、当たり前の事だったはず。
なのに私は、触れたくなかったんだ。

「……」
「ともちゃん」
「…………」

どうってことはない、と。
そうそう悪い事は重ならないはずだ、と。
思っていて、なのに触れない、それに触りたくなかった。

「ね、ともちゃん」

無意識に避けていたんだ。きっと私は、目を逸らしていた。
だけど、そんな逃げは、やっぱり長くは続かない。
その時は、いずれやってくる。

「ん、どうした、小毬?」

旅立ちの時。
私達が今にも腰を上げようとしていたはずの、その時。

「そろそろ、見よっか」

彼女は、向き合っていた。

「見るって……何を?」

ついに、私が避け続けていたその言葉を、

「……名簿」

私に、言った。

「…………」

黙り込む私に、告げたんだ。

「いつまでも、見ないわけには……いかないよ」
「……そう、だな」

本当の、『始まり』を。


◇ ◇ ◇


木漏れ日が、わずかに降り注いでいる。

森の少し開けた場所。
ゴロゴロと転がる、大き目の石を椅子にした。
私――坂上智代と神北小毬は、隣り合って腰掛けた。

私達のいる森の中では、いまいち時間の流れが掴みにくい。
多分、まだ夕方と呼ぶには早い時刻のはずだ。
そのはずだ。

そんな中で、私は見た。

最初は、愕然とした。
最悪の想像が幾つも浮かんできて、胸の奥底から吐き気がこみ上げてきた。
心が絶望に染まりそうになった。

次に、焦燥に駆られた。
今すぐにでも、ここから走り出したい衝動だった。
でも、それだけはしちゃいけないって、分っていた。

だから、なんとか押さえ込んで、耐えて、耐え切ったとき、
私は、ようやく、無力感に打ちのめされたのだ。
自分がどれだけ、弱く、矮小な存在かを実感していた。

髪を掻き揚げるようにして、手で顔を覆う。
すると、ぐるぐると、真っ黒い渦が目蓋の裏に映る。
目を閉じても逃げ場は無い。気持ち悪い。
悪意の螺旋が見える。
今の私は、そこに飲み込まれそうになっていた。

しばらく、沈黙だけがここにあった。
話さない。口を開かない。
私も、小毬も、何も言わない。

それでも分った。
きっと、小毬も、直面したんだろう、現実に。
過酷な現実を、見たんだろう。

私と同じように、かは分らない。
少なくとも私は……これが夢であって欲しいと、心から望んでいた。

「……ともちゃんも……いたんだね」

口火を切ったのは、彼女が先立った。
その口調は断定的だった。
彼女もまた、私の沈黙から、何かを感じたのか。

「…………ああ、いたよ」

私は、ただ小さく、事実を認める。
握り締めた名簿の中にあった、その名前達を心中で反芻しながら。

「友達や、知り合いが、いたよ」
「そっか……私の友達もたくさん、つれて来られてるみたい」
「……どれくらい?」
「10人くらい、かな。みんなみんな、お友達」

どうやら小毬は、私よりも友人が多いようだった。
確かに、好かれそうな性格をしている。
何事も楽しむ性格で、それでいて、
一緒にまわりを楽しくさせるような、そんな明るさを持っていると思った。

「そっか……」

呟いて、私は、空を仰ぐ。
手に持っていた名簿を、ぱたんと閉じる。

「それじゃあ小毬は……これから、どうするんだ?」

そうして、聞いた。
先ほど一緒に決めたはずのことを、私は聞いた。
彼女の顔を見ずに、彼女の思いを問いかける。
知らず、私の声は震えていた。

「私は……」

けれど、返された彼女の声は、私のように、震えてはいなかった。
ただ、あのほわほわした話し方はなりをひそめ、真っ直ぐで芯のある声。
決意みたいなものを感じさせる。そんな純真な声で、彼女は答えた。

