「んぅー……」
さっきから、手鏡片手に髪をいじっている蛋白石。
短い髪を必死にまとめようとして……いやぁ、ショートカットの蛋白石には無理だと思うけどなぁ。
「ねぇ、何してるの?」
「あ、ご主人様。手伝ってくれませんか?」
「いいけど……何してるの?」
改めて尋ねたところで、服の袖を引かれる感触。
引かれた方に目をやると、いつもと髪型の違う電気石がいた。
長いお下げが2本。ツインテールだ。
「……もしかして、これやろうとしてるの?」
「はいっ。でもやっぱり無理なのかなぁ……よいしょっ」
もう一度髪の毛をまとめる。
しかし、指から離れていく髪。少しだけしかまとまらない。
「あうぅ……」
あぁ、しょんぼりしてしまった。
「と、とりあえず僕も手伝うから。無理だろうけど……」
「ご主人様ぁ~」
「あわわ、ごめんごめん。と、とにかくやってみよっか」
さっきから、手鏡片手に髪をいじっている蛋白石。
短い髪を必死にまとめようとして……いやぁ、ショートカットの蛋白石には無理だと思うけどなぁ。
「ねぇ、何してるの?」
「あ、ご主人様。手伝ってくれませんか?」
「いいけど……何してるの?」
改めて尋ねたところで、服の袖を引かれる感触。
引かれた方に目をやると、いつもと髪型の違う電気石がいた。
長いお下げが2本。ツインテールだ。
「……もしかして、これやろうとしてるの?」
「はいっ。でもやっぱり無理なのかなぁ……よいしょっ」
もう一度髪の毛をまとめる。
しかし、指から離れていく髪。少しだけしかまとまらない。
「あうぅ……」
あぁ、しょんぼりしてしまった。
「と、とりあえず僕も手伝うから。無理だろうけど……」
「ご主人様ぁ~」
「あわわ、ごめんごめん。と、とにかくやってみよっか」
「ご主人様ー、似合いますか?」
蛋白石の頭に、ウサギの尻尾みたいなのが2つ。
よくある無理矢理ツインテールみたいなのが、何とか完成していた。
「似合うけど……ツインテールって言うのかな」
「ウサギさんの尻尾だってテールですよー。ね、お姉様」
「うさぎさん……ぴょんぴょん?」
まぁ、本人が喜んでるならいいんだけどね。
それにお揃いとまではいかなくても、可愛らしいと思うし。
「ところで殺生石は? こういう事なら殺生石が一番得意だと思うんだけど……」
蛋白石の髪に四苦八苦している間、全く姿を見せなかった殺生石。
家にいるとは思うんだけどなぁ……。
「わ、妾をお探しですか?」
「うわっ!」
隣の部屋を仕切るふすま越しにこちらを覗く影が一つ。殺生石だ。
「ど、どうしたの? 隠れてないで出てきたら?」
「そうしたいのは山々なのですが……身だしなみに少々問題がありまして」
「そ、そうなんだ……じゃあ、直すの手伝ってあげるから、こっちおいでよ」
「はい……もう一人ではどうしようも……」
ふすまを開けて、殺生石の全容が見える。
……見事に、髪の毛と尻尾の毛が跳ね上がっていた。
こうなるパターンはただ一つ。
「……電気石に触られちゃったんだ」
「乙女の間でついんてーるが流行っているとかで……」
なるほど、電気石が殺生石の髪をやってあげようとした訳だ。
「……めー?」
「いや、めーじゃないけど……んー、なんて言ったらいいのか」
「んー?」
悪気があってやった訳じゃないから、何とも言えないこのもどかしさ。
さっきまで一人鏡を前に髪を直していただろう殺生石の姿を思い浮かべると、ちょっとだけ泣けてくる。
ぴょんぴょんなのはウサギの尻尾な蛋白石ではなく、殺生石の髪の毛ってこと……か。
「でもこれ、直せるのかな……」
「みんなで手分けしてやればいいんだよー」
「ぐりーんだよー?」
「……電気石は遊びに行ってきなさい」
蛋白石の頭に、ウサギの尻尾みたいなのが2つ。
よくある無理矢理ツインテールみたいなのが、何とか完成していた。
「似合うけど……ツインテールって言うのかな」
「ウサギさんの尻尾だってテールですよー。ね、お姉様」
「うさぎさん……ぴょんぴょん?」
まぁ、本人が喜んでるならいいんだけどね。
それにお揃いとまではいかなくても、可愛らしいと思うし。
「ところで殺生石は? こういう事なら殺生石が一番得意だと思うんだけど……」
蛋白石の髪に四苦八苦している間、全く姿を見せなかった殺生石。
家にいるとは思うんだけどなぁ……。
「わ、妾をお探しですか?」
「うわっ!」
隣の部屋を仕切るふすま越しにこちらを覗く影が一つ。殺生石だ。
「ど、どうしたの? 隠れてないで出てきたら?」
「そうしたいのは山々なのですが……身だしなみに少々問題がありまして」
「そ、そうなんだ……じゃあ、直すの手伝ってあげるから、こっちおいでよ」
「はい……もう一人ではどうしようも……」
ふすまを開けて、殺生石の全容が見える。
……見事に、髪の毛と尻尾の毛が跳ね上がっていた。
こうなるパターンはただ一つ。
「……電気石に触られちゃったんだ」
「乙女の間でついんてーるが流行っているとかで……」
なるほど、電気石が殺生石の髪をやってあげようとした訳だ。
「……めー?」
「いや、めーじゃないけど……んー、なんて言ったらいいのか」
「んー?」
悪気があってやった訳じゃないから、何とも言えないこのもどかしさ。
さっきまで一人鏡を前に髪を直していただろう殺生石の姿を思い浮かべると、ちょっとだけ泣けてくる。
ぴょんぴょんなのはウサギの尻尾な蛋白石ではなく、殺生石の髪の毛ってこと……か。
「でもこれ、直せるのかな……」
「みんなで手分けしてやればいいんだよー」
「ぐりーんだよー?」
「……電気石は遊びに行ってきなさい」