ナレーション
突然の王太子の帰還。
それは、瞬く間にブラヴォード全土を駆け巡った。
王都エグバードに帰還した『セルディック』は己に影武者がいた事を公表し、
すぐさま目前に迫った王国軍に対して痛烈な批判を行った。
「セインに辿り着きながら、戴冠の儀を受けられなかった者が、真実の王太子である筈がない」
と。
この事は、王国のみならず、各国に強い衝撃を与えた。
結果、王国軍はここにきて瓦解する事になる。
『セルヴィック』は王都エグバードを目の前にしながら、
ただ一人で戦わざるを得なくなったのである。
編成前
シナリオ開始時
マリー
「お待ちください。
どこへ行かれるのですか?」
セルディック
「エグバードだよ。
セルディックさまが、
そこで待ってる」
マリー
「たったひとりでですか?
そんなの無茶を通りこしてます」
セルディック
「……聞いただろ。
エグバードにセルディックさまが
現われた、と
俺はただの影武者なんだよ
本当ならひとりだったはずなんだ。
それを、ずっとだましていたんだ」
マリー
「それは知っておりました」
セルディック
「な! いつからだ!?」
マリー
「最初から、です。
いくら5年会っていないとはいえ、
兄の顔を見間違える妹など
いませんよ」
セルディック
「……そうだったのか」
マリー
「最初は、なぜあなたが
兄さまのふりをしているのか
わかりませんでした
でもあなたと話して、
あなたの剣を見て
ああ、兄さまは死んだのだな、と
そう、漠然と感じたのです
……その死んだはずの兄さまが、
なぜエグバードにいるのか
あなたはご存じなのですか?」
セルディック
「さあな。
でも、わかることはある
あれは絶対おかしい。
わからないけど、わかるんだ
……だから、全部終わらせに行く。
セルディックさまは、
俺に言ったんだ
『王族として、戦士として、
誇りある死を』」
マリー
「それに、ついていっては
いけませんか」
セルディック
「そんなのだめだ。
死にに行くようなものなんだぞ?」
マリー
「それはあなたも同じでしょう」
セルディック
「俺がどうしてセルディックさまの
影武者になったか知っているか?
傷を負って、倒れていたところを
拾われたんだ
しかも、記憶をうしなって
倒れていたところをな
俺はずっとセルディックさまの名を
騙っていた
だけど、
本当は自分の名前さえ知らない
本当は誰でもないんだ
……そんなやつは、
死んだってかまわないだろう」
マリー
「名も、素性もわからない。
だから死んでもよいと」
セルディック
「ああ」
マリー
「あなたの考えは、
よく分かりました」
セルディック
「じゃあ……」
マリー
「ふざけないでください!」
セルディック
「!?」
マリー
「あなたが影武者? 名前もない?
だからどうしたのですか?