「私はみんなを……私の友達を信じてるよ」
「そう……か」
「うん。だからみんなを、探そうって思うんだ……」

小毬は、いつもの声の調子で言った。
私を励ますように。

「みんなで力を合わせたら、だいじょ~ぶ、だよ」

だけど私は、その声に応えられない。
応え……られないんだ。

「そっか……小毬は強いんだな」

そんな私の言葉に、小毬が首を振る気配がした。

「ううん。私一人じゃそんなに強くないよ。でもみんなが集まれば、とっても強いから……」

確信を込めて、彼女は言う。

「ううん。それどころか、みんなが集まれば、さいきょーなのです!
 それが、リトルバスターズ!
「リトル……バスターズ?」
「うん! リトルバスターズ! 正義の味方。私の友達。
 私だって、今はその一人。
 だから私も、戦うんだ。みんなと一緒に、力をあわせて、ね」

その声は、信じていた。
確信していた。
友の強さを、人の強さを。

「それだけじゃないよ。私の友達だけじゃない。ここで新しい仲間を集めるの。
 私の友達、ともちゃんの友達、新しい友達、みんなみんな、たくさん集めて、友情ぱわーでごー、なのです!
 そしたらきっと、なんとかなるよ」

友情を、彼女が言っていた、みなぎる友情というものを。
人の心を、本心から信頼する、小毬の言葉はやはり強い。
優しく、穏やかで、そして力強かった。
顔を見なくても、ひまわりのような笑顔を想像できた。

「……そっか、それじゃあ……はやく、見つけないとな」

言って、私は名簿を自分のディパックの中に入れる。
ディパックを抱えて一人、立ち上がる。

「とも……ちゃん?」

私は、彼女に背をむける。
表情を見られないように。
これ以上、その強さを見ないように。

「ごめんな、小毬。私やっぱり、お前と一緒に行けないよ」
「ふぇぇぇ!? ど、どうしてなのかな!?」

驚く小毬の声が背中に届く。
それは、そうだろう。
さっきまでは、一緒に行くことが決まりきってたのに、
急にこんな事を言い出したんだから、驚くに決まってる。
でもごめんな。私には、駄目なんだ。

「私は……小毬ほど、強くないんだ」
「ふぇ? そんなことないよ、ともちゃんは強いよ。さっきだって私を助けてくれたし……」

その天然っぷりに、ちょっと苦笑いする。
鈍いのか、鋭いのか、案外掴みどころのない子だ。
そこがなんだか可愛いんだけど。
でも、違うんだ小毬。そういう強さじゃないんだよ。

「……弟が、いたんだ」
「ふぇ?」
「坂上鷹文。きっと、私の弟だ」

『きっと』なんて表現を入れたのは、それが名前だけしか名簿に記されていなかったから。
苗字が伏せられていたからで、
だからきっと小毬も、一見して気がつかなかったのだろうけど。

「…………あ」

でも、どうやら、これで彼女にも伝わったらしい。

「そういう、ことだ」

黙してしまった彼女へと、私は言葉を続けた。

「駄目なんだ。
 私は……お前みたいに、人の強さを信じることが出来ないんだ。
 あいつだけは……鷹文だけは、私が守らなくちゃいけないから」

私には到底無理なんだ。
名簿にあった弟の名前を、その無事を、無条件に信じるなんて。
降りかかる悪意や敵意を、無いと断言する事なんて。
無事に、生きていてくれる、きっとなんとかなる――なんて、信じきることは出来ない。

「多くの者には、荒れない理由がある。
 小毬には……それが分るか?」

私は、振り返らないまま、彼女に問いかける。

「……家族や、お友達がいて、そんな毎日が楽しいから……かな……?」

そして、彼女は正解を口にした。

「うん、そうだな。だから大抵の人は、穏やかに毎日を生きていける。でも、私にはそれが出来なかった。
 毎日が楽しくなかった、辛かった。私の毎日を支えてくれる人がいなかった……暖かい家庭が……無かったんだ。
 だから私は、荒れたよ」

そう、私は荒れていた。
荒んだ家庭の中を育って、いつの間にか私も荒んで、堕落していた。
毎日を暴力に浸らせて過ごした。
自ら無為な戦いの中に飛び込んで、
毎日毎日、誰かと喧嘩して、喧嘩して、喧嘩して、そして負けなかった。

「数え切れないくらいの人と戦って、そして勝った」

常勝無敗。
正しくその一言を体現した。
ああそういえば私は一度も、本当にただの一度も、敗北した事が無い。
もしかすると私は……心のどこかでは、負けたかったのかもしれない。
そうして、終わらせたかったのかもしれない。
それを望んでいたのかもしれない。だけどそうはならなかった。
なぜなら、幸か不幸か、私には『強さ』があったのだ。

