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熱いのはお嫌い?

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だれでも歓迎! 編集
  正月の神様っていうのは、火が嫌いなんだとか。
  まぁ、俺は別に神様じゃないけど。
「ふーっ、ふーっ……」
  熱い……。
「ふーっ、ふーっ、ふーっ……」
  まだ熱い……。
「マスター、私も手伝いましょうか?」
「いや、いい。ペリドットに手間をかけさせるわけにはいかない」
  そう、俺は極度の猫舌。神様よりも猫に近い人間だ。
  最初はペリドットに内緒にしていたのだが、最近はモロバレなので隠す必要もない。
  しかし熱い。この雑煮なかなか冷めない。ちなみに作ったのは俺。
「猫舌で餅好きに生まれた宿命だ。こればかりは俺の手で乗り越える」
「まぁ、そうでしたか。では私もできる限りのお手伝いを……」
「だからふーふーは手伝わなくていいって」
  二人で顔をつき合わせて雑煮に息を吹きかけるとか、どういうシチュエーションだ。
「それなら団扇であおぎましょうか?」
「それはどうかと思うぞ」
「では扇風機でしょうか」
「ペリドット、お前いつからボケキャラになったんだ?」
「せっかくのお正月ですから、場を盛り上げようと思いまして」
  ペリドットには悪いが、あまり面白くないし、盛り上がらないと思う。
  まったく、正月だからって何かとご機嫌なんだよな。さっきは俺にお年玉渡してくるし。
  確かに俺の方が年下だが、だからってお年玉もらう歳じゃ……。
「あぢっ!!」
「あ、大丈夫ですか? 今お水を持ってきます」
  くそっ、油断して思いっきり雑煮をすすってしまった。舌があぁぁ……。
「はい。慌てて食べちゃダメですよ」
  ペリドットから水を受け取り、一気に飲み干す。
「面目ない……うぅ、いてぇ」
「やけどしましたか? 舌、見せて下さい」
  ペリドットの言われるまま、舌を出してみせる。
  自分では少ししか見えないが……あー、ひりひりする。
  しかしペリドットは冷静だなぁ。さすが年長宝石乙……めっ!?
「ふぇ、ふぇりどっふぉっ、はお、はおひはいっ!(ぺ、ペリドットっ、顔、顔近い!)」
「あらら、あまり動かないで下さい……まぁ、真っ赤になってますね」
  さらに近づいてくるペリドットの顔。
  これじゃあ、これじゃあ……って、なんかキスしそうな口元なんだけど!?
「ふーふー」
  ……鼻先が触れそうな位置に、ペリドットの顔。
  そしてなぜか、俺の舌に息を吹きかけてくる。
  く、くすぐったい。くすぐったいし恥ずかしいし、なんか身体が固まったようで動けないし。
「痛いの、飛んでいきましたか?」
「……あ、ああ」
  あぁ、離れちゃった……。
  って、俺何考えてるんだよ。何かしたかったのか?
  ……いや、やっぱキスぐらいは……あーくそっ、なんかさっきからおかしいぞ俺!!
「やっぱり私も冷ますの手伝いますね。二人でやれば、きっとすぐに食べられますよ」
  ……逆らえない。というか、一緒にやりたい。
  そんな気持ちを抑えられず、結局俺はペリドットと一つのお椀をふーふーすることに。
  予想通り滑稽で、キスの一つもできそうな位置にあるペリドットの顔。
  ……でも、結局動けない。ただひたすらふーふーするだけ。
「そろそろ大丈夫ですね」
「あぁ。ありがとう……」
  ……正月からこんなんじゃ、先が思いやられる。


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