あなたはおっしゃいました。
私を守ってくれると
あなたは言ってくれました。
大切な人を犠牲にする方法なんて
絶対に間違っていると
その言葉は、嘘だったのですか?」
セルディック
「…………」
マリー
「私はあのとき、
初めてあなたの言葉を聞いたと、
そう感じました
兄さまのものでない、
あなたの言葉を
あなたは、
あなたが偽者だから
その時に感じた私の心すらも
ニセモノだったと、
そうおっしゃるのですか?」
セルディック
「それは……」
マリー
「そう、
大切な人を犠牲にする方法なんて
間違っている。
だから、
あなたひとりを行かせるのは、
絶対間違っているんです。」
セルディック
「それが、マリーの考えなのか?」
マリー
「ええ、嘘偽りない、
私の本心です」
セルディック
「どんな言葉を並べても、
それを曲げることは
ないんだろうな」
マリー
「はい」
セルディック
「何を言っても、
ついてくるんだろうな」
マリー
「はい」
セルディック
「……わかった。
もう、何も言わないよ」
マリー
「それでは、出発の前に、
あなたに私からの贈り物です」
セルディック
「贈り物?」
マリー
「あなたが、
自分は死んでもよいなどと
二度と言わないように
贈り物です。
『アルトリウス』
聖王、世界の救済を約束された王。
それが、あなたの名前です。」
アルトリウス
「アルト、リウス……」
マリー
「さあ行きましょう、アルトリウス。
始まりの場所へ、終わらせに」
アルトリウス
「……ああ! 行こう、
エグバードへ!」
シナリオ中
●
主人公⇔マリー
主「しかし、何で俺を偽者だと知って黙っていたんだ?」
マ「兄様が死んでしまったのならば、私がブレトワルダを再興せねばならないと、そう思って…」
主「何だ、俺はマリーに利用されてたって事か!」
マ「利用だなんて…その通りですけど。でも、貴方もいけないのですよ?」
主「俺が何かしたか?」
マ「あんなにも、兄様のように振る舞うから、私も夢を見たくなってしまったのです」
主「すまない、せめてマリーにだけは打ち明けておけばよかった」
マ「いえ、よいのです。はっきりと伝えられてしまったら、もしかしたら拒絶していたかもしれませんから。
さあ、行きましょう!」
●主人公⇔
イヅナ
イ「あ、元気みたいだね。よかったよかった」
主「え?一体どういう…」
イ「もしかしたら泣いてるかなーって思って。気、弱そうだしさ」
主「そんな弱そうに見えるかな」
イ「ま、元気なら良かったよ。それじゃ、行こうか」
主「ついてきてくれるのか?」
イ「うん」
主「うんって、そんなあっさり」
イ「大丈夫大丈夫。きっとシノ姉だって『いい土産話が出来たわ』とか言うに決まってるし。
ほら、早く行こうよ。みんな待ってる」
主「ちょ、ちょっと待てよ」
●主人公⇔シノ
シ「へぇ、偽者だったのね」
主「う、ご、ごめん」
シ「…何でそんなに謝るのかしら」
主「いや、怒られそうな気がして」
シ「……。これくらいの事で怒ったりしないわよ」
主「これくらい?そんな軽い事じゃないだろう」
シ「私にとっては軽いことよ。別にあなたがニセモノだってホンモノだって関係無いもの。
いい土産話が出来たくらいだわ」
主「そういうものなのか?」
シ「そういうものよ」
主「そっか。それじゃあ、もう少しよろしく頼むよ、シノ」
主「ええ、よろしくね、アルトリウス」
●主人公⇔
アルハンブラ
ア「全く、偽者だったなんて、大したタマだねぇ」
主「騙していてすまなかった」
ア「いや、構わないさ。あたしはあんたが王子様だからついてきた訳じゃないからね。
謝るなら他の奴らにしてやんな」
主「だが、結局アルハンブラの体は元に戻すことが出来てないし…」
ア「そうすぐに何とかなるとは思っちゃいないよ。むしろ、簡単に治っちまった方がショックだね!
今まであたしがしてきた事は一体何だったんだってさ!」
主「それはそうだ」
ア「それじゃ、いっちょ王子様をぶっとばしに行こうか」
●主人公⇔
イグレイン
イ「アルトリウス、アルトリウス……」
主「どうしたんだ、イグレイン」
イ「ずるいなぁ、マリー。抜け駆けして名前つけちゃうなんて」
主「抜け駆けって…」
イ「アルトリウスはレインの物なのにね。でも良いわ。今はマリーの思う通りにさせてあげる。」
本物のセルディックがあんな事になってるのだものね」
主「やっぱりあれはセルディック様なのか?」
イ「そうよ。多分メフレイユの仕業ね。闇の魔術で死体を操っているのよ」
主「セルディック様を冒涜する様な真似を…」
イ「でも本当に行くの?ここで逃げても誰も文句は言わないと思うわよ?」
主「絶対に行く。俺はセルディック様と約束した。
みんなに迷惑をかける事になるかもしれない。でも、そう決めたんだ」
イ「アルトリウスはわがままだねぇ!誰の所為でそんな風になっちゃったんだろう?」
主「覚えてないけれど、親がわがままだったのかも知れないね。子は親に似るって言うしな」
イ「むむう」
主「それで、イグレインはどうするんだ?」
イ「ついて行くに決まってるじゃない。アルトリウスとマリーを二人っきりにしておく訳にはいかないんだもの!」
主「そ、そんな理由か。でも、イグレインがついてきてくれるのは嬉しいよ」
イ「今度は止めないのね?」
主「止めたってムダなら素直に喜んだ方がいいさ」
イ「あははは、アルトリウス大好き!」
●イグレイン⇔
ガラハッド
イ「おじいちゃんもついて来るの?」
ガ「セルディック様、いや、アルトリウス様ですか。あの方について行くと決めましたからのう。
少なくとも、姫様がいる限りはご一緒しましょう」
イ「でも、エグバードに行ったら教団の人と会っちゃうけどいいの?」
ガ「それならなおの事ですな。きついお仕置きをして目を覚まさせてやらねばなりません」
イ「メフレイユも?」
ガ「…あいつが殴って言う事を聞いてくれるならそれで良いのですが…まぁ、それは無理でしょうなぁ」
イ「でしょうね。まぁ、おじいちゃんのやりたい事は分かったわ」
ガ「では、姫様のやりたい事は?」
イ「そんな事聞かないでよ!レインは今とっても傷ついてるの!
ヴェローナの海に跳び込んじゃうくらいなの!」
ガ「ははは、これは申し訳ない。勿論、姫様の考えている事は存じておりますよ。
…奴は殺しましょうか」
イ「全然分かってないじゃないの!」
ガ「はははははは」
●マリー⇔
アウル
マ「アウル、何故貴方は部隊から抜けなかったのですか?」
ア「最初に言っただろ。俺は王国軍だからついて来たんじゃねえ。
アンタに協力したかっただけだ。それに、当面の目的も果たしちまったしな」
マ「“紅獅子”の事ですか」
ア「ああ。何があっても、仲間だった奴と戦うってのは気分が良くねえもんだな」
マ「……」
ア「アイツがこれからやろうとしている事はそういう事だ。アンタが支えてやれよ」
マ「はい。ありがとうございます、アウル」
ア「ふん」
●マリー⇔
ルキア
ル「あーあ、予想が外れちゃったよ」
マ「何がですか?」
ル「キミがさ、偽者の王子様にもう戦いはやめろって言うと思ったんだ。
そしたら剣は用済みだからいただけるかなって」
マ「当てが外れて残念でしたね。
アルトリウスが戦いをやめたとしても、スプンタを渡すつもりはありませんでしたが」
ル「やっぱそう?うーん、仕方ないなぁ。じゃあ、王子様がくれるって言うまでついていくしかないか」
マ「そんな事言う事は無いと思いますが…。貴女はどうしてそんなにスプンタを欲しがるんです?」
ル「うーん…。実は僕の故郷は異端狩りから免れた教団の奴等に襲われてね。
そりゃ、酷い有様だったよ。あいつ等の魔術に対抗できる力があればって何度も思った。
それで、あの剣を欲しがるのは今更だけどね」
マ「そんな理由だったのですか…」
ル「本当は、あんな綺麗な剣を抱いて眠ってみたいだけなんだけどさ」
マ「そんな理由だったのですか!」
ル「ふふふ、人とは衝動に突き動かされる生き物なのだよ」
マ「全く、呆れてしまいますね…」
ル「そう言わないでよ」
マ「それで、どっちが本当なのですか?」
ル「どっちもかな。だから、あの王子様についていく理由は剣だけじゃないって事さ」
マ「そうですか…。それではもう少しだけ、よろしくお願いしますね、ルキア」
ル「ああ、まかせてよ!」
シナリオ終了時
主人公
「足を止めるな、前に進め!」
最終更新:2007年08月20日 22:34