【種別】
人名

【元ネタ】
同名の実在した伝説級魔術師から。
Wikipedia-アレイスター・クロウリー
本作の「アレイスター=クロウリー」は、この実在した魔術師本人だという設定になっている。

【初出】
二巻

【CV】
関 俊彦


【概要】

学園都市の創設者にして最高権力者、初代学園都市統括理事長
同時に世界最高の科学者としての顔も持つ、名実共に科学サイドのトップに立つ人物である。

外観は長い銀髪に緑眼の『人間』。
見る者からは「男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える」と評されており、
こうとしか表現出来ない、「中性的」という言葉を超越した見た目をしている。

窓のないビルと呼ばれる施設に居を構え、
内部に設置されたビーカー型の生命維持装置にて外界を伺い、基本的には表に出ない。
ビーカーには弱アルカリ性培養液が満たされ、その中に逆さまになって浮かんでいる。
この「生命維持装置」により、人間が行う活動の殆どを機械に任せている。
具体的には、目を動かすという僅かな動作ですらアクションとして認識されてしまうほど。
本人曰く「機械にできることを、わざわざ人間が行う必要はない」とのこと。
一見不健康そうに見えるが、その推定寿命は1700年程。
肉体の仮死化と完全な機械の補助により、世界で最も健康的な体を維持しているらしい。

科学サイドのトップであるが、魔術サイドの存在も認知している。
イギリス清教とは協力関係にあり、最大主教であるローラとは度々連絡や取引を行っている。

学園都市、一方通行幻想殺しなどを利用し、
虚数学区エイワスを制御するための『計画(プラン)』の遂行に向け行動していた。

アレイスターという名はかつて世界最高を謳われた魔術師と同名だが、その大魔術師とは科学的・魔術的に特徴が一致しない為、
関わりを持つ人間のほとんどには「同姓同名の別人、もしくは偽名」と思われている。
一度、土御門には察知・指摘されているが、それに対しては肯否も返さなかった。

【正体】

その正体は、かつて世界最高最強を謳われた大魔術師アレイスター=クロウリー、
本名エドワード=アレクサンダーその人。
そしてこの作品の事実上の裏主人公。
旧約の時点では『とあるシリーズ』の最後の敵に位置する人物と思われていたが、
新約にて後述の詳しいパーソナリティーが描かれた。

魔法名の1つとして『Beast666』を名乗り、
法の書』を書き記したのも史実通り彼自身。
持論として、「法の書の完成と共に十字教の時代は終わった」と謳う。

活躍したのは70年以上も前の20世紀初頭だが、
その間で数千年を超える魔術の歴史は塗り替えられてしまったと言っても過言ではないらしい。
19世紀において台頭し、近代西洋魔術の雛形となった黄金夜明内部における中心人物の一人だった事も言及されている。

一言で言えば最悪の人間であったと記録されており、
ある魔術実験では守護天使エイワスと接触する器として共に世界旅行に出かけていた妻の体を使っていたり、
娘のリリスが死んだ時も顔色一つ変えずにmagickの理論構築を行っていたと言われている。
しかもその実験では娘と同い年ぐらいの少女達を犠牲にしていたようだ。

だがしかし、それらの功績として天界や魔界などの層の異なる重なった世界の新定義を見出し、
それまでの魔術様式を一新した。
現在の魔術師の二割はアレイスターの亜流、何らかの影響を受けている者は五割にも上ると言われている。

また、現在の魔術の共通規格とされる近代西洋魔術も、『黄金』が雛形とされるものの、最終的にはアレイスターの手で編纂されて世界にリリースされた。

だが、そんな魔術師の頂点に立っていた魔術師が魔術を捨てて科学に走ったため、
「世界で最も魔術を侮辱した魔術師」として世界中の魔術師を敵に回す羽目になった。

魔術師討伐組織に追われ、最終的には追っ手に致命傷を負わされる。
1947年12月1日、イギリスの片田舎で死亡したと公式には記録されているが、
実際は死の直前にカエル顔の医者に出会い、命を救われていた。
そして第二次世界大戦後のどさくさに紛れて日本に渡り、学園都市を設立した。
その際カエル顔の医者も都市の仕組みを作る手助けをしており、生命維持装置も彼によって提供された物。

