風になれ~みどりのために~


 じわじわと、焦げていくのは、何?

 森?
 三日月?
 それとも、私の体?

 体の中の水は、全部焦げて渇いて、涙さえ出ない。


 私は、人を殺した。
 初春を殺した。
 大切な友達を、殺してしまった。
 この手に残る私の能力で、燃やしてしまったんだ。

 森は一面、砂漠になったみたいに思えた。
 人も獣もヒグマも、水も緑も、私の周りで干からびて死に絶えた。


 サラサラになった広場の砂を掴んで立ち上がり、氷と焦げた跡が残る森へ、私は踏み出そうとする。
 せめて初春を、一目。
 彼女の姿を、もう一度でいいから、見たい。
 そうしたらもう、私はどうなったっていい。
 誰か私に眠りを。
 安らかな死を下さい。
 それで私の罪が償えるなら、それでいい。


 誰か私の体に蔓延る、歪んだ月を殺して下さい――。


 そうして願う瞳の先に、一人の死神が立っていた。
 音もなく森から歩んできた闇の色の鱗。

 そういえばさっき、綺麗な楽器のような声を聞いた。
 あまりに澄んでいて、怖くなってくるような、ガラスの笛のような呼び声。
 それはきっと、この死神の来訪を告げる音。
 心の中に眠る殺戮を呼び覚ます声なんだ。


 ねえ、死神さん。
 あんたを見るまでは、私は死んでいいと思っていたよ。
 それでも、あんたの声とあんたの姿に、私は二つ、訊きたいことができた。

 ねえ、なんで私は、あんたを見てこんなに歓んでいるのかな?
 体の中に蠢いているひびが、真っ白な歓声を上げてて、すごくうるさいんだ。
 顔だって、こんなに引きつって笑ってしまうくらい、嬉しくて、そして苦しい。
 ねえ、なんで――。

「……なんで、あんただけが生き残ってるのよ……、ドラゴン――!!」

 全身から湧き上がるような白い怒りに、にっこりと口角が引き裂かれる。
 たぶん、お寺に飾ってある十二神将だの不動明王だの、そんな笑顔になっていたと思う。
 そしてドラゴンの姿をした死神の彼も、同じようににっこりと笑っていた。

 剥き出しの牙を覆う唇などなく、二人の透き通った殺意だけが、心地よくこの広場に染み渡っていた。


    √√√√√√√√√√

 初春を殺したのは、こいつだ。
 こいつはきっと、初春を盾にして、私の『第四波動』を防いだんだ。
 そして、森の陰で、喰った。
 焼け焦げた彼女の肉を。初春の体を。

 背の高い細身のドラゴンは、ただ迷彩柄の腰巻をベルトで身につけているのみで、デイパックも武器も持ってはいない。
 だが、その体は全身が凶器だ。
 硬く鋭い棘のような鱗、太い牙と爪、鞭のような尾、そして異様な巨大さを持つ脚の鉤爪。
 どれも一撃で、私のような人間の命を刈り取ってしまうだろう。
 何の感情も見えない、爬虫類のように冷たい赤い眼が、私をまっすぐに見つめてくる。
 ヒグマと同じように、獣の力に人間は勝つことができない。

 だが私は、人間も仏もヒグマも殺した。
 私は超越した。そしてこの力に至ったんだ。
 初春の仇。
 あんたの命を刈り取ってからでなくては、私は死んで詫びることもできない!

「消えろおぉおおぉ!!」

 叫びとともに、右腕を突き出す。空間から熱を奪い、あのドラゴンを氷漬けにするつもりだった。
 しかし、気がつけばドラゴンはそこにいなかった。
 左にいる。
 背筋に悪寒が走った。

「アギィィイィル!!」
「うわああぁぁあ!?」

 高速で走りこんでくる竜に、左手で氷を放つ。
 躱された。
 広場の外周約4分の1を回り込んで走ってきた彼は、私の攻撃の直前にさらに左へ跳ねていた。
 即座に、吸収した熱を使って右手から『第四波動』を放つ。
 今度は炎のギリギリを右側へ滑り込まれた。
 氷。
 炎。
 氷。
 炎。
 ことごとく避けられる。

 初春も支給品も抱えていないせいか、最初に『第四波動』を喰らわせた時とは速度が比較にならなかった。
 間断なく攻撃を放っていても、風のような速さで全てを避けられる。
 いや、掠めてはいる。
 少なくともその鱗や皮を炙り、凍らせてはいるのだ。
 私の攻撃は広範囲に及ぶし、この竜も完全に私の動きを先読みしているわけではない。
 だが、彼はひるまないのだ。

 一瞬も動揺しない。痛がらない。恐怖しない。激昂しない。
 人間でもヒグマでも生理的に持っているだろうその反応が、まったく見えない。
 死も、苦痛も、この竜は何も感じないかのようだ。

 ドラゴンは左右に予測不能のフットワークを踏みながら、徐々に私への距離を詰めてくる。
 両手から交互に攻撃を放ち、じりじりと広場の反対側へ退いていっても、その足音を耳元に聞くのは時間の問題に思えた。

