アラディア


【名前】

  • アラディア

【スペック】

  • 『橋架結社』の超絶者
  • 足首まで届くウィンプルを被り、紫の布で要所を包み、変則ビキニのような踊り子の衣装をした、長い銀髪の女性

【能力・所持品】

三倍率の装填(リロードスリータイムス)

使用者が行った行動を、善行なら三倍の幸福、悪行なら三倍の不幸として返す、実践魔女(ウィッカ)の術式。
実践魔女の世界では常に三倍の法則が働く。それが善行であれ悪行であれ、一人の魔女が使った魔術は巡り巡って必ず三倍の強さで使用者に戻ってくる、という鉄則である。故に魔術で金を盗んだ魔女はその三倍を失い、故に魔術で人を殺した魔女は三倍の勢いで致命傷を浴びる羽目になる。
しかしアラディアの場合、自身の様々な行動を『親切や善行』と解釈することで、『悪い事をすれば悪い事が三倍になって舞い戻る』という魔女のストッパーを無視しつつ、その効果を三倍の三倍の三倍……というように無限に積み重ねていくことができる。

アラディア曰く、「善行と悪行なんて、見方次第でがらりと変わるわ。ならわたくしは、何をやっても自分が善玉とみなされる視点と解釈を獲得していけば良い。それで『三倍率の装填』から棘は抜けるのよ」
「ただ常日頃から善行を繰り返すだけで、いいえ、そうできたと判断を下される状況を作るだけで、やがては魔神だろうが超絶者だろうが瞬殺できるほどの力を膨らませられる」とのこと。

実際に上条との戦闘の後半には、「世界救済レベルの善行を三倍で返す」程にまで力を増幅させた。

例えば、
  • 食べ物をこぼしてしまった人にティッシュを手渡す
  • 夜風に舞う空き袋のゴミを拾う
  • 『幻想殺し』で魔術攻撃を打ち消された=『幻想殺し』に魔術を当てたことで衝突は回避された
  • 相手に攻撃を避けられた=攻撃を当てなかったことで衝突は回避された
  • 攻撃を当てたが倒せなかった=一撃で殺さなかった自分は優しい
  • 上条を殺す=アリスは安定する=世界に平和がもたらされる
などといった、単純な善行の他に明らかに屁理屈のような言動であっても、「この善行をもって三倍で返す」ことが可能となる。

この術式を扱うには必要な手順が存在し、それは魔女が薬品を作る際に用いるように、ミント、シナモン、ガーリック、バニラ、ジンジャー、カカオ、ラベンダー等といった身近な『薬草』を、足元で調合して『膏薬』とするといったもの。
具体的には、自身の踊り子の服の金具に薬を練り込んだ上で保管しておき、必要に応じて金具同士を擦り合わせ削って粉末化し、足元にこぼれたそれを裸足で踏んで汗や皮脂と混ぜ合わせて調合することで、自身の『影』をパレットとして作り変えて『膏薬』とし様々な魔術を行使する。

このため、自身の『影』の形を固定していることから、複数の方向から同時に光を浴びても影が一箇所にしか伸びないため術式がバレてしまう、地面に自身の調合と無関係な薬として扱われたことのある植物類などを巻き散らされたり、ホースの放水などで地面を洗われることで「弾詰まり」を起こす、といった欠点がある。
この「弾詰まり」に関しては、足で地面を二回叩いて『浄化』することで、もう一度『膏薬』を作り直すことができる。

この術式によって、一例として以下のような現象を起こしている。
  • 素手で上条の胴体を貫き破壊する
  • 掌から、高層ビルを根こそぎ削り取る程度の青白い閃光を放出する
  • 前方に光の壁を作り、手で触れずに大型自動車を弾き返す
  • 唇に指を当てそっと息を吹くと、爆発に似た暴風が起きる
  • 高層ビルの万か億かに迫る量のガラス片を全て停止させ、弾丸のような速度で放つ
  • 素手で猛犬を引き離す
  • 指を鳴らすと光と音が数回炸裂し、ガス管が破裂する
  • ただの蹴り一発で、同格のボロニイサキュバスに致命傷を負わせる
  • 上条の体を細い腕で締め上げ、骨まで押し潰そうとする
  • 足の先で軽く地面を叩くと、自身を中心としてドーナツ状に風の衝撃波を放つ
  • 回し蹴りで信号機を根元から切断する
  • プラネタリウムのように光の筋が夜空を埋め尽くし、世界を三回救うほどの力を収束させる

