刹那家 夕食
マリナ「みんな、今日はおでんですよ」
ブシドー「おお!『ガンダムもどき』が入っている」
マリナ「はい。がんもどき」
ブシドー「いや、結構。好きなわけではない。大根をもらおう」
刹那「マリナを振り回すな!俺はハンペン」
ポニテ「鍋の季節になると大勢でよかったと実感するよね(しんみり)」
刹那「………」
眼鏡「いや…何時でもいいものだ。大勢で食べる食事は(しんみり)」
刹那「………」
ブシドー「そういう話の中、申し訳ないが週末留守にする」
マリナ「えっどうして?」
ポニテ「旅行かい?あっマリリン、ちくわぶも」
ブシドー「京都に行く。京都検定受検のために」
刹那「なんだ?京都検定って。誰かカラシ使うか?」
匙「あ、カラシください。京都の歴史や地理、文化なんかの問題が出る検定だよ
いわゆるふるさと検定だね」
いわゆるふるさと検定だね」
マリナ「匙は本当に色んなことに詳しいのね(ニコッ)」
眼鏡「新聞配達はどうするんだ。……こんにゃくも味がよくしみてるな」
ブシドー「刹那に代わってもらう。はふはふ」
刹那「えっ?俺?」
マリナ「刹那……」
刹那「(ふう)わかった。今度からそういうことは早く言えよ」
ブシドー「かたじけない」
匙「十二月の京都は寒いから暖かい格好をしていった方がいいよ」
ブシドー「君の気配りに感謝しよう。ただ私は寒さに強い。風邪など向こうからよける」
十二月 京都 清水寺
ブシドー「古い歴史と文化…素晴らしい。いや素晴らしいとしか言えない己を恥じる
ここで一句…清水寺…清水寺…
(俳句までは難しいか。所詮英語圏の人間だしなあ。そういや高校の時
英語で俳句を作ろうって授業あったな…あーあれも出来なかったんだっけ
まあ理系の人間なんてそんなもんだ。いいんだパイロットだもん)
いや…この気持ちを形に残すなど愚か。今この瞬間心で感じればいい」
ここで一句…清水寺…清水寺…
(俳句までは難しいか。所詮英語圏の人間だしなあ。そういや高校の時
英語で俳句を作ろうって授業あったな…あーあれも出来なかったんだっけ
まあ理系の人間なんてそんなもんだ。いいんだパイロットだもん)
いや…この気持ちを形に残すなど愚か。今この瞬間心で感じればいい」
周りの観光客(あきらめた)(できなかったんだな)(最初から六文字だし)
京都 某所 滝
ブシドー「調べてきたかいがあった。さすがにこの時期人はいないな。
ここで滝に打たれ明日の試験のため己を清めよう」
ここで滝に打たれ明日の試験のため己を清めよう」
ふんどし姿になって滝に打たれる
ブシドー「うおおおお、これが…これが…滝に打たれるということか……
すばらしい…素晴らしすぎるぞ……ハハハハハハ」
すばらしい…素晴らしすぎるぞ……ハハハハハハ」
ザーーーーーーーー
ブシドー「ワハハハハハハハハハハ」

試験会場
仮面のブシドーにざわつく周囲の人
ブシドー「それにしてもどうしたことだ。この体の熱さは!
試験への意気込みで全身の血がたぎっているのか!…ヒーックションッ」
試験への意気込みで全身の血がたぎっているのか!…ヒーックションッ」
隣の席の人が試験官に
隣の人「あ…あの人仮面を被っているんですが…」
試験官「(ファイルをめくり)彼は…仮面がないと日常生活に支障が生じると
医師の診断書がついてますね」
医師の診断書がついてますね」
隣の人「えっ?仮面がないと?そんな人いるんですか?!!」
試験官「さ、君も早く席に着いて。人の事は気にしないで集中しなさい」
隣の人(受験票は……えっ!ブシドー…ブシドーってだけ?名前?名字?なにそれ!!)
ブシドー「(隣の人を見て)何か」
隣の人「い…いえ…(うわあ、駄目だ。俺、落ちた…)あ、あのう……
見えているところがやけに赤いんですけど、大丈夫ですか?」
見えているところがやけに赤いんですけど、大丈夫ですか?」
ブシドー「心配無よ…ヒーークッション……」
試験中
ブシドー(ええと平安神宮の本殿の背後一帯は 約三万平方メートルからなる広大な池泉回遊式庭園の神苑で東・西・南・中の四苑からなるが、南苑以外を作ったのは誰か?…
東・西・南・北…じゃないや、中・東・西・南・中・東・西・南・中………)
東・西・南・北…じゃないや、中・東・西・南・中・東・西・南・中………)
クルクルクルクル キュウ バッターン!
