【名前】
【スペック】
- 『薔薇十字』の魔術師
- 元『R&Cオカルティクス』のCEO
- 元『橋架結社』の超絶者
- エビフライのような縦ロールを何本も作ってぶら下げた赤みの強い金髪で、薔薇の髪飾りを何個も付け、赤いレオタードにロングスカートを足したようなドレスを着た大人の女性
※本来は上記の姿だが長時間の維持ができず、普段は10歳程度の幼女の外見となる
【能力・所持品】
スクライング
水晶玉やタロットカードなど、「本質的に知を得る道具」(魔術的な意味合いを持つ道具)の精度を上げて魔道書として機能させる術式。
これにより、魔術を扱えない者や魔術の知識すら持たない者でも「魔術を行使できる」ようになる。この際、その道具が自動的に地脈から力を吸い上げてくれるため、生命力を魔力に変換する必要はなく、対象者が能力開発を受けていても一切の副作用なしで魔術を使える。
ただし同時に、その道具が破壊されるまで「対象となった者の体を操る」こともできるようになる。
作中では、滝壺を対象として水晶玉を渡し発動することで、『原子崩し』に近い閃光を放つ魔術を使えるようにした。ただし、その攻撃はいずれも滝壺が望んで行ったものではなく、最終的に滝壺は体を操られ、浜面に対しても攻撃せざるを得なくなった。
薔薇十字の霊装
『薔薇十字』の象徴たる、細い鎖で胸にかける種の薔薇十字の紋章を象ったネックレス状の形をしており、その花弁の一つ一つに『ヘブライ二十二字』が刻まれている霊装。
天使や精霊の名を一筆書きの形で抽出するだけで、力あるシジルの符を量産できる万能の霊装である。
しかし作中では、マダム・ホロスが使おうとした直後に
エイワスの手刀を受け、アンナの器を奪還されてしまった。
エイワスの召喚、使役
アレイスターと同様に、エイワスの召喚及び使役ができる。
当初はアレイスターが召喚したものと思われていたが、それよりも前にアンナが召喚し契約者となっていた。
チャネルの体術
生命力の循環を利用した体術。
『生命の樹』が人体各部に対応している事を利用し、球体と球体を繋ぐチャネルを意識して、力の流れを遮るように拳や蹴りを放つ。
作中では、『ファイブオーバーOS』の『強化スーツ』を着た食蜂に対して使用した。
『強化スーツ』は銃弾を抑え込める程度の防弾膜を持つが、脇腹をサッカーボール感覚で蹴っただけで、呼吸が止まり、視界が回り、受け身も取れずに地面を何度も転がった。
その後食蜂は、こめかみの辺りの血管が震え、呼吸困難に陥り、手足を動かそうとしても小刻みに痙攣するだけの状態となり行動不能になった。
この際、「本質的にはもっと重要な目に見えない循環が阻害されている感覚」に陥っており、『強化スーツ』がなければ、内臓や背骨を砕かれていたとのこと。
なお、この体術は
コロンゾンが一方通行に使用した、『樹』を人体に対応させ、(
クリファパズル545のサポートによって高位の魔術に対応済みの)『反射』を反射し、心臓に永続的な循環不全を与えた拳と同様のものと思われる。
この他、素の体術でも高いスペックを持つ。一例として、以下のような描写が存在する。
- ただの手刀一発で、エイワスを地に伏す(また、全盛期であればエイワスを一撃で殺せていた)
- 御坂が電気的に食蜂の『強化スーツ』を操った上で遠心力を利用した回し蹴りに対して、片手で掴んで止め、振り回してブーメランのように投げつける
- 貨物列車の先頭部分に手を突っ込むと、先頭車両が潰れて持ち上がる
- 拳を受けた上条が、ゼロ距離でショットガンでも浴びたように真後ろに大きく吹き飛ばされ、何度も地面を転がる
強靭な肉体
アンナは、以下のような不死身に近い強靭な肉体を持つ。
なお、『魔神』のように「肉体は損傷するがダメージを受けず再生する」のとは異なり、そもそも傷を負わない。このため、肉体の再生能力を持つかは不明である。
- 尖った釘が全面に生えた拷問用の椅子にダイブしてベッドの上のように転がっても無傷
- 『A.A.A.』で大幅に底上げされた『雷撃の槍』を受けても無傷
- 『超電磁砲』を受けても無傷
- 金属ポールや自転車の残骸等の大量のスクラップで体が押し潰されても無傷で、その瓦礫の中から会話を行う