 一気に接近してこないのは、この能力がカウンターで使われるのを警戒しているんだろう。
 ひたすら冷淡に、私の消耗を待っている。
 私が能力の連発に疲労し、この氷と炎が止むのを待っているんだ。
 まるで、サメか、ワニか、恐竜か――。
 目的を果たすためだけの、自身の機能を維持するだけの、無駄のない最低限の防御。
 残りの思考と行動の全てを、冷静なままで、私を殺す一撃のためだけに保持している。
 動物的でもない、人間的ともいえない、怖気のふるうような戦闘行動。

 ――あんたは一体、何なの。

 ――フーッ、――フーッ。

 細く、笛のような息遣いだけが迫ってくる。
 得体の知れない殺戮機械が、着実に私を死刑に執すべく、律動音を立てて近づいてきていた。


 私の攻撃範囲は、徐々に狭まってきている。
 腕が重い。
 気を抜いたらすぐにでも、この首は切り落とされる。そんな映像がありありと脳裏に浮かぶ。

 怖い。
 恐い。
 脚が震えている。

 どん。
 背中が、広場の端の幹に、当たっていた。


「ラヒィィイィル!!」


 澄んだ音階で、死神が鳴いた。


 出がらしのような細い火炎放射の脇をくぐり、低い体勢で弾丸のように竜が走り寄る。
 軽やかに彼は跳んだ。
 フィギュアスケートの金メダリストみたいな高いジャンプ。
 シングルアクセルとか言うんだろうか。
 私の炎を巻き込んで、スローリプレイのように映る彼の後ろ回し蹴り。
 その足先の刃、冷たい鉤爪の輝きを堪能するように、私の瞳はその動きに惹き付けられていた。


    √√√√√√√√√√

 佐天さんが、泣いている気がした。

 涙が一粒、私の頬にこぼれ落ちてきたんだ。


 眼を開けると、私は森の地面に横たえられていた。
 顔の上には、佐天さんの泣き顔じゃなくて、お水のペットボトルが吊られていた。

 起き上がってよく見てみると、私の隣には、皇さんと私のデイパックがきちんと並べられていた。 間には皇さんの持っていた機関銃が挟まれ、木の幹に立てかけられて固定されている。
 お水のペットボトルは、器用にラベルの隙間が拡げられてその銃口に差し込まれており、僅かにゆるめられた蓋の隙間から、ほんの少しずつ水が流れ落ちてくるように設置されていた。

 ――私を起こすため?

 でもなんで、直接起こさずに、わざわざこんな仕掛けを作ったのだろう?

 そこまで考えた時、私の耳は、気を失う直前に聞いたのと同じ爆音を捉えていた。

「アギィィイィル!!」
「うわああぁぁあ!?」

 皇さんと佐天さんの絶叫もだ。
 林立する木の影を透かして見える先、広場で、佐天さんが氷と炎を滅茶苦茶に連射していた。
 その標的は、広場の向かって右の端にいる皇さん。
 速い。
 佐天さんが能力を行使する速度も相当だけれど、皇さんはその全てを紙一重で躱している。

 そうだ。
 私と皇さんは、佐天さんの能力で攻撃されて、吹き飛んだんだ。
 なんで佐天さんがそんなことをしたのか、なんであの炎に巻かれて無事だったのかはわからないけれど、多分皇さんは佐天さんを止めようとして闘っているんだ。

 ――でもなんで、皇さんは佐天さんに近づかないの?

 少なくとも皇さんは、佐天さんを殺そうとしているようには見えなかった。
 機関銃がここに置きっぱなしだし、彼の今の速度なら、ゆうに二歩で佐天さんの首に届くのに。
 取り押さえるだけが目的なのだとしても、わざわざ佐天さんに攻撃の機会を与えていること自体からしておかしかった。

 そして、彼は攻撃をわざと狭い範囲で避けようとしている。
 動こうと思えば、広場の周りを広く使って、火炎放射も氷もまったく当たることなしに動けるだろうに。
 それなのにまるで、この位置取りが最善であるかのように彼は一定範囲内でステップを踏んでいた。

 ――私を、守ってくれているの?

 彼がもし広場の手前側に動いてしまったら、炎の余波が私に届くかもしれない。
 それを慮ってくれているのかもしれない。
 だがそれにしたって、彼が時間稼ぎでもするかのように回避に徹している理由の説明にはならない。

 振り返れば、皇さんが作ったのであろう、私を起こすための装置が見える。
 あれにしたって、作った理由がわからない。
 佐天さんが暴れているから避難させておく、というわけでもない。それなら起こさなくていい。

 ――私がすぐには眼を覚まさず、それでもこの戦闘中には眼を覚ますであろうタイミングを、計りたかった?

