プロデューサーさんが声をかけてくれた日のことを、私はずっと忘れません。
 何もなくて、自信がない女の子でしかなかった私に声をかけてくれたから、アイドルとしてたくさんの笑顔と幸せを届けられました。
 でも、プロデューサーさんが今の私を見たら、何を思うでしょう。
 灯織ちゃんとめぐるちゃんを失った怒りと悲しみで、ずっと隣にいてくれた女の子を裏切ろうとした私を知ったら、ガッカリするはずです。
 みんなに酷いことをする人は許したくないですが、私自身が誰かを悲しませてはいけません。
 この世界で出会った優しい女の子……星奈ひかるちゃんに、私はそう誓いましたから。




『アヴェンジャーさん、あさひ君はあれからちゃんと隠れられましたか?
ご飯はちゃんと食べられましたか? おでんさんは一緒ですか?
もしあさひ君が大丈夫そうなら、お話がしたいです』

 俺ちゃんのマスターこと神戸あさひがグラス・チルドレンの協力者になった頃だ。
 二度にも渡ってあさひを助けてくれたピュアな女の子、櫻木真乃チャンが連絡をしてくれたのは。
 ふぅ、と俺ちゃんことデッドプールはため息をついてしまう。

(……あの娘たち、今もあさひのことを信じているだろうな)

 中野区で分かれてから、真乃チャンたちがどうなったのか俺ちゃんたちはわからない。
 ひとまず、無事なことは確かなようだが……喜べるわけがなかった。
 俺ちゃんたちは殺し屋の仲間になってしまった。当然、予選期間の時点でゴッサムシティのヒットマンになったし、あの娘らは俺ちゃんたちのスタンスを知っている。
 でも、あさひは真乃チャンたちとふれ合っていた。二人と過ごした時間は、あさひの心を確かに癒やしていた。
 あのアーチャーチャンが頑張ったからこそ、おでんやサムライジャックと再会できたことを忘れない。

(けど、もうあさひは真乃チャンたちと共に歩くことはできない。バットマンとジョーカーみたいに、敵対するしかないのさ)

 俺ちゃんは今、マンションのお手洗いにいる。
 ガキンチョたちには「トイレタイム」と言い訳して、あさひの炎上がどうなっているかをスマホでチェックしたのさ。新宿事変の後とはいえ、炎上の件を忘れるのはNGだからな。
 すると、真乃チャンからの連絡が来ていた。全く、とんでもないタイミングだな。

(……せめて、お別れの挨拶くらいはきちんと済ませておかないとな。あと、Pちゃんのことも……伝えてやるか。星野アイのライダーの野郎を真似るのはムカつくけどよ……)

 グラス・チルドレンに囚われてしまったPちゃんことプロデューサーは、283プロダクションの関係者だ。
 Pちゃんがグラス・チルドレンに囚われた理由は、283プロダクションとの戦いに備えた人質らしい。
 ……真乃チャンがマスターってことを踏まえると、囚われのヒロインとしてPちゃんは適任だ。この件を知ったら、Pちゃんを絶対に助けに行くだろう。
 だが、真っ正面から突っ込むなど自殺行為だ。いくら彼女たちが敵同士になったとはいえ、このまま放置するのも寝覚めが悪い。
 早いうちにメッセージを送るべきだ。もしも、あの娘たちが頼れる協力者と出会えたら、ちゃんとしたプランは立てられるからな。

(拝啓、櫻木真乃様……その節は大変お世話になりました…………いや、ジャパニーズ式の前置きなんざ無粋か)

 こういうのは、ちゃんと言葉にしないとな。
 彼女はハートをぶつけてきたから、俺ちゃんとあさひも答える責任があった。
 今、あさひはPちゃんと話をしている最中だが、あの部屋には見張りが二人もいる。
 Pちゃんは人質だから、逃走や裏切り防止のために監視しなきゃいけないのは当たり前だが……同時に、俺ちゃんとあさひも妙な動きはできない。
 ここは、俺ちゃんお得意のサービストークの時間だな。

『真乃チャン、あさひなら無事だぜ。メシはちゃんと食べたけど……ちょっと用事があって、おでんとは別行動を取った。今から、あさひに電話させるぜ』

 まず、彼女には最低限のメッセージを送る。
 女の子からのメッセージをスルーなんてマナー違反だからな。
 だけど、真乃チャンの話し相手は俺ちゃんじゃなくてあさひだ。
 ……あさひが聖杯を狙っているのかどうかを、今でも気になっているだろうしな。




「283プロダクション……ですか?」
「あぁ。俺は、そこのプロデューサーだったんだ。明日、283プロのアイドルがライブをするはずだったけど……この大地震が起きた後じゃ、中止になるだろうね」
「それは、残念ですね……」

 ガムテの協力者になってから、案内されたとある部屋でプロデューサーさんと話をしている。
 話をするうちに、この人は283プロで働いていたことがわかった。
 プロデューサーさんの知り合いの『あさひ』は『芹沢あさひ』というアイドルらしい。
 その人を思い出すから、俺のことだって名字で呼んでいるはずだ。