- 自身が放った『薔薇十字の術式』による炎と冷気及び、その温度差で砕け散り滝のように落ちた分厚いガラス片の中を無傷で歩く
- 『強毒性サンジェルマンウイルス』を食べて消化し、その影響を受けない
- 『劇症型サンジェルマンウィルス』を口内に保持し、その影響を受けない
- 『心理掌握』を受けても、一度横からバットで殴られたように頭が不自然にブレた程度で、効果がない
劇症型サンジェルマンウィルス
代を重ねて侵食効能が弱まった天然のサンジェルマンではなく、アンナが直接手を加えた『黒い丸薬』。
体内に摂取すると、『魔術の副作用』と同じような鼻血や吐血から始まり、時間が経つにつれ肌の至るところが不気味に裂け血が滲み、同時に自我も失われていく。その際には激痛も伴い、視覚・聴覚・記憶・意識が不安定になったりもする。
この症状は、学園都市の科学技術でも壁の外で渦巻く魔術でも治せない。また、カエル医者曰く「長くても2日で死ぬ」とのこと。
作中では、上条の体内に口移しで送り込み、『幻想殺し』に打ち消されながらもその処理より早く増殖し、上記の症状によって上条を死の寸前まで追い詰めた。しかし、上条に後付けされた全てを削り落とし、最適化した先に残った彼の本質である『繋がる力』によって、サンジェルマンとの協力関係を築かれてしまうこととなった。
クリスマスの呪い
アンナが学園都市全体に伝染させた、学園都市の生徒(能力者)に魔術の使用を促す術式。
解析した
インデックスの台詞から、「12月25日の深夜」でなければ発動しないものと思われる。
『R&Cオカルティクス』によってターゲットとなる人物の情報を掴んでおき、その人物の心に最も刺さる、恨み言、儲け話、劣等感、一体感といった世迷言を呟き、『非物理的な、精神世界への干渉』を仕掛け、魔術を行使したくなるように誘導する。更に、何人かピックアップして出力することで、集団心理に働きかけて拡散する。
原理としては、『黒いサンタクロース』や『カリカンザロス』のような、「クリスマスだけ集中的に出没する、出会えばそれだけで致命的な怪人」という不幸な伝承を基にした、「自分は不幸じゃないと確認するためのおまじない」である。
人は幸福よりも不幸に敏感であり、幸せを感じた時「裏で不幸になる人もいるのでは?」という薄暗い喜びが広がっていく。「自分の幸せを確認するために、より下(不幸)の人間を夢想して悦に浸る」という心理を利用している。
以下に、この術式の影響による現象の一例を記載する。
- 「前脚と後ろ脚を持つ獣の力は五指の一つより出力される。心臓の中心より中指の先まで伸びるラインを想起せよ、これすなわち火のエッセンスの爆轟なり」
赤毛にニット帽の女子高生が掌をかざすと、激しい閃光が生じ、歩道橋が溶けて切り離された。当然この少女は、このような超能力は持たない。
- 生徒達が突如、樹脂でできた杖、金属を削り出したメダル、自動プリントの名刺製造機で刷り出したカード群等を取り出す
- 閃光、爆音、氷の槍、人の形をした影といった魔術が展開される
- 『魔術の副作用』を知らない生徒達が、それによる出血を集団心理の影響で「第三位のせい」と断定するようになる
地脈の地雷
地面の特定の場所に、地脈を歪めて不可視の『地雷』を生み出し設置する術式。
接触すると体が粉々に吹き飛ぶ。不可視ではあるが、地脈の乱れが感知できれば場所を特定することが可能であり、サンジェルマンは「魔力」によって、御坂は「地磁気」あるいは「微弱なプレートの震動」によって、『地雷』の場所を特定し回避していた。
作中において、アンナの戦闘時には毎回この『地雷』が予め周囲に設置されている状況となっており、地脈を起点にしていることや、食蜂に興味を持った際には最初の戦闘場所から離れた場所でありながら『プネウマなき外殻』と同時に即発動していること等から、ノーモーションで容易に発動できるものと思われる。
プネウマなき外殻
「抱卵」
「プネウマなき外殻。哲学者の卵、透明なる棺、絵画や音楽の中にも潜みし人に寄り添う術式よ。
我は赤き石など求めず、歪みし結果をここに出せ。ガラクタはガラクタなりに、わらわにすら先の見えぬ予想外を楽しませよ」
鈍い銀色の輝きを放つ、真ん中に巨大なハンドルを備えた直径2m以上の卑金属の球体である霊装。
