「化石っ、今日は俺休みだ!!」
「おぉーっ、はなまるやマスタっ!!!」
……はなまる?
まぁいいや。とにかく、テンション高く休みが始まったわけで。
「じゃあマスタ、今日はうちと遊んでやー」
「おうっ、鬼ごっこからファミスタまで何でも来い」
「うちゲーム苦手や。せやから外行こ、外」
ちなみにうちにあるゲームは初代ファミコンとスーファミだけ。
「おぉーっ、はなまるやマスタっ!!!」
……はなまる?
まぁいいや。とにかく、テンション高く休みが始まったわけで。
「じゃあマスタ、今日はうちと遊んでやー」
「おうっ、鬼ごっこからファミスタまで何でも来い」
「うちゲーム苦手や。せやから外行こ、外」
ちなみにうちにあるゲームは初代ファミコンとスーファミだけ。
「めっちゃ冬やなぁー。顔凍りそうやねん」
化石の言う通り、今日はやたらと寒い。
「寒波到来、西高東低やなー」
「お、難しい言葉知ってるんだな」
「天気予報の受け売りや。天気を把握しとかんと、いろいろと不便なんよ」
「なるほど」
空を見上げる。
冷たくも澄んだ空気のおかげで、いい青色に見える。天気は良好だ。
「天気いいのに寒いのはなぁ」
「なら手ぇ繋ぐとあったかいねんっ」
その言葉と同時に、化石の手が俺の手に繋がる。
手袋に包まれた小さな手だが、温もりは確実に伝わってくる。
……確かに暖かい。
「でもまぁ、温かいモン食べたいよなぁ……勢いで出てきたはいいけど朝飯抜きだし」
「今月厳しいやん」
「そうだけどさぁ……おっ、公園でなんかやってるな」
小さな公園に老人や子供が集まっている。
真ん中には湯気を上げる大きな鍋。そして味噌と野菜のいい匂い。
……やばい、腹が鳴る。
「うまそうだなぁ。きっと豚汁か何か……って化石っ、匂いに釣られるな! 意識をしっかり持て、よだれ拭け!!」
化石の言う通り、今日はやたらと寒い。
「寒波到来、西高東低やなー」
「お、難しい言葉知ってるんだな」
「天気予報の受け売りや。天気を把握しとかんと、いろいろと不便なんよ」
「なるほど」
空を見上げる。
冷たくも澄んだ空気のおかげで、いい青色に見える。天気は良好だ。
「天気いいのに寒いのはなぁ」
「なら手ぇ繋ぐとあったかいねんっ」
その言葉と同時に、化石の手が俺の手に繋がる。
手袋に包まれた小さな手だが、温もりは確実に伝わってくる。
……確かに暖かい。
「でもまぁ、温かいモン食べたいよなぁ……勢いで出てきたはいいけど朝飯抜きだし」
「今月厳しいやん」
「そうだけどさぁ……おっ、公園でなんかやってるな」
小さな公園に老人や子供が集まっている。
真ん中には湯気を上げる大きな鍋。そして味噌と野菜のいい匂い。
……やばい、腹が鳴る。
「うまそうだなぁ。きっと豚汁か何か……って化石っ、匂いに釣られるな! 意識をしっかり持て、よだれ拭け!!」
女の子と二人で出かけてるんだから、デートということなんだろう。
化石だってもちろん女の子。しかも可愛い。男としてはこういう子とデートできるのはやはり嬉しいものだ。
「マスタっ、ゴミ袋いっぱいになったで」
それがどうして町内ゴミ拾いに参加してるんだ?
