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落ち込みやすい人なので

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だれでも歓迎! 編集
  時刻は夕食時。今日も一日ご苦労様。
主「ただいまー」
蛋「おかえりなさーい。ご主人様、ソーダちゃんが遊びに来てますよー」
ソ「パパー、おつとめごくろーさまー♪」
電「ぐりーんだよー」
主「うん、ありがと……」
ソ「……?」

  夕食が終わったらソーダちゃんを送って、それから風呂を湧かして……はぁ。
主「みんなー、ご飯できたよ」
電「ごはんだよー」
ソ「わーい♪」
蛋「ごはん♪ ごっはんだぁー♪」
殺「主様、お手伝いします」
  それぞれの反応を見せ、家の中が賑わう。でも、僕はどんな顔をしてるだろう……ダメだよなぁ、僕だけこんな気分じゃ。
殺「主様、準備は妾が済ませますから」
  テーブルを拭く僕に殺生石が耳打ちをしてくる。
殺「今は、あの子たちのそばにいてあげて下さい」
主「え……?」
殺「蛋白石、主様が急用です。貴女も手伝って下さい」
蛋「へ? は、はーい」
  どうしてと、そう尋ねる前に殺生石は再び台所へと向かってしまった。気を遣わせちゃったのかな……申し訳ない気持ちがさらに高まる。

ソ「パパー」
  僕が台所の方に顔を向けたところで、ソーダちゃんが僕の肩を軽く引っ張る。振り返ると、ソーダちゃんと電気石が僕のそばで笑顔を浮かべていた。
主「どうしたの?」
ソ「えへへ、これあげるー」
電「……はい」
  差し出された二人の手には、小さな折り紙で折られた、これまた小さな鶴の山。やけにいびつだったり、折り目がしっかりしていなかったり、皺があちこちに寄ったのまで。とにかくさまざまな色の鶴だった。
ソ「はい、これあげるー」
電「大切……宝物」
  ……折り鶴には見覚えがある。そう、もう結構前になるけど。
主「……練習、してたんだね」
ソ「パパおりがみじょうずだからー、ソーダもできるようにいっぱい持ってるんだよー」
電「折り紙……練習中」

ソ『やだやだぁーっ! おうち帰らないのぉー! パパと一緒がいいーっ!』
主『ぐ、ぐるじぃ……首っ、首ぃー!』
電『ぎぶあっぷ?』
主『いや、それ冗談じゃなく……ぐあーっ!』

  この子がぐずっていたときに、苦し紛れで思いついたんだっけ。『じゃあ、折り紙作ってあげるから』――確か、そう言ったんだ。
主「……そっかぁ、練習中か」
電「修行?」
主「ははは、確かにそうだね……」
  ソーダちゃんの小さな手には、普通のサイズの折り紙は大きすぎた。だから小さい折り紙で鶴を作ってあげたら……その小さな手には収まりきらないほどの鶴が、いつしかできていた。
  ソーダちゃんや、一緒に付き合ってくれた電気石のは、お世辞にでも上手ではなくて……でも、すごく頑張って作っていて。たくさんの折り鶴をビニール袋に入れて、泣きやんだソーダちゃんを家に送って……。
  懐かしいな。まだ半年も経っていないのに、すごく懐かしい気がする。『パパみたいに、折り紙おじょうずになるねっ』――別れ際に言った一言。
ソ「おねえちゃんたちがね、げんきのない人には折り鶴をあげようねって、言ってたんだよー」
電「元気、出して?」
  入院患者に折り鶴贈るっていうのと一緒なのかな。
  僕はその由来をよく知らない。けど、こうして頑張って作った物を、こんなにたくさんくれるということ……心のこもった贈り物ってことなのかな。こういうのは。
主「ありがとう……上手に、なったね」
ソ「ほんとぉー? やったーっ」
電「私のも……?」
主「うん、上手になったよ。頑張ったね」
電「ぐりーんだよー」
  二人が僕の膝に乗り、それぞれ一番よくできたという物を僕に見せてくれる。不思議とさっきまでの寒々しい憂鬱が消え、心が温まっていくような気分になっていく。
ソ「こっちがねー、さっきでんちゃんと一緒につくったのー」
電「できたてほやほや」
  起ったことはもうどうしようもない。いつまで落ち込んでいても意味がない。こうして僕の周りにいる人たちが、そんな陰鬱な気持ちを乗り越えられるように手助けをしてくれているんだから。だから僕はみんなの手を取って、力を借りて……。
ソ「でねぇ……パパ、どこかいたいの?」
電「ティッシュ、いる?」

  ソーダちゃんと手を繋いで、夜の住宅街を歩く。
ソ「パパー、もうどこもいたくない?」
主「うん、大丈夫だよ」
ソ「えへへー、よかったぁ♪」

  結局、僕は今日の出来事を洗いざらい吐き出すこととなった。何てことはない、悪いことが続いて元気がなかっただけ。それが分かって、みんなほっとしてくれた。

蛋『ご主人様って、凹みやすいんですね』
主『それを言われると痛い……』
殺『感受性の高いお方なのですよ、主様は。ですが今後、このようなことがあったら遠慮なく話していただいていいのですよ』
電・ソ『グリーンダヨー』

  僕の周りの人は、どうしてこうまで優しいのだろう。
ソ「パパは笑うとかっこいいね♪」
主「そ、それはお世辞かな?」
ソ「ほんとだよぉー」
主「……そっか」
  それなら、僕は笑っていたいな。この子たちといれば、きっとそれもできるよね。
  少しは、落ち込まないように、明るく物事を考えられるように。これから長いんだから。僕と、支え合う家族との生活は。
ソ「こんどはー、ほかのおりがみ教えてね」
主「うん、分かった」
  右手に感じる小さな温もりが、今はとても心地良かった。

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