 それならばつまり、皇さんがあの装置を作った理由は、『この戦いを止めて欲しくはないが、見ては欲しい』というメッセージになる。

 この仮定が正しければ、皇さんがこの位置取りを維持している理由は、私が最も見やすいポジションを保っている、ということになる。
 確かに、能力を撃ちながら後退する佐天さんは常に視界の左、皇さんは常に右にいて、間を飛び交う炎と氷は、その発射から消滅までの全てがしっかり見てとれる。

『――彼女の能力の謎を、解き明かして欲しい』

 たぶん皇さんは、そう言っているんだ。
 私が同じ能力者だから。
 私がそこまで思い至ることを見越していたのかもしれない。

 おかしくなってしまったのかもしれない佐天さんを、根本から助け出す方法。
 それを探すための時間を、作ってくれているんだ――。


    √√√√√√√√√√

 佐天さんの能力を考えるにつけて、一つ重要なことを確認しなければならない。
 それは『多重能力者(デュアルスキル)』が存在可能か、という問題だ。

 学園都市で能力開発を受けた私たちが超能力を使える理屈は、『「自分だけの現実(パーソナルリアリティ)」を確立することでミクロレベルからその現象が起きる可能性を選択し、それによって超常現象を引き起こし自在に操作する』というもの。
 それを自分の脳で演算処理して実行するため、『多重能力者(デュアルスキル)』は脳の負荷が大きすぎて実現不可能だし、自分だけの現実である超能力も一人一種類しかない。

 佐天さんは今、氷と炎、二種類の能力を使い分けて攻撃をしているように見える。
 これは本来、ありえないはずのことだ。


『……面白いものを、見せてやろう』


 以前、そう言って、複数の能力を見せてくれた人がいる。
 度々お世話になったことのある、木山春生という先生だ。
 彼女の『多才能力(マルチスキル)』は、『風力使い』や『水流操作』を同時に使うことができた。

 でもそれは、『幻想御手(レベルアッパー)』というプログラムで一万人近くの人の脳をネットワーク化したために可能だった出来事。
 決して、超能力は一人に一つだけ、という法則が覆ったわけではない。

 ――そう。レベルアッパーだ。

 佐天さんは、前に一度、そのレベルアッパーを使用したことがある。
 脳で能力の演算ができずレベル0だった佐天さんも、その時は何らかの能力を発現させていたはずだ。
 その時の能力も、程度の差こそあれ、恐らく今使用している能力と同じものだったはず。
 今の佐天さんはそれを、どう見てもレベル4か、御坂さんと同じレベル5並の能力として行使している。

 ――どこかに、レベルアッパーと似たような理屈で作用しているものがある?

 一見して思い当たるのは、佐天さんの両腕に嵌っている奇妙な円筒だ。
 恐らくそれが、能力の増幅器。
 あれが破壊されれば、佐天さんが『自分の能力の演算方法を学んで』いたとしても、その出力はいくらか下がるはず。
 もしかすると、あれが佐天さんの暴走の原因だということさえも考えられる。
 そして佐天さんの能力は、『出力さえ上がれば、炎も氷も作り出せる能力』だ。

 ――でも、一体、それは何?

 恐らくそれは、私たちが佐天さんの能力を受けて無事だった理由にも繋がる。
 氷、炎、氷、炎。
 佐天さんが放つのは必ず交互だ。例外なく。
 本当に『多重能力者(デュアルスキル)』だったら、氷の次に氷、炎の次に炎で攻撃してもいいはずなのに。
 まるで温度を差し引きゼロにするかのように、交互に――。


「あ」


 そうなんだ。
 よくよく考えれば、すぐにわかったはずだ。見慣れた能力なのだから。
 でも、その発現が全く正反対で、極端な見え方だったから、わからなかっただけ。


 ――佐天さんは、私と、同じタイプの能力者だ。


 私なら、佐天さんを止められる。
 レベル1しかなくて、使い道もあまりなかった私の『定温保存(サーマルハンド)』。
 それは『熱の伝達を止めて温度を一定に保つ』能力だ。
 佐天さんの能力は恐らく、『熱を自分に吸収して再び放出する』もの。
 そうとしか思えない。

 私のこの手。
 この指の中に、佐天さんを助けるための力があふれている。
 いくら佐天さんが暴走したって、私なら、受け止めてあげられる。

 ――待ってて。
 この腕に力を込めて、今、その手をとりに、行くから――。


    √√√√√√√√√√

 佐天さんは今や、じりじりと広場の端に追いやられ、炎と氷の噴出し方も弱くなってきていた。
 そして次の瞬間、彼女の背中が木の幹にぶつかる。
 ちょうど私が、佐天さんのもとへ駆け出そうとした時だった。


「ラヒィィイィル!!」
「……え?」


 ぞくりと背筋が粟立った。
 皇さんが、怖いほど綺麗な声で、叫ぶ。

 一瞬で彼は佐天さんに飛びかかっていた。
 動けない佐天さんに、明らかな殺意を持って。

 ――どうして? 私に、時間をくれたんじゃないの?
 ひたすら、避け続けてくれるんじゃ、ないの?
 それとも――。


『彼女の能力の謎を、解き明かして欲しい。
 しかし、どうしてもわからないのならば、彼女の暴走が手遅れになる前に、殺す』


 そういうことだったの?