地域貢献は立派なことだと思うが、デートでやることではないだろ。
……いや、二人で豚汁に釣られてやっているっていうのが正直なところだけど。
あぁ、さっきのおじいちゃんごめんね。若いのに感心って褒めてくれたけど、本当は食い意地張っているだけです。
「マスタっ、ぼーっとしとらんと、しゃきしゃきゴミ拾わなあかんよ」
「あ、ああ」
化石に諭され、ゴミ拾い再開。
綺麗なところはほとんど拾うゴミもないのだが、ゴミ捨て場の前はカラスに荒らされていたりでけっこう汚れている。
あ、そういえばうちの掃除もまだだったな。帰ったらやっとかないとやばいかなぁ……。
「マスタっ!」
「うおっ。な、なんだ?」
「どーもマスタたるんどる。あかんよ、ちゃんと道路のゴミ拾わんと」
「わ、分かってるって」
「じゃあ手を動かすんやっ」
まぁ、手が止まりがちなのは認める。さっきからどうも考えごとをしてしまう。
とにかくだ、早くあのいい匂いを漂わせる鍋に……。
「しかし化石は元気だな。そんなに豚汁食いたいのか?」
「ん? もちろんやー。でも、マスタと暮らしとる街を綺麗にすんのも、宝石乙女のお仕事や」
「宝石みたく、街をぴかぴかに……ってか?」
「そやそやっ。マスタはさすがやなー。ごっつ頭いいで」
微妙な褒められ方な気もするが、まぁ素直に喜んでおこう。
「ありがとう。でもどちらかといえば豚汁だろ?」
「む……せっかくうち、いいこと言って締めくくろう思ったんに……」
やっぱりな。だって俺もそうだし。
「と、とにかくやっ、とっととゴミ拾い終わらそ」
ゴミ袋片手に、俺の前を先行する。
そして、こちらを振り返って……。
「マスタとずっと一緒にいられる、いい街にしよな?」
と、もう一回話の締めくくりをいい言葉にしようとしていた。
化石だってもちろん女の子。しかも可愛い。男としてはこういう子とデートできるのはやはり嬉しいものだ。
「マスタっ、ゴミ袋いっぱいになったで」
それがどうして町内ゴミ拾いに参加してるんだ?
地域貢献は立派なことだと思うが、デートでやることではないだろ。
……いや、二人で豚汁に釣られてやっているっていうのが正直なところだけど。
あぁ、さっきのおじいちゃんごめんね。若いのに感心って褒めてくれたけど、本当は食い意地張っているだけです。
「マスタっ、ぼーっとしとらんと、しゃきしゃきゴミ拾わなあかんよ」
「あ、ああ」
化石に諭され、ゴミ拾い再開。
綺麗なところはほとんど拾うゴミもないのだが、ゴミ捨て場の前はカラスに荒らされていたりでけっこう汚れている。
あ、そういえばうちの掃除もまだだったな。帰ったらやっとかないとやばいかなぁ……。
「マスタっ!」
「うおっ。な、なんだ?」
「どーもマスタたるんどる。あかんよ、ちゃんと道路のゴミ拾わんと」
「わ、分かってるって」
「じゃあ手を動かすんやっ」
まぁ、手が止まりがちなのは認める。さっきからどうも考えごとをしてしまう。
とにかくだ、早くあのいい匂いを漂わせる鍋に……。
「しかし化石は元気だな。そんなに豚汁食いたいのか?」
「ん? もちろんやー。でも、マスタと暮らしとる街を綺麗にすんのも、宝石乙女のお仕事や」
「宝石みたく、街をぴかぴかに……ってか?」
「そやそやっ。マスタはさすがやなー。ごっつ頭いいで」
微妙な褒められ方な気もするが、まぁ素直に喜んでおこう。
「ありがとう。でもどちらかといえば豚汁だろ?」
「む……せっかくうち、いいこと言って締めくくろう思ったんに……」
やっぱりな。だって俺もそうだし。
「と、とにかくやっ、とっととゴミ拾い終わらそ」
ゴミ袋片手に、俺の前を先行する。
そして、こちらを振り返って……。
「マスタとずっと一緒にいられる、いい街にしよな?」
と、もう一回話の締めくくりをいい言葉にしようとしていた。
「あー……うめぇ」
「ほんまやー。シェフを呼べっ」
「いや、シェフはいないだろ。というかパクリよくない」
ゴミ拾い終了後、俺と化石は公園のベンチで念願の豚汁にありつけたわけだが。
とにかくこれが美味い。故郷の味を思い出させる素朴な味が何とも……うぅ、泣けてきた。かーちゃーんっ!
