アットウィキロゴ
宝石乙女まとめwiki
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

宝石乙女まとめwiki

タンス貯金

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
「お兄ちゃーんっ、こんにちはー」
  インターホンの音もなしに響く明るい声。そしてこの呼び方。
  唐突な来訪はいつものことなあの子。僕はその子を出迎えるために玄関へと向かう。
「いらっしゃい、天河石ちゃん。今日はみんないないよ」
「そうなのー? お兄ちゃんだけ?」
「うん」
  蛋白石と電気石は荒巻狩り、殺生石はペリドットさんのところでお茶を飲んでいるはず。
  というわけで僕は今日一人。三が日の真ん中だけどとにかく暇、いい加減おせち料理も飽きてきたし。
「それじゃあー、お兄ちゃん遊ぼー♪」

  天河石ちゃんのためにお茶とお菓子を用意する。
  確か天河石ちゃんは甘いのがいいんだよね……ミルクティーしかないけど、うち。
  それにしても珍しい、こうして天河石ちゃんと二人きりになるというのも。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございますっ」
  一つ一つの動作が少し大げさで、いつもニコニコ笑顔を浮かべる天河石ちゃん。どこか蛋白石にも似ているかもしれない。
「今日は電気石と遊ぶつもりだったの?」
「ううん、蛋白石お姉ちゃんに包丁の使い方教えてもらうのー」
「へぇ。家事の練習かな?」
「うんっ。天河石お料理ヘタだから、いっぱい練習して上手になるんだー」
  なるほどね、それで蛋白石に包丁の使い方をか。
  でも料理の練習なら殺生石の方が……いや、精神的スパルタ教育はこの子には少し厳しすぎるか。
「ちゃんとうちのことを考えるなんて偉いね」
「えへへ。マスタぁがいろいろしてくれるからぁ、お手伝いできるようになりたいの」
「そっかー」
「昨日もねー、天河石にお年玉くれたんだよ。紙のお金だよー♪」
「あー、お年玉かぁ……そうだ、僕もお年玉あげるよ。他の子には内緒だけど」
  もちろん電気石にもあげているけど……まぁ、親戚の子供にあげるっていうのはこういう感じなのかもしれない。
「ほんとっ?」
「うん、ちゃんと紙のお金だよ」
  3000円だけど。
「ありがとー、お兄ちゃんっ。また貯金が増えたー♪」
「天河石ちゃん、貯金してるんだ」
「うんっ、タンス貯金は便利だぞーって、マスタぁが教えてくれたの」
  なるほどなぁ……って、タンス貯金って母親が子供のお年玉を回収する常套手段のような気が……。
「天河石ねー、お年玉いっぱーい貯めてね、マスタぁーと珊瑚お姉ちゃんとお兄ちゃんと……んーと、みんなでどこかに遊びに行くのっ」
「はは、僕も連れて行ってくれるんだ」
「うん。天河石ねー、天河石のこと助けてくれた人たちにお礼がしたいの。だからね、お年玉は使わないでいっぱい貯めるんだよ」
  お礼、か。
  でも僕は天河石ちゃんを助けた記憶があまりない気もする……。
  だけど、天河石ちゃんがそうしたいと願うのは、きっと天河石ちゃんのマスターさんが優しいからなんだろうな。
  クリスマスパーティの時は、結構怖そうな人に見えたんだけどね。
「お兄ちゃん、どうしたの? 天河石の顔に何かついてるー?」
「ん、いいや、何でもないよ。ただ天河石ちゃんはいい子だなぁって」
「えへへ……ありがとう、お兄ちゃん」
  照れ笑いを浮かべながら、クッキーに手を伸ばす。
  ……そっか、お礼か。僕も蛋白石たちには世話になりっぱなしだもんなぁ。
  そうだな、今度三人でどこか遊びに行こうかな。
「あ、お兄ちゃんっ。何して遊ぶ?」
「え、もういいの?」
「うんっ。天河石鬼ごっこしたーい♪」

「ぶえっくしっ! ……誰か俺の噂してねぇか?」
「そんなの分かるわけないだろう、主」
「それもそうだな」


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー