Liminal Space(リミナルスペース)とは、不気味な雰囲気を漂わせるシュールな人工空間を指すインターネット美学の一種である。
元来は建築用語であり、扉、廊下、階段、ロビーなど、主に「移動のために使われる場所(transitional spaces)」を意味する。これがインターネット上で拡張され、「誰もいない」「時間が止まっているように感じられる」「日常の文脈から切り離されたような空間として再定義された。
元来は建築用語であり、扉、廊下、階段、ロビーなど、主に「移動のために使われる場所(transitional spaces)」を意味する。これがインターネット上で拡張され、「誰もいない」「時間が止まっているように感じられる」「日常の文脈から切り離されたような空間として再定義された。
概要
Liminal Spaceの特徴は、見慣れたはずの空間に対して強烈な違和感や既視感、虚無感、郷愁、そして不安を同時に喚起する点にある。
例としては、誰もいないホテルの廊下、深夜のショッピングモール、照明が白すぎる学校の教室などが挙げられる。
例としては、誰もいないホテルの廊下、深夜のショッピングモール、照明が白すぎる学校の教室などが挙げられる。
この不気味さは「不気味の谷現象の建築版」とも評され、通常であれば人の気配があるはずの場所が、完全に無人で提示されることによって生じる。現実にありそうでいて、どこか現実ではない感覚が、閲覧者の記憶や感情の底を刺激する。
インターネットにおける広がり
Liminal Spaceは、2019年頃に4chanで登場した「The Backrooms」という投稿をきっかけに爆発的な広がりを見せた。
このミームの人気はReddit、Twitter、TikTokなどに波及し、ユーザーによるLiminal Space画像の投稿が相次いだ。
このミームの人気はReddit、Twitter、TikTokなどに波及し、ユーザーによるLiminal Space画像の投稿が相次いだ。
日本では、その影響を受けたゲーム『8番出口』がインターネット上で話題となり、さらに2022年にはお化け屋敷プロデューサーのマイケル・ティー・ヤマグチによってテーマアトラクション化もされた。
特徴
中途半端な状態・空間にある
誰もいない、または誰かいたかもしれない気配
照明・空間・色味が非現実的
移動のための場所(階段・廊下・ロビー・駐車場 など)
時間が止まっているような印象
過去に見たことがあるような気がする感覚
誰もいない、または誰かいたかもしれない気配
照明・空間・色味が非現実的
移動のための場所(階段・廊下・ロビー・駐車場 など)
時間が止まっているような印象
過去に見たことがあるような気がする感覚
関連概念
Liminal Spaceと類似する概念に、EchoSpace(エコースペース)がある。
これはYurei Landscape、tellur、アシアタの3名によって提唱され始めたもので、Liminal Spaceと似た要素を持ちながらも、より個人の感性・記憶に根ざした美学であり、明確なジャンルというよりも、個々人の主観的なノスタルジーに由来する概念として位置づけられる。
これはYurei Landscape、tellur、アシアタの3名によって提唱され始めたもので、Liminal Spaceと似た要素を持ちながらも、より個人の感性・記憶に根ざした美学であり、明確なジャンルというよりも、個々人の主観的なノスタルジーに由来する概念として位置づけられる。