走っていた どこに向かっているのかは誰にもわからない。
それでも ただ走っていた。
背中に伝わるのは冷たくも優しい存在。
(何で……何でこんなことに)
私は先ほどまでの惨劇が頭から離れず、不安という重りと悲しみという足枷を感じていた。
考えもしなかった、考えたくもなかった。
私と姉は双子で、主と共に平和だけど楽しい毎日を送っていたというのに。
『虎目石……置石……逃げなさい……』
それが主から聞いた最後の言葉だった。
私は姉を背負い、ただひたすらに逃げてきたのだ。
このまま主の死という現実からも逃げたかった。
それでも、服や体にこびりついた彼の血はまだ生暖かい。
実感する度に、普段は絶対見せない涙が零れ出そうになった。
主は本を読むのが好きだった。それに感化されて私もよく読むようになった。
姉はよくさまざまな可愛い悪戯をして、気を引こうとしていた。
でももうその主は 私たちの前にはいない。
それでも ただ走っていた。
背中に伝わるのは冷たくも優しい存在。
(何で……何でこんなことに)
私は先ほどまでの惨劇が頭から離れず、不安という重りと悲しみという足枷を感じていた。
考えもしなかった、考えたくもなかった。
私と姉は双子で、主と共に平和だけど楽しい毎日を送っていたというのに。
『虎目石……置石……逃げなさい……』
それが主から聞いた最後の言葉だった。
私は姉を背負い、ただひたすらに逃げてきたのだ。
このまま主の死という現実からも逃げたかった。
それでも、服や体にこびりついた彼の血はまだ生暖かい。
実感する度に、普段は絶対見せない涙が零れ出そうになった。
主は本を読むのが好きだった。それに感化されて私もよく読むようになった。
姉はよくさまざまな可愛い悪戯をして、気を引こうとしていた。
でももうその主は 私たちの前にはいない。
森の中で一軒の家を見つけた。
その家には自分たちと同じような人たちがいて、その人たちはとても優しかった。
いろいろあって共に生活することにはなっているが、どこか私たちはまだ何か一歩引いてしまっている気がする。
自分たちの主はただ一人だけ。まだ生き続けていると信じている。
その家には自分たちと同じような人たちがいて、その人たちはとても優しかった。
いろいろあって共に生活することにはなっているが、どこか私たちはまだ何か一歩引いてしまっている気がする。
自分たちの主はただ一人だけ。まだ生き続けていると信じている。
だから私はもっとたくさん本を読んで、いつか主に会ったときに話すんだ。
だから姉も、悪戯の腕を磨き続けているのだろう。
いつか、また止めに来てくれることを信じて。
だから姉も、悪戯の腕を磨き続けているのだろう。
いつか、また止めに来てくれることを信じて。