因みに日本を再起の地としたのは、戦後で介入しやすかったこと、労働を苦としない国民の性質、
そして初めて鎌倉の大仏を見た時の衝撃が決め手だったらしい。
(学園都市の立地が神奈川に近い一因と思われる)

イギリス清教は公式の死亡後にもこれまでに蓄積した『アレイスター=クロウリー』の情報を元に追跡を続けているのだが、
その情報は彼自身が意図的につかませている誤情報。
さらに前述の生命維持装置に生命活動を任せることで、魔力生成に必要な生命力を機械的に生み出し、あらゆる探査をかい潜ってきた。
そのため現在の彼は怪しいとは思われつつも、別人だと認識されていた。
しかし、ローラは以前から彼が死亡したと考えてはおらず、
フィアンマとの激突によってサーチ術式が反応した際には、「やはり生き延びていたか」と漏らしている。

因みに作品全体を通してキーワードとなっている「科学と魔術」だが、
実際にはアレイスターの『原型制御』によって、そこにあるものを分かりやすく切り分けて再配布されたものに過ぎない。
これは実際には無限の色の移り変わりで出来ている虹を、強引に「七色」として自分を納得させているようなものである。
つまるところ、科学と魔術には厳密な境など存在せず、アレイスターがその二者を区切って、世界が勝手にその区切りに乗せられたという表現が正しい。
科学と魔術が地続きである証としては対魔術式駆動鎧が存在するが、
実際にこれを分析した琉華からも「世界は統一した理論で説明できてしまう」と言われている。
これ以前にもレイヴィニアによって、魔術と科学が厳密に分かれていなかった時代がかつてあったことが語られている。

「成功も失敗も問わず、成功すればそれで良し、失敗さえも糧にして前へ進む」人物。
アレイスターの『法(テレマ)』に基づく『計画(プラン)』もそのような思想の元に進められている。
成功、失敗、勝利、敗北、獲得、喪失、栄光、挫折、いかなる結果を得てもアレイスターの作る流れに何ら変化は起こり得ない。
例え1から6まで賽の目に何が出たとしても、結果として一つの向きに流れを整えられれば、アレイスターにとっての目的は達成されるのである。
しかし「成功しようが失敗しようが前に進む」ことが原因で、
デメリットやダメージを一切考慮せずにその場の思い付きで行動を起こしている節があり、
上条には「危うい」と評されている。

【過去】

新約18巻で、彼が『プラン』を目指すようになった経緯が明らかにされた。
少年時代、両親も含めた十字教の信者達が「正しさ」を押し付ける様を見て十字教を嫌悪するようになり、
の支配する不完全な世界を、自らの手によって完全なものにするという夢を持った。
その後、夢を成就させるために魔術を学び、成人後は『黄金』に入ってメイザースらと交流を持った。
ちなみにこの頃、自作の官能小説を場末の出版社に持ち込む、皆の集まる儀式場で自分の精子を持ち込み実験を始める、
仲間の魔術師にセクハラじみた詩を語る…などといった、
下ネタ特化の暴挙と御乱心のバーゲンセールをしまくっていた。
本編中で挙げられているこうした行動の数々は、そのほとんどが実在のアレイスター=クロウリーの行動に基づいたものである。
ちなみに、中性的な美貌によりその破綻した性格をもってしても努力せずともモテたそうで、
その反動で普通の恋愛には興味を抱けない「良い御身分」だったという。