「私は無駄に強かったんだ」

無価値の『強さ』が私にはあった。
それは、ただそこにあるだけの、底なしの、獣の様な、ただただ破壊する事にのみ特化しすぎていた、『強さ』、としか形容できないもの。
才能……なんて呼んでいいような、代物じゃない。化け物じみた強さ。
偶然そういうものが、私の中に在ったという、それだけだ。
とにかく、結果として、私は勝ち続ける日々を生きた。
幾つもの人間を打ち倒して、戦って倒して戦って倒して戦って倒して勝って勝って勝って勝ち続けて。
だけどその戦いで、終ぞ何も、得たことは無かった。

「荒れた家庭。荒れた私。家族はバラバラで、粉々で、もうどうしようもなかった。壊れていく一方だった。
 私には、何も出来なかったんだ」

それでも私は馬鹿みたいな戦いをずっと続けた。
八つ当たりみたいな、無意味で、何も変えられない。本当に欲しいものは何一つ得られない。
そんな戦いと勝利を繰り返して止まらない。止められなかった。
喧嘩なんて表現は、本当は生ぬるい。真実潰しあいの世界の中で私は生きる。
私には、そんなことしか出来なかった。

「だけど……弟は違ったんだ」

坂上鷹文は強かった。
私に出来なかったことを、あいつは一人でやってのけた。

「あいつは自分の命をかけてまで、家族を変えようとした」

実際、その日を境に家族は変わった。
私もまた、変わる事ができた。
死んでいく家庭が、再生したのだ。
弟の怪我みを代償にして、鷹文だけが、傷を負って。

「私は全てを諦めていたんだ。嫌な事から目を逸らしていた。今だって、きっとそうだった。
 幾ら強くたって、幾ら人を傷つける事に長けていたって、それしか出来ない。
 だけどあいつは最後まで信じていた。そして、気づかせてくれたから。
 本当の強さは、鷹文や……小毬、お前みたいな人が持ってる。他人の心を、変えられる強さなんだ。
 自分を見失わない、そういう強さなんだ。だから私は、変ろうとした。変ろうと、していた」

そのために、一つの目標があった。
私は生徒会に入る。
そして、私も何かを、変えてみせると決めたのだ。

「だけど……私は……私には……やっぱり無理みたいだ」

小毬のようには、出来ない。
鷹文のようには、出来ない。

「私は……鷹文を守りたい」

私はどうしても、それだけは譲れない。
もう二度と、私は失いたくないんだ。
あの日、あいつが家族を変えるために、車道に飛び出した日。
私がかけがえの無いものを失わずにすんだのは、奇跡だった。神様がくれた奇跡だったんだ。

「だけど私には、この状況で、信じられない。
 他人の心を、信じきることが出来ないよ……」

あいつは今、再び車道(死地)にいる。
いつ殺されてもおかしくない場所にいる。

確かに、小毬が言うように、何とかなるかもしれない。
今あいつの近くにいる誰かが、助け起こしてやるかもしれない。
あいつ自身が、自分で生き抜くかもしれない。

だけど、そこに再び車(悪意)が来ないと誰が言い切れる?
そして今度も怪我で済むと、誰が言い切れる? 少なくとも、私には無理だ。
きっと奇跡に二度目は無い。そう思う。
今度こそ、あいつは轢き殺されてしまうかもしれない。
誰かの悪意によって、今度こそ私は失ってしまうかもしれないんだ。
いま、この瞬間だって、私の弟が死んでいくかもしれないんだ。
そう思うと……。

「耐えられないんだ。家族を失うことだけは、耐えられない。
 今度は私が弟を守る番なんだ。私が家族を守る番なんだ。
 あの日、命をかけたあいつのために、今度は私が……!」

鷹文を守るためなら何でもしよう、そう思う。

「私が、傷を背負わなくちゃいけない……!」

そして、またしても、幸か不幸か。私には『強さ』があった。
人を信じる強さも無いくせに、人を傷つけて、打ち倒す強さがあった。
私の嫌いな、強さがあった。一つの手段を、手にしている。
それでも、私は……例え間違った方法だとしても。
それしか方法が無いのなら……私は……。

