青髪の少年は、決めた。
殺人者を皆殺しにして、少しでも犠牲者を出さないようにする。
たとえその過程でどれだけの寂寥の涙が流れようとも、罵声を浴びせかけられようとも止まらずに。
世界の全てが自分を悪と蔑もうが、自らの理想主義を通すためただそれだけのために、殺す。
殺人者を殺して殺人者になる―――なんて、矛盾だろうか。
少年の自嘲的な失笑、そこには年にそぐわぬ疲弊と達観、そしてある種の諦感さえあったろう。
彼が実は傭兵だとか殺し屋だとか、そういう現実離れした裏の顔を持っているとかいう設定があったなら彼にとってどれほど楽だったろう。彼は、数ヶ月まで普通の少年だったのだ。
何処にでも居るようなありふれた、有象無象と言ってもいい程につまらない少年だった。
学校に行き、友達と笑い合い、別れ、晩飯を食い、そして普通に一日を終える、そんな当たり前の。
だが今の彼にはもう、そんな日々さえ何かが欠損した欠陥品にしか見えなくなっている。無理もないだろうが、彼自身もまた何か、人として大事な何かが欠けていた。
――――《DEAD OR LIVE》こと、DOL。
時は数ヶ月前に遡る。
少年
相川友は、ある男の計画した殺し合いのゲームに巻き込まれた。
友人や知り合いも何人かは呼ばれていたし、銀髪の侍や異能を打ち消す右手を持ったツンツン頭の少年などの常識から乖離した存在とも接触して殺し合い打倒の為に力を合わせたりもした。
友人が死んだし、目の前で人も死んだ。挙げ句、この手で人を殺めた。
散っていく命と降り積もっていく屍の山、相川友という少年を変えてしまうに足る出来事だったことはもはや言うまでもないだろう。
ゲーム―――バトルロワイアルは、彼の論理感に致命的な欠陥をもたらしていった。
言うならば傭兵の発想とでも言おうか。
たとえそれが見知った者であろうが、敵対するなら容赦なく引き金を引けるようになったのだ。
そして彼のそれは、殺す者、マーダー思想者に向けられる。
より多くを救うために、より危険因子を少なくするために、誰であろうと殺す。
結果、相川友は《DOL》にて三人の人間、しかも内一人は友人の妹である少女を殺害した。
その結果かは分からないが、彼らは主催を事実上打倒して元の世界へと帰還出来たわけだ。物語の真相には近付けず仕舞いだったとしても、彼らはとにかく勝利した。
そして元の世界へ、欠損した日常に彼は帰還し、やがて一冊の本を出版する筈だったのだ。
―――そういう、未来だったのに。
現実。
本来絡むはずでなかったイレギュラー、《人無》が物語を侵し、こうして彼はまた悪夢の中に居る。
否定したい。否定したい。否定したい。否定したい。否定したい。
相川の真相心理が告げる、現実逃避の勧告。
仮に今此処で、これを夢だと断じて脳天を銃弾で撃ち抜けばそれで御仕舞いだ。
これ以上悪夢は繰り返されないし、もう人を殺めることもなく、粛々と生を終えられるだろう。
もう疲れた。彼がそう弱音を吐いたとして、誰が責められようか。
現に今、相川友は殺し合いから数ヶ月の月日が経過しているにも関わらず未だ抱えているものがある。
疲労、精神を内側から徐々に蝕んでいくような疲れが、日々相川を苛んでいた。
彼の精神が幼かった故のPTSD、心的外傷だったのだろう――きっと時の流れが癒すはずの傷。
なのに、これだ。
また、始まった。
世界は狂っている、と相川は思った。
どうしてこんな悪趣味な遊戯を実行しようなんて思うのかは相川には分からない。
どうしてまた自分が選ばれたのかも相川には分からない。
只一つ、彼はこの殺し合いが始まった直後から、自分のやるべきことを悟ってしまったのだ。
だからどんなに逃避しようが、彼が逃げることを認めない、許さない。
彼が無言の内に選択した道は、やはり殺すことだった。
殺人者を殺して、主催者二人を殺して、より多くの人間を連れて元の世界に帰還する。
まるで天秤でも量るかのように、人間を選別するかのように、血も涙もなく殺して見せる。
口元に淡い微笑みを浮かべて相川はふっ、と自嘲的な息を漏らした。
彼とて理解くらいはしている。
自分が選び取った道が、どんな結果を生もうと決して正しい行為ではないことを、理解している。
