【名前】トワイライト=グリモス
【性別】男
【所属】魔術
【能力】『避役の瞳(サトリ)』、『暴虐の神罰』。
【能力説明】
  • 『避役の瞳(サトリ)』
『サトリ』と聞くと日本伝承にて登場する人の心を読む妖怪『覚』を連想し、当人も冗談半分に妖怪『覚』の魔術だと漏らしているが実際はアフリカ各地で語り継がれるカメレオン伝承に基づく魔術及び霊装名である。
アフリカ神話や伝承においてカメレオンは「神の使い」「連鎖的に殺し尽くす毒を持つ」等と語られている。
例えば、細部に違いは見られるものの多くの民話において神の使いカメレオンが神から託されたメッセージ「人間は永遠に生きる事ができる」を人間に伝える前に、逸った人類が他の動物なり使者から神のメッセージ「人間は必ず死ぬ」を聞き、人類に死の運命が与えられるというものがある。
トワイライトはこれを「カメレオンの言動より先んじて己の欲望を満たそうとした為に人類に死の呪いが発生した」と解釈した。
霊装『避役の瞳』の瞳が開いている限り、トワイライト当人より先に動き彼に害を為そうとした『人間』(←ここが肝。言い換えれば無人兵器や自動操作のゴーレムに体全体を化物化した魔術師など先手を仕掛ける直前の“状態”が『人間』で無ければこの強制停止魔術は無視できる)は魔術操作を含めて動く直前に強制的に動作を停止させられる、所謂『先手の禁止』である。
トワイライトに奇襲の類は『人間限定』で一切通じない。停止状態から無理に挙動を発生させようものなら神経や血管が破裂し始め、魔力循環の不具合による暴発も生まれ、遂には死に至る。
人間がトワイライトに有効な攻撃を加える為には先手で無ければいい。すなわち『後の先』を狙う他無いが、『避役の瞳』は『サトリ』と呼称する通り有視界内に収めた生物の心を読む事ができる為に非常に困難である。
利用する伝承は神の使いカメレオンと当時カメレオンの主たる神と覇権を争っていた海神オロクンの逸話。
美しい着物を着て神とオロクンのどちらが人々から賞賛されるか競う直前神から使わされたカメレオンはオロクンと同じ衣装を身に纏っていた。
オロクンは何度も自身の宮殿へ引き返し別の豪華な衣装に着替えたが、いずれの場合もカメレオンはオロクンと同じ衣装を身に纏っていた。これによりオロクンはカメレオンの主たる神に屈した。
解釈としては「カメレオンは生物の心を読む事ができ、尚且つ相手に幻覚を見せる事ができる」である。つまり相手の脳内に様々な幻覚を抱かせる事が可能なのだ。
『避役の瞳』はトワイライトの額に埋め込まれている。先手を封じられ、心を読まれたり幻覚を見させられたりして『後の先』を狙うのも非常に困難だが、何らかの事由で『瞳』を閉じさせられる事ができれば付け入る隙はある。
しかし、それはトワイライトも百も承知。彼は古傷が痛々しい閉じられた左目に『避役の瞳』をもう一つ埋め込んでいる(カメレオンの目は二つある)。
強烈な刺激に対する防護術式を瞼の裏側に刻み付ける事で保護されるもう一つの『瞳』は、額の『瞳』を封じて千載一遇のチャンスとばかりに攻め込んでくる相手を容赦無く見透かす悪魔の瞳となる。
また、他のカメレオン術式としてトワイライトの体液(汗や血など)は、様々なものに連鎖的に浸透する魔術的な猛毒となる。そして、トワイライトに毒の類は効果無しである。

  • 『暴虐の神罰』
嵐と雷と火を司る暴虐の神シャンゴの伝承に基づく魔術。目に見える戦闘魔術はこちらの方。
手から発生させる雷の両刃斧による一閃は数多の物質を刹那に消失させる超高温のラブリュスとなる他、周囲に放電する高圧電流とも化す。
暴風と大雨が渦巻く嵐の中でも各地に炎の災いを振り撒いた伝承から、トワイライトの操る火属性魔術は水属性や風属性魔術で打ち消されずに突貫する炎の矢となる。
無論ジャンゴ自身も風属性や水属性の魔術を操れる。その時々に応じた最善手を選ぶ頭脳を持ち合わせるトワイライトの実力は推して知るべし。
人だった頃のシャンゴには己の失策で仲間や身内を失った末に自殺するエピソードが存在するが、トワイライトは死後神として崇められた伝承を抽出しているので弱点とはならない。
その代わり属性とは別に激情を司る神の特質としてシャンゴ魔術を使い過ぎると、ある時を境に激情へ身を委ねる所謂『トランスモード』に陥ってしまう弊害がある。
圧倒的な速度を誇る雷を操る神として2、3分程度だが音速に迫る挙動を発揮できる代わりに周囲が見えなくなり、敵味方問わず胸の内を駆り立てる激情のままに滅ぼす行動に走ってしまう。
無論魔力消費の燃費など一切考えない為数分程で力を殆ど使い尽してしまう可能性が高いが、制限時間を過ぎる前に滅ぼし尽くしてしまうとその瞬間に『トランスモード』は停止し何時も通りの冷静さを取り戻す(『避役の瞳』はトワイライトにとって実は強力な武器では無く制限装置扱いである。殆ど力を使い尽した後でも最低限『瞳』に回せる魔力は残すよう左目の瞼の裏に刻んでいる防護術式に専用式を組み込んでいる)。
トワイライトにとって激情とは少数民族出身の戦士として命のやり取りをする刹那の愉悦。懸ける命は己と敵。生粋の戦闘狂であるトワイライトは、己の愉悦を至高なる高みまで昇らせてくれる機会を心待ちにしている。
【概要】
アフリカ出身の魔術師。魔法名『この瞳が在る限り如何なる者にも未来(さき)を許さない(pupula051)』。
魔術結社『多からなる一(イ・プルーリバス・ウナム)』における強硬派筆頭格にして、聖人とも戦闘の経験があると嘯く三眼の魔術師。
『多からなる一』に加入するまでは各地の戦場に姿を見せては殲滅の限りを尽くしたと謳われる生粋の戦闘狂。
今までにも『イルミナティ』や『世界樹を焼き払う者』の支部の幾つかを瞬く間に壊滅させ、『革命者の王冠』と契約した魔術組織(善悪で判別すると悪側に分類される結社)を『革命者の王冠』の主力部隊が実際に動く寸前に殲滅したりと色々動き回っているが、その割に『凄まじく強いけどどんな魔術を使うのかがわからない』という評判が立っている。
トワイライトと出くわした魔術師の殆どが彼の手によって命を落としているからであり、命を失った者達はトワイライトが操る魔術の正体の断片すら仲間へ残す事ができないからである。
唯一わかるのは「当人が『サトリ』と呼ぶ『瞳』を額に浮かべる血塗られた魔術師」くらい。その危険度故『必要悪の教会』の手配書にも載っており、
『必要悪の教会』内では日本伝承に登場する妖怪『覚』に基づく日系魔術を操る魔術師ではないかと囁かれている。