ある時、師と慕うアラン=ベネットから、『黄金』の魔術が「位相」の衝突を生み、
それによって発生した『火花』が世界に「不幸の運命」をもたらし続けていること、
そして、その運命が「将来的に生まれるアレイスターの最愛の娘」にも牙を剥く事を知らされる。
アレイスターは人が世界に跪く仕組みを、つまり世界に蔓延る「運命」を憎悪するようになり、
その原因である『魔術』の絶滅を、そして「呪い」を背負う覚悟をアランの前で誓う。
そして、
「この世界にある全ての位相を絶滅させ、位相に振り回されて不幸になる人を二度と出さない世界にして見せる」
という信念を持って生きるようになった。

つまり、彼が計画している『プラン』の目的とは、
端的に言えば世界に存在する『運命』とか『どうしようもない現実』等の世界の理不尽さを弾劾し、
世界から『理不尽な悲劇』を一掃して『誰もが当たり前に泣いて当たり前に笑える世界』にすることである。

「私はな、これから生まれる命がすでに偶発の死に堰き止められてしまっている事、
それ自体でここまで憤っているのではないんだ」
「これほどの悲劇が埋もれてしまう事。
そんなにも世界の日向の部分に悲劇が溢れ返ってしまっている事。
皆が素直に憤って立ち上がれば良いものを、仕方がないよで諦めてしまう事!
それが哀しいと言っているのだ!!」

やがて彼は『黄金』を破滅に導くために反旗を翻した。
師ではあるが『黄金』の魔術師であるアランを殺害した後、「ブライスロードの戦い」を仕組んで『黄金』を空中分解に追い込み、
当時の黄金に纏わる全てを「呪詛」(何をやっても必ず失敗してしまう呪い)の力で破滅させた。
(最終的にその「呪い」はアレイスター自身にも牙を剥き、
現代まで続く彼の人生は「失敗」が付き纏ったという。)

やがてローズ(未編集)という女性と恋に落ち、アランの占術通りリリスという娘を授かった。
このリリスのフルネームはNuit Ma Ahathoor Hecate Sappho Jezebel Lilith Crowleyという長ったらしいものだが、これは彼女が幸福であれるようアレイスターが考えてつけた名前だった。

その後、リリスを死の運命から救う魔術の研究のため、K2登山に挑戦したものの間に合わず、
アランの言葉通り、リリスは『火花』のもたらす「運命」によって幼くして病死してしまう。
最愛の娘の死に際に駆けつける事すら出来ず、
ただ全てが終わった後に簡素な手紙の形で結果だけを押し付けられることになった。
つまるところ、『人間』アレイスター=クロウリーの原動力はこの時代に隠されていたのである。

以降、彼の人生は転落が続いたという。
異常な言動を撒き散らし、世界最高でありながら最低最悪の魔術師とも呼ばれ、
時にマスコミの非難に晒される苛烈な人生を送った。
そしてその人生の最後、劇毒たる呪いを飲み干してなお、
リリスを死に追いやった「ありふれた病名」だけは覆らなかった。

オティヌスによれば「宗教に依らない科学の世界(純粋なる物理法則の世界)を直接いじくる」ことを目的としているらしい。
その後、ブライスロードの戦いで失った追儺霊装『幻想殺し』を再び見つけて活躍させるために学園都市を構築した。

【能力・スキル】

世界最強の魔術師と評されるだけあり、その実力は次元が違う。
その腕前は本物の魔神から、「魔術の道を正しく進んでいれば魔神になっていた」と認められる程。
ただ当人は「人間」にこだわっているため『魔神』になる気は全くなく、
それどころかあえて魔神にならぬように自分を制御しているらしい。

それでも魔術を極めた結果高次存在と化しており、存在そのものが曖昧。
シークレットチーフの『窓口』とされるアンナ=シュプレンゲルと同じように、
彼もまたエイワスの一学説「シークレットチーフの真なる者」への『窓口』として機能している。
その存在は0と1だけで表現する事が出来ない。