簡単に論破できてしまうような、下らない下らない自己中心的なダークヒーロー気取りだと。
命とは決して平等なものではない。命にだって個別に千者万別の価値がある。
だが、どんなに価値のないクズの命だろうと奪ってしまえばそれは言い逃れ出来ない殺人。
故に自らの道はどうしようもなく破綻していて、そもそも前提が成り立っていない狂ったロジックの上にとんだ欠陥品として成り立っているだけの話だとも、理解している。その上で、全てを承知した上で彼は、《マーダーキラー》の道を進むのだ。
「……馬鹿みたいだよな」
失笑も良いところの欠陥理論を抱えて、相川友は笑った。
しかし瞳の奥は欠片も笑ってはおらず、何処か虚ろささえ感じさせる。
「まずは確認だな……支給品。良いものがあればいいんだけど」
デイパック、前と似たようなデザインをしているが、その奇妙極まりない構造も変わっていない。
まず定番の水やら参加者の名簿やら、いわゆる《基本》の支給品が出てくる。
名簿の確認もしておきたいが、とりあえずは支給品の確認を終えてからにすべきだろう。
出来ればもっと襲撃されにくい、人目につかない場所でじっくりと行いたい。
銀髪――坂田銀時や《幻想殺し》上条当麻なんかが参加していれば殺し合いの打倒は大分楽になるのだが、彼らは彼らで幸せになっているかもしれないのだから、期待するのは不謹慎だ。
「ダーツの矢に、インスタントカメラ……そしてジッポライター……外れか」
外れとはいえども、何気に悪い支給品ではない。
何かと着火の手段は役に立つものだ、ジッポライターなんかは意外と役に立つかもしれない。
ダーツの矢などまともに扱った試しはないが、とりあえず威嚇程度には使えるのではないだろうか。さすがにこの小さな矢で人を殺すのは難しいだろうが使い道はある。
ダーツを付属のケースにしまい、衣服のポケットに突っ込む。
残りの支給品はデイパックに押し込めて、相川は歩き出した。
―――その先に、衝撃的な出会いがあるとも知らずに。
□
その女は、きっと誰の目から見ても《美女》と形容できただろう。
金髪は朝の爽やかな光を受けて僅かな照り返しを見せ、その美貌に磨きをかけている。
何も知らぬ人が見たなら、《ああこの人は元気があって優しいいい人なんだろうな》とでも思うかもしれない。確かにそれは間違った表現ではない。
彼女はその美貌に加えて性格も良心的で、優しく思いやりのある性格をしている。
外面と内面が真逆なんてよくある話はなく、まさに完璧とさえ言えるのではないだろうか―――だが。
彼女を《只の》美女とするのは余りに早計が過ぎる。
そう、彼女こと
浅井きららは普通ではない。本人がどう思っているかは知らないが、とにかく一部の人間を除いて彼女を普通と言う者はそうは居ないだろう。
尤もその恵まれ過ぎたプロポーションも普通とはとても言えないが、何よりも内面が、普通の人のそれとは全く逆のベクトルで外面と異なっているのだった。
豊満な、爆乳とさえ形容できるそれ。それが、惜しむことなくさらけ出されていた。
比喩?残念ながら違う。これはありのまま、きららの今の姿を表現しているのだ。
言ってしまえば、彼女は全裸だった。
最低限の黒いニーソと靴のみを着用しており、脱ぎ捨てられたコートが傍らに落ちている。
当然本来乳房を隠すべき下着は身に着けられておらず、上半身はまさに全裸。
「はー……誰か来ないかなぁ……流石に寒くなってきたよ外だと」
普通は貞操の危機を警戒するのだろうが、きららにそんな様子は一切ない。気にも留めていない。
当然と言えば当然である、浅井きららという女性は、売春婦なのだから。
更に言えば獣との性交、獣姦の中毒者(ジャンキー)。そう、この際言ってしまえば変態である。
その恵まれたスタイルのおかげもあり、相手には困らない。
同居している魔狼とも日々交わって、何とも情欲に塗れた日々を過ごしてきた。
きららにとっては貞操の概念などなく、むしろ自分から貞操を捧げようとする。
外だろうが中だろうが何時だって交わることが出来る、余りに非常識的な人物が彼女である。
「……………」
寒さに辟易し始めていたきららが、そろそろ何処かへ行こうかと思っていた―――その時。
浅井きららの視界に、一人の青髪の少年が映った。
