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日射病の労力と利点

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だれでも歓迎! 編集
 久々に天気のいい日。
 月長石と散歩に出かけたところまでは覚えているけれど、途中の記憶が曖昧だった。
「無理するなっていつも言ってるのに」
 木陰の下、後頭部の柔らかい感触。
 目の前に見えるのは木と空と、月長石の怒った顔。
 ……あぁ、また何かしちゃったんだな、僕。
「だって、月長石と歩くの楽しいから」
「いきなり倒れられたらあたしが楽しくないの! ほら、これ飲みなさい」
 差し出されるストローを口にくわえる。
 吸ってみると、スポーツドリンクが口の中に広がる。
「だから帽子ぐらい被りなさいって言ったのに……それで日射病とか、自業自得なんだから」
「でも、急かして帽子を用意させてくれなかったのは月長石……」
「なんか言った?」
「……何でもない」
 月長石に睨まれると、何も言えなくなってしまう。
「でも、わざわざ飲み物用意してくれてたんだね」
「べ、別に……ただアメジストがあんたと出かける時は……用意、した方が……
いいって……って、何言わせるのよ!」
 今度は顔を赤くして怒る。怒るだけでもずいぶんとバリエーションがあるんだなぁ。
「それよりっ、いつまで人の膝を枕にするつもりよぉー。もう大丈夫なんじゃないの?」
「ん……」
 確かに、体はもうずいぶんと楽になった。
 一体どれぐらい月長石に膝枕してもらっていたかは分からないけど、これ以上は
さすがに迷惑かも知れない。
「そうだね。じゃあそろそろ起き……」
 頭を上げる……が、なぜか押し戻される。
「やっぱ駄目。あんたいつも無理するから」
「え、いや無理なんて別に……」
「無理するのっ。だからもう少し休みなさい!」
 やっぱり睨まれると何も言えなくなってしまう。
 もしかして、月長石は僕では分からない体の変調も分かっちゃうのかな。
 だとしたらすごいな。健康管理は完璧だと思う。
「……ねぇ、また寝ないの?」
「え? いや、眠くないから」
「あっそ……」
 今度は残念そうに眉をひそめる。
 うーん……何を期待されてるんだろう。
「寝顔……」
「え、何?」
「っ、何でもない! まったく、もっと体丈夫にしないと駄目なんだからね!
じゃないとあたしがずっと面倒見るんだから!」
 また怒られる始末。
 うーん……今度からは倒れないように体鍛えないと駄目かな。

「ねーねー、何見てるの?」
「ん、ビリーズブートキャンプっていうの」
「……没収!」

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