「星野アイさんと、もう一人……アイドルの女の子がいて、神戸くんを助けてくれたみたいだね? もしかしたら、彼女は283プロのアイドルかもしれないな」
「そうかもしれません。名前、聞けばよかったでしょうか?」
「……いいや、大丈夫だよ」

 プロデューサーさんの横顔はどこか寂しそうだった。
 きっと、この人も悩んでいるんだ。
 大切な人を救いたくて、でも心のどこかにある何かがそれを邪魔している。
 そんな半端な自分に嫌悪しながらも、足を止められない。
 だからこそ、俺はプロデューサーさんに悪い印象を持てないんだ。

(ガムテたちは……予選期間中に白瀬咲耶さんの命を奪った。だから、283プロを狙っているのか…………?)

 聞いた話では、プロデューサーさんは283プロのアイドルと決別する動画を撮ったらしい。
 もしも、櫻木真乃さんが動画を見てしまったら、何を思うのか……優しい彼女のことだから、絶対に悲しむはず。
 アーチャーと力を合わせて、プロデューサーさんを説得するために、自分たちから死地に飛び込んでいくだろう。
 でも、ガムテと組んでしまった今の俺は、もう彼女たちの力になれない。

『……あさひ。絶対に、Pちゃんは真乃チャンのことを知っているぜ?』

 今、この部屋から離れているデッドプールからの念話が届く。
 彼なら、俺とプロデューサーさんが何を話しているのかを察しているはずだ。

『そうだろうな』
『お前のことだ。今は黙っているつもりだろ?』
『…………この人が、櫻木さんと俺の繋がりを知ったら、きっと俺を逃がそうとする。それをグラスチルドレンに知られたら、どうなるかは……考えただけでも怖い』

 デッドプールが言うように、彼は櫻木さんのプロデューサーさんだ。
 譲れない願いを持っていても、本質的には櫻木さんと同じ善人だろう。下手に櫻木さんのことをプロデューサーさんに話したら、彼の決意が揺らぎかねない。
 俺だって、彼女と敵対すると決めておきながら、彼女に対する迷いを未だに自覚しているから。

『……だから、今は櫻木さんのことは黙っていようと思う』
『OK。でも、いつまでも後回しにできないからな。お前がこの道を選んだなら、いつか彼女たちとも戦うってことだぜ』
『わかってる。でも、櫻木さんについて話すのは、俺の口からにしたい。デッドプールも、それでいいか』
『それがわからない俺ちゃんじゃないぜ』

 昼間、櫻木さんがアーチャーと共に283プロの事務所に向かったのは、もしかしてガムテたちが関係しているのか?
 だけど、詳しい事情をガムテから聞くつもりはない。迂闊に話をしては、俺と櫻木さんに繋がりがあることが知られてしまい、糾弾を受けてしまう。
 それ以上に……

『あさひ』
『何だよ』
『あの子たちを売ったら……お前や、お前の家族を傷つけた悪魔と同じになる、って思っているだろ?』

 ……やっぱり、デッドプールは立派な大人だ。大人だからこそ、俺のことをよく見ている。
 星野アイと、彼女のサーヴァントであるライダーは絶対に許さない。
 どんな笑顔を見せようとも、あいつらは俺や母さんを傷つけ続けたあの悪魔と同じだ。
 でも、櫻木さんとアーチャーは違う。
 櫻木さんたちからは二度も助けてもらった恩義がある以上、軽率に話せない。
 当然、彼女たちが敵になるなら容赦しないが、最低限の義理だけは通すつもりだ。
 櫻木さんたちは、災害からきちんと逃げられたか……そんな疑問も芽生えるが、俺は振り払う。
 せめて、こんな俺ともう二度と出会わないことを、祈るしかなかった。

『お前はお前だ。何があろうとも、俺はお前を認めてやる。だから、お前もお前を認めてやりな』
『……そうだったな。ありがとう、デッドプール。でも、櫻木さんたちのことはまだ話さないさ』
『あぁ、今はそれがベターだ』

 頃合いを見計らって、櫻木さんたちに星野アイたちのことを警告する予定だった。
 しかし、グラスチルドレンの拠点に足を踏み入れた以上、外部への連絡など不可能。
 櫻木さんたちに向けた星野アイの悪意を見逃す形になるけど……今はどうにもできない。

『……デッドプール。星野アイたちは、俺たちの手で必ず潰そう』
『当たり前だろ? 俺ちゃんだって、落とし前はつけさせるつもりさ……なんたって、復讐者(アヴェンジャー)だからな』