その顔面に浮かんでいる表情は完全に《呆然》のそれであり、困惑の程が読み取れる。
そのウブ極まりない少年の姿を見てきららはにこり、と殆どの男を陥落させるような、十分にアイドルや女優とも張り合えるだけの魅力的な笑顔を少年に向けて浮かべた。
少年が後退りするが、きららは逃がさないというかのようにコートを引き摺りながら近付いていく。
幾ら美人とはいえ、流石に彼にとっては衝撃だったらしい。
やや引きつった表情で、少年は懐のダーツに静かに手を掛けようとしーー何とか思い止まる。
「えと……貴女、此処で何を?」
少年ーーー相川友は、目の前の美女の素性を計りかねていた。
相川の目から見てもかなりの美貌だったし、魅力的な人物で無いと言えば嘘になる。
尤も相川は別にこんな状況で急いてまで童貞を捨てたいという訳でもなかったし、正直な話いきなり上半身裸の明らかな痴女に出会ってしまったことへの混乱があった。
危険人物かどうかも、正直計りかねるというのが本音。
もしも殺し合いに乗るようならその時は容赦しないが、只の憶測だけで殺し合う気のない人間を殺めてしまってはそれは只の、擁護する点などない殺人者でしかない。
相川は未だ、たとえ相手が殺し合いに乗っていようと、殺人行為への忌避がある。
前回の殺し合いでは一度目は偶然、二度目はほぼ自暴自棄で三度目は救いようのない相手だった。
だが、もし目の前で寂寥の涙を流されでもすればーーー分からない。
殺せるのか。それとも殺せないのか。そこが、相川友の矛盾なのだろう。
もしも相川が何の迷いもない冷血なマーダーキラーだったら、もうきららは殺されていたかもしれない。とにかく相川は今、浅井きららという女の本質を見極めんとしていた。
「えー?何って……分かってる癖に」
「ちっとも分からないんですけど」
「大丈夫だよ!やる気とヤる気があれば、すぐに分かりあえるって」
「質問に答えろよ」
駄目だこの人疲れる。
相川友は、深い溜め息を吐いた。
■
このへんた―――失礼。浅井きららさんという人はどうやら殺し合いには乗っていないらしい。
で、殺し合いなんてものに呼ばれて混乱していたから、気を紛らわす為に此処で男を誘っていたと。
僕には全く以て理解不能の極みだったが、この人がそういう人でそういう生き方をしてきたことは何となく察することが出来た。面倒だから深く突っ込んだりはしないが。
そんな貞操の概念が皆無の浅井さんは、どうにも保健体育の勉強をせずに生きてきたらしい。
隙あれば執拗に僕を誘惑してくる辺り、やっぱり職業はばいしゅ―――ゲフン、失礼だった。
「で、浅井さん。僕にはやることがあるので此処でお別れですけど」
「あ、ちょっと待って友君」
残念ながら僕は、今回の殺し合いで仲間を作る気は当分なかった。
前回の時僕のような非凡な人間が生き延びられたのは、他ならない志を同じくする仲間の存在が大きかっただろうけど、今回は徹底して、殺人者の排除を行おうと思っている。
つまり、僅かな希望の為に進んで多くの絶望を壊していく。
これが漫画や小説の世界だったなら、きっと頼れる素晴らしい仲間が助けてくれるんだろうけど、それなら駄目だ。《止めてくれる》存在を作ったら、きっと目的の遂行はままならなくなる。
女性を一人残して立ち去るというのは相手が年上だからとはいえ忍びないものがあるけれど……けれど仕方ないよな、なんてことを考えながら別れの挨拶を口にしようとしたとき、不意に浅井さんは僕に声をかけた。今までの誘惑のトーンではない。
流石に僕の童貞を奪うことが諦めてくれたようで何よりだけど、少し深刻なことのようだ。
「
浅井政喜っていう人。私の大切な人だから、もし見つけたら伝言頼めるかな?」
「殺し合いに乗ってさえいなければ伝えますよ、その政喜さんに会えるかは分かりませんけど」
あはは、と浅井さんは笑って、つられたように僕も薄く笑う。
僕が皮肉じみたことを言ったのがおかしかったのだろうか。
きっとその政喜さんという人は浅井さんにとってよほど大切な存在なんだろうな。
でも僕はーー万一、その政喜さんが殺し合いに乗っていたらーー殺さなければいけない。
「えっとね、じゃあ―――――」
「――――――伏せて下さい!」
僕の叫びが木霊した。
