ラディカル・グッド・スピード
「あははっ!私が一番!だって速いもん!」
ロワ会場の地下に出来たヒグマ帝国。素手で岸壁を砕いて敷地を拡張した影響で出来上がった地底湖
その静寂の中に、湖の水面をフィギュアスケートをするように駆けまわる一人の少女の姿があった
ウサミミのような大きいカチューシャ、へそだし袖なしセーラー服、短すぎる上に鼠蹊部丸出し
ローライズのプリーツスカートに見せTバック、赤白の縞ニーソにより作りだされた絶対領域
このあざといデザインの美少女はまさしく、島風型駆逐艦一番艦「島風」である
最新のタービンを搭載し、最高速度40ノット強というとんでもない速度を叩きだす最速の駆逐艦は
その速度を誇示すべく得意の駆けっこに勤しんでいた。その対戦相手は―――
「私のスピードについてこれますぅ?……え?」
島風はやや余裕を見せながら後ろを振り向くと、水中に潜った巨大な物体がこちらに迫ってくるのが見えた
「せ、潜水ぃ!?わぁあぁぁぁぁ!!!!」
「グオオオオオオオ!!!!」
飛沫を上げながらヒグマが弾丸のような速度で水中から飛び出し、島風を瞬く間に追い抜きながら
綺麗なフォームのバタフライで水面を激しく振動させた。その様子を呆然と見つめる島風
「ば、馬鹿な!私の方がスロゥリィ……!?」
その様子を遠くの水辺で見守る二匹のヒグマは沈黙を破って喋り始める
「穴持たずNo.678よ、なんだあの娘は?非常食?」
「見れば分かるだろう?艦むすだよ」
「やはりそうか。だが、何故ここに艦むすが居るのだ?」
「研究所に残っていたPC残っていたデータによると人間の社会では
今、艦これというブラウザゲーが一大ブームメントらしくてな
しかしヒグマ帝国はネット環境が整っていないからプレイ出来んのだ
で、不満を抱いたヒグマの何匹かがクーデターを起こしそうになったので
しょうがないからキングの依頼で
クッキーババアの工場に資材を集めて
さっき実際に艦むすを建造ったらあの娘が出来た」
「なるほど」
「というわけで私は今日から穴持たずNo.678改めヒグマ提督ね」
「それはいい、しかし、いくら最強クラスのレア駆逐艦でもヒグマには勝てんようだな」
「そう思うだろう?」
ヒグマ提督は白い帽子をかぶりながら島風を指さす
「私がスロウリィ……そんな……そんなリアル……私は認めない!!!」
島風は水上でクラウチングスタートの体勢を取る。
後ろから尻が丸見えのポーズをしながらタービンに限界まで負荷をかけ―――
「うおおおおおおおおおお!!!!!」
次の瞬間、島風の姿がその場から消滅した
「グォ?――――グオオオオオオ!?」
機体速度の限界を超え、次元の壁を突破した島風の幻体が競争相手のヒグマの肉体を
量子力学的にすり抜け、空間の狭間に触れた影響でヒグマの体は水上で爆発四散し砕け散った
「なにあれ?」
「建造した時クーデターを起こしたヒグマを20匹ほど解体して資材に使ったからな。
パラメーターがあちこちバグっておかしい事になっている」
「ブラウザゲーでチート使うのはマジでヤバいぞ」
「うん、次から気をつけるよ。あ、帰ってきた」
「わーい!勝ったよ提督!試験は合格ですかぁ!?」
「うむ、ようやった。じゃあ早速任務を与えるぞ、せっかく造ったんだしちゃんと使わないとな」
「はい!」
ヒグマ提督は懐から地図を取り出し真ん中を指さした
「先ほど地上で噴火した火山だ。そろそろマグマが収まり始めたころだと思うから
ちょっと様子を見てきてくれ。なんかここだけ時空が歪んでいるらしいんだ」
「了解です!」
ヒグマ提督が参加者に怪しまれないようにと用意した首輪とディバッグを装備した島風は
地上への階段へと向かう。深海凄艦と戦う訳じゃないようだが、ヒグマ住民は春になるまで地上には
出たくないらしいので頼りになるのは自分だけなのだ。時期的に熊は冬眠シーズンだもんね。仕方ないね
「じゃ、行くよ、連装砲ちゃん」
オンリーワンの駆逐艦は初任務を達成する為階段を駆け上がり、地上へと飛び出した
ウオオオオオオオオオオォォォォォォ!!!!!!!!
その様子を見ていたヒグマ住民達が歓声を上げながら見送る中、ヒグマ提督はふと気になることを聞く
「ところで、あの首輪って本物なのか?」
「あぁ、研究所に落ちてたやつだ。会場の外へ出たら爆発するぞ」
「会場の外って?」
「MAPの範囲外だから滝の向こうとか地下の主催本拠地とかじゃね?」
「なるほど………あっ!」
【島風@艦隊これくしょん 帰宅不可能】
◆ ◆ ◆
島の中央にそびえ立つ火山。先ほど赤石の影響で噴火したばかりであり、今はすっかり静まりかえっている。
大自然の驚異の代表格は、もはや無害な存在になってしまったのだろうか?
――――否!
その漆黒の火口から、二つの巨大な手が飛び出し、何者かがゆっくりと姿を現した。
スーツを着た白髪の老人の姿をしたその巨人(ギガンティス)は火口から顔を出すと、
開口一番にその名前を叫んだ。
「なんじゃここはぁぁぁぁぁ!?アカギはどこだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」
地獄から帰還した昭和の怪物、巨大化した鷲巣巌の怒声が放送間もない会場中に響き渡った
――――そして、本当の地獄はここから始まる
【会場の何処か/朝】
【島風@艦隊これくしょん】
状態:健康
装備:連装砲ちゃん×3、5連装魚雷発射管
道具:ランダム
支給品×1~2、基本支給品
基本思考:誰も追いつけないよ!
0:ヒグマ提督の指示に従う
1:火山へ向かう
[備考]
※ヒグマ帝国が建造した艦むすです
※生産資材にヒグマを使った為ステータスがバグっています
【E-5火山の火口/朝】
【鷲巣巌@アカギ】
状態:巨大化
装備:なし
道具:なし
基本思考:アカギと決着をつける
0:ここは何処だ!?
[備考]
※進撃の鷲巣編終了間際からの参戦です
※火山の入り口は魔界?と繋がっているようです
最終更新:2015年03月22日 14:06