隣の人「すみません!仮面の人!倒れました!」
刹那家 電話が鳴る
マリナ「はい、はい、えっ?わかりました。すぐに迎えに行きます」
刹那「どうした?」
マリナ「ブシドーの泊まっている旅館からなんだけど、
熱で寝込んでいるらしいの。迎えに来てくださいって」
熱で寝込んでいるらしいの。迎えに来てくださいって」
マリナ 刹那をじっと見る。
刹那「わかった。俺が…」
眼鏡「僕が行こう」
マリナ「ティエリア?」
刹那「俺は助かるが…仕事、大丈夫か?」
眼鏡「いいんだ……僕たちは家族なんだから…」
匙(ぱくった……)
ポニテ(ぱくった……)
マリナ(じーん)
ポニテ(ぱくった……)
マリナ(じーん)
刹那「ちっ…違う!違うだろ!!絶対違うからな!!」
マリナ「(……刹那……照れているのね…)」
アレルヤ「くしゅん」
マリー「大丈夫?風邪?今日は何か暖かいもの作るわね」
アレルヤ「ありがとう。マリー」
ソーマ「軟弱者」
アレルヤ「うう…どっちも愛してるよ……」
刹那家 夕方
マリナ「二人もいないと寂しいわね」
ポニテ「あっ、僕も今日クジョウのところに行くから夕飯はいらないよ」
マリナ「わかったわ」
刹那(と…いうことは…マリナと俺と…)
マリナ「匙はどこにも行かないわよね」
匙「うん」
刹那「…………」
夜 夕食 ちゃぶ台を囲む刹那とマリナと匙と録音とハロ
録音「ええと…すみません。何度もお邪魔しちゃって……」
マリナ「いえいえ、急にみんな用事が出来てしまって、来ていただいて嬉しいです」
録音「そう言っていただけると…ムニャムニャ」
刹那ひたすら録音を睨む
録音「(わかってるって)ええと…匙君」
匙「はい?」
録音「よかったら、この後飲みに行かないか?
君とはあんまり話したことがなかったし……」
君とはあんまり話したことがなかったし……」
匙「(?)ありがとうございます。でも明日も仕事なのでまた今度誘ってください」
録音「そ、そう……」
ひたすら睨む刹那 目をそらし続ける録音
マンション横 公園
録音「悪いな。役に立たなくて」
刹那「いや、いいんだ。こちらこそわざわざ来てもらって申し訳ない」
録音「(おっめずらしく怒ってない?)まあ、匙君が寝た後でがんばれよ、おやすみ」
刹那「そうだな、……(夜空の星を見上げポツリと)
……ニールだったら匙も………いや、なんでもない。おやすみ」
……ニールだったら匙も………いや、なんでもない。おやすみ」
録音(ガーーーーーーーーーーン)
去っていく刹那
ハロ「(ロックオンの肩をたたき)ヨカッタラムネヲカス」
録音「ハローー!胸がどこかわかんねーよー(オイオイ)」
京都駅
眼鏡「ブシドーの旅館は…おっとその前に…」
スーパーアロウズ
眼鏡「ダンボールを頂きたい。いや…もうすこし大きいサイズを…」
旅館 布団で寝ているブシドー

眼鏡「大丈夫か?迎えに来たぞ」
ブシドー「うーん、うーん」
眼鏡「ちょっとここに入って休め。暗いところの方が落ち着くからな」
ダンボールの中に入るブシドー
眼鏡「隙間ができるな。パッキンがあるわけでもなし」
ティエリア、外に出て落ち葉を集め中に詰めガムテで封をする
眼鏡「(タッチペンを取り出し)三ケ所くらいでいいか(ブスッブスッブスッ)
よし空気穴も開けた…と」
よし空気穴も開けた…と」
宅配業者「明日の午前指定ですね」
眼鏡「ああ」
宅配業者「ええと…お品物なんですが…」
眼鏡「何だ?」
宅配業者「品名に『ブシドー』と書かれていますけど…具体的にはどのような…」
眼鏡「例えれば海外旅行にせっかく行ったのに料理に日本食が出てそれがゲキマズで
『なんでたった四泊六日で日本食なんだよ、金返せ』みたいな感じだ」
『なんでたった四泊六日で日本食なんだよ、金返せ』みたいな感じだ」
宅配業者「……ということは上積みしても…」
眼鏡「問題ない」
刹那家
匙を見つめ続ける刹那
匙「何?さっきから…」
刹那「いや…なんでもない…」
匙「……邪魔だよね…僕がいなかったらマリリンと二人で……ふふっ…ふふふ…」
刹那「マリナー!!酒ー!悲しみを忘れるくらい強い酒ー!」
お酒とミルクでドンチャカドンチャカ マリナはうたた寝している
刹那(もうすぐ…もうすぐ…匙が寝たらその時こそ……)
匙「グーグーグー」
刹那「匙…匙…(よしっ!眠ったー)マ…マリナ…」
マリナ「……刹那……」
刹那「起こしてすまない…俺……俺は……」
マリナ「……私、いつの間にか寝てしまったのね。ありがとう起こしてくれて」
刹那「(えっ!マリナも俺と同じ気持ちで……)マ、マリナ…!」
マリナ「もう新聞配達の時間でしょ。ごめんなさい。何か軽いものでも食べていって」
刹那「えっ……うわあああ、もうこんな時間!!行ってきまーす!!」
マリナ(刹那……ご苦労様…)
京都
眼鏡「京都の夜景はやっぱりいい。心が洗われるようだ」
仲居「あのう、お客様…せっかくですから本物をご覧になっては…」
布団をしく仲居さんに、ティエリア、部屋でガイドブックをめくりながら
眼鏡「いや、三次元は興味ない」
仲居「はあ……」
翌朝 刹那家 宅配便が届く
匙「ティエリアから荷物?なんだろうやけに大きいな…(ベリベリベリ)
え?紅葉?イチョウ?なにこれ?」
え?紅葉?イチョウ?なにこれ?」
バサバサバサ 落ち葉が飛び散る
匙「うわああああああ!!!」
ブシドーが大きく伸びをする
ブシドー「あーーよく寝た。気力充実だ!よしこれで合格間違いなし!」
一月下旬 京都
隣の席の人「あ ……受かってた……」
