サブ任務:追跡者 - 崩壊学園wiki

イザーリン
みんな、虫の研究に進展があったわ。あの幼虫の体内には、ある種のフェロモンのようなものがあるの。このフェロモンで互いに指令を確認しあいながら行動してるみたい。
崩壊生物だけど、元来の生物に似たメカニズムを得るまで進化してる。これはとても興味深いわ。もしかしたら、私たちは崩壊生物を崩壊の造物としてではなく、純粋な生命体として認識する必要があるのかもしれない。
もし、崩壊生物が進化の過程で地球の生物生体と取って変わることができるようになれば、この世界は本当の意味での革新を成し遂げることになる。人類が歴史に淘汰されるのも自然の進化の必然ということね。

ゼーレ
その……いきなりそんな理論を話し出してどうしたの……依頼は？

イザーリン
あ……ごめん。感情が高ぶってつい……。じゃあ、今回の依頼の内容を話すわ。
幼虫の体内のフェロモンサンプルを抽出して、手元にある材料で簡単な追跡装置を作ったの。今回は受け身的に巣の位置を探さなくても大丈夫。城の幼虫が撒いたフェロモンを利用して追跡できる。
でも、同じように誰かが追跡装置を操作して探索する必要があるけどね。だから、あなたたちに行ってもらわないといけないの。

ゼーレ
分かった……まぁ、依頼は予想出来ていたわ。最近、虫と過ごす時間がお姉ちゃんよりも多い気がするよ……。

イザーリン
じゃあ、この装置の使用方法を説明するわね。材料はあり合わせの部品だからとても壊れやすいの。だから、必ずマニュアル通りに操作して。
まず……それから……もし……先に……一旦……それから……最後に——
という感じよ。分かった？

ゼーレ
……あなた今何か説明したの？

イザーリン
……もう1回、説明するわね。

ゼーレ
いえ！いいわ！分かったわ！要するにこの装置を使って追跡すればいいんでしょ！さっそく行ってくるわ！

ゼーレ
追跡装置って言うからには電子レーダーみたいなものなのかな……イザーリンがとても壊れやすいって言ってたから、気をつけて使わないとね。
ちょっと見せて。このボタンで起動するみたいね。

ピピピピ……。

ゼーレ
あ！どうしてこんなにたくさん反応するの！これ、どうしたらいいのよ！？
イザーリン、こんな状況の時にはどうしろって言ってたっけ……ああ！！めんどくさい！あなた、彼女の説明分かった？

▼選択肢分岐

① 一部の副詞以外、何も分からなかった。
ゼーレ
やっぱり、あなたもそう思ってたのね！あの説明で分かる方がおかしいわよ！
やれやれ……自力で頑張るしかないわね。
こういう時は直感頼みよ！見せて。ここの反応が強力ね。パッと見た感じ追いかけやすそうだわ。まずはこれから追いかけましょう。

② きっと目標が多すぎるんじゃない。
ゼーレ
え！あなた聞き取れてたの！すごいわね！
それなら、あなたの言う通りにやりましょう！あなたの方が私より当てになりそうね！
見せて。ここの反応が強力ね。パッと見た感じ追いかけやすそうだわ。まずはこれから追いかけましょう。

▲分岐終わり

ピ——ピ——ピ——

ゼーレ
フェロモンの信号が切れた……まさかここが虫の巣なの？でも周りには何もないけど。まさか装置が故障したのかしら？
これだけ時間かけて何も見つからないなんて……この装置全然ダメじゃないの！

カラン！

ゼーレ
え……この音は何か嫌な予感が。軽く振ってみても壊れないわよね！？
あ……電源がつかない。か、帰りましょっか……。

イザーリン
うん……確かに壊れてる。

ゼーレ
いくら何でも簡単に壊れすぎでしょ！！

イザーリン
だから気をつけてって言ったじゃない……。

ゼーレ
まったく。これじゃあフェロモン信号が切れたのも、やっぱり壊れていたからなのね……。

イザーリン
フェロモンが切れた？でも、感知器のGPSは損傷してない。理論的にはそんなことありえないわ。

ゼーレ
信じないなら、私と一緒に行きましょう！

イザーリン
嫌。

ゼーレ
……。

イザーリン
とにかく、追跡装置が直ったらまたやってみよう。それから使用上の注意をもう1度説明する。また壊れたら面倒……。
まず……。

ゼーレ
いい、いい！もう壊さないから！

ゼーレ
イザーリン！

イザーリン
帰って来たの？どうやら虫の巣を見つけたみたいね。

ゼーレ
これ全然役に立たないじゃないの！いつもルートはめちゃくちゃだし、半分まで行くと切れるし、巣なんか全然探せないよ！

イザーリン
きっとまた壊れたのね。見せて……。

ゼーレ
見てどうなるのよ！私と一緒に追跡する方が早いわ！

イザーリン
ちょっと！話なら聞くから。私を引っ張り出さないで……まだ死にたくない！

ゼーレ
見て、フェロモンがここに来ると切れるでしょ！

イザーリン
……でも装置には何の異常もない。実験室で抽出したフェロモンサンプルでも一定時間追跡できた……。
まさかフェロモンに変化が起きてる？ゼーレ、何が問題なのか分かったかも。
実験室の中のは幼体だった。彼らの放つフェロモンは一種の簡単な信号だけ。言葉で例えるなら「帰る」という信号のみ。
彼らは閉じこめられているから、思考が「帰る」という段階で停まってるの。そして帰る命令がクリアされると、フェロモンの性質が変化して「ドアをノックする」のような次の動作の信号になる。
つまり、私たちの追跡装置は第1段階に留まっていて、第2段階の信号を捜索できないの。だから切れてしまったんだわ。

ゼーレ
……それってあなたの装置がダメなんじゃないの！

イザーリン
私が作ったのは機械であって、命じゃないわ。命が生み出すものを機械だけで読み取れるわけじゃないの……。
いや……でももしそれらを命の特徴として認めてしまったら……崩壊生物も私たち人類と同じ生命体と認めることに？

ゼーレ
また何を御託ならべているのよ……。

イザーリン
ごめん……これは私の失敗。依頼はここまでよ。どうやらもう1度計画を練り直さなくちゃ。
……。
あの幼虫、実験室では1つの信号しか発さなかったというのに……「帰る」を一体どう変化させたのか……。

ゼーレ
イザーリン……。
これ以上進むとゾンビの縄張りよ。