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ロリコン鬼

タイトルがとにかく怪しいが蓋を開ければ意外といい話である。
昔話のような感じでまとめられいる。
同じ穴のムジナでも人に害をなさなければ祝福される。
という意味合いがあるとかないとか

内容


ロリコン鬼
秋田県の山村で伝えられる怪異の類
睦月の暮れ時になるとどこからともなく現れロリコンを食ろうていくと伝えられる

さて私達はそんなロリコン鬼の噂の真相を確かめるために伝説が伝えられる山村にやってきた
しかし村の人たちは口が堅くなかなか噂に近づけない
だが捜査班はついに1人の老人から話を聞くことができた!!

老「あらみなしゃべんで、ほんでおそろこつやて
  こげなばちあたりなことしっとお、われももうあかんかもな
  だげどもしっとてほしいとや、ぜんぶわかたらもうあらさんといてな」


そして老人が話し出したのはこの村に隠された忌まわしき真実だった!!!


天保八年
秋田、炉利弧村。

天保の大飢饉によってあちこちで餓死者が出ている頃。
幸いにもこの米どころであった炉利弧村はなんとか食いつないでいくことができた。
そのとき隣の津軽から1人の痩せこけた男がやってきた。
名はゆき助と言い、あんまりにも酷い飢饉で今にも死にそうなのでこっちまで来れば食べ物を恵んでくれると聞いてやってきたのだ。
一緒に来ていたという白兵衛という男は途中で錯乱し崖から転落したらしい。

ゆき助「頼みます、どうか米の一粒だけでも」

とは言うものの炉利弧村でもよそから来た人間に食わす米はない
酷ではあるが飢饉の世では他人の命よりも自分の命なのである。
あっというまに追い出されたゆき助は最早文句を言う気すら失せていた。

動けなくなってあとは死ぬのを待つだけ…そうした時に目の前にオニギリが差し出された。
見ると小さな女の子がゆき助にオニギリを差し出していた。
恐る恐るそのオニギリを手に取り口に頬張るとゆき助はポロポロと泣き始めた。

ゆき助「うめぇよぅ・・塩聞いててうめぇよぅ…」
女の子「塩は使ってないんだけどな…多分、涙と…鼻水…」

オニギリ1つでは心から満足することはできなかったが
ゆき助は本当に救われた気持ちだった。


ゆき助にオニギリを差し出した女の子は「美耶」と名乗った。
両親はゆき助のように空腹でこの村に来るものに惜しげもなく食料を振舞った。
その結果、2人とも自分の食べる分が無くなり餓死してしまったらしい。

ゆき助「このご時世にそんな仏みたいな人がいるたぁな…」

その時、ゆき助は気がついた

ゆき助「このオニギリ…おめぇのか?」

美耶はコクンと頷いた

ゆき助「ありがとよ…オニギリ1個の恩だけど俺には返しきれない恩だ…
     おめぇを飢饉なんかで死なすものか…」

こうしてゆき助はそのまま美耶の家に住むことになった。
そこからのゆき助は凄かった
鬼気迫る勢いで米や野菜を作り出した。
%で表すと500%ぐらいだった。



あっと言う間に軽く飢饉を乗り越えれる分の食料はたまった。

ゆき助「っしゃー!!!やったでー!!!」

と喜んだのも束の間。
どうも貯めた食料の数と今ある食料の数が合わない。

ゆき助「おかしいな…美耶、何か知らないか?」
美耶「あげた…村の人に」
ゆき助「なぁっ!?」

ゆき助は驚いて美耶に詰め寄った
とりあえず思いつく限り美耶を責め立てた
美耶は泣きながら飛び出していってしまった

1人になって冷静になり、ゆき助は気がついた
美耶は正しいことをしてる、だから俺は助かった
それどころかここに住まわせてくれたんじゃないか
どうかしていた…確かに村の奴らは俺に食べ物をくれなかったが
だからといって正しい事をしてる美耶を俺が責める道理は無い
反省したゆき助は美耶を探しに外に出た。

ゆき助「美耶ーどこだー」


外に出た瞬間に突然家が燃え上がった。

ゆき助「なんだ!?」

裏手から火が上がり木と藁で作られて家はあっというまに灰になった。
家の中にいれば焼け死んでいただろう。

村人「失敗したぞ!」
ゆき助「お前ら!?あ、美耶!」

美耶は村人たちのそばにいた。
いや、どうみても捕まっていた。

ゆき助「おめぇら美耶に何しやがったぁ!!」

飛び掛るゆき助も多勢に無勢であっというまに組み伏せられてしまった。

村人「すまねぇな…だどもこうするしかねぇんだ…」

村全体の食料が残り少ない、これでは村が滅びるのを待つだけである。
だけど美耶の家にはよそ者のゆき助が作った大量の食料がある。
アレを全部奪ってしまえばいい。
いくら美耶が無償で食料をくれるといっても限度があるだろうならば2人を殺してしまえばいい。

村人「すまねぇ…村が生き残るにはこれしかねぇんだ…」
ゆき助「…美耶は…自分が餓死しようともお前らに食料をやるはずだ…美耶の両親がそうだったように」
村人「だども美耶はまだ子供じゃ…いつ気が変わるともしれん…」
ゆき助「変わらねぇ!美耶は絶対かわらねぇ!!!!だから美耶は助けろ!!俺はいい!!美耶を助けるためなら喜んで殺されてやる!!」
村人「…おめぇ…なんであの子のためにそこまですんだ…?」

ゆき助「オニギリをもらったからだ」



3日後

最後の情け…というか罪悪感を紛らわすつもりなのかゆき助は腹いっぱい食うことを許された。
だがゆき助は食わなかった、これを食えば村の食料が減る。
減ったぶんだけ後々美耶が死ぬ可能性が高くなる。

ゆき助「それに…腹は減ってても…あのオニギリだけで…俺の心は一杯だ…」

村人が牢に入ってきてゆき助を連れていく。
どうも枯れ井戸に落とされるらしい。
枯れ井戸の淵に立った時に村人が言った

村人「何か言っておきたいことはあるか」
ゆき助「最後に美耶に会わせてくれねぇか」
村人「…ああ、会って来い」
ゆき助「なに…!?うわあああああ!!」

突き落とされたゆき助は地面に叩きつけられ全身を激痛が襲ったが、声を張り上げた

ゆき助「美耶に!!何をした貴様らぁあああああ!!」
村人「…すまねぇ…」

ゆき助に手に布が当たった。
上から零れる光に当てると綺麗な柄が見えた…美耶がいつも着ていた…母親の着物…
着物の中身は…

ゆき助「きさまらぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
村人「許してくれ…許してくれ…」

謝罪の言葉と同時に井戸の蓋が閉じられた

ゆき助「祟ってやる!!永遠に祟ってやる!!子供に手を出す貴様らのような畜生にも劣るクソどもを俺は永遠に祟ってやる!
     例え鬼と化して地の獄に落ちようとも呪ってやる!!俺が例え極楽に行けずとも必ず貴様らォォォォォォオオオオ!!」

その怨念の塊のような咆哮は3日3晩続いた。
それからだった、この村にロリコン鬼が出るようになったのは…




老「これが先祖の罪じゃけん…
  ワシの曾祖父さんの代から続く話じゃて…」

ロリコン鬼の伝説は飢饉に起きたとても悲しい事件だった。
鬼と化したゆき助は最早理性も無く例え「綺麗なロリコン」でも殺していくのだろう。

  • FIN-



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最終更新:2009年10月31日 19:40