ポケットに手を突っ込んで数本のダーツを取り出し、中距離に見える人影に向けて投げつける。
上手く飛んでいくかは分からないいわば一つの賭けだったのだが、意外と上手く飛ぶものだった。
内一本がその体を抉ったらしく、短い悲鳴をあげて人影がよろめき、やがて走り去っていく。
「………逃がすかよ」
僕は走り出す。
浅井さんは呆然としたままだったが、彼女には悪いけれど僕は追わなくてはならない。
あれはどう考えても友好的な話し合いをしようなんて雰囲気じゃなかった。
第一、弓矢なんて古臭い武器を《構えている》時点で最早交戦の意思があるとしか思えない。
ならば。たとえどんな事情があったとしても殺すだけだ。
幸い相手には一本のダーツを当てられたし、弓矢では命中させることも集中しなければままならない。
最悪組伏せて首を絞めたって構わない。
―――――僕は、走る。
【G-3/野原/一日目/朝】
【相川友@DOLバトルロワイアル】
[状態]健康
[服装]特筆事項なし
[装備]ダーツの矢×6
[道具]基本支給品一式、インスタントカメラ、ジッポライター
[思考・行動]
基本:殺し合いに乗った者を殺す。
1:襲撃者を追い、殺す
2:仲間を作る気はない、当分の間はとにかく殺人者を殺すことに集中したい
[備考]
※DOLバトルロワイアル生還後数ヶ月後からの参加です。
◆
「っ……いたっ……まさかダーツなんか使ってくるなんて」
浅くだが脇腹を抉ったダーツの矢を引き抜き、傷口を止血しながら薄い水色と白の毛皮を持った二足歩行の人狼の少女は溜め息を吐いた。
残念ながら相川友の追っていった方向は見当違いで、彼女に追い付くことはきっとできないだろう。
リーヴァイという名前を持つ彼女は、殺し合いに乗ることを決めていた。
理由は単純にして明快。彼女がこの世で最も愛する存在である兄を生き返らせること、だ。
相川とは異なる殺し合いに参加させられて、結果彼女は最愛の兄と再会した直後に殺害される。
そして最愛の兄もまた、死亡した。
リーヴァイは死体を確認していない―――だが、かなりの確信を持って、兄は殺されたといえる。
あんな状況で、見事な手際のよさで殺戮を行ったあの襲撃者が、現実的に考えれば一人だって取り逃す可能性はとても低いだろう。だからリーヴァイは一つの憶測に従うことにした。
単純明快に《兄、ヴォルフは死に、方法は不明だが自分は蘇生されてこの殺し合いに招かれた》。
バトルロワイアルなんてものを主催するような輩が考えそうなことではある。
《兄を愛していた妹が、兄を甦らせる為に殺し合いに乗る》ーーー物語としては盛り上がるだろう。
人無結と人無つなぎ、あの二人とて無作為に参加者を選出したと言うことはあるまい。何らかの基準―――《ゲーム》を良くも悪くも盛り上げてくれる参加者を選出した筈だ。
真っ先に確認した名簿には前回の殺し合いで出会った人間たちの名前もあった。
リーヴァイと同じく死んだ筈の人物の名もあったーー彼らを甦らせたのもまた、意味あってのことか。
「………お兄ちゃん」
銀色の人狼ヴォルフ、リーヴァイの最愛の兄。
甦っても尚色褪せることのない思い出、瞼の裏にでも鮮明に浮かぶ彼の姿。
彼は甦っても悲しむのかもしれない。
自分の妹の手を血で汚してまで生きたいとは思わない、そういう人物だから。
今ならまだ引き返せる。
今から殺し合いへ反旗を翻したとしても遅くはない、幸いまだ誰も殺めてはいないのだから。
「ばっかみたい」
失笑して、リーヴァイは引き返そうとする思考回路をリセットした。
殺す。
兄のために。
いわばこれは自己満足だ。
兄が、喜ぶかどうかも分からないのに、自分のエゴで甦らせようとしている。
けれど、構わない。
最愛の兄が幸せになってくれればそれで構わない。
たとえ一生かけても償えぬ罪を背負おうと、兄さえ生きてくれればそれでいい。
「……ごめんねお兄ちゃん。私、お兄ちゃんに生きててもらいたいから」
弓矢を携えた人狼が静かに行動を再開する。
彼女の辿り着く結末は、まだ誰にも分からない。
【G-2/野原/一日目/朝】
【リーヴァイ@個人趣味ロワ】
[状態]脇腹にごく浅い刺し傷(処置済)
[服装]脇腹付近が破れている
[装備]弓矢
