【種別】
人名
【初出】
創約6巻
名前のみ創約5巻
【概要】
19世紀頃に生きた伝説の女性
魔術師。
神智学協会に所属し、自らの結社であるヘルメス協会を設立。
『
黄金』の創設者
メイザースや
ウェストコットらに魔術を教えた張本人。
他にもさまざまな人間に魔術を広く教え、普通の人間にも関わらず『知の大女神』として神格化された。
【容姿】
復活した際の外見は、30歳前後の若々しい肌を持つ理知的な女性。
繊細な眼鏡を掛け、赤みがかった金髪を、一本のエビフライのような変則的な三つ編みにしている。
レディバードが着用していた競泳水着のようなオレンジ系の特殊スーツの上に、黒い袖や大きなパレオを着けている。
頭には太陽、月、星の飾りがついた大きな魔女帽を被っており、
全体的なシルエットでは「魔女のワンピース」のように見える。
遺体時の身長は約150cm、体重は49kg。
ただアレイスターが蘇生の際体内に機械を埋め込んだため、変動していると思われる。
アクティブモード中は帽子が点灯し、光で○×等の意思表示をすることができる。
【性格】
平等を愛し、周囲の人々に奉仕することを
魔法名に刻んだ底なしの善人。
魔術師として道を外れた時点で、自身の生死程度はとうの昔に滅私しているとし、
最上の結果に繋がるのなら誰かの掌で踊ることも喜んで受け入れ、過程や説明は全て蛇足と断じる。
地位、名誉、お金などにも一切執着していない。
魔術で他者を助ける生き方をポリシーとしており、自他含めて「魔術師」に求める基準が非常に高い。
曰く、病に苦しむ人がいれば薬を届け、日照りで不作が続く地域があれば雨を降らせる。
困っている人々がいれば、特別な理由がなくとも助け、それ以上の余計な説明や箔付けを行わない。
魔術は意味もなく見せびらかすものではなく、魔術を知らない人には不思議な力と思ってもらえれば十分。
「魔術師は国家・職業・民族・貧富・性別・年齢に関係なく、万人平等に魔術の恩恵を配給するべき」とも語っている。
基本的に個人主義が強い近代魔術師の源流に近い人物でありながら、魔術に対して真摯な人格者であり、
作中では同じ達人である
ローゼンクロイツと対比して「善の達人」と評されている。
【能力・スキル】
魔術の基本を極限まで突き詰めた、アレイスターやメイザース、シュプレンゲルをも上回る魔術の技量を持つ「真の達人」。
彼女にとって魔術とは呼吸や心拍より身近な「そこにあるもの」であり、術式、詠唱、霊装といった「前提」を必要とせず、己の身体のみで世界をも両断する奇跡を起こす。
カバラにおいて人体と宇宙が対応されるように、身体のみでの魔術行使は理論的に可能ではあるが、それは頭でビッグバンの理屈がわかれば人の手でビッグバンを起こせると同レベルの暴論に過ぎない。
それを現実に行うことができる、人智を越えた領域にある魔術師。
薔薇十字やカバラを用いた
近代西洋魔術をベースとしているが、主に使用するのは
人払いや占術といった基礎魔術。
誰でも使える基本中の基本と真摯に向き合い完全習得した結果、ありとあらゆる魔術が必殺の域にまで研ぎ澄まされている。
ただ現在の身体では全力で魔力を精製すると機械部品が壊れてしまうため、余剰分の魔力は外に放出するようにしている。
また体内に精密機械を抱えているため、生前よりも肉体は脆く壊れやすいが、それでも高速で移動するムト=テーベを吹き飛ばせる身体能力を発揮できる。
術者が設定した対象を、時間と空間から切り離し現世から『隔離』する魔術。
隔離空間は誰にも見られず、誰にも迷惑がかからないため、周囲を気にせず全力で魔術を行使できる。
指を鳴らすことで発動するが、その気になればノーモーションでも発動可能。
アンナ=シュプレンゲルに対して使用し、彼女を現世から隔離した。
人間の無意識を制御して関心を逸らし、特定範囲内への侵入を阻害する基礎魔術。
キングスフォードにかかれば、自身を含めた複数の対象を、人間の目でも機械的なカメラやセンサーでも捉えられなくすることができる。
大国の大統領を暗殺することも容易く、超絶者クラスに魔術を深く知る者でなければ対応できない。
澄んだ星々を眺めるだけでも、インターネットよりも膨大な情報にアクセスし、個人の寿命、居場所、思考などの情報を読み取ることができる。
さらに裏技的に扱えば、巨蟹宮や天蠍宮などの星座の模様を宙で描き、それぞれが持つ火や水などの属性を強めて攻撃系の術式に転嫁することもできる。
右足で地面に一本の線を引くことで発動する防御術式。
魔法陣の基本である線を一本引くだけだが、その意味と効能を十分に引き出せば、たった一本の線が世界を彼我に切り分ける壁となる。
黄色化による数百トンの砂による攻撃を切断し、無に帰した。
口元に中指の先を近づけ、息を吹きかけるだけで火炎放射器を軽く凌駕する大火を放つ。
この大火は地脈の力を貪り、空間そのものから活力を奪うとされる特殊な炎であり、単なる複合装甲や特殊繊維などでは秒と持たず燃え尽きる。
さらに人差し指の水、親指のエーテルと同様の攻撃を属性を切り替えて放つことができる。
【永久遺体】
遺体の体内を精密機械に置き換えることで、生前と同じように生命力から自分で
魔力を精製できるようにして復活させた。
機械のため無線式の充電で動くものの、ロボットというわけではなく、自我と記憶は生前のアンナ=キングスフォードそのもの。
魔術でアレイスターが勝つことは不可能なため、魔術とは無関係な最終安全装置として、左右の肩甲骨の間に『機能遮断用物理スイッチ』を取り付けている。
これを上に押し上げるとスタンバイモードに入り機能停止し、下げるとアクティブモードに入り稼働する。
ただし、アレイスターが彼女の意に反する行動に出た場合は「絶対安全の前提を無視して即座に反旗を翻す」とのこと。
生前の能力をほとんど保持しているが、機械部品が壊れてしまうため、魔力を生前のように全力で精製することはできない。
加えて体内に精密機械を抱えているため、生前よりも肉体は脆く壊れやすい。
すでに死んでいて死者の世界に属しているため、現世にいながらにしていつでも死者の領域を訪れることができる。ただし死者の領域にいる間は、幽体離脱のように肉体は停止する。
【口調】
一人称は「己」。柔らかいお姉さん言葉で話す。
永久遺体の特性か言葉に異常が生じており、読み方(ルビ)は正常だが書き言葉が化けている。
【基本形】
詰:つまり
〜:から
×:反語、否定、悪印象の言葉
○:ふつう、できる
◎:肯定、良印象の言葉
〼:ます、まし
△:いまいち、すこし
〆:しめ
♂:男性名称
♀:女性名称
ガ, デ, ヲ, ハ, ノ, ニ, ヤ, モ, ナ, ト:格助詞がカタカナ化
【応用例】
〼×:ません
◎×:あるなし,ぜんあく
××:いえいえ
◎◎:はいはい
◎×:たかいひくい
〼××:(間違え)ましたが
♂♀:だんじょ
例)
「己ハただ、周囲へ奉仕ヲするためニ☆」
「命ヲ弄んでハなり 〼(ませ) ん」
「真ニ ◎(すぐれた) 魔術ニ、特別ナ道具ヤ建造物などハ ×(ふよう)」
最終更新:2025年08月05日 11:58