 こうしている間にも、星野アイたちはどこかでのうのうとしているはず。
 だが、俺は指をくわえたままでいるつもりはない。
 ライダー……奴の真名だって、ガムテの口から俺は突き止めた。
 殺島飛露鬼という暴走族のカリスマだったロクでもない男。櫻木さんのアーチャーはあいつを信用しているみたいだが、やっぱり俺には受け入れられない。
 だからこそ、確実に潰すチャンスを得られたという意味では、ガムテの協力者になって良かったと思う。
 ガムテがライダー…………いや、殺島に対してどんな感情を抱いているのか、俺にはわからない。
 敵として排除するつもりなのか、あるいは味方に引き入れたがっているのか。それとも、また別の何かか。
 だけど、聞くつもりはない。俺とあいつは協力者だが、必要以上に干渉するのは違う。

『…………話を戻すけどよ、真乃チャンから連絡が来たぜ。あさひと話がしたいってさ』

 デッドプールの言葉に、俺は目を見開いた。
 胸が異様な鼓動を鳴らして、体が震えてしまう。

『ご飯をちゃんと食べたか、おでんは一緒にいるか……大地震の後でも、あさひを心配していたぞ』
『……デッドプールは、櫻木さんに答えたのか……?』
『最低限は、答えたぜ。でも、あさひとPちゃんがここにいることはバラしていない』

 デッドプールは返事するけど、俺は安心できない。
 櫻木さんには、俺自身の言葉できちんとお別れを済ませろということだ。

『…………わかった。俺が今から櫻木さんに連絡をするよ』
『どうしてもイヤだったら、今からでも俺ちゃんが代わるぜ?』
『大丈夫。そんなズルいことをしたら……俺はこれから、聖杯戦争に集中できなくなる』
『そうか。お前なら、そうすると思ったぜ』

 ガムテの手を取った時点で、俺は後戻りする選択肢を捨てている。どんな手段を取ってでも、界聖杯で願いを叶えると誓った。
 でも、それとはまた別の話だ。二度も助けてくれた彼女たちに対する、俺なりの責任は果たすべき。

『なら、ここは俺ちゃんに任せろ。見張りなら、ごまかしてやるからさ』

 その念話と共に、マンションのドアが開く。
 現れたデッドプールは、プロデューサーさんを見張る少年と少女……解放者と礼奈(レナ)の前に立った。

「やぁ、少年少女……ただいま」
「お前……なんか、時間がかかってたな。まさか、妙なことをしてたんじゃないだろうな?」
「フッフッフ、そいつはトップシークレットだ。俺ちゃんはジェームズ・ボンド並に口が固い……だが、当たらずとも遠からずだ。なぁ、坊や……義侠の風来坊って知ってるよな?」
「義侠の風来坊? あぁ、噂には聞くな……光月おでんっておっさんだろ?」
「そう、そのおっさんだ! あいつも聖杯戦争のマスターだが、俺ちゃんたちのピンチを助けてくれたサムライなのさ……表向きでは、サムライと同盟を結んでいて、定期的に連絡を取り合う約束になっている」
「何!? ま、まさかそいつに俺達の情報を流したのか!?」
「違う違う! むしろ、その逆……俺ちゃんは、あいつらを利用しているのさ。あいつらの強さはふざけたレベルで……真っ向からぶつかるのは危険すぎる。だから、上手く隙を狙っている最中だぜ? サムライたちの情報だって、ガムテ君に教える予定だったのさ」

 鋭い目つきを向けてくる解放者を前に、デッドプールは流暢に説得している。
 おでんさんを利用することになり、俺の胸は痛むけど……こうするしかない。デッドプールだって、内心では葛藤しているはずだ。

「そのサムライが、あさひと連絡したがっているから、二人きりでトークする時間が欲しいのさ。大丈夫……個人情報保護法はちゃんと守るって」
「疑われたくないなら、ここで今すぐ電話をすればいいだろ!」
「そうもいかない。どんなマジックなのか知らないけど、サムライは周りの気配を上手く察知する力を持っている。
 もちろん、不意打ちやヒソヒソ話なんて論外だし、なんだったら電話の向こう側から聞こえる音から、相手の気配や居場所も探れるほどだ!
 ガムテ君にスカウトされる前も、少し電話をしていたけどよ……なんと、俺ちゃん達の周りに誰もいないことを当てちまったのさ!」

 デッドプールはオーバーなリアクションで語る。
 多少の嘘を混ぜているけど、デッドプールの話は事実だ。
 4人で廃屋に向かうまで、おでんさんは周囲の気配を探っていた。詳しいことはわからないけど、おでんさんは特殊な力を持っているらしい。

「そんなデタラメがあるか!」
「デタラメだったら、新宿で暴れ回ったゴジラとキングギドラの方がよっぽどだろ? あれで街が軽く吹っ飛んだんだ……それに比べりゃ、俺ちゃんの話なんて可愛いレベルだろ!」
「はっ! どうせ、ガムテを出し抜くために、俺達を売ろうとしているんだろ!?」