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1、予備の矢×8
[思考・行動]
基本:優勝して、お兄ちゃんを甦らせる
1:………お兄ちゃん、待っててね。
[備考]
※個人趣味ロワ死亡後からの参加です。
※兄のヴォルフは死んでおり、自分はゲームを盛り上げるために呼ばれたと思っています
※相川友の向かった方向にリーヴァイは居ません
◇
殺人者を殺戮する少年と、兄のために殺戮する少女。
たった数分の間に事実上その二人どちらとも邂逅した女、浅井きららはコートを着直していた。
野外での性行為とて平気な精神は持っていたが、流石に裸でこの時間帯はきついものがある。
殺し合いで体調を崩して病死、なんて有り得ない死に方は御遠慮したかった。
「友君に伝えそびれちゃったなぁ……ま、いっか」
少しだけ残念そうに呟いたきららは、コートの内側に手を入れた。
そう―――何故、露出上等の変質者気質である彼女が、何故わざわざコートを引き摺っていたのか。
幾ら彼女に貞操概念が欠如していたとしても、無差別にそんな行為を要求するだろうか。
コートから取り出されたのは、小さな一丁の銃。
装填弾数僅か二発の暗殺銃。デリンジャーだ。
彼女の目的は、当初からたった一つしかなく、相川と出会ったときには既にスタンスも決めていた。
《浅井政喜を優勝させる為に他の全てを皆殺しにする》―――いわばマーダー、とでも言おうか。
性を囮に参加者を誘惑し、交わっている最中に撃ち殺す。そういう算段だったのに。
多感な思春期時代真っ只中であると見えた相川友が、乗り気でなかったのは誤算だった。
それでも殺す気になれば何時だって殺すことは出来ただろう、しかしきららはそうしなかった。
単純に、彼の目が明らかに素人のそれではなかったから。
極端に言ってしまえば敵対する者を全て殺していこうというような、そんな冷たい瞳。
もしも奇襲に失敗したなら、あの少年はきっとどんな言い訳をしようがきららを殺しただろう。
デリンジャーの弾数では、真っ向からぶつかり合って勝てるとも到底思えない。
まだ死ねない。
まだ、死ぬわけにはいかないのだ。
浅井政喜。
同居している狼の青年。そして、きららの最も大切な人である。
浅井きららと浅井政喜は二人ともこれに酷似した殺し合いに参加した。いわば経験者。
きららは政喜を優勝させる為に一人を殺し、最期には自らの肉体を撃ち抜き自害して目的を完遂した。
だが現に今ここにきららは存在していて、名簿には浅井政喜の名前がしっかりと記載されている。
原理も何も理解はできないが、またも自分達は殺し合わされるのだとは理解できていた。
今回は手加減なしだ。
政喜を優勝させる為に幾らでも騙し幾らでも殺す、そんな風に行動する。
「政喜………政喜は喜ばないかもしれないね」
少しだけ悲しそうな顔をして、しかし直ぐに前を向いて。
「でも私はそれでも、政喜に生きていてほしいんだ」
【G-3/草原/一日目/朝】
【浅井きらら@俺のオリキャラでバトルロワイアル2nd】
[状態]健康
[服装]コートの下は裸
[装備]デリンジャー(2/2)
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品×2
[思考・行動]
基本:浅井政喜を優勝させる為に皆殺しにする
1:基本的にはスタンスを偽って、隙を見て殺していく
[備考]
※死亡後からの参加です
支給品説明
【ダーツの矢】
相川友に支給。
十本1セットで、素人でもある程度上手く投げられるようになっている高級品
【インスタントカメラ】
相川友に支給。
シャッターを切れば直ぐに写真が現像されるカメラ。
【ジッポライター】
相川友に支給。
一度開くと閉めるまで火が消えないタイプのライターで様々なブランドが存在する。
【弓矢】
リーヴァイに支給。
古めかしい装飾がされた狩猟用の弓矢。当たれば殺傷能力は高いが当てるのが少し難しい
【デリンジャー】
浅井きららに支給。
大きさは手の平サイズであり、ポケットにも収まる。
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最終更新:2012年06月19日 14:35