 ――やめて。
 私は、解いたんだよ。
 佐天さんを、助けてあげられるんだよ。
 やめて――!!


 手を伸ばしても、届かない。
 息が声になる前に、二人は交錯してしまう。

 私の眼はしっかりとその瞬間を見つめていた。
 皇さんの鉤爪が迫る。
 佐天さんのある一点を目掛けて。


 佐天さんは――。
 佐天さんは。


 笑っていた。


「『ストリームディストーション』!!」


 辺りに突風が吹き抜けていた。
 飛びかかっていた皇さんの体は広場の反対側まで吹き飛ばされ、木立に叩きつけられる。
 激しい衝突音を立てて、彼は力なく地面に落下していた。

 ……熱を操作できるのならば、急激に空気を膨張・収縮させて風を起こすこともできる。
 佐天さんも当然、それくらいの秘策は用意していた。

 ――皇さんは、攻撃をやめなきゃ駄目だったんだ!

「あははははっ、はははははっ!!」

 佐天さんの甲高い笑い声が聞こえる。
 その笑顔は、獲物を前にした猛獣みたい。
 その殺気も、先程の皇さんのように一切の容赦もない、抜き身の刃物みたいに感じた。

 佐天さんの中から、もう一人、佐天さんが染み出している。
 明らかに皇さんを怖がっていながら同時に、狂ったような攻撃と冷静な作戦を組み立てている佐天さんがいる。
 佐天さんの奥底から、怒りや、愛しさや、悔しさや、言葉にできない感情が煮詰められて、溢れ出ているみたいだった。

「私に切り札が無いと思った……? わざと威力を落として熱を溜めておいたのよ!
 ……初春の仇。
 さあ、今度こそ、消えろ!!」

 佐天さんの周りの木々が、ものすごい勢いで凍り付いていく。
 隠れている私のところまで。
 地面は真っ白に。空気は吹雪のように。
 ほっぺたのうぶ毛に、霜が降りる。
 必死に自分の周りを手で掻き回して『定温保存』しなければ、私さえ氷漬けになってしまいそうだった。

 既に佐天さんは、両腕を、倒れ伏す皇さんの方に翳している。
 皇さんの黒い鱗はピクリともせず、気を失っているのかも知れなかった。

 佐天さんの笑顔が、口を開こうとした。

「佐天さんっ!!」

 私は叫んでいた。
 走り出す。
 凍り始めた足元の地面を砕き、空をつかむ。

 透き通るダイヤモンドダストが、朝日に輝きを放っていた。
 風を掻いて、彼方の人を求めて、私はただ叫ぶ。


「佐天さぁーーーーんっ!!!!」


 氷った空を翔けるように、脚の底から頭を貫く、燃えるような息を吐いた。


    √√√√√√√√√√


 初春が、呼んでいる気がした。

 風が一筋、私の耳に梢を渡ってきたんだ。


 振り向けば、私のもとに駆け寄ってくる、女の子が一人。
 ずっと会いたかった、死んでしまったはずのあの子が。


「うい、は、る……?」
「佐天さんッ! 佐天さんっ!!」


 泣きじゃくりながら、両手を広げて、私の方へ。
 私を受け入れようと、愛してくれようと、走ってきていた。

 でも、私は、初春を抱きとめられない。
 この腕はもう――。


「来ちゃダメ初春!! 『第四波動』が、止められない!!」


 両腕のガントレットに目一杯溜め込んだ熱量が、行き場を失っていた。
 何度も連続して能力を使っているうちにわかった。
 左天というおじさんがつけていたこの腕輪は、この能力の増幅に欠かせないものだった。
 私の『第四波動』は、この金属の筒にエネルギーを溜められて初めて撃てる。
 自分の体に熱を吸収するだけでは、あれほどの炎や風を起こす熱は保持できないんだ。

 あのドラゴンに止めを刺すため、私は最大限の火炎を撃つつもりだった。
 使い方がわかったばかりの自分では、これだけ吸収しきった熱量を、長く抑えられない。
 でも、今これを解き放ってしまったら、確実に初春を炎に巻き込んでしまう。

 ――どうすればいいの……!?

 全身に散っていた白い三日月が、うぞうぞと皮膚を這いずって腕に集まっている。
 集まりすぎて溢れて、掌から、筒から、ぼうぼうと白く火を噴き始めていた。
 抑えられない『第四波動』が、暴れ馬のように手綱をちぎって燃えている。
 焦げる。
 じわじわと、焦げていくのは、私の体だ。
 熱くて、痛くて、渇いた体は叫ぶしかできない。
 もう、すぐに、私はこの月に身を任せてしまうだろう。


「来ないで!! 私は、初春を、殺してしまう!!」

 それでも初春は、まっすぐに私だけを見つめて、走ってくる。
 こんなにも歪みきった自分に。
 自分の歪みも見つめられないで、なすがままに溢れさせていた自分に――!