 だけど、解放者はデッドプールを前に怒っている。
 実際におでんさんの力を見ていない二人を説得するのは、難しいだろう。

「……その男の話は、充分にあり得る」

 場の空気が悪化する中、ランサーが唐突に口を開く。
 プロデューサーさんのサーヴァントだけど、無口でとっつきにくい雰囲気があるから、話に入ってきたのが意外だ。

「至高の領域に近づいた強者であれば、他者の気配や闘気を察する力は自然と身につく。人間を超えれば、風の流れや呼吸の音など……微かな気配から、居場所を探るなど造作もない」
「そういえば……ランサーさんも、礼奈(レナ)やリンボさんのことに気付いたよね?」
「アヴェンジャーの話が事実であれば、迂闊に話などしてはここが探られる……そう言いたいはずだ」
「そうそう! ランサーくん、なかなか鋭いじゃん! ウィル・スミスやライアン・レイノルズみたいなボディだけど、実はネバー・ゴー・バックやロング・グッドバイとか愛読してる?」

 デッドプールの軽口に、ランサーはフンと鼻を鳴らす。
 一方で、解放者のいぶかしげな視線は変わらないが、刺々しい雰囲気は和らいでいる。

「と、いう訳だ解放者君。おでんにバレないため、どこか静かな所に移動させて欲しいのさ。もちろん、ここのマナーはちゃんと守るぜ」
「……5分だ」
「ん?」
「5分以内に話を済ませろ。それを過ぎたら、俺はガムテに報告するからな」
「おぉ、サンキューベリーマッチ! さあ、行こうぜあさひ」

 デッドプールに手を引かれながら、俺は部屋から出て行く。
 ガムテの協力者になった俺だけど、グラス・チルドレンの全員から信用された訳ではない。
 既に俺たちはグラス・チルドレンの命を奪っているから、解放者から警戒されるのも無理はない。
 何よりも、界聖杯を手に入れられるのはたった1人だけだから、いつかはガムテと戦う。
 プロデューサーさんたちに比べれば、まだ自由だけど……迂闊な行動はできなかった。

「ここなら大丈夫だぜ?」

 デッドプールと共に移動した先はマンションの階段だ。
 誰かが通る気配はなく、話をするにはうってつけの場所かもしれない。
 もちろん、長電話はできないけど……

『……デッドプール。プロデューサーさんのことも、俺の口から話したい』
『本気か?』
『プロデューサーさんのことは早いうちに教えるべきだって、デッドプールは考えていただろ? 俺は何から何まで、デッドプールに任せてばかりだった……だから、俺も責任を果たしたい』
『そうか。なら、責任感に溢れたお前に、このミッションを任せたぜ』

 俺たちの念話は、とても暗い色を帯びている。
 デッドプールがいなかったら、俺はここまで生き残れなかった。
 敵対主従はもちろん、グラス・チルドレンとの戦いだって彼に押しつけている。
 SNS炎上を原因とした危機だって、他のみんながいたから乗り越えられた。
 ……その優しさを裏切るけど、俺だって自発的に動かないといけない。
 決意を胸に、デッドプールから受け取ったスマホの通話ボタンをタップして、端末を耳に添える。

『…………もしもし。あさひくん、ですか?』

 スマホの向こう側から聞こえてきたのは彼女の声。
 震えているけど、心を優しくなでてくれそうな雰囲気はそのままだった。

「はい、あさひです」
『よ、よかった……! さっき、新宿で大きな地震があったから、巻き込まれていないか心配でした……!』

 敵同士になったとは思えないほどに、穏やかなやり取りだった。
 言うまでもないが、櫻木さんは俺の決意を知らないし、また話せる時間も少ない。
 だから、早めに伝えなければいけなかった。

「心配をかけてすみません。俺たちなら、特にケガをしていませんから。そっちはどうです?」
『私たちは……色々、ありましたけど…………ケガは、してませんよ…………私も、アーチャーちゃんも……生きてます…………』

 耳元から聞こえてくるのは、明らかに疲れた様子の櫻木さんの声だ。
 何があったか? なんて聞く必要はない。新宿では1万人を超える犠牲者が出たから、櫻木さんとアーチャーにとってショックは大きいはず。
 もしも、むごたらしい死体を目の当たりにしたら、大きな心の傷を負ってしまう。
 櫻木さんたちは、人を助けられなかったことに苦しんでいるはずだ。

「…………大変、でしたね」

 けど、そんな言葉が俺の口から出てしまう。
 櫻木さんの声だけじゃなく、けたたましいサイレンの音も聞こえたからだろうか。
 彼女たちは今、被災地の真っ只中にいる。だから、つらい目にあってしまったはずだ。

「……ごめんなさい。こんな言葉しか、言えなくて…………何があったのかも、知らない…………のに…………」
『……いいえ。大丈夫、です…………あさひくんが、無事だってことが……わかりましたから…………』