「だから私は、小毬といっしょには行けない。
 一緒には、いられないよ」

まだ決断はできない。
どうすればいいのか、踏ん切りがつかない。
それでも、私は揺れている。
揺れ続けている。そんな弱さに、小毬を巻き込めない。

「ごめんな」

私は一人で行く。
ここまで言うやつと、小毬だって一緒にいたくないはずだ。
負担をかけたくも、ない。だからここで、お別れだ。

私は、一歩、踏み出した。
小毬を残して、その場を後にする。
ここから先は自分ひとりで結論を出して、そして動こう。
そう、思っていた……のに。

「……小毬」

私は、二歩目を、踏み出せなかった。

「放してくれ」
「……だめだよ」

小毬の腕が、私の腰に巻きついて離れないから。
それ以上、前に行けない。
これ以上、踏み出せなかった。

「放してくれ」
「だめ」
「どうしてなんだ? 私はこれから……何をするかも分らないんだぞ?
 そんな奴といたって――」

私の背中に密着した小毬の顔が、ぶんぶん振られるのを感じた。

「ともちゃんが居ないと、駄目だよ」

驚いたことに、その声は、力強くも無い。
確信に満ちてもいない。
先ほどまでの小毬の強さは、そこには無かった。

「言ったよね。
 私だって、一人じゃそんなに強くないだよ?
 みんながいて、みんなでいて、だからみんなを信じられるんだよ」
「だったら、小毬の信じられる仲間といれば良い。私といたって……」

また、首が振られた。

「いまは……今はともちゃんしかいないよ。
 今、私の隣に居てくれてるのは、ともちゃんなんだよ?」

その言葉はやっぱり力弱くて、だけど真実だった。
確かに、ここには私と小毬しかいなくて、私が居なくなったら、小毬は独りぼっちになる。
私はそんな単純なことさえ、分らなくなっていたのか。

「私だって……怖いんだよ」

そう言う小毬の声は、震えていた。
確かに、彼女は強い。
だけど同時に、彼女は弱かった。
ようやく、私は気がついた。そうか、彼女も、弱かったんだと。
こんな当たり前な事に、いまさら。

「ともちゃんは、言ってくれたよ。『殺し合いなんかしたくない』って。
 そう思って私を助けてくれたんでしょ?
 嬉しかったんだ。すっごく。私は、それで十分なんだから。
 いなくなっちゃわないで、ここにいて欲しいな。一人にされたら……寂しいよ」

他人の強さを信じられない私のように。
小毬は自分の強さを信じていない。
誰しもが、完全じゃない。
私は……彼女の何を理解した気になっていたんだろう。

「ともちゃん、私には持論があるのです」

おどけたような口調にもどして、彼女は言った。

「幸せスパイラルっていうの」
「しあわせ、スパイラル?」

服越しの背中に、頷きが伝わる。

「そう。誰かを幸せにするとね、ちょっぴり幸せになれるよね。
 だから、あなたが幸せになると、私も幸せ。
 私が幸せになると、あなたも幸せ。ずーっとずーっと繰り返して、ほら、幸せスパイラル」

綺麗ごとだった。理想論だった。
なのに彼女が言うと、どうしてこれほどまでに現実味に溢れた言葉になるのか。
優しい響きを感じられるのか。

「だから私は、ともちゃんから幸せを貰ったよ」

ああそうか。
きっと、彼女が私にそれをくれたから。
そのわずかな時間で、彼女は私にほんの些細な幸せをくれて、
彼女はそれだけで、きっと幸せを感じられたのだ。
そういう、力を持った子なんだ。

「……小毬」

私は、その瞬間に芽生えた思いによって、衝動的に振り向いた。
そうしたらきっと、新たな迷いが生まれてしまうって分っていたのに。
わざわざ彼女の顔を見ないようにこの場を去ろうとした意味が無くなってしまうと、分っていたのに。
気がつけば、目の前には小毬がいた。

「えへへ。
 やっとこっちを見てくれたね、ともちゃん」
「お前……」

見つめた小毬の顔は、満面の笑み。
そんな笑みで、呆気なく私は、またしても揺らいでいた。
今度は、さっきとは正反対の、小さな、だけど希望的な揺らぎを感じてしまった。