 私は明ける空を振り仰いでいた。
 両手を天に伸ばして、だれかに助けを求めた。

 もう、私はどうなったっていい。
 初春さえ生きていてくれるなら。
 私の罪が償えるなら、死んでしまってもいい。


 誰か私の体に蔓延る、歪んだ月を殺して下さい――。


 そうして願う朝日の空に、一人の死神が舞っていた。
 音もなく大地から跳ね上がっていた闇の色の鱗。

 そういえばさっき、木々を渡るような風を聞いた。
 あまりに澄んでいて、自然に溶け込んでしまうような、鳥の羽ばたきのような風。
 それはきっと、この死神の来訪を告げる音。
 心の中に起きる殺戮を、眠らせてくれる死なんだ。


 ねえ、死神さん。
 あんたは、すごく綺麗だよ。気絶していたのは、ただのフリだったんだね。
 ずーっとずーっと冷静なままで、私を殺す一撃のためだけに待ってたんでしょう?

 ねえ、なんで私は、あんたを見てこんなに歓んでいるのかな?
 体の中に悶えている私が、あんたに恐れ慄いてて、すごく心地いいんだ。
 顔だって、こんなに晴れ晴れと笑えてしまうくらい、嬉しくて、そして爽やかだ。
 ねえ、言わせて――。

「……ごめんね。初春――」

 全身から湧き上がるような温もりに、にっこりと口角が上がっていく。
 ドラゴンの姿をした死神の彼も、同じようににっこりと笑っていた。

 悠然と空を舞う鷹のように、ドラゴンは翅を広げて私の上に飛ぶ。
 そしてふと体を畳み、滑空の揚力から落ちてくる。
 高飛び込みの選手みたいに、くるりと回るんだ。
 前宙返り・抱え型とか言うのかな。
 私の炎を切り裂いて、スローリプレイのように映る彼の踵落とし。
 その足先の朝日、暖かな鉤爪の輝きを見つめて、私の瞳はその動きに安らぎを感じていた。


    √√√√√√√√√√

 澄んだ金属音が、朝日を受ける氷上に響く。

 アニラは、佐天涙子の目の前に、静かに佇んでいた。

「佐天さんッ!!」

 初春飾利は、そのアニラの胴体へ体当たりするようにして両腕を差し出し、佐天涙子の手を掴む。
 炎を上げて燃えていた佐天の手が、熱源から遮断され、徐々に鎮火していった。

「な……、んで……」

 呆然とした声で、佐天は呟いていた。
 二人に挟まれる形になったアニラは、彼女たちが指を組むその両手に、そっと掌を置いた。

 パカン。

 佐天の両腕に嵌っていた金属のガントレットが、深く刻まれた切込みから、二つに割れて地に落ちる。
 熱の行き場を奪われたその筒は、凍った地面を溶かしながら、静かに消え落ちていった。
 上空から高速落下と共に振り下ろされたアニラの両の鉤爪は、彼が狙った通りに、金属筒の中央部に割線を入れていたのだった。

 初春のすすり上げる声だけが、暫くその場に聞こえていた。
 佐天涙子は、震えた眼差しで、目の前に立つアニラを仰ぎ見る。

「なんで、私を、助けたの……?」

 そんな呟きが漏れていた。
 竜は、『言っている意味がわからない』とでもいうように、小首を傾げる。

 そして彼は、口を開いていた。


「――説明が、必要なことでありますか?」


 フルートのような、風の抜けるような声だった。
 初春飾利と佐天涙子は、驚きと共に彼を見つめていた。

「全ての生命はかけがえがない。自明の理であります。
 しかしながら、自分が守るべきは、自分の生命と生活圏のみであります……。
 貴女とて、それは同様と推察されます。
 生命を脅かす外敵を排斥し、自分を防衛せんとするのは互いに当然の行動。
 対偶として、相互が敵ではなくなるのならば、自分に貴女の生命を奪う合理的な理由はない。
 ――以上であります」

 抑揚も無くただ静かに、そよ風のように彼は語った。
 佐天は、憔悴した眼差しのままで、僅かに微笑む。


「……なんだ。普通に喋れるんじゃん、あんた……」


 能力者とはまた違う、人とは思えないような力を持っていた。けれど。
 人間だ。
 そう佐天涙子は思った。

 けだものには、言葉は無い。心も無い。時間と言う概念も無い。ただ、本能に従うだけ。
 このドラゴンは、死神でもけだものでもない。とても深い考えを持った、人間なんだ。
 初春を、私の敵意から守ってくれた。
 そして、私すらも、生かした。

「自分の発声は、口腔の変形により大変聞き苦しいものになっていると推察されますゆえ、発言は極力控えております。
 また加えて、自分は作戦行動中の私語を謹しんでおります」

