1:
【種別】
人名


【初出】
創約8巻
名前や概要は新約二十二巻

【解説】
魔術結社『薔薇十字』の開祖とされる、14世紀前後に生きた伝説の魔術師
作中では主に略称であるCRCの名で表記される。

十字架を象徴に掲げ、砂漠を旅して病や呪い、罪業で苦しむ人々を癒すために活動した聖者。
掌を翳し、神秘の薬品を施し、絶大な奇跡を振る舞いながらも一切の見返りを求めずに静かに立ち去った賢人。
世の無理解と戦い、志を同じくする弟子を集め、やがては哲学から国家まで大きな世界全体の病巣に挑んだ存在。

死したときは7つの側壁に守られた聖域に埋葬されたと言われており、その墓は120年後に探検家によって発見されたという。

魔術師ならば誰しもがその名を聞いた事がある達人であり、人間でありながら彼の行いと伝説が一つの魔術概念にまで昇華されている。
アレイスターキングスフォード(未編集)といった伝説の魔術師とは、別方向に伝説の魔術師と言える。

ただ、「クリスチャン=ローゼンクロイツ』の名は後世の後付けともされている。
事実「薔薇十字」のものとされる初期の書類にはCRCの字のみ使われており、クリスチャン=ローゼンクロイツの名は登場しない。

2.
【種別】
人名

【初出】
創約8巻


【概要】

死して眠っているとされていたが、「橋架結社」の行った復活の儀式にて降臨。現世に舞い戻った。

復活した際の見た目は、銀色の長髪と、長い顎髭を携えた18歳くらいの青年。
見た目に反し、声はしわがれた老人のものとなっている。

トリスメギストスから提供された赤いローブを着用している。
また、赤と白の五角形のエンブレムが互いに内側にある五角形のペンダントを首にかけ、金とオレンジの裏地が付いた赤いマントをローブの上から羽織っている。

【性格】

その人柄は伝説にある通りの、聖者や賢人と称される精神性とは真逆

世界を救うほどの力と知識を持ちながら、その力を徹頭徹尾自身のためだけに振るう、あまりにも心が狭い個人主義者。

行動原理は本人曰く「情念」。
己の手の中にある『力』の大きさを把握しているために、『力』を他のために使用すれば相手の心が壊れてしまうことを知っている。
己の力を受け止められるのは己だけであり、情念と遊び心のためだけに『力』を振るう。
この結論が、結局は大きな世界に対して一番優しい…とのこと。

故に己のやりたいことと快楽のみに従って行動する。
ペットボトルの応募シールを観察しながら取り囲む警備員を適当に爆殺し、
猫が可哀想と号泣しながら唐突に人間の皆殺しを宣言する。

自身の興味が最優先で、彼にとっては応募シールと人命は同程度の価値でしかない。
それは戦闘も同様で、興味が向かなければ適当にあしらうが、興味が向くと『退屈しのぎ』で相手をする。

善も悪もなく、好きと遊び心に従い、言動全てただその場の思いつき。
興味の向け先もコロコロ変わるため、誰もその動きは予測できない。

【能力】

伝説とは似ても似つかぬ性格であるが、その力は本物。
使用術式は無論「薔薇十字」系で、特に自身の伝説に由来するものを使用する。

キングスフォードと同様に魔術の基礎を極限まで突き詰めた「達人」であり、霊装や詠唱という作業を挟まず、自身の肉体のみで世界を両断するほどの魔術を行使する。
霊的蹴たぐりのように体の揺りのみで霊装を現出させることも可能。

魔術は所詮まやかしの学問で、束の間の慰みにしか使えない子供騙しと考えている。
そのため魔術はただの手札としか捉えておらず、霊装もつまらなければ即座に放り捨てる。
肉体による物理攻撃、言葉によるブラフ、不意打ち、必要ならば逃走も辞さない。

比類なき魔術の技量と遊び心という名の予測不能性を併せ持っており、次の行動の読めなさが戦闘において有効に作用している。

ただこの性格は欠点でもあり、縮小模型で確認できるにも関わらず倒したと判断すればすぐに興味を失うため、倒した相手に復活され不意打ちを受けたケースもある。

  • 炭素操作
炭素を操作するサンジェルマン系の術式。
主な用途は炭素弾の射出で、魔女狩りの王」のように常に炭素が溢れ続けている弾を、エイワスコロンゾンの感覚器官ですら捉えられない速度で放つ。全方位への射出、連射も可能。
CRCにとっては通常攻撃であり、ノーモーションかつ無詠唱で発動できる。

特性上「幻想殺し」でも打ち消すことはできない上、超絶者やアレイスターすら一撃で瞬殺する。
警備員の指を触れずにして折ったのも、この炭素操作によるもの。

  • 防御術式
CRCの周囲を覆う、常時発動型の防御術式。
魔術・物理問わずあらゆる攻撃を遮断し、キングスフォードの魔術や『フラフープ』を利用した電子ビームすら防ぐ。

「ローゼンクロイツは七つの側壁に守られた聖域で眠る」という伝承に由来する術式らしいが、キングスフォードは「まさか」と否定し、本人も肯否を返してないため、真相は不明。

  • 父性の十字に母性の花弁
薔薇十字の象徴を用いた詳細不明の術式。CRC曰く「赤き秘法」。
便利すぎて努力を辞めかねないため、あまり使わないようにしている。

旧き善きマリア(未編集)のトリビコスと対峙した際に使用し、トリビコスから溢れた死の泡を無力化した。

  • 閃光
自身を中心とした全方位に閃光を放つ魔術。

超絶者の脆弱性をついた裏技で、これを受けたトリスメギストスは「超絶者としての根幹に近い部分へ干渉された」と感じており、CRCより防御に特化した超絶者さえも倒されていた。