飛行

魔女がホウキに跨がり空を飛ぶように、飛行する術式。
必ずしもホウキである必要はなく、作中では切断した信号機に乗ることで空高く浮かび上がった。

熊の脂肪

苦悶の表情を作る、粘つく黄土色の臓物じみた液体を大量に作り出し、相手の居場所を検索する術式。
この粘液は人間のシルエットに形状を変化させ、車より早い速度で床や壁を滑るように動き回り、検索したい相手と縦横高さのいずれかが合致すると襲いかかる。
『熊の脂肪』には視覚や聴覚はなく、補足対象の肌表面の顕微鏡サイズの小さな生態系パターンを識別して追いかける。
その後、縦横高さが合致したり、『熊の脂肪』を破壊することで検索範囲に不自然な箇所が生じることで座標が割れると、その位置にアラディアが後述の『虫除けの術式』を行い、その場所へと向かう。

虫除けの術式

10m大の唇のような楕円形の閃光を放つ術式。
元々の『虫除け』は、豊作祈願に具体的な形を与える自然制御という魔女の代表的な仕事である。そこから転じて、一帯から標的を識別してからの殲滅を行う術式として組み上げた。

布教

「「「聖魔女様のお導きの通りに」」」

アラディアの衣装と白紙のルーズリーフ型魔道書『影の書』を布教し、一般人に『三倍率の装填』を扱えるようにする術式。
実はこのキーワード自体に意味はなく、流行語やネットスラングと同じように、何でも良いから秘密の合言葉を共有し、一体感と同時に意味を読み解けない者への優越を生み出していくことが重要である。そういった言葉を繰り返す事で目には見えない絆を錯覚させ、自分は何か大きなものの一員となって守られていると思わせる。
結局のところ、得体の知れない準備期間が一番面白いし、皆が一緒になって手を動かして作業している間は安心できる、という集団心理を利用し、中世における『サバト』を再現する。

作中では、渋谷に集まった若者から老人まで約10万人もの人々に布教し、実質的に10万人のアラディアを作り上げた。

人域離脱

「夜と、月と、それから魔女。……ヘカテ、イシス、モリガン、フレイヤ。太古、叡智を司る女性の神は常に三つの側面をもって世界を正しく見据え、傅く巫女達を力強く守護してきた」

「解放、する……。リスク4、三重封印分解・人域離脱。この身を三相女神とするべくここに作用してッッッ!!!!」

『幻想殺し』により無効化され不発となった、詳細不明の術式。
その口上や、アラディアを中心に影が三方向へ同時に伸びて周回したのち光り輝く描写、他の『人域離脱』を使用した超絶者の戦闘描写から、アラディアを人の域からより高次の存在にするといった、何らかの変化を与える魔術であると思われる。
他の超絶者とは「リスク4、○○封印○○・人域離脱」という口上が共通している。

飛行の迎撃術式

「聖ペテロは悪魔の力を借りた魔術師シモン=マグスの飛行を許さず」

魔術によって飛行している標的のバランスを崩して墜落させる術式。
口上は人によって多少の差異がある。
多くの魔術師が使用できる基礎魔術の一つであり、「魔術師は空を飛ぶのは簡単だがすぐに撃墜される」のが一般的となっている。

占術

標的の居場所を特定する術式。
アラディアの場合、一般的には水晶を凝視して得られたビジョンから知りたい情報を読み解く、『水晶占い』を行う。
しかし、水晶も球体も必ず揃えなければならない条件ではなく、作中では広げた紙の地図と虫眼鏡のレンズで行っていた。

防護の膏薬

対象の体を防護し、体内の侵蝕を抑えつける術式。
アラディア曰く、「コンクリの山が覆い被さったくらいじゃ傷一つつかない」とのこと。

作中では、『矮小液体』を受けて倒れたアンナ=シュプレンゲルに対して使用された。
『矮小液体』による体内の侵蝕を遅らせる役割を果たしつつ、ムト=テーベとの戦闘による余波で体が傷つくこともなかった。

【備考】

  • 現時点でのアラディアの最終的なスペックは、台詞や地の文で明言されている「世界救済レベルの善行を三倍で返す」、「世界を三回救うほどの莫大な力」を持っている状態である。言葉通りの解釈をすれば、これは「『神上』を使用できる状態のフィアンマの三倍の強さ」ということになる。

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最終更新:2023年05月14日 14:20
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