「やっほー。って、アメジスト?」
あたしはいつものように専用入り口(窓とも言う)から声をかけた。反応がないので中に入ってみる。
「あらら。寝ちゃってる」
書き物机の上に本を広げたまま、突っ伏して寝ているアメジスト。いつもは本に皺がつくとかこうるさいのに、あーあ、ページが曲がっちゃってるよ。
「ってか、珍しいもの見たわ」
口を開くとイヤミしか出てこないようなアメジストだけど、寝顔が……。
「……ちょっとカワイイかも」
後でからかういいネタゲット。
あたしはもっと何か面白いものないかと辺りを見回した。と、枕になってる本から何かが落ちた。
「……手紙?」
それは一通の古い手紙だった。紙は古ぼけてもうセピア色に近い。
「さすがに手紙はまずい、かな? でも何だか見たことあるんだよねえ……えい、見ちゃえ」
丸い癖のある筆跡。たわいない日々の知らせ。旅先からの手紙のようだ。開いた紙から、はらはらと何かがこぼれ落ちた。
「あ、やば……」
あわてて拾う。強く握ると崩れてしまいそうな小さな薄片。
小さな花弁。この辺りには咲かない、白い花。
あたしはいつものように専用入り口(窓とも言う)から声をかけた。反応がないので中に入ってみる。
「あらら。寝ちゃってる」
書き物机の上に本を広げたまま、突っ伏して寝ているアメジスト。いつもは本に皺がつくとかこうるさいのに、あーあ、ページが曲がっちゃってるよ。
「ってか、珍しいもの見たわ」
口を開くとイヤミしか出てこないようなアメジストだけど、寝顔が……。
「……ちょっとカワイイかも」
後でからかういいネタゲット。
あたしはもっと何か面白いものないかと辺りを見回した。と、枕になってる本から何かが落ちた。
「……手紙?」
それは一通の古い手紙だった。紙は古ぼけてもうセピア色に近い。
「さすがに手紙はまずい、かな? でも何だか見たことあるんだよねえ……えい、見ちゃえ」
丸い癖のある筆跡。たわいない日々の知らせ。旅先からの手紙のようだ。開いた紙から、はらはらと何かがこぼれ落ちた。
「あ、やば……」
あわてて拾う。強く握ると崩れてしまいそうな小さな薄片。
小さな花弁。この辺りには咲かない、白い花。
――思い、出した。
あたしは途端に顔に血が上るのを感じた。
「まだ、持ってたんだ……」
これはあたしの手紙だ。遠国を巡る旅の途中、戯れに出した手紙。自分でもすっかり忘れてた。
火照った頬が冷めない。うわあ、人のラブレター見るより恥ずかしいよこれ。自分の昔の手紙って……。
衝動的に捨てたくなったけど、見たのがばれたらまた何だかまずいことになりそうだからそっと戻しておいた。あたしはそそくさと退散することにした。赤くなった顔を見られないうちに。
「……こんなもの大事にしてくれるくらいなら、普段から優しくしなさいよね、馬鹿」
「まだ、持ってたんだ……」
これはあたしの手紙だ。遠国を巡る旅の途中、戯れに出した手紙。自分でもすっかり忘れてた。
火照った頬が冷めない。うわあ、人のラブレター見るより恥ずかしいよこれ。自分の昔の手紙って……。
衝動的に捨てたくなったけど、見たのがばれたらまた何だかまずいことになりそうだからそっと戻しておいた。あたしはそそくさと退散することにした。赤くなった顔を見られないうちに。
「……こんなもの大事にしてくれるくらいなら、普段から優しくしなさいよね、馬鹿」
後日。
「あれ? どうしたの、この花」
「ん? あ、えと、その辺に咲いてた」
「? だけどこの品種はこの辺には……」
「あーあー、あたし用事思い出した、帰る」
「???」
「あれ? どうしたの、この花」
「ん? あ、えと、その辺に咲いてた」
「? だけどこの品種はこの辺には……」
「あーあー、あたし用事思い出した、帰る」
「???」