「さてと!始めますか!」
一人声を挙げ、気合いを入れる。
何処からともなく、
『気合いの向ける方向に問題がある。』
と声がしたような気がする。
周囲には誰もいない。幻聴だったようだ。
一人声を挙げ、気合いを入れる。
何処からともなく、
『気合いの向ける方向に問題がある。』
と声がしたような気がする。
周囲には誰もいない。幻聴だったようだ。
彼女らの住む小屋には、人を近づけるのはあまり好ましくはない。
なぜなら、彼女らは人形だから。
人形でありながら自我を持ち、糸を繰らずとも手足を動かし、言の葉を綴る。
だから、他人に見つかると研究所送りになるかもしれない。いや、確実に色々調べ回されるだろう。
なぜなら、彼女らは人形だから。
人形でありながら自我を持ち、糸を繰らずとも手足を動かし、言の葉を綴る。
だから、他人に見つかると研究所送りになるかもしれない。いや、確実に色々調べ回されるだろう。
(何か想像しやすいわね・・・・今のセリフ)
と、一人笑みを溢す。その時だった・・・・・・
と、一人笑みを溢す。その時だった・・・・・・
ガサッ
「虎目?そこにいるの?」
罠を張るとき、注意しなければならない人物の一人、自分の妹であることを、まず危惧する。お仕置きが何気に怖いのだ。
罠を張るとき、注意しなければならない人物の一人、自分の妹であることを、まず危惧する。お仕置きが何気に怖いのだ。
ガサッ・・・・・・ガサッ・・・・・・
違う、妹なら・・・虎目石ならこんな大きな音を発てない。
(誰だろ・・・・?ま、この置石特製トラップの無限連鎖から逃げれる人間なんて・・・・うん、いないいない。)
(誰だろ・・・・?ま、この置石特製トラップの無限連鎖から逃げれる人間なんて・・・・うん、いないいない。)
そう、人間なら・・・・・・。
「ゴァアアァアアアアァァ」
「く、クマー!?」
「く、クマー!?」
そう、熊である。当たり前のごとく、首輪なんて物は無い。ペットにする物好きがいたら、その物好きの命ももはや無いだろう。
「ぁ・・・・あ・・・・」
「グルルルル・・・・・・フシュー」
「グルルルル・・・・・・フシュー」
熊が出るとは予想外。それも、傷口多数。
恐らく、置石の『対人用』トラップを受けたのだろう。しかし、そのトラップは人を想定し、『野性』を視界に入れていなかった。
だから、野性生物の驚異的な体力によって、自慢のトラップを突破される事も予想は出来なかった。
「・・・・・・し、死んでまーす。ワタシ、シンデマース・・・・・・。」
「・・・・グァ・・・・」
恐らく、置石の『対人用』トラップを受けたのだろう。しかし、そのトラップは人を想定し、『野性』を視界に入れていなかった。
だから、野性生物の驚異的な体力によって、自慢のトラップを突破される事も予想は出来なかった。
「・・・・・・し、死んでまーす。ワタシ、シンデマース・・・・・・。」
「・・・・グァ・・・・」
グリムだかイソップだかで読んだ、『熊には死んだフリ』を試す。
しかし、それは所詮童話の中の話。現実では、熊は死体を弄ぶ。
しかし、それは所詮童話の中の話。現実では、熊は死体を弄ぶ。
「ヘァアァアアアアア!!」
「・・・・・・ッッッ!!」
「・・・・・・ッッッ!!」
ゴウッと唸りをあげて熊の手が置石に襲いかかる。その時だった・・・・・・
「・・・・あれ?」
「ありゃ・・・?人形だったか・・・・人に見えちったー!」
「ありゃ・・・?人形だったか・・・・人に見えちったー!」
若干20歳・・・・といったところだろうか?若い青年が置石を抱き抱えている。
「☆@$♀§£∴…≦◇◎※∈!!?」
「ぬぉぅ!喋った!なんじゃこりゃ!!」
「ぬぉぅ!喋った!なんじゃこりゃ!!」
しまった―――そう思ってももう遅い。聞かれてしまった。
だが、今はそんなことに構ってられない、熊をどうにかしなければならない。
だが、今はそんなことに構ってられない、熊をどうにかしなければならない。
「ア、アンタ!静かにしなさいよ!!気付かれるでしょ!?」
「心配無用!もーまんたい!ノープロブレム!なぜなら――」
「心配無用!もーまんたい!ノープロブレム!なぜなら――」
「ゴアァアアァアアアアア!」
「もう気付かれてたから・・・・。」
(ああ、もうどうにでもなってしまえ。)
そんなことを思い始めてしまう。
だが、青年はポケットの中から小瓶を取りだし「タラララッタラーン♪」と陽気に口ずさむ。
そんなことを思い始めてしまう。
だが、青年はポケットの中から小瓶を取りだし「タラララッタラーン♪」と陽気に口ずさむ。
「何なのよそれ!?今役に立つのッ?」
「熊ってさ、人間より鼻が良いんだよね・・・・知ってた?」
「熊ってさ、人間より鼻が良いんだよね・・・・知ってた?」
キュポンッと音をたてて蓋を開けた青年は、中の液体――臭いからして香水の類だろうか――を熊に降りかける。
「ゴアッ!??」
「――――え?」
「――――え?」
熊は短い悲鳴を挙げたかと思うと、フラフラと覚束無い足取りで、何処かへと行ってしまった。
「うっし!おーわり!いっちょあがり!mission complete!」
「・・・・・・・・・・・・うん、帰ろ・・・・・・。」
「うっし!おーわり!いっちょあがり!mission complete!」
「・・・・・・・・・・・・うん、帰ろ・・・・・・。」
一人喜んでいる青年に、一言――尤も、自分の鞄を漁っていて聞いているのかどうか疑わしかったが――「ありがと」と短く礼を述べ、小屋へと戻っていった。
「・・・・そういえばあの人、マスターに似てたような・・・・・・」
必死に青年の顔を思い出そうとしたが、如何せん物凄く混乱していたため、うまく思い出せない。
「考えすぎ・・・・よねぇ。」
覚えていないならどうしようもない。そう思い、帰路へと着いた。
「そういえば今の人形・・・・何処かで・・・・」
「そういえば今の人形・・・・何処かで・・・・」
荷物を弄りながら考えるが思い出せない。
『誰かの大切な人』――そんなフレーズが頭に浮かんだ。
『誰かの大切な人』――そんなフレーズが頭に浮かんだ。
「大切な・・・・人・・・・『人』?」
人形だろ、と一人突っ込んだ。
「ちょっとー!先に行き過ぎー!」
「あ、悪い悪い、ちょっと休憩するか?姉さん?」
「あ、悪い悪い、ちょっと休憩するか?姉さん?」
(ま、実家に帰れば何か見つかるかも知れ無いな・・・・)
そう思い、彼もまた帰路へと着いた。
「また機会があれば会おうや、謎の美少女人形さん・・・・・・」
「また機会があれば会おうや、謎の美少女人形さん・・・・・・」