  • 10億8309万2867通りの可能性
アレイスターは普段生命維持装置の中で暮らしているが、その場にいるアレイスターは一人だけではない。
その魂には、10億8309万2867通りもの「分岐先」、言い換えると
仮にアレイスターが現実と違う選択肢を取っていたらこうなっていた、という「ifのアレイスター=クロウリー」を秘めている。
本人曰く「私の魂は極彩に輝いていた」。
かつてこの「分岐先」を自らの分身として作る実験を思い付きで実行し、その産物として「分岐先」を顕現させることに成功した。
しかし世界に複数のアレイスターが存在したところで、ただいがみ合うだけで協力体制すら取れないと判明し、結果的に実験は失敗。
全てのアレイスターを重ねて一つの座標に留めることを余儀なくされた。
ファックスのように瞬間的にその存在を分化させることで、疑似的な瞬間移動をすることも出来る。
同じ原理で、学園都市に設置されたビーカーに居ながらにして、別の場所に並列して同時に存在することすら可能。

  • 魔術の無効化
前述の通り現在世界に広まっている近代西洋魔術の理論は、アレイスターが都合よく広めた、
いわば「アレイスター流魔術解釈」である。
つまりアレイスターはその裏口や脆弱性を知り抜いているため、
近代西洋魔術の要素が含まれた術式に対して干渉や無力化、ひいては乗っ取ることすらできる。
(インデックスの『強制詠唱』と原理は似ている。)

逆に言えば近代西洋魔術成立以前の術式は通用するのだが、
そうした術式を持ち出しても、現代の魔術師ではどうあがいても近代西洋魔術の視点から術式を解釈してしまう。
つまるところ、人間の魔術でアレイスターを傷つけることは事実上不可能

彼に魔術攻撃が可能なのは、
1.魔術師の意思が介在しない「近代以前の」無人自立霊装
2.アレイスター以前の、独自の魔術理論を保つ魔術師
3.魔神や天使などと言った、そもそも人の魔術に縛られない存在
の3通り。
とは言えこの条件を満たし、アレイスターを負傷させた(させうる)存在はほんのひと握りしかいない。

以下項目のある能力については各リンクを参照。

【作中での行動】

学園都市の設立後、一方通行幻想殺しなどを利用し、
学園都市に秘められた虚数学区を制御するための『プラン』を進める。
断片的な情報によれば、エイワスを利用することや、『神浄』と関わる何かを目指しているらしい。
しかし、予想外の事態が多く重なり、元来の計画から逸れてきており、エイワスには「焦っている」と評される。
第三次世界大戦においては、計画の要となる上条当麻が自身の監視下から外れたことに対し憤り、
幻想殺しに内包される何かを垣間見たフィアンマを抹消し、計画を逆算される可能性を潰すために自ら出陣。
満身創痍とはいえ第三の腕を振るうフィアンマを簡単に下した。
だがフィアンマと彼が引き起こした第三次世界大戦により、この時点で『プラン』に許容できない誤差が発生。
修正方法が現状分からず、下手に行動を起こすと『プラン』に影響するためうかつに動けない模様。
北極海に沈んだ上条の回収を行わなかったり、学園都市に帰還した上条の確保に動かなかったのはこれが原因。
学園都市に接近するラジオゾンデ要塞への対応が遅かったのもこのためである。

その後、魔神オティヌス率いる『グレムリン』の数々の行動を問題視しつつも、
彼は『隠世』に潜む真のグレムリンである魔神たちに接触する方法の模索を優先。
存在しない数で埋め尽くされた座標を強引に10進法に変換することで隠世に侵入。
これを破壊し、彼らを現実世界に引きずり出す事に成功した。
この際、魔神の一柱『僧正』の挑発に乗る形で魔神達に無謀な攻撃を仕掛け、
結果として体の3分の1を焼き焦がされ、活動休止を余儀なくされた。
これに対し、木原脳幹には、
「一見理性的なくせに、実際には感情で片付けてしまおうとするのが君の悪い癖」と失笑された。