わざとアンナ自身のリズムを崩してステータスを下げるための霊装であり、彼女の意思でその背後に、宙に浮かんだ状態で突如出現する。
この出現時に、周囲の人々を転倒させ、商店街のウインドウやアーケードの屋根を粉々に破壊する程度の衝撃波が発生する。
使用の際は、ハンドルを摑み回すことで複数の亀裂が生じ、表面が複雑に開いていき、その中から『世界最古の道具』がランダムに一つ生成される。『世界最古の道具』は、そのエッセンスに基づいた何らかの効果を発揮する。
また、不要になった場合は指を鳴らすことで、瞬く間に目薬ほどの小瓶に圧縮できる。具体的には、バグパイプのように複数の口がついた、薄い鉛の金属箔で内張りした極小の丸いフラスコの形状となる。
アンナはこの霊装を使用した際に、「初の飛び道具は石、初の煙幕は枯草、初の生物兵器は死体、初の刃物は石と骨のどちらかしらね。歴史や伝統なんていうのは、世界中どこにでもある。エッセンスは、万物から自在に抽出できる」と述べている。このことから、下記以外にも膨大なレパートリーが存在する模様。
以下に、作中で生み出した道具を記載する。
何の変哲もない木の枝。具体的には、小指ほどの細さで、先端がいくつか途中で分かれて、全体で見ると大きな掌のように広がった枝。まばらに硬く緑色の葉がついている。
振ったり回したりすることで、不可視の衝撃波が遠方に飛び、あらゆるものを削り取っていく。
作中では、軽く振っただけで『A.A.A.』を濡れた薄紙のように抉り取った。
何の変哲もない縄。具体的には、くたびれてどこからでも千切れてしまいそうなボロボロの縄。
天から降り注ぐ小惑星すら縛り上げ、空中の一点で縫い止めてしまえる程の拘束力を持つ。
作中では、『地脈の地雷』と併用して食蜂に放ったが、運動音痴によって偶然回避され、代わりにアーケードの屋根を支えていた柱を雁字搦めに拘束し、軽く引くことで莫大な圧力を掛けてへし折り粉砕した。
人工衛星「スプートニク」を模した、全長約58cmで重量約84kgの銀色の球体。その表面からは4つの金属棒が伸びている。
アンナが掌をかざした場所にあるものが、重力を無視して浮かび上がり凄まじい勢いで飛んでいく。
何の変哲もない石。具体的には、握り拳大の大きさで、小さな窪みがあり、中にはどろりとした赤黒い木炭が入っている。
窪みに指を入れて木炭をすくい、世界全体へ刻み浸けるように手を動かすことで、そこにある物に文字列が刻まれ、地脈から力を得て自律防衛行動を取る、魔道書の『原典』へと変貌する。また『原典』のため、その文字列を視界に入れると、脳に毒素が及び全身から出血して倒れる。
ただし即席で生成したものであるため、時間経過で文字列が崩れ、地脈の力を循環できずに内側から破裂し、物体そのものが自壊する。
作中では、テーブル、ステンレスの柱、雪だるまのオブジェを『原典』を変えた。テーブルは4本の脚を獣のように動かし、ステンレスの柱は折れて倒れた後にミミズや尺取虫のようにのた打ち回り、雪だるまのオブジェはその笑顔に明確な意思が滲み、各々の意思で食蜂に襲いかかったが、運動音痴によって回避された。その後御坂の『超電磁砲』を受けて一時的に破壊されるも『原典』のため自己修復するが、アンナが戦闘に飽きたのと同時に書かれていた文字列が崩れ、自壊した。
薔薇十字の術式
「ゲブラーよりホドへの進入路を開放、我が右腕に宿れ」
両手の指を火・水・風の三属性に対応させ、指の動きで文字を自由に合成することで、世界の全てを表現し、あらゆる現象を生み出す術式。
原理としては、カバラの世界では『ヘブライ二十二字』によって世界の全てを説明できることに関連付け、『ヘブライ二十二字』から『七金属』と『十二宮』を引き、隠された三つの文字である『火のシン』、『水のメム』、『風のアレフ』という三要素を、『七等分の輪』と『十二色』で囲う事によって世界の全てを表現する。
五指は親指から順に、エーテル、水、火、土、風の五大属性に対応する。この内、上記の三要素に対応する人差し指(水)、中指(火)、小指(風)を命令に合わせて折り曲げる事で、基本となる火、水、風のオンオフを行い、掌の中で文字を自由に合成し、天使を制御して様々な現象を引き起こす。
