希望 - 崩壊学園wiki

ザ、ザザ……ザ————

博士
九霄……。
そこにいるの……九霄……。
私の声が聞こえたら……返事をして……。
ザザ……ザー……ザ————
どこにいようと、あなたを見つけ出してみせる……
どんな代償を払おうとも、私は諦めないから……
もう仲間が倒れていくのを、黙って見ていたりはしない……
今度は、私が……

キアナ
無駄よ。あなたのしていることは全て徒労に終わるわ。
彼女はもうここにいない……そして、いかなる場所にも存在しないの。
彼女の命はもう燃え尽きたわ。彼女の魂も消えようとしている。誰も、この結末を変えられないの。

博士
そんなはずないわ……きっと何か方法があるはず！

キアナ
方法？
まだそんな無意味なことを考えているの……
いいわ、じゃあ私が教えてあげる……彼女を助ける唯一の方法を——
それは、ここを滅ぼすことよ……
彼女と一緒に、この世界から消えるがいい！

ガチャッ！

イザーリン
うわっ！！

ドン——ッ！

イザーリン
いったたた……！

隊員
イザーリン！大丈夫？

イザーリン
ハァ、ハァ……！ゆ、夢だったのね。大丈夫、少し眠ってただけだから……。

隊員
ならよかった。
ここのところ、ハイペリオン号のエンジン改装で皆とても疲れているからね。もう少し休んでいたら？

イザーリン
だ……大丈夫よ……現在のエンジンの状況は？すぐに次のテストを始めましょう。

隊員
律者コアの接続は依然として不安定なままよ……私たちの手元にある材料では、いくらなんでも限界があるわ。
こんな短時間でコアを制御する原子炉を作るなんて、無茶苦茶よ……。

イザーリン
弱気にならないで……最後の最後まで絶対にあきらめちゃダメよ。きっと、まだ希望は残されているから。

隊員
でも……この世界の最後は、私たちが思っているよりもずっと早く訪れるかもしれないわよ。本当に間に合うのかしら……？

イザーリン
……ここで迷っている暇があるなら、今できることをしましょう。動力を再起動して。次の実験を始めるわよ。

隊員
ええ……分かった。

イザーリン
……。
死へのカウントダウンが近づいている。今度はもう、失敗できない……。
……ッ！！
ゴホッ、ゴホッ——！
崩壊の侵食が、ますますひどくなってきている……急がないと……。
キアナ……律者であるあなたは、一体何をするつもりなの……本当に、まだあなたを信じられるの？

ブローニャ
総員！用意！

ブローニャ
3……2……1！

灰蛾隊員
ハァッ！！！

ドォォン————！

ブローニャ
ふぅ……皆さん、お疲れ様でした。少し休んでください。

九霄
うぐっ……ま、まさか救世主たる我が、こんな肉体労働を強いられるとは……。
この大量の残骸と瓦礫を、いつまで運び続ければいいのだ。

ブローニャ
ハイペリオン号を無事に飛び立たせるためには、レール上の障害物を取り除かなければなりません。
今、エンジニア班が昼夜を徹してエンジンを改造しています。こちらも今のうちにできる準備をしておかなければなりません。

九霄
分かっている。でも、もう夜だというのにこんなに明るいなんて……これは暗黒のオーラがますます強まっている証拠っ！

ブローニャ
死斑の明るさが強まり続けています。この異常現象は終末の到来を警告しているのでしょう……。

ブローニャ
九霄、目の前の光景はとても恐ろしいものですが、
それでもブローニャたちは、あそこに……大空の彼方に到達しなければなりません。
ブローニャたちが律者を破り、生き残るための希望を勝ち取るためには、あの場所しかないのです……。

九霄
いわゆる世界の終わりの光景とやらは、今この時のことを指しているのだな！
神々の黄昏が近づき、人類と崩壊の宿命の戦い！我の血が騒いでしょうがない！

ブローニャ
フッ……フフッ……。

九霄
ブローニャ、何かおかしかった？

ブローニャ
すみません。あなたは、やっぱり何も変わっていませんね……記憶が戻ってからはおかしな言動が目立ちますが、このような絶望的な状況でも常に勇敢な心を持ち、前を向いて立ち向かおうとしています。

九霄
うーむ……実は我も自身の記憶が少し曖昧なんだ……イザーリンの話はよく分からないし。人格情報とかいうのが以前の状態に戻ったけど、記憶は完全に回復していないとか……。
ただ、今の自分の状態に対して、我には何の実感もない……あらゆるものがとても曖昧ではっきりせず、まるで自分がこの世界に存在していてはいけないみたいな気さえ感じてる。
だけど、我は今の自分が嫌いじゃない……！
この世界だって嫌いじゃない……荒れ果てた世界だけど、ここの全てが我を呼んでいる。我の救いを待っている！

ブローニャ
やっぱり、あなたは不思議な人ですね……救世主ですか。もしかしたら、本当にそうなのかもしれませんね。
九霄……この先の道のりは、これ以上ないほど辛いものかもしれませんが、最後までブローニャと共に旅路を歩んでくれますか？

九霄
フフン！そりゃもちろん！救世主にとって、不可能などないのだからな！

テレサ
ちょっと！あなたたち、いつまで休んでいるの！さっさと手を動かさないと終わらないわよ～！

九霄
はいはい……！まったく！救世主をこんなこき使っていたらバチが当たるんだからな！

ブローニャ
……。
ありがとうございます、九霄。