「ともちゃん。この幸せスパイラルは、一人だけじゃ駄目なんだ。
 私一人だけじゃ、ぜんぜん幸せにはなれないよ。
 強く、明るく、楽しく、歩いて行くには、隣に誰かが居なくちゃ駄目なんだ」

だからね、と。
小毬は満面の笑みで言う。

「私と一緒にいて、くれないかな?」

その瞬間。私は、思ってしまったんだ。ほんの少しだけ。
信じられるかもしれない、と。
こんな絶望的な状況の中で、一つの希望を抱いてしまった。
小毬なら、彼女となら信じられる……かもじれない。
彼女と一緒ならば……この笑顔と一緒ならば、私にも信じられるかもしれない、と。

他人の強さを。優しさを。幸せの連鎖を。誰かの無事を。
きっと何とかなる。っていう、そんな思いを。

「私で……本当に私なんかで……いいのか……?」

希望を、信じてみる。
この笑顔が共に在る限り、私にもできるかもしれない。
彼女が隣で笑っていてくれれば、私は、間違えずにいられるかもしれない。
間違えないままで、この戦いを乗り越えられるかもしれない。

「うん。それじゃあ、改めてよろしくね。ともちゃん」

そんな不思議な思いと共に私は、
差し伸べられた手を握った。

もちろんそれだけで、状況が変ったわけじゃない。
相変わらず事は絶望的で、私は何一つ前に進めちゃいなかった。
焦る思いも、無力感も、依然ここにある。

それでも、私は彼女の手を取った。
希望を振り払うことも、私には出来なくて。

だから、
押しつぶされそうな絶望と。
ほんの一握りの、錯覚の様な希望。

これが、私にとって本当の意味での『始まり』だったんだと、そう思う。


◇ ◇ ◇


歩く。
時刻はもう夕方、と言ったところか。
色の変り始めた木漏れ日の中を、二人で歩いた。

道中。
小毬は特に前触れも無く、こう提案した。

「ね、せっかくだから。お友達紹介しよっか?」
「お互いの友人の情報の交換か。うん、必要なことだな」
「のーのー。違う。違うよぉ~」
「え? 違うのか?」
「そういう堅苦しいノリじゃあないのです。私と、ともちゃんは、友達です」
「ん、え? ああ、もうそう言う事に……なる、のか?」

少し早すぎるような気もするが。
この子にかかれば友人関係の構築なんてあっというま、なのかもしれない。

「もちろんだよぉ~。そして、友達の友達は、もちろん友達。私の友達は、ともちゃんの友達。
 私の友達はともちゃんの友達。お前の物は俺の物!! おーけい?」
「お、おーけい」

おーけい……なのか?

「だからともちゃんには、情報交換とかそゆのじゃなくって、新しい友達の特徴を知る。
 そいうことだから。
 いわばネタバレなわけだから、心して聞きましょう」

ネタバレって……。
まあでも、うん、友達が増えるのはいいことだ。
それは確かに同意する。

「じゃあそう言うことで、第一弾からいってみましょぉう!!」
「というと?」
「まずは私からいくのです」

相変わらずそのノリは独特だけど、彼女の心遣いは素直に嬉しい。
そんなこんなで、まだまだ先の見えない道中のなか、

「でわでわ~一人目から……」

彼女の、相変わらずほわほわした、緩やかなノリで、
まだ見ぬ友人紹介が始まるのだった。



【時間:1日目午後4時00分ごろ】
【場所:D-2 山中】


神北小毬
【持ち物:エンジェルプレイヤー、水・食料一日分】
【状況:健康】
【エンジェルプレイヤーについて:
 ハンドソニック:使用可能
 ディストーション:使用可能
 ハーモニクス:使用可能】

坂上智代
【持ち物:デザートイーグル.50AE(7+1/7)、予備マガジン×8、水・食料一日分】
【状況:健康】




087:be ambitious 時系列順 114:例え、届かなくても
100:Shattered Skies 投下順 102:真っ直ぐに駆け抜けて/温かい思いで導いて
056:ぼうけんのはじまり 神北小毬 :[[]]
坂上智代 :[[]]

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最終更新:2011年09月06日 18:37