また、「世界の全てを表現できる」という触れ込み通り、単純に全部で22通り(『生命の樹(セフィロト)』の『チャネル』の数)の攻撃パターンというわけではなく、『ゲマトリア』という暗号法を用いることで、生み出せる現象は100万通りを軽く超える。
なお、アンナはこの術式を使用する際、上条の『幻想殺し』に合わせてか「右手」のみを使用し、時折『○○殺し』と能力名を名付けて扱うという、一種の縛りプレイを行っていた。実際には「左手」でも問題なく使用できる。
以下に、この術式によって生み出した現象の一例を記載する。
掌で触れるか手を振るうことで、そこにある全てを次元や空間ごと削り取る能力。手を振った場合は、指に連動した5つの斬撃が遠方まで飛んでいく。
指と連動しているため、腕を振り抜いたことで隙が生じた状況でも、指を曲げたり伸ばしたりして攻撃を行うこともできる。
周囲の通電している機械から青白い火花を散らせ、クラスター爆弾を落としたかのように片っ端から爆発させる能力。
作中では、これを受けた液晶看板、照明器具、空調設備、列車の高圧電線等が、溶接のような閃光を放ち次々と爆発していった。
- 逃亡殺し(エスケープブレイカー)or遮蔽殺し(シールドブレイカー)
掌を突きつけることで、完全な暗闇の中であっても標的を正確に追跡する能力。
指を一本上に立てて回すことで、周囲の重力を操作する能力。
作中では、周囲の金属製のゴミ箱、清掃ロボット、街灯、風力発電のプロペラを次々と束ねて、モーニングスターのように振り回し上条へと叩き込んできた。
- 二本の指を閉じるだけで標的の首を挟んで斬る「見えざる大顎」を空間に形成する
- 人差し指と中指を閉じるハサミのような仕草を行うと、上空を飛ぶ飛行船の気嚢が破れて、オレンジ色の流星となって落ちてくる
- 投げキッスのような動作をすると、何かが虚空を焼く
- 二本の指を横にして唇に当て、指笛のように息を吹くことで、空気が爆発的に膨み、普通の炎とは異なる粘ついたオレンジ色の炎が周囲一帯を埋め尽くしていく
- 上記のオレンジ色の炎が広がる表通りを、真っ白に凍りつかせる
- 普通に五指を広げたにしては不自然に指を交差させて、垂直落下による重力を加えた『砂鉄の剣』を止める
- 掌を上空に差し向け、大気や気圧そのものを掴み、局所的なつむじ風を発生させ積雪や看板等を毟り取って舞い上げていく
- 周囲の空間全体から、固体・気体問わずあらゆる炭素を掌に吸着し、丸薬より少し大きい程度の薄汚れた黒い球体を作り出す
- 紫電を放ち、宝石店のショーケースが内側から弾け飛ぶ
- 気軽に掌を振ると、立て続けに三度の爆発が起こる
- 暴風が吹き荒れる
- 強酸がアメーバのように広がる
- 掌から閃光が瞬く
ナイフ
刃渡り10cmのありふれたナイフ。これだけでは心許ないが、霊装等ではない純粋なナイフのため、『幻想殺し』のような魔術のメタに対する有効打となる。
飛行の迎撃術式
「一二使徒の一人、聖ペテロは悪魔の手を借りたシモン=マグスの飛行を許さず」
魔術によって飛行している標的のバランスを崩して墜落させる術式。
口上は人によって多少の差異がある。
多くの魔術師が使用できる基礎魔術の一つであり、「魔術師は空を飛ぶのは簡単だがすぐに撃墜される」のが一般的となっている。
【備考】
- 『劇症型サンジェルマンウィルス』と『ナイフ』を所持して参戦。
- エイワスの召喚は、エイワス自身を戦闘に参加させず、力の供給を行うために使用するためであれば可能。
- 登場時点で、それまでマダム・ホロスに乗っ取られ魔力を浪費されていたため弱体化している。
容姿が幼くなっており、エイワスを一撃で殺すこともできなくなっているなど。
ただ、エイワスに『本来の力や容姿を完全な形で取り戻す事に、さほど執着していないように見える』と言われている通り、全盛期の力を取り戻すつもりはない模様。
- エイワスを手刀一発で跪かせているが、上条との戦闘や対キングスフォードを見る限り、アンナ自身はエイワスを切り札としている。
実際に、対キングスフォードにおいてアンナ自身は即座に倒されたのに対して、エイワスは少なくとも時間稼ぎはできており帰還した後も疲弊している様子がない。
このことから、(主従関係はともかく)実際の力関係ではエイワス>アンナである可能性も考えられる。
最終更新:2023年05月14日 14:07