  • 『変革』
手の中に赤い粉末の入ったフラスコを現出させ、中の粉末を撒いて発動する魔術。
深い森の中のような、マイナスイオンで満たされた清浄な空間を作り上げる。

コロンゾンが放った触れるものを腐らせる黒き侵食に対して使用し、一瞬で黒を消滅させた。
アレイスターが事前に『位相』をズラしてなければ、学園都市は丸ごと捲れて腐り、緑の木々に埋もれていたという。

  • 修繕
瓦礫などの周囲にある物を寄せ集めて、マネキンのような身体部位を作り欠損部位を埋め合わせる。

そのクオリティは本物の人間以上にしなやかで美しい。

  • 水蒸気
白い水蒸気を発生させて自身の周囲を覆う術式。
水蒸気は『薔薇十字』において、叡知や真実を覆い隠して許可なき者の閲覧を阻止する重要な記号と捉えられていた。

つまりこの水蒸気の中にいれば、シュレディンガーの猫のようにたとえ0距離の攻撃であっても命中しない。

  • 合成
様々な伝説を持つCRCの本質は『合成者』であり、毒や危害を薬や回復へ変えるのは当然のこと。

竜王の顎」に撃ち込まれた「この世に存在しない毒素」を瞬時に解毒し、アインソフオウルの光へと変え撃ち返した。

口元に指を二本当て、その隙間から息を吹く事で雲を発生させる。
「竜王の顎」が発生させた雲にぶつけ、落雷の軌道を強引にねじ曲げた。

  • 位相操作
魔神」でないにも関わらず、位相を作成し世界に挟むことができる。

項目のある能力は以下。

【作中での行動】

創約8巻にて、「橋架結社」の行った復活の儀式で現世に舞い戻る。
復活後、「閃光」を使い周囲の超絶者を一掃。唯一倒れなかったアリス(未編集)に興味を向け、その頭蓋を砕き殺害した。

頭部を砕かれたアリスが倒れた直後、駆け付けたアレイスター 、キングスフォードと対峙する。
互いに「達人」同士のため、アレイスターすら介入できない領域の魔術戦を行うも戦況が膠着する。そのため殺したアリスの亡骸を操作してキングスフォードの不意をつき、致命傷を入れ、彼女の体を両断した。

その光景を見て殴り掛かってきた上条も瞬殺すると、倒れていた超絶者達を殺害。
生き残った残りの超絶者と、薔薇十字を名乗るアンナ=シュプレンゲルを殺害するために動き出した。

しかし一直線に向かうのではなく、クレーンゲームをしたりカードゲームのパックを剥いたりと、本能と好奇心のままに現代文明を堪能しながら学園都市を移動する。

そしてペットボトルのシールを調べていたところ、自身を呼び止めた警備員に興味を移し、蹂躙する。

トドメを刺そうとしたところに上条達が追いつき、交戦するが、魔神の戦略も超能力者の攻撃も、魔道書図書館の知識すら通じず、合流した生き残りの超絶者達ごとまとめて鎧袖一触で突破する。

その後は第二防衛線である第二十三学区に移動。警備員・風紀委員と合流した上条達が次世代兵器で迎え撃つが、防御術式で全て遮断する。一方通行が用意した『フラフープ』の電子ビームも防ぎ、遠距離攻撃で第三防衛ラインを破壊。
誰にも止められることなく第七学区の病院に侵入する。

病院内に待機していたエイワス、コロンゾン両者の力を借りたアレイスターも瞬殺するが、「竜王の顎」を出した上条の一撃に遂に床に手をつき、上条を初めて敵として識別する。

ほぼ互角の戦いを演じるも、右腕を失った上条には血を失っていくタイムリミットがあり、段々とCRCに天秤が傾いていく。
さらに有利に運ぶためタイムリミットまで逃げる選択を取るが、一方通行が配備した大量の無人機や、駆け付けたアラディアと御坂美琴に足止めをくらい、
さらに食蜂とボロニイサキュバスに上条のタイムリミットを精神操作で延長される。
しかし、それでも上条は失血により倒れ、炭素弾の全方位攻撃で旧き善きマリア以外の人員を一掃する。

形勢逆転し勝利を確信するが、アレイスターと上条が立ち上がる。
人外による二つの拳が同時に放たれ、第七学区の外まで吹き飛ばされた。

第十二学区まて飛ばされたが、何事もなく生存。
再度行動しようとした瞬間、殺害したはずのアリスとトリスメギストスが背後から現れ、アリスの不意打ちにより首を抉られる重症を負う。

さらに身体を抉られながら、自身の正体がヨハン=ヴァレンティン=アンドレーエ(未編集)と看破され、神装術を剥がされる。
その結果青年のような姿が、皺だらけでみすぼらしい骨と皮だけの老人の姿へと変わってしまう。
CRCならばどうとでもできた負傷も、ヨハンでは耐え切ることができず、アリスに体のあちこちの肉をごっそり抉り取られて絶命した。


【口調】

一人称は「老骨」。
〜かえ、〜のうといった老人のような口調で話す。
共通トーンを用いているため、意図した話し方かは不明。
「くくっ、さあてここからどうするのかえ?」

最終更新:2025年06月27日 23:13