「マスタ、何で泣いとん?」
「え、いや何でもない」
いかんいかん、男の涙は産廃ってまた化石に諭されてしまう。
「それより化石、これっていちおうデートだったんだよな?」
「えっ!? そ、そやなぁ……あはははは」
照れ隠しのような、不自然な笑いを浮かべる化石。
いや、もちろん言っているおれも恥ずかしい。しかし、化石にはもっとたくさん楽しいことを教えてやるべきだろう。
今日だって、繁華街の方まで出ていろいろ教えてやれたら……。
「デートがゴミ拾いって、さすがにないよなぁ」
そんな俺の言葉に、今度はごまかしも何もない純粋な笑顔で。
「んなことないよ、マスタ。うち、マスタと一緒に何かできて、ものごっつ楽しかったっ」
……そういや、こうして化石と共同で何かをするのって、初めてなのかな。
家事とか一般生活絡みではなく、こういう普段とは変わったことをするのは……。
「寒いけど、外出てよかったな。マスタっ」
「まぁ、化石が楽しかったんだったら、よかったかな」
「あかんっ、マスタも楽しゅーないとうちも楽しくないやん」
「……大丈夫、充分楽しかったよ」
その言葉は、俺の口から自然に漏れた。
ただのゴミ拾いだって、化石とやればテンションも上がる。
お金はなくても、ちゃんと楽しいことがある。
「でも、今度はデパート行こな?」
「はいはい」
ま、だからといって繁華街に行かないっていうのはないけどな。
「よっしゃっ、うちおかわり行ってくるー♪」
「おっ、負けてられねぇな。俺もーっ」
結局、一番の目的だった豚汁は互いに四杯食べました。
おじいちゃん、マジでごめん。
「ほんまやー。シェフを呼べっ」
「いや、シェフはいないだろ。というかパクリよくない」
ゴミ拾い終了後、俺と化石は公園のベンチで念願の豚汁にありつけたわけだが。
とにかくこれが美味い。故郷の味を思い出させる素朴な味が何とも……うぅ、泣けてきた。かーちゃーんっ!
「マスタ、何で泣いとん?」
「え、いや何でもない」
いかんいかん、男の涙は産廃ってまた化石に諭されてしまう。
「それより化石、これっていちおうデートだったんだよな?」
「えっ!? そ、そやなぁ……あはははは」
照れ隠しのような、不自然な笑いを浮かべる化石。
いや、もちろん言っているおれも恥ずかしい。しかし、化石にはもっとたくさん楽しいことを教えてやるべきだろう。
今日だって、繁華街の方まで出ていろいろ教えてやれたら……。
「デートがゴミ拾いって、さすがにないよなぁ」
そんな俺の言葉に、今度はごまかしも何もない純粋な笑顔で。
「んなことないよ、マスタ。うち、マスタと一緒に何かできて、ものごっつ楽しかったっ」
……そういや、こうして化石と共同で何かをするのって、初めてなのかな。
家事とか一般生活絡みではなく、こういう普段とは変わったことをするのは……。
「寒いけど、外出てよかったな。マスタっ」
「まぁ、化石が楽しかったんだったら、よかったかな」
「あかんっ、マスタも楽しゅーないとうちも楽しくないやん」
「……大丈夫、充分楽しかったよ」
その言葉は、俺の口から自然に漏れた。
ただのゴミ拾いだって、化石とやればテンションも上がる。
お金はなくても、ちゃんと楽しいことがある。
「でも、今度はデパート行こな?」
「はいはい」
ま、だからといって繁華街に行かないっていうのはないけどな。
「よっしゃっ、うちおかわり行ってくるー♪」
「おっ、負けてられねぇな。俺もーっ」
結局、一番の目的だった豚汁は互いに四杯食べました。
おじいちゃん、マジでごめん。