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そのとき親父-書きは何を思ったか(その25)?

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親父さんと谷口くんシリーズ


 光るあるところに影がある。
 普段、主としてハルキョンのバカップルものを書いている親父書きですが、多分、「親父さんと谷口くん」は、ハルキョンを光とするところの影、陰画です。
 原作では付き合ってるどころか告白さえしていないハルキョンですが、二次創作におけるバカップルものは、当人たちがどれほど否定しようとも、どれほど無自覚であろうとも、デフォルトが「付き合ってる」ことになっています。
 一方で、原作の谷口氏は5分とはいえハルヒと「付き合った」こともある訳ですが、本シリーズの谷口くんは《永遠の恋の探求者》です。ぶっちゃけ、永遠にカップルになれないが故に永遠に恋を追い求めると運命づけられている神話的人物です(笑)。カッコイイ、でもなりたくない(笑)。
 オリキャラであるところの涼宮夫妻は言うまでもなくバカップルですが、その片割れである親父さんは、図書館で偶然会った長門さんとちゃっかりお茶したりするおちゃめさんでもあります。バレインタイン・デーには「義理チョコ」を山ほど持って帰って来る、との証言もあります。
 この謎のモテ(?)親父に、谷口くんが恋愛指南を受けるというのが、本シリーズですが、親父さんのアドバイスは当初、それなりに理にかなってはいても、「それができるんだったら苦労はしない」というhard to do(実行困難)なものでした。それが次第に「難しいけどやるしかない」ものに変わっていきます。
 さて、谷口くんから見て、バカップル・ハルキョンはどのように見えているでしょう?本シリーズには全く出てきませんが、いくつかの対照関係が見て取れるかもしれません。

谷口くん ハルキョン
告白 受け入れられない してさえいない
いちゃいちゃ 機会がない ほとんどフルタイム
喧嘩 する相手が居ない 痴話喧嘩/常に雨降って地固まる
働きかけ 常に男性側から(しかも不発) ほとんど女性(ハルヒ)側から
浮気/目移り するかも(全女性が恋人だ) あり得ない(焼き餅はイチャイチャの食前酒)

 はっきり言って、ハルヒは男性にとってものすごく都合のいいキャラです。
 容姿端麗・頭脳明晰・諸芸万能で、それだけなら超モテ・キャラなのに、性格/行動パターンのせいで、ノー・マーク、しかも決めた相手に一途で、焼き餅焼きでツンデレで、ほとんど古(いにしえ)の「押し掛け同棲もの」の女性キャラの正規伝承者のようです。

 一方、谷口くんがいかにナンパ技術を向上させたとしても、ナンパで得たものは常にナンパで失われる可能性があります。一途な女の子をナンパでゲットするのは、らくだを針の穴に通すより難しいのです。
 これは親父さん的豆知識ですが、ナンパする時は、相手の女性に彼氏がいることを前提にしなければなりません。たとえ、現実には、彼氏がいなくても、です。「彼氏がいないから引っかかった」と思われるほど、女性のプライドを傷つけるものはないからです。だから「今、付き合ってる人いるの?(→いないよ)→じゃあ、おれと付き合おうよ」というのはバカ・ナンパです(必ず失敗します)。「今の彼氏とは長いの?(→そうでもないよ。半年くらいかな)」。さあ、ここまで引き出しました。次の一手は?
 A.そろそろ飽きた頃じゃない? おれと付き合おうよ。
 B.じゃ、ラブラブだ、一番楽しい時期だね。
正解は親父さんの手を煩わすまでもなく、Bの方です。Aでは「彼氏いないの?」の二の舞です。言外に「どうせ軽い女なんだろ」と言ってるも同然だからです。当然、ノーと言われます。
 一方Bの方には、イエス/ノー、二つの答えようがあります。
(イエス)「うん、ラブラブ。毎日楽しいよ」
(ノー)「うーん、そうでもないかな」
 「ラブラブ。毎日楽しいよ」では取り付く島がない? 効率を尊ぶナンパ師なら、そうかもしれません。しかし、真のナンパ道はそんなことでは開けません。ここは、相手からラブラブ話を浴びるほど聞くべきです、引き出すべきです(相手のラブラブ話を聞くスキルこそ、すべてのナンパに通じる基本スキルです)。そうすれば1、2時間ぐらいその娘とお茶することも可能です。そうして相手のラブ話で盛り上がった後、こう落とすのです。「もう、お腹一杯、食べられません。あー、楽しかった。ラブラブ・ビーム浴びまくりだよ。明日、足腰立たねえよ。ねえ……余所から見たら、今の俺たちって、すげーバカップルに見えると思わねえ?」
彼女が「え?」と顔色が変わる瞬間に立ち上がって「場所、変えようか」といってレシートを持ってさっさとレジへ。あとは煮るなり焼くなりしてください。
 さて、本命の「うーん、そうでもないかな」です。どう攻めますか? 実はここまで、相手が「ノー」と答える質問を続けていることに注目です。「今の彼氏と長いの?」→ノー→「じゃあラブラブだ、楽しい時期だよね」→ノー。ここはもうひとつ、ノーを引き出す質問です。たとえば「えー、全然そんなふうに見えないよ。かわいくしてるしさ[と無理無く、混ぜ込んで褒めるわけです]。これから彼氏に会うのかと思ったよ」。
 この質問にノーの答えなら、
「じゃあ、少しお茶しない(付き合わない)?」
と、普通のナンパ・トークへつながります(「時間あるんだ」とか余計なことは言ってはいけません。たとえ本当にそうであっても)。ここはしかし、ノーが続いてるので、相手はノーの態度で来るでしょう。「えー(なんであんたと行かなきゃいけないの?)」と。
 だから、ここも、ノーの慣性を利用して、こちらが欲しい答えを「ノー」の形で貰える質問をしましょう。
(改良型)男「じゃあ、ちょっとだけお茶しようよ、3分だけ!ね?」→女「えー、3分じゃお茶飲めないよ」(ノーの解答)→「なら思い切って2分! いや10分! ダメ? じゃあ間をとって30分! これ以上は無理!」(ちょっと関西風なボケ・アプローチですが)これくらいやって笑わせれば、なんとかなるかもしれません。

 なんの話ですか? ああ、谷口くんの話でした。
 谷口くんの未来は、ナンパの先にはありません。ナンパから「真の愛」が芽生えない、という訳ではありません(そういう例は数々あります)。問題は、谷口くんが使える「出会いの機会」がナンパに限定されるという、その貧しさにあります。
 だから親父さんは、そこを変えようというアプローチを提案します。地味な手段とは、そういうことです。
 最終話で、谷口くんの前に現れる無口な女の子は、谷口くんがナンパしたのでしょうか?多分、そうではありません。彼女は(名前をつけてあげればよかったですね)は、「谷口さん……楽しくて、いっぱい喋る人って、……聞いてたんです」と言っています。彼女はおそらく女友達から、谷口くんを紹介されたのでしょう。谷口くんは、我々の知らない努力を通じて、異性の友人から女の子を紹介してもらえるほどの信頼を獲得するに至ったのです。
 最終話での親父さんのアドバイスは、(いつものとおり)ほとんど、ことごとく空を切っています。谷口くんが思い出した親父さんの言葉は、唯一「声の大きい奴ほど、話すことで何かを隠してる。無口な人の方が、表情とかしぐさでいろんなことを教えてくれてる」というものでした。



親父さんと谷口くん


























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