 アニラは生真面目に答えてくる。
 気遣いの方向性がずれてるなぁ、と思って、佐天は苦笑した。

「バカ……。それでもまず始めに交渉くらいしなさいよ、敵でも……」
「互いに、その点は改善の必要があるものと見受けられます」

 佐天が笑うと、アニラも笑ったように見えた。
 彼の表情は、実際のところ全く動いていないにも関わらず、佐天にはそう見えた。

 ――ああ、単に私は、彼の顔に、私自身を見てただけなんだなぁ。

 佐天は、自分の歪みを映してくれていた鏡の存在に、ようやく気づく。


 ――ありがとう。

 鏡に向かって今一度、でも、誰にも聞こえないように、口の中でだけ呟いた。
 その鏡の背中から、泣き声を押さえて初春が問うていた。

「皇さんも、私と同じこと、考えてくれてたんですね?」
「はい。初春女史ならば、かつ、それ以上の解法を見出すものと思考していた次第であります」

 佐天涙子の能力の要が、その腕の装置にあるだろうと考えていたのは、二人とも同様だった。
 そのためアニラは、その装置の破壊タイミングを見極めることにのみ集中していた。
 しかし肝心の能力の内実は不明である。そこを初春に解明してもらわねば、不測の事故が起こる可能性が高かった。
 アニラの回し蹴りが突風で跳ね返されたのはその事故の一例である。
 また最後に、佐天もアニラも焼死せずに済んだのは、確実に初春の能力と、その行動のお陰であった。

 アニラは、ふらつき始めた佐天の肩を少し押さえて、二人の手で作られた輪の下を、するりと潜り抜ける。
 そっと佐天の体を初春に預けて、彼は一言だけ付け加えた。

「佐天女史。一点だけ強調いたします。
 自分は『佐天女史の殺傷能力と凶暴性』を殺害いたしたのみであります。
 貴女を助けたのは、初春女史であり、また貴女自身でありますゆえ。
 ――その謝辞の対象は、お取り違えなさらぬように」

 そうしてアニラは、置いておいた支給品を取りに、静かに森の中に去っていった。

 すすり泣く初春と共にその後姿を見送って、佐天はまた自省する。


 ――そう。スメラギさんというらしい彼は、やろうと思えばいつだって私を、生命ごと殺せた。
 彼は粘って粘って、『私が自分の歪みに打ち勝てるのか』を、見極めていたんだ。
 もし私が狂ったまま、あの場で周囲を巻き込みながら『第四波動』を撃っていたら――。

 上空に跳んだスメラギさんは、全熱量を出し尽くした私の首を、きっと悲しみながら刎ねていたんだろう。

 そして、私を勝たせてくれたのは――。

「……初春」

 組んでいた互いの指を解いて、その体を抱きしめる。
 初春も、その手で、しっかりと私を包んでくれた。
 暖かかった。
 炎の熱さでも、氷の冷たさでもない。
 友人の、私の大切な親友の、その体温が全身に満ちていた。

「佐天さん……ッ」

 透き通るような暖かな水滴が、私のうなじに降っている。
 震える初春の体は、私が吹き飛ばしてしまった時にできたのだろう、擦り傷がいっぱいだった。
 ほっぺたなんか、うぶ毛が凍っててしょりしょりする。

「……ごめん。これじゃあ、『幻想御手(レベルアッパー)』の時と、一緒だよね……。
 無能力なら無能力で、内緒で、ズルして……。
 力を得たら得たで、勝手に歪んで、人を殺して、初春までこんな目に合わせて……。
 私、やっぱり欠陥品だ。
 もう少しで、能力なんかより、もっと大切なものを、無くすところだった……」


 初春は私の耳元で、「大丈夫です!」と、強く言い放っていた。

「もし佐天さんが、私を殺しに来ても、私は佐天さんなんかに、簡単に殺されてあげません!
 佐天さんがどれだけ歪んでても、私は平気ですよ。
 それで佐天さんが苦しいなら、私が、全部受け止めます。
 きっと佐天さんも『参った降参だ~』なんて言っちゃいますよ!
 それにほら、佐天さんは、こんなになってまで、私を守ってくれたんじゃないですか!」

 初春は、急に身を離して、私の腕を掴む。
 目の前に差し出された自分の両腕は、火傷で真っ赤になっていて、ところどころ水ぶくれができていた。
 今までまったく忘れていたけれど、見たら急にまた激しく痛んでくるみたい。

 ……腕輪に溜まった自分の歪みと、私は戦っていたんだ。
 私の腕は、ひどい有様になっちゃったし、すごく痛いけれど、もう、歪んでは見えなかった。

 その先に、まっすぐ見えるのは、涙を浮かべた強い眼差し。

「佐天さんは、いつだって私を引っ張ってくれたじゃないですか!
 力があってもなくても、佐天さんは佐天さんですっ!
 欠陥品なんかじゃない! 私の、親友なんだから……ッ!」