しかし実際には、魔神に共通するパラメータを体当たりで入手するために必要な行動であり、
それを入手して生還できさえすれば敗北しても問題はなかった。
更に、先行して現実世界に現れていた魔神で、万全の状態だったはずの『ゾンビ』を木原脳幹が撃破。
ゾンビに適用された『鏡合わせの分割』を解析・改竄した上で、
ゾンビに成りすまして残る魔神らへ改変した術式を埋め込み、可殺状態に追い込むことに成功する。
そして、木原脳幹によって磔にされたゾンビの亡骸を彼らに投げ寄越し、魔神達へ宣戦布告した。

新約1巻ではレイヴィニア=バードウェイに「お前の焦りは透けて見える」などと煽られている上、
新約10巻では上記の理由があるにしろ自分の娘の話を降られた事で魔神に激昂したまま交戦したりするなど徐々に人間味が出てきており、
良くも悪くも人気を集めている。

合理の極致を歩む最適解の権化のような人間でありながらも、その実はかなりの激情家。
『とある魔術の禁書目録』シリーズにおいて「一見完璧な存在に思えるが、蓋を開けると意外と穴が多くボロが出る」登場人物は『聖人』や『魔神』を見ての通りであるが、
アレイスターはその中でも最高クラスに位置している。
ローラの思惑によって木原脳幹が打ち破られ、コールドスリープを余儀なくされた際には、
彼は初めて自らの『プラン』を呪い、僧正と相対した時など比較にならないほどの感情を露わにし、1人号哭を上げていた。

その後、対魔術式駆動鎧に吹き飛ばされた木原唯一の前に姿を現し、
「自分を殺したいのなら構わない」と言いつつ、「その前に自らの仕事を果たせ。そうでないと
お前を動かすために散っていった『』があまりにも無残だろう」と、
感情のない瞳で、それでも激情を裏にひた隠しにしながら唯一に告げ、
対魔術式駆動鎧に接触した美琴を新たな脅威と認定し、上里翔流と同様に排除する事を決定した。

新約18巻では、自らの本拠地である窓のないビルに上条を呼び寄せ、
ミナ=メイザースを案内人として自らの過去を見せた後に最上層で対面。
エイワスを召喚するなどして上条を圧倒するも、
『プラン』に向ける信念を「天国という位相にいて幸せに笑っているかもしれないリリスを否定する行為」と上条に断じられ、幻想殺しを叩き込まれた。
世界の改変を願った男は、いつしか娘の魂と尊厳を守る側に立てなくなっていた。
かくして、どこにでもいる平凡な高校生の右手をもって『学園都市統括理事長』アレイスター=クロウリーの物語は幕を下ろすこととなった。

が、『魔術師』アレイスター=クロウリーの物語に関してはこの限りではない。
上条の握り拳に吹き飛ばされて床に伸びていたアレイスターは、
直後に窓のないビルに現れたローラ=スチュアートの発言で、
彼女の正体がアレイスターの2人目の娘「ローラ」であること、
そして、その「中身」がローラの体を乗っ取ったコロンゾンであることを知る。

曰く、ローラは日常的に父に対する文句を口にするほど嫌っていたが、
乗っ取られる直前には父に助けを求めていたという。
その事を聞いたアレイスターは激高し、怒りに飲まれながらダモクレスの剣で殺害された。

しかし、魂に10億8309万2867通りもの「分岐先」を秘めていた彼は、直後にそれらを群体として解き放ち、イギリス連邦を制圧。
曰く、右方のフィアンマや木原唯一と対峙した際に存在を分化させた事が原因で、分身を同じ座標に留めきれなくなっていたのだという。
(世界の人口をいきなり10%近く増加させてしまったが、思い付きの行為だったため、
人口増加に伴う食料問題やエネルギー問題については考慮していなかった)
アレイスターと面会した者たちが抱いてきた、
「男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』」という印象は決して間違いではなく、
それだけの分化先を実際に魂に秘めていた。
英国本土とまではいかないものの、しかしローラの耳に入った時点ではロンドン郊外さえ陥落させていた。
ローラは勝利を収めたわけではなく、あくまでこの分岐の中のたった1つを出し抜いたに過ぎなかった。
その後、分岐先の1つである、「ベイバロン」をベースとした中学生か高校生くらいの少女の姿を取り、上条の前に再び姿を現した。

