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ずーっと一緒の秘訣は?

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だれでも歓迎! 編集
  情けない。
  体調管理はしっかりしているつもりだったのに、今日はやけに体がだるい。
  頭もぼんやりしているし、所々関節も痛い。完全に風邪を引いたかな……。
「ママー?」
  でも、ソーダのご飯用意して今日も仕事行かないと……うぅ、足取りがおぼつかない。
「ん……もう少し待ってね。すぐ作るから」
  冷蔵庫……何、残ってたっけ……。
  えーと……。

  ――体が、何かに包まれてる。
  布団? あれ、さっきまであたし起きていたのに……。
  ……あ、時間はっ? 目覚まし目覚まし。
「……うわ、完全遅刻」
  全身の力が抜ける。
  いや、さっきからだるさのせいで力なんて入っていなかったけど。
  風邪とはいえ、とんでもないことしてしまった……とりあえず連絡入れないと。
  立ち上がり、壁に手をつきながら電話をかけにリビングへ。やはり足取りはどうもおぼつかない。
「あっ、【ソーダのマスター】ちゃん! 駄目よぉ、寝てなきゃー」
  いつも通り、ソーダの様子を見に来たのだろう。爆弾岩さんがリビングにいた。
  そしてソーダは、小さなエプロンを身につけて掃除機を……。
  だが、次の瞬間にはあたしの足下に抱きついてくる。
「ママぁー……」
  泣き顔のソーダ。
「びっくりしたわぁ、あたしが来たら貴女、いきなり倒れてるんだもん」
「ママぁ……どっかいっちゃやぁー……ソーダ、いいこにするからぁ……」
  そっか、あの後あたし気絶しちゃったのか。
  でもあたしが瀕死みたいな扱いに……まぁ、仕方ないか。
「ごめんね。どっか行ったりなんかしないから、泣きやんで」
「……ママ、ねんねしてて?」
「あー……そうしたいんだけど、仕事がね」
「そっちの方は大丈夫だから、ソーダの言うこと聞きなさい」
  ……なんか、有無を言わさず寝かされることになりそうだ。

「今日はねー、ソーダがおうちのことするのー♪」
  と、張り切りモードのソーダ。先ほどの泣き顔も、すっかり吹き飛んでしまったようだ。
  あたしはというと、布団に寝かされて、冷えピタと氷嚢とタオルを頭に乗せられている。
あまり意味ないような……。
「ママー、なにしてほしい?」
「え、えーと……」
  本音を言うと、あまりソーダに家事は……なんか先が予想出来るし。
「大丈夫よぉ、何でも任せて」
  と言うのは爆弾岩さん。まぁ、この人がいるから安心か。
「じゃ、じゃあ、洗濯お願いしようかな」
「はーいっ。おせんたくー♪」
「ふふふ、【ソーダのマスター】ちゃんの下着拝見かしらぁ?」
  ……前言撤回。やっぱり嫌な予感がする。
  でも、もう遅い。二人とも部屋を出て、洗面所へと向かってしまった。
「おせんたくっ」
「お洗濯ぅ~」
  二人の陽気な声が聞こえる。
  声だけなのが、なおさら不安を煽って……。
「ひらひらーっ」
「あらぁ、結構ヤラシイ下着ねぇ~。男の子なんて簡単に誘惑できちゃいそぉねぇ」
「ゆーわくっ」
「わっ、ガーターベルトっ。あらあらあらぁ~」
「がーたー……ぼぉりんぐ?」
「そうじゃなくてねぇ、これは純真な男の心をいともたやすく獣に変えてしまう魔性の……」
「爆弾岩さんっ!!!」
  風邪とは別に、顔が熱い。
  聞いていたら恥ずかしいことを……もぉ。
  ……そんなに、過激なのかな。あたしのって。

「ママー、お水ー」
  何とか洗濯を終わらせたらしく、意気揚々とあたしの部屋に来る。
「ありがと。お洗濯、ちゃんと出来た?」
  ソーダからコップを受け取り、水を一口。
  ほどよい冷たさが、疲れた体に染み渡る。
「うんっ。おねーちゃんがおしえてくれたのー」
「そっか」
  余計なことも吹き込んだみたいだけど。
「あ、おきがえしよー。ママのおからだもふいてあげるね」
  タンスの前に立つソーダ。
  それほど力を入れずに開けあれるタンスだから、平気だろう。
「んー……」
「3番目だよ。下から」
「はーいっ。いーち、にーぃ、さーんっ。ここー」
  タンスを開けて、ピンク色のパジャマを取り出す。
「もってきたー」
「ありがと。でも開けっ放しはダメだよ」
「はーいっ。じゃあおからだふくねー」
  ベッドに乗っかってくるソーダ。
  あたしが着ていたパジャマのボタンを外し、それを脱がす。
「ごしごしー」
  タオルが背中に当たり、弱い力で上下する。
  なんだかお風呂で背中を洗ってもらっているみたいで、少しくすぐったい。
「ママー、きもちいい?」
「うん」
「えへへー」
  今度は背中から抱きつかれる感触。
「ママ、ソーダいい子?」
「もちろん。ソーダはいい子だよ」
「……じゃあね、ソーダのこと、ずーっとはなさないで?」
  わずかに震えている、ソーダの小さな体。
  ……相当、心配かけちゃった、か。
  もしかして、あたしがいつか死んじゃうとか、そういうことも分かってるのかな。
「……離さないよ」
  そんなソーダの、肩にかけられた小さな手。
  それに、手を重ねる。
「だって、ソーダのママだもんね。あたしは」
  恥ずかしくて、ちゃんとマスターと呼ばれたかった頃。
  それから、ずいぶんと遠くへ来た気がする。
  この子のママにだったら、なってもいい。そんな気がして……。
「うんっ」
  そして、この子はあたしをママと慕ってくれて……。
  突き放す理由なんて、どこにもなかった。
「ママー、ごはんなにがいーい?」
「え? あーお昼かぁ。久々にうどんとか食べたいなぁ」
「じゃあー、おねえちゃんにそう言うねー」
  脱いだパジャマを残し、リビングへと向かうソーダ。
「……タンス、開けたままだぞー」
  まだまだ、しっかりしたよい子には遠いようだ。


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