 なんでだろう。初春は、こんなにも私のために涙を零してくれる。
 私がカラカラに渇かしてしまった場所に、潤いを与えてくれる。

 初春の花飾りは、満開だった。

「だからっ、だからっ! もう、そんな、悲しいこと」
「……言わないよ――」

 再び強く、初春を抱きしめた。
 私の伏せたまつげの先に、雫が光っている。
 渇いて干からびてたと思ったけど、まだ私の眼にも、こんなに朝日は煌くんだ。

 ――ああもう。昔のやりとりそのまんまじゃん。
 私たち、全然変わっちゃいないんだね。
 私は私、初春は初春。
 ずーっと、親友のままだ。

「……迷惑ばっかりかけてごめん。これからもかけるかも知れないけど……、よろしくね」
「……ううぅ……。佐天さぁん……!」

 私の体の中で、たくさんの三日月が、くるくると回って歓んでいた。
 もうその縁は、欠けてとんがってはいない。
 初春が埋めてくれた。
 別に歪んでてもいい。丸くなれなくてもいい。
 私が人を殺してしまったのは確かだし、ここで自分の命と親友を守るには、ヒグマにしろ人にしろ、敵の命を奪っていかなくてはならないのは確実だ。

 私の歪んだ細い三日月でも、真ん中に友達を抱え込むくらいはできる。
 だからきっと、殺してしまった分だけ、守り抜くのが、私の贖罪だ。

 ――ありがとう。初春。

 暖かな日差しに頬を染めて、私は初春のみどりの髪に、そっと口付けした。


    √√√√√√√√√√

『よう、嬢ちゃん。あのじゃじゃ馬は手懐けられたかい』

 ん!? 何?
 左天のおじさん? なんで頭の中に話しかけられんのよ。あんた。今折角いいところなのに。

『うんまあ、まだ俺は異空間にいるんだが、嬢ちゃんが“向こう側”の世界に繋がる時だけは話せるみたいだな』

 おじさんには感謝してるけど、今はやめてくれないかな。
 スメラギさんでさえ空気読んでくれたんだから、親友との余韻に浸らせなさいよ。

『話せる時間が少ないんだよ。嬢ちゃんが“向こう側”の能力で作った腕輪が、今消えて行ってる。
 嬢ちゃんの能力はまだ不安定だ。ヘンな仏像に煽られたくらいで心を乱してるようじゃこの先、生き残れないぜ?』

 悪かったわね。
 このテレパシーのエネルギー吸い取れたら増幅してあんたにぶつけてるとこなんだけど。

『責めてるんじゃねえ。
 俺がここから脱出できるかも、もう一度嬢ちゃんがあの時みたいに能力を使えるかに掛かってるんだ。
 幸い、あの竜人も嬢ちゃんの友達もいい使い手だ。
 そいつらからも、能力の使い方を学べ。俺も、機会があり次第教えるから』

 ……スメラギさんや初春が、私の能力の参考になるわけ?
 あの虹色の輝きを作った時のことなんか、よく覚えてないんだけど。

『少なくとも、腕輪のなくなった今、嬢ちゃんに「第四波動」の威力は出せねぇ。
 だが、その能力は、“四”では終わらねぇ。
 もしかすると、俺ですら知らない使い方があるかも知れんのだ』

 ……わかったわよ。とにかく、『早く帰りたいから強くなって助けてくれ』ってことね。

『そうそう。なるべく早くしてもらえると有難い。
 こっちにはなんだかさっきから、山ほどのクッキーだの、肩当と焼印のあるヒグマの死体だの、わけわからんものばっか来ているんだ。
 まあ食う分には困らんがな……』


 左天のおじさんの声はだんだん小さくなっていって、ついには聞こえなくなった。
 初春と抱き合いながら見回すと、腕輪の落ちたところには、氷の溶けた跡だけが残っていた。

「……能力の使い方ねぇ……」
「……? 佐天さん?」

 私の呟きに、泣き止んだ初春が顔を上げる。
 そうそう。思い出した。ようやく初春と会えたんだから、アレぐらい、しないとね。

「そうだよ。忘れてたぁ……。二人の再会祝いと、正気に戻った慰労を兼ねて……」

 うふふ。
 私は笑いながら、初春から離れる。
 きょとんとした初春をその場に残し、3歩ほど下がって私は両腕を構えた。
 たぶん、獲物を前にした猛獣みたいな、そんな笑顔になっていたと思う。
 そして大きく、両手を振り上げた。


「たっ、だいまーっ!!」


 ぶわっ。

 風が立つ。
 スカートが朝日にふわふわと舞い踊る。
 初春の白いふとももは、すべすべとして美しかった。

「……キャーッ!? 佐天さああん!?」
「ほほおー。今日は淡いピンクの水玉かぁー。
 戦場にあっても癒しを与えてくれるそのチョイスはありがたいねぇ~」
「いきなり何するんですか能力まで使ってぇ!?」
「うん、名付けて『下着御手(スカートアッパー)』。
 お互いの恥ずかしい歪みまで共有できる親友には、うってつけの親睦手段だよね!」
「良いこと言ったフリして誤魔化さないで下さい!!」