 どう考えても、大丈夫じゃない。
 電話の向こう側にいる櫻木さんは疲れ切っていることが、声を聞いただけでわかる。

 ーーこいつの手を取ったら最後だ。お前はもう止まれない

 だけど、俺の脳裏に過ぎるのはデッドプールからの忠告。
 そう……ガムテたちの手を取った時点で、俺の道はもう決まってしまった。

『どうする? 今なら、まだ間に合うかもしれないぜ……俺ちゃんが命がけで、逃がしてやることもできるぞ』
『……そんなこと、するわけがないだろ』

 デッドプールの念話に、俺はキッパリと答える。
 ガムテと出会った時点で、俺の運命は決まった。
 何を裏切ろうとも、あらゆる善意を踏みにじることになっても……界聖杯で願いを叶える以外にない。
 星野アイたちを売ることには何の痛みもない。
 ただ、おでんさんと櫻木さんたちの情報をグラス・チルドレンに与えてしまったけど……俺たちはいずれ戦う運命にある。

『……あの、あさひくん……一つ、聞いてもいいですか?』
「なんでしょう?」
『今でも、あさひくんは…………やっぱり、聖杯が、欲しいのでしょうか……?』

 櫻木さんの声から伝わる温かさが、ゆらいでいくのがわかる。
 その質問は予想していた。
 彼女は聖杯戦争そのものに否定的で、俺は聖杯を求めて戦っている。
 でも、櫻木さんは俺のことを信じてくれていたし、俺ともわかり合おうとしていた。その優しさを忘れられるはずがない。

「…………はい。俺は、今でも聖杯を手に入れたいと思っています」

 だからこそ、俺は自分の決意を言葉にするべきだった。
 例え、俺の命を救ってくれた恩人だろうと、踏み台にすると決めたから。

「あなたは、それを知っているはずです。俺たちが、聖杯を求めて戦っていることを、昼に話したでしょう?」

 この決意を固めるため、俺は淡々と語る。
 彼女からの信頼や、俺に向けているであろう善意や想いを踏みにじるために。
 俺自身の心をゆっくりと、鉄のように冷たく固めながら……
 そうだ。願いを叶えるため、俺とデッドプールは既に罪を背負った。
 今更、道を変えてしまっては、願いのために踏みにじった命が全て無駄になる。
 何よりも……しおや母さんを救えるのは俺以外にいない。

「この際だから言います。俺たちは予選期間中に他の主従を殺しました……」

 だから、彼女の気持ちを裏切るよう、俺は言葉に悪意を込める。
 自分の意思で悪魔になっていく事実に、胸がズキズキと痛むけど……これは事実だ。
 何よりも、この程度の困難を耐えなければ、どうやって聖杯戦争の勝者になれるのか?

「名前すら知らない人も、俺はたくさん殺してきました。さっきの、地震だって…………どれだけ、犠牲者が出ても…………俺は、何も…………」
『…………ウソ、ですよね』
「……えっ?」
『あさひくん、声が震えていますよ…………人を傷つけて、平気でいられる男の子じゃないってことを……私は、知っています』

 だけど、櫻木さんは俺に気持ちを届けてくれる。
 痛心の中、希望を踏みにじられた直後にも関わらず、俺のことを怒る素振りもない。
 スマホから聞こえてくる言葉は、俺の心を激しく揺らす。

『もしも、あさひくんが本当に悪い人……だったら、私たちはもっと早いうちに、酷いことをされていました。あさひくんとアヴェンジャーさんは……不意打ちできたのに、それをしていません……でした。だから、私たちはふたりを信じたいって思うようになったんです』

 やめてください。
 俺たちはそんな人間じゃない。
 自分の都合のため、優しい人を殺す道を選んだんだ。
 本当なら、あなたたちと一緒にいていい人間じゃない。
 一刻も早く、櫻木さんは俺たちと離れるべき。
 このままじゃ、俺のせいで櫻木さんの輝きが曇ってしまう。
 体が震えて、息が荒くなってしまい、俺の視界が大きくぶれる。
 これ以上話すと、櫻木さんの優しい言葉によって、俺の決意すらも変わってしまいそうで。

『あさひくんは……酷いことをして、願いを叶えても…………本当に、幸せになれるのですか? ズルいことを、したって……』
「俺にはもう、こうするしか幸せになれないっ!」

 だから、櫻木さんの気持ちをはね返す。
 彼女との確かなふれ合いや、語り合った時間を無理矢理にでもぶち壊すように。
 櫻木さんが俺の決意を望まないと知った上で、そして二度と救いの手を伸ばさないように……ためらってはいけなかった。

「あなたはもう知っているはずだ……この世界じゃ、そんな理想は通用しないって!」
『あ、あさひくん……わ、私たちは、ただ…………!』
「綺麗事を言ったって……どの道、いつかは戦うことになる! あなたのサーヴァントだって、とっくに人を殺したはずだ!」
『…………!』

 電話の向こうで、櫻木さんが絶句するのがわかる。
 俺は今、何を言ったのか?
 衝動的に口から出てきた言葉が、俺自身も信じられなかった。
 櫻木さんのアーチャーは確かにグラス・チルドレンの命を奪ったけど、それは決して私利私欲じゃない。グラス・チルドレンの集団から俺を守るために戦ったからだ。
 俺の前では笑顔を浮かべていたけど、本当はアーチャーだって罪の意識に苦しんでいたはず。
 この命を助けてもらった俺だけは、絶対に口にしてはいけなかった。

