健気な天河石と顔が怖いと定評のあるマスターの非公式設定のお話
天河石が着てからは減っていたのだが
今日の俺は酒を口にしていた
傍らには天河石がオレンジジュースを手にして座っていた
今日の俺は酒を口にしていた
傍らには天河石がオレンジジュースを手にして座っていた
溜め息ばかりが先行する
酒は進まない
天河石は静かにその様子を見守っていた
「マスター…………本当につらいんだね……」
俺が何度目かの溜め息を吐いた後、天河石がそう呟いた
「そう……だな」
本当だった
意味合いを持たずに酒を飲む時と、雰囲気が全く違う
とてつもなく、重いのだ
手にしている350ml缶に目をやるが、
それがいやに重量を帯びているように見えて
持ち上がる気がしなかった
酒は進まない
天河石は静かにその様子を見守っていた
「マスター…………本当につらいんだね……」
俺が何度目かの溜め息を吐いた後、天河石がそう呟いた
「そう……だな」
本当だった
意味合いを持たずに酒を飲む時と、雰囲気が全く違う
とてつもなく、重いのだ
手にしている350ml缶に目をやるが、
それがいやに重量を帯びているように見えて
持ち上がる気がしなかった
「………………」
意を決して口に含んだものの、酷くいやな味がした
「楽に、なれねーな……」
そう俺が呟くのを聞いて、天河石は悲しそうに目を細めた
「マスター……」
「……あのね……マスター……」
天河石は何度も俺を呼ぶが、その旨を語るまで言葉が続かなかった
自覚はあったが、これほど触れがたい雰囲気を出していたとは
たぶん、こいつは俺を励まそうとしてくれてるんだろう
こんなに真摯に思われていると知ったのに、
それなのに、俺にはその優しさに報いる事が出来ない
無力感を誤魔化すようにチューハイを口に含むが、
甘ったるいフレーバーのせいか、酒の苦さが引き立って感じられた
意を決して口に含んだものの、酷くいやな味がした
「楽に、なれねーな……」
そう俺が呟くのを聞いて、天河石は悲しそうに目を細めた
「マスター……」
「……あのね……マスター……」
天河石は何度も俺を呼ぶが、その旨を語るまで言葉が続かなかった
自覚はあったが、これほど触れがたい雰囲気を出していたとは
たぶん、こいつは俺を励まそうとしてくれてるんだろう
こんなに真摯に思われていると知ったのに、
それなのに、俺にはその優しさに報いる事が出来ない
無力感を誤魔化すようにチューハイを口に含むが、
甘ったるいフレーバーのせいか、酒の苦さが引き立って感じられた
やがて天河石は鼻をすすりはじめた
俺は何も言わずに、ただ天河石の髪を撫でていた
優しく触れることで相手を慰める、なんて高尚な意味合いはない
ただの寂しさから、一方的に触れ合いを求めただけ
さもしい自分に辟易して、髪を撫でる手を止めてしまった
「マスター……?」
天河石が上目使いにこちらを見上げた
目の端からは涙が滴っていたが……その目は澄んでいる
俺には見ていられず目を逸らしていた
気がつくと天河石は俺の手を取って、その両手で抱き寄せていた
「天河石……?」
「ごめんね、マスター、ごめんね……」
「…………」
零れ落ちる雫もそのままにして俺の腕を抱いていた
「ごめん……ごめんね……」
天河石は何度も『ごめんね』と言った
その言葉が何に対してなのかとか
謝罪だけではないその言葉の本当の意味とか
俺はよく分かっていなかった
抱き留められている腕はひたすら涙を浴び続けた
俺は何も言わずに、ただ天河石の髪を撫でていた
優しく触れることで相手を慰める、なんて高尚な意味合いはない
ただの寂しさから、一方的に触れ合いを求めただけ
さもしい自分に辟易して、髪を撫でる手を止めてしまった
「マスター……?」
天河石が上目使いにこちらを見上げた
目の端からは涙が滴っていたが……その目は澄んでいる
俺には見ていられず目を逸らしていた
気がつくと天河石は俺の手を取って、その両手で抱き寄せていた
「天河石……?」
「ごめんね、マスター、ごめんね……」
「…………」
零れ落ちる雫もそのままにして俺の腕を抱いていた
「ごめん……ごめんね……」
天河石は何度も『ごめんね』と言った
その言葉が何に対してなのかとか
謝罪だけではないその言葉の本当の意味とか
俺はよく分かっていなかった
抱き留められている腕はひたすら涙を浴び続けた