 顔を真っ赤にして怒る初春は、やっぱり可愛らしかった。
 私は嬉しい。
 日常を思い出せた。
 そして確かに私は、『自分だけの現実』を、手に入れられたんだとわかった。

 スカートをはためかせるくらいで丁度いい。
 今の私には、それだけの力があれば、十分すぎるんだ――。


 初春が紡ぎ出してくれた涙も微笑みも、朝日を受けて、とても綺麗だった。


    √√√√√√√√√√

 ――両女史が歓談できる精神状態となったのならば、良好な戦果であったと言えるだろう。

 アニラはてきぱきとした動作でペットボトルや機関銃をデイパックにまとめていた。
 そこから支給品のタオルを取り出して、佐天の能力で凍り付いた木々から氷を集め始める。

 ――しかしながら、現在は高揚していても、両女史ともに中学生。体力量は限られている。休息が不可欠だ。

 アニラが氷を集めている理由は、佐天の、両腕に負った火傷を治療するためだった。
 また、初春の体力損耗は軽度とはいえ、佐天はアニラとの戦いの前に少なくとももう一戦はおこなっていたと推測される。
 緊張が切れた瞬間に動けなくなってしまうくらい、疲労が溜まっているに違いない。
 作戦遂行効率の低下を鑑みるに、早急に休息と食事を摂り、機能を回復したかった。
 アニラ自身、脱皮をして熱傷を負った鱗を新陳代謝したいし、蓄積した乳酸も無視できない量になりつつある。

 ――主催者には、自分たちに休憩させる気など毛頭ないようだが。

 もう一度だけ、アニラは晴れた空の方へ眼を向ける。
 その巨大さを改めて確認すると、彼は二人の元へ急ぎ足に戻っていった。

 ――早急に女史らの意見を伺い、撤退の経路を模索すべきと判断する。


 ―――ブォオオオオオオオオオォォォォ!!!!!


 アニラが踵を返した森の向こうには、目を疑うような巨大なヒグマ――。
 『ヒグマドン』が、その巨体を唸らせて雄叫びを上げていた。


【B-3森/早朝】


【佐天涙子@とある科学の超電磁砲】
状態:疲労(大)、ダメージ(大)、両下腕に浅達性2度熱傷
装備:なし
道具:なし
基本思考:対ヒグマ、会場から脱出する
0:初春、スメラギさん、ありがとう。
1:人を殺してしまった罪、自分の歪みを償うためにも、生きて初春を守る。
2:もらい物の能力じゃなくて、きちんと自分自身の能力として『第四波動』を身に着ける。
3:その一環として自分の能力の名前を考える。
4:やっぱり『ストリームディストーション』より『スカートアッパー』の方が良い名前よね。
[備考]
※第四波動とかアルターとか取得しました。
※左天のガントレットをアルターとして再々構成する技術が掴めていないため、自分に吸収できる熱量上限が低下しています。
※異空間にエカテリーナ2世号改の上半身と左天@NEEDLESSが放置されています。


【初春飾利@とある科学の超電磁砲】
状態:疲労(軽度)
装備:サバイバルナイフ(鞘付き)
道具:なし
基本思考:できる限り参加者を助けて、一緒に会場から脱出する
0:佐天さんに会えて嬉しいけど、スカートめくるのは止めてください!
1:佐天さん、元気になって良かった……。
2:佐天さんの辛さは、全部受け止めますから、一緒にいてください。
3:皇さんについていき、その姿勢を見習いたい。
4:最初から佐天さんの能力がわかってたら、私だけで戦って説得できたのになぁ……。


アニラ(皇魁)@荒野に獣慟哭す】
状態:疲労(中等度)、全身の鱗に軽度の凍傷と熱傷
装備:MG34機関銃(ドラムマガジンに50/50発)
道具:基本支給品、予備弾薬の箱(50発×5)、タオルいっぱいの氷、基本支給品@初春、ランダム支給品×1~2@初春
基本思考:会場を最も合理的な手段で脱出し、死者部隊と合流する
0:巨大なヒグマ(ヒグマドン)から早急に逃走し、休息をとる。
1:あれほどまでに巨大なヒグマは、万全の状態でも対処が困難であろう。撤退すべきだ。
2:両女史。親睦を深めている場合ではありません。
3:参加者同士の協力を取り付ける。
4:脱出の『指揮官』たりえる人物を見つける。
5:会場内のヒグマを倒す。
6:自分も人間を食べたい欲求はあるが、目的の遂行の方が優先。



No.092:ラディカル・グッド・スピード 本編SS目次・投下順 No.094:アンリ・ヒグマ-この世すべての羆-
No.091:狼疾記 本編SS目次・時系列順 No.089:第一回放送
No.073:三日月の女神 佐天涙子 No.109:Tide
初春飾利
アニラ(皇魁)
No.028:決着 左天 No.116:水嶋水獣

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最終更新:2015年03月22日 14:21