「…………だから、俺はもうあなたたちとは一緒に歩けない。俺は、あなたとお別れをするために電話をかけた」

 でも、言葉を取り消せない。
 彼女たちとはもう終わり。あとは、俺が櫻木さんたちとの繋がりを断ち切るだけだ。
 俺のせいで二人がどんなに傷つこうとも、決して振り向いてはいけない。
 自分でも信じられないほど、声色を冷たくしながら。

『…………あ、あさひくん…………でも…………あなたは…………!』

 だけど。悪意をぶつけたのに、櫻木さんは俺に声をかけてくれた。
 彼女の優しい輝きが、罪を背負った今の俺にとっては何よりも辛すぎて。

「あなただけじゃない……あなたの仲間だって、俺は踏み台にする。俺たちは、敵同士だから」
『待ってください! まだ、私の話は…………!』
「最後に一つだけ、話しましょう……俺たちの元には、283プロのプロデューサーさんがいます。彼も、聖杯を狙っているそうですよ」
『…………えっ? それって、どういうーーーー』
「さよならだ」

 櫻木さんの返事を待たず、俺は一方的に電話を切った。
 俺の言葉は、彼女を深く傷つけただろう。
 スマートフォンを強く握りしめて、良心の呵責を少しでもごまかしていく。
 心の痛みなど構わずに、俺はデッドプールに振り向いた。

「お待たせ、アヴェンジャー」
「……これで、本当によかったのか?」
「俺の今の協力者は、グラス・チルドレンだ。あの人たちは、邪魔だった……だから、見捨てるしかなかったのさ」

 デッドプールにスマホを返しながら、俺は歩く。
 解放者から指定された時間はもうすぐだ。今の俺に無駄な行動はできない。

『あさひ。お前、真乃チャンの名前を呼んであげなかったよな』

 廊下を歩く最中、デッドプールの念話が俺に届く。

『どうしてだ?』
『……俺とあの人は、もう敵同士だ。名前なんて、呼ぶ必要はない』
『違うね。彼女との繋がりを、ここのガキンチョたちに知られないようにしたんだろ? 迂闊に喋ったら、誰かに聞かれるかもしれないからな』

 ドキン、と胸が鼓動を鳴らす。
 反射的に振り向くと、デッドプールはどこか悲しそうな目で俺を見つめていた。

『優しいお前のことだ。真乃チャンからもう助けてもらわないように、わざと悪ぶったんだろ? ヴィランを気取りながら、Pちゃんのことは教えてやったしな』
『……あれは、彼女を動揺させるためだ。彼女を傷つければ、いつでも…………この手で…………』
『やめとけ。俺ちゃんを前に、ブラックジョークが通用すると思うか?』
『…………思っていないよ』

 やはり、何もかもが彼にはお見通しだった。
 この迷いを断ち切るため、あえて酷い言葉をぶつけたけど……後悔や胸の痛みは簡単に消せない。
 彼女たちから受けた恩を仇で返した。これじゃ、俺から全てを奪ったあの悪魔と何が違うのか?

『言ったはずだ、お前はお前だってな…………俺ちゃんは、何があろうともあさひの味方だぜ? 俺ちゃんは、あさひのヒーローだからな』

 まるで俺の葛藤を見抜いたように、デッドプールは肩を優しく叩いてくれる。
 覆面の下では、俺を励ますために力強い笑顔を浮かべていることがわかった。
 ……でも、櫻木さんの笑顔を犠牲にした上では、素直に受け止められない。

『Pちゃんのことを、万が一聞かれても心配するな。おでんは、283プロのアイドルと繋がりを持っているから、不和をまき散らすために話した……そう、あいつらに言っておくさ』

 おでんさんは283プロのアイドルを3人も守り、櫻木さんとも繋がりがある。
 実際に、おでんさんがプロデューサーさんの件を知ったら、アイドルたちのために行動するはずだ。

『真乃チャンたちには、真乃チャンたちの守りたいものがある。同じように、あさひにも助けたい家族がいる…………どっちも選べれば、最高なのにな』
『何だよ、いきなり』
『苦しいときは、いつだって俺ちゃんに言えよ。ダークヒーローだって、悩んだり泣いたりするぜ?』

 それは、デッドプールだからこその支えだろう。
 心の中にたくさんの重荷を抱えているデッドプールだけど、それを悟られないようにおどけている。
 少なくとも、俺の前では弱音なんて決して吐かなかった。

『ありがとう。でも、俺はもう……決心がついた。櫻木さんのことだって、迷わない』
『……お前の本気を、俺ちゃんは受け止めたぜ。でも、弱音を吐いたっていい……それだけは、忘れるなよ』