上条と合流した後は女性の性感を知るべくうぶな彼に性交を依頼したり、
ラブホテルを拠点としてこれまた上条相手に性魔術で敵味方の探知機を作ろうとしたり、
少女の姿でタオル1枚巻いただけで一緒にサウナに入ったりするなど、
もはや旧約の頃のラスボス感はどうあがいても取り戻せない行動をしていた。
(なお伊達に科学と魔術両者の最高位な訳ではなく、これらの行動はコロンゾン対策にとっては最適解である。
前述の性魔術も「コロンゾンの息がかかっている箇所を探る護符を作る」ためのものであり、
その場のテンションで上条に迫っていたワケではない)

A.O.フランキスカの正体を暴いてカエル顔の医者の病院に辿り着き、
そこでエイワスによって新たに受肉したリリスと再会を果たす。
リリスと再会した後もしあわせになる事への恐れを抱いていたが、
エイワスからの「しあわせになる事から逃げるな」という言葉を受け、リリスと触れ合ったことで、
「魔術師・アレイスター=クロウリー」としての完全復活を遂げる。
直後、ミメティックプレデター霊的蹴たぐりのビッグバン爆弾で消滅させ、
コロンゾンに乗っ取られた府蘭をガンマナイフにより『A・O・フランキスカ』だけを切除して救った。

書庫争奪戦に決着がついた後、『学園都市統括理事長・アレイスター=クロウリー』として
浜面仕上に暗部から逃れられる保険を約束し、一方通行とも落とし前をつけることを承諾した。
そして未だコロンゾンに管理権が簒奪されたままの学園都市を機能停止させ、
コロンゾンを学園都市に封印して足止めし、ローラを奪還する手段を確保すべく英国に向かう。

しかしコロンゾンの肉体はローラではなかったと判明。
激闘の末、一方通行に統括理事長としての全権を委譲した後、死亡した。
遺体はエリザードによって国葬が決定され、本人としても満足して死んでいくつもりだったが、
コロンゾン本体と分離して残った肉体に宿り、現世に留まることになった。
1909年に行われた召喚実験では、本来ならば「アレイスターの肉体にコロンゾンが宿る」手筈だったが、
この術式の火花が予想外の形で作用した結果、「コロンゾンの肉体にアレイスターが宿る」形になってしまった。
しばらくは身を隠し、科学でも魔術でもない「第三の領域(バックステージ)」に潜るつもりのようだ。
なお、(さすがの大悪魔と言うべきか)コロンゾンの自我も残っているようで、現時点では
「コロンゾンの肉体を乗っ取ったアレイスター」と
「アレイスターに肉体を乗っ取られたコロンゾン」が同居している。

【口調】

一人称は「私」。
ラスボス候補らしく冷静な超越者のように振る舞う。
「まさかとは思うが、お前達は私をただの馬鹿だと侮っていたのかね?」
が、素の口調は激情家。下記は新約15巻でイギリスから学園都市の様子を観察していた(と思われる)ローラへ放った言葉である。
「……何見てんだアバズレ。今すぐここで呪殺でもして欲しいのか」

【余談】

ニンテンドーDSで発売された「電撃学園RPG CROSS of VENUS」にて最後の隠しボスとして登場。
主人公達の前に突如として現れ、異世界での物理法則の検証をプラン短縮の参考とすべく、手合わせを挑んでくる。
これがアレイスターのフィアンマ撃退時に先だった戦闘披露となり、瞬間移動や衝撃波、
上空より無数の光を放つ「衛星光波」といった能力を駆使し、隠しボスに相応しい実力を見せつけてくる。

戦闘終了時には、勝敗に関わらず「良いサンプルがとれた」と言って主人公の前から姿を消すが、
その余裕の様子から察するに、どうやら本気はまるで出していなかったらしい。
ここからも、アレイスターの凄まじい実力の程を垣間見る事が出来る。

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