『多からなる一』に加入したのは少数民族の文化を守ろうとする結社の理念に心動かされたから。これでもトワイライトなりに自身が生まれ育った大地に根付く文化を愛している。
しかしながら、トワイライトは結社のメンバーとの共闘を悉く蹴る、集団行動など知るかと言わんばかりの単独行動し放題等々とにかく群れる事を嫌う。
自身が操る魔術に仲間が巻き込まれるのを防ぐ為などという良心からくる行動では無く、単に戦闘の邪魔だとしか考えていないという多少以上に傲慢な性格だがとにかく頭が切れる。
生粋の戦闘狂で至高の愉悦を望みながら自滅などの愚行を犯さない完璧に等しい程の感情の抑制術はトワイライトの特長である。

十字教など現在の多数派が魔術世界をリードする状況を快く思っていない。大きな対抗勢力には容赦の欠片も無く殲滅行動に走る。実力は確かなので、次第にトワイライトは組織きっての強硬派筆頭格と見做されるようになった。
「文化や民族に優劣はない」という理由で明確な主導者は存在しない『多からなる一』の構造はトワイライトにとっては実に居心地が良かったが、ある事件を境に暫定的主導者となったイロ=コイから抑制指示が下ってからは比較的大人しくしている。
『避役の瞳』によってイロの心の内など全て見透かしているトワイライトは、強硬派筆頭格として結社における確かな発言力を維持しながら来るべき至高なる愉悦の時を待ち侘びている。
ちなみに、トワイライトが滅ぼした結社の大部分に共通するのが『弱き者を己の私利私欲に使い捨てにしていた』事。
『革命者の王冠』と契約していた魔術結社は悪側なれどこの共通事項からは外れていたのだが、『革命者の王冠』の諜報部隊たる第三瑠璃暗躍部隊が結社周辺における諜報活動の際にトワイライトの『瞳』に引っ掛かった為に、あのような事になったという経緯がある。
【特徴】
身長187センチ体重90キロ台。30代後半。額と左目に『避役の瞳』を埋め込んでいるが、余程の事が無い限り他者が左目の『瞳』を拝む機会は無い。
魔術とは関係無い一般人が暮らす普通の世界に出向く時は額の瞳に迷彩術式を施して一応隠している。
左目から左頬に縦一閃に流れる古傷が痛々しく浮かんでいる。結社のメンバーの誰にも左目の『瞳』については明かしていない。というか、自身の魔術について多くを語る事は無い。
日焼けした赤茶色の肌、右目の血塗られたと錯覚する程禍々しい赤い瞳、耳や首にまで伸びる赤黒い長髪、首元に巻かれた朱色のスカーフ、アフリカ各地の特色を融合させた民族衣装の上から硬質な紅色のマントをはためかせるなど赤系の柄で統一させている。
単独行動がデフォ。高い所が好きなのか、本部である『ハワイキ』内に存在する建築物の屋根の上などに座り潮風を浴びている姿を目撃されている。
【台詞】
「あぁ、本当だぜ。あの聖人は今まで俺が戦ってきた相手の中でも格別に強かった。なにせ、俺を相手に生き残れる奴がいる事自体が珍しいからな。俺もこの『サトリ』が無かったら正直ヤバかった。ははっ、信じる・信じないはお前等の自由さ。好きにしろや」
「よぉ、ジジイ。『革命者の王冠』の諜報部隊にいた筈のお前が何でここにいるんだってずっと前から聞きたかったんだよなぁ。いいだろ、減るようなもんじゃねぇし。……あぁ、そうだな。言葉にしなくともこの『サトリ』の瞳は全てを見透かしている。つまり、これは無駄話だが俺はこれでも話好きなんだぜ?無駄話も与太話も内緒話も大歓迎だ」
「向こう見ずなガキが突っ走って臆病者が『多からなる一』の舵を取ったか。まぁいい。しばらくは大人しくしてやるよ。あの野郎の望む事が実現に動き出せば遅かれ早かれここは嵐の中心地となる。そこに、俺が望む愉悦の機会があればそれでいいんだからな」
【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2016年02月12日 17:38