 デッドプールは気遣ってくれるけど、俺はもう足を止めない。
 櫻木さんやおでんさんとの縁はこれで終わり。利用する選択肢も、俺自身が潰した。
 次にあの人たちと出会ったら、遠慮無く敵対できるはずだ。

 ーーおれの知っているヤツが謂れのない罪で罵られるのを黙って見るつもりはねえ。

 俺の話をちゃんと聞き、気持ちを受け止めてくれたおでんさんを、確かに裏切った。
 これから、俺はたくさんの罪を重ねようとしている。

 ーー私は、あさひくんが悪い人じゃないってことを知っています

 そして、櫻木さんとの決別だって果たした。
 覚悟を決めた。本気で聖杯戦争と向き合うきっかけを掴むことができたはず。
 この選択以外にない。こうする以外に、道はないと最初からわかりきっていた。

 ーー綺麗事を言ったって……どの道、いつかは戦うことになる! あなたのサーヴァントだって、とっくに人を殺したはずだ!

 ……だけど、この口から出した酷い言葉は、俺の中から消せなかった。




『……ランサー。あの場を取り持ってくれてありがとう』
『無駄に騒がれては耳障りなだけだ』

 ランサーの念話はそっけないけど、きちんとお礼を言う。
 彼の助言があったからこそ、神戸あさひくんたちは光月おでんと連絡を取ることができた。
 当然、本当におでんと電話をしているとは限らないが……ランサーの力がここで役立つのはありがたかった。

『ランサー……神戸くんを助けてくれたアイドルの片方だが、心当たりがある』
『櫻木真乃、とやらか』
『そうだ。神戸くんは星野アイと接触している……彼女は明日の合同ライブで、真乃と共演する予定だった。星野アイが聖杯戦争のマスターであれば、真乃もマスターになっている可能性が高い』

 神戸くんから聞いた話に、俺は一つの確信を得ていた。
 既に聖杯戦争のマスターで確定している咲耶やにちかの存在と、俺が殺すべき『彼女』の言葉から予想していたが……聖杯戦争のマスターとなった283プロのアイドルは少なくない。
 『合同ライブに参戦するアイドルの櫻木真乃』というロールを与えられたNPCとして再現された可能性はある。しかし、星野アイがマスターとして確定した以上、真乃もマスターという前提で考えるべきだ。

『明日のライブで共演する以上、仕事の都合で星野アイが真乃と接点を持つ機会は充分にある。だけど、偶然にも神戸くんが彼女たちと出会って、一時的とはいえ同盟を組んだのだろう』

 星野アイがどのような人間か。
 プロデューサー業から離れた俺では、彼女と接触する機会はないため、深く知ることはできない。だけど、神戸くんが情報を売り渡した以上、危険人物であることが推測できる。
 また、ガムテ君と星野アイのライダー……殺島という真名を持つ男は、元の世界で関わりを持つ極道だ。
 ガムテ君の組織力を考えると、殺島の背後にも反社会的な集団が潜むことは考えられた。

『……ランサー。神戸くんを陥れたのは、星野アイたちである可能性が高い』

 夕方、SNSで不当に流された神戸あさひくんに対する悪評。
 個人の力程度では到底できないため、何らかの組織が関与している可能性があった。
 それも社会的な影響力が甚大かつ、聖杯戦争のマスター並びにサーヴァントの息がかかった組織だ。

『星野アイと、殺島とやらにとって……神戸あさひが邪魔になったからか?』
『そうだ。彼女たちは、神戸くんを助けたのだから、一度は利用するつもりだったかもしれない。しかし、何らかの要因で神戸くんが邪魔になったから、社会的な抹殺を企てた……きっと、真乃に対しても同じスタンスかもしれない』

 星野アイが殺島のマスターとなって、大規模な組織と繋がりを持つ事実を考えると……俺たちにとって明確に敵となる。
 星野アイは、明日のライブで真乃と共演するアイドルだ。既に283プロと接点を持ってしまった以上、その存在を無視できない。
 彼女を放置しては、俺が救うべきにちかすらもいずれ狙われてしまう。
 鏡の世界を利用した拉致及び襲撃、ガムテ君たちの攻撃対象とされてしまった283プロのアイドル、北条沙都子とアルターエゴ・リンボ、そして星野アイとライダーの真名。
 悠長なことは言っていられない。神戸くんが行動を起こした今、俺も早急に動く必要があった。

『真乃とやらが、お前の前に現れたら……どうするつもりだ?』

 肝心な問いかけが、ランサーからぶつけられる。
 俺が聖杯を狙っていることを知ったら……真乃は絶対に俺を止めるはずだ。

『……言ったはずだ。真乃がいても、戦場から遠ざけて、サーヴァントだけを脱落してもらうと』

 だけど、答えはたった一つ。
 その力だけを奪って、この聖杯戦争に関わらせないようにする。
 真乃がどんなサーヴァントを召喚したのかわからない。だけど、神戸くんの話から推測すれば、真乃のように純粋なはずだ。
 この一ヶ月間……真乃のことを必死に守り、共に過ごして、強い絆で繋がっているだろう。
 それでも、真乃のサーヴァントも仕留める必要があった。彼女が悲しむことはわかった上で。

