italy101

9/17 成田からローマへ。空港泊


 出発の前日は終電間際まで仕事をしていた。今週は疲れた。旅行などしないで、家でゆっくり休みたいという気持ちになる。
 8時、新宿発の成田エクスプレスで空港へ。外は豪雨だ。到着までの90分の間、ずっと寝ていた。空港へついた。まだ眠い。
 チェックインをするために並んでいる間も、眠くて、疲労感が抜けない。ふと、「歳をとると旅行はどんどん厳しくなるな」と思った。しかし旅行だけではない。歳をとるにつれて、体力や精神といった体の全てが衰え、全ての可能性が消えていくのである。そう考えると、益々、やりたい事に向かって努力することは今のうちしかできないし、「老後にやればいいや」という考えだと後々損をするだろうと思われた。

 成田から9時間半のフライトでモスクワに着いた。アエロフロートはなかなか快適だった。機内食も美味しかった。客室乗務員は鮮やかなオレンジの制服を着ている。顔立ちが濃く、背が高く、ガタイがよかった。空路は、成田から北上し、秋田の西あたりからロシア上空に入り、ハバロフスクを通過して、そのままロシア領土を通った。
 空から見えたモスクワの街は、整然としていた。奇妙な形のビルや、飛び抜けて大きさが異なる建物が無く、皆同じような形をしている。それらが互いに離れて並んでいる。また木々が多い。森の少し乾燥したような黄緑色の中に、直方体のビルや、一軒やが並んでいる。森の中に広げられたザラメのように、夕日を反射して光っていた。

 21時ローマ着。機内から見えたローマの市街は、オレンジの電灯が疎らに灯っており、それらが雲の加減で点滅しているようだった。それほど明かりは強くなく、ぼんやりとしていた。そして、道路に街灯が無いのかと思われた。それは等間隔に並んだ明かりが見えなかったからだ。

 空港の一階は人通りが多くなく、空港で朝を待つ人々がそこそこ居たので、僕もそこに陣取り眠る事にした。しかしベンチには仕切りが付いていて横になれないため、熟睡は期待できそうもない。加えて、蚊と蝿に悩まされた。人々の中には、シートを床に直接敷いて横たわる者もあった。また、仕切られたベンチの隣席に、巨大な荷物を下ろして、それを枕代わりにしている者もあった。僕の荷物は小さく、同様にはうまくいかないと思ったが、やってみると、これが最もよく眠れた。

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最終更新:2015年09月29日 23:34