『俺は……諦められない。未来をなくした俺にできることは、彼女たち……そして、にちかが生き残れる可能性を少しでも上げる……それだけだ』

 どんな罠が待ち構えていようとも関係ない。
 どんなに強大な敵が現れようとも止まらない。
 どんなに憎まれて、軽蔑されようとも構わない。
 にちかの夢と幸せを取り戻す奇跡を手にするため、すべてを捧げることを誓ったから。
 にちかが笑顔になるためなら、俺はどんな道だろうと突き進むことができる。
 俺が、いくら鬼と罵られようとも受け止める。
 283プロのアイドルが……そして、もうこの世にいない咲耶が声をかけてくれても、誓いを曲げたりしない。
 何故なら俺は、にちかを幸せにするプロデューサーだから。


【中央区・某タワーマンション(グラス・チルドレン拠点)/一日目・夜】

【神戸あさひ@ハッピーシュガーライフ】
[状態]:全身に打撲(小)、覚悟と後悔
[令呪]:残り3画
[装備]:デッドプールの拳銃(懐に隠している)、着替えの衣服(帽子やマスクを着用)
[道具]:リュックサック(保存食などの物資を収納)
[所持金]:数千円程度(日雇いによる臨時収入)
[思考・状況]
基本方針:絶対に勝ち残って、しおを取り戻す。そのために、全部“やり直す”。
0:ガムテと協力する。後戻りはもう出来ない。
1:折れないこと、曲がらないこと。それだけは絶対に貫きたい。
2:星野アイと殺島は、いつか必ず潰す。
3:“あの病室のしお”がいたら、その時は―――。
4:聖杯は、出来る限り諦めたくない。
5:櫻木さん達のことは、次に会ったら絶対に戦う……?
6:プロデューサーさんに、櫻木さんのことをいつか話すべきか……
[備考]
※真乃達から着替え以外にも保存食などの物資を受け取っています。
※廃屋におでん達に向けた書き置きを残しました。内容についてはおまかせします。

【アヴェンジャー(デッドプール)@DEADPOOL(実写版)】
[状態]:『赫刀』による内部ダメージ(小)
[装備]:二本の刀、拳銃、ナイフ
[道具]:予選マスターからパクったスマートフォン、あさひのパーカー&金属バット
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:俺ちゃん、ガキの味方になるぜ。
0:お前がそう望むなら、やってやるよ。
1:あさひと共に聖杯戦争に勝ち残る。
2:星野アイ達には必ず落とし前を付けさせるが、今は機を伺う。
3:真乃達や何処かにいるかもしれない神戸しおを始末するときは自分が引き受ける。だが、今は様子見をしておきたい。
4:黄金時代(北条沙都子)には警戒する。あのガキは厄(ヤバ)い
[備考]
※『赫刀』による内部ダメージが残っていますが、鬼や魔の属性を持たない為に軽微な影響に留まっています。時間経過で治癒するかは不明です。
※櫻木真乃、ガムテと連絡先を交換しました。
※ネットで流されたあさひに関する炎上は、ライダー(殺島飛露鬼)またはその協力者が関与していると考えています。

【プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:覚悟、魂への言葉による魂喪失
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:リンボの護符×10枚
[所持金]:そこそこ
[思考・状況]基本方針:“七草にちか”だけのプロデューサーとして動く。……動かなくてはいけない。
0:にちか(騎)と話す。ガムテの用事が終われば彼とまた交渉を行う。
1:もしも、“七草にちか”なら、聖杯を獲ってにちかの幸せを願う。
2:時が来れば自陣営と283のサーヴァントを潰し合わせ、両方を排除する。
3:白瀬咲耶が死んだことに悲しむ権利なんて、自分にはない。
4:『彼女』に対しては、躊躇はしない。
5:序盤は敵を作らず、集団形成ができたらベスト。生き残り、勝つ為の行動を取る。
6:にちか(弓)陣営を警戒。
7:神戸あさひは利用出来ると考える。いざとなれば、使う。
8:星野アイたちに関する情報も、早急に外部へ伝えたい。
9:もしも、真乃が聖杯戦争のマスターでも、決意を変えない。
※リンボの護符は発動中1時間ほど周囲の日光を遮り、紅い月が現れる結界を出すことができます。
異星の神とのリンクが切れているためそれ以外の効果は特にありません。
※ソウルボーカスにより寿命の9割が喪失しています
※ランサー(猗窩座)からアサシン(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ)より受け取ったスマートフォンを受け取りました。

【猗窩座@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:携帯電話(犯罪卿より譲渡されたもの)
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:マスターを聖杯戦争に優勝させる。自分達の勝利は、何だ?
1:ひとまずは、合理的と感じられる範囲では、プロデューサーに従う。


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最終更新:2022年02月13日 22:42