こうも暑いと、水分補給をこまめにしないといけない。むしろしたくなる。
僕も、今日6回目の水分補給だ。
さっきまでは麦茶だったので、今度は好物のマンゴージュースを飲むことにする。
いつもよりちょっと大きめのコップに氷を入れて、さらにそこへマンゴージュースを。
音を立ててひびが入る氷。しばらくしたら、コップの表面に水滴が付く。実に涼しげな光景だと思う。
さてと……後は部屋に持って行って本でも読みながらのんびりしようかな。
コップを持ち、台所を出る。そのまま居間を抜けて自分の部屋へ……
「うわっ!」
足下に、何かが引っかかる。本のような感触だ。
これでバランスを崩した僕は、重力に逆らうことも出来ずに床へ倒れる。
手に持っていたコップも例外じゃない。僕の手を離れ、重力に従って下へ下へ……。
「あ……」
その下は床ではなかった。
長い黒髪と特徴的な狐耳。そして綺麗な着物が、見事にマンゴージュースと氷で濡れている。
……殺生石の体から、ほのかなマンゴーの香り。
僕も、今日6回目の水分補給だ。
さっきまでは麦茶だったので、今度は好物のマンゴージュースを飲むことにする。
いつもよりちょっと大きめのコップに氷を入れて、さらにそこへマンゴージュースを。
音を立ててひびが入る氷。しばらくしたら、コップの表面に水滴が付く。実に涼しげな光景だと思う。
さてと……後は部屋に持って行って本でも読みながらのんびりしようかな。
コップを持ち、台所を出る。そのまま居間を抜けて自分の部屋へ……
「うわっ!」
足下に、何かが引っかかる。本のような感触だ。
これでバランスを崩した僕は、重力に逆らうことも出来ずに床へ倒れる。
手に持っていたコップも例外じゃない。僕の手を離れ、重力に従って下へ下へ……。
「あ……」
その下は床ではなかった。
長い黒髪と特徴的な狐耳。そして綺麗な着物が、見事にマンゴージュースと氷で濡れている。
……殺生石の体から、ほのかなマンゴーの香り。
「本当にごめん!」
わざとじゃないとしても、謝るしかない。
何せ、ちょっとしたことなら謝ればすぐ許してくれる殺生石が、先ほどからずっと僕を睨んでいる。着替えもせずに。
「足下不注意、ですね」
そして一言、痛い言葉を投げかけてくる。
いや、それで終わるとは思えない。ここからが厳しいんだろうなぁ。
「お気に入りの召し物でしたのに」
「せ、洗濯するから……」
「先ほど水浴びをしてきたばかりでしたのに」
「お風呂、洗ってくるから……」
「髪と尻尾がべたつきますね」
「手入れ……手伝うから」
「床も汚れてます」
「後で拭いておくよ……」
なんかすごく惨めだ……殺生石の視線も痛い。
「まさかだんな様に汚されるとは、思ってもいませんでした……」
「え、何その悲しそうな言い方はっ。というかニュアンス変だよ!?」
怒りの表情から一転、目を潤ませてこちらを避けるような態度の殺生石。
これでは僕が別の意味で汚したようにしか見えない。二人だけだからまぁいいけど……。
「あんな強引に……だんな様を信じていましたのに……」
「不可抗力だよぉ……」
「これからわたくし、どうしたら……しくしく」
えー、何んだろう、この空気。
というか、僕はどうすれば許してもらえるんだろうか。なんだかこのままだと責任を取れとか言われそうで。
「わたくしをこんなにしてしまった責任、もちろん取ってくれますよね?」
思った通りの事が……。
「え、えぇと……洗濯とか?」
「何を言っているんですか、もちろん責任を取ると言えば」
と、その言葉を遮るように居間のドアが開けられる。
「ただいまご主人様ー……あれぇ? 何ですかこの匂い。マンゴー?」
居間に入ってくるや、あちこちの匂いを嗅ぐ蛋白石。
やがて殺生石の尻尾に鼻を近づける……あ、くしゃみした。
「んぅ……マンゴーの香水?」
「違います。主様に汚されてしまったのです」
いや、その誤解される言い方はちょっと……。
「えーっ! ごご、ご、ご主人様ぁ! よご、汚され……えぇーっ!!」
「いやいやいやっ、何考えてるのさ! 汚されたっていうのは僕が転んで」
「こ、転んだ振りして押し倒したんですかっ!?」
「違うよっ!!」
大体いつも夜這いとかしているのは……いや、別に嫌じゃないから……いやいやいや! この状況で僕は何をっ。
それよりも蛋白石の誤解を解かないと。このままでは僕がナントカ罪とかで逮捕されてしまう。
というか、どうして僕がこんな弁明を……。
「殺生石、あんなにご主人様のこと大好きだったのに……乱暴するなんて酷いですよーっ」
「だからそんなことしないよぉーっ」
誤解を解くのは、相当骨が折れそうだ……はぁ。
「たまには意地悪も、悪くないですね」
何かを小声でつぶやいた殺生石。
その顔はやたらといい笑顔で、困っている僕を見るのが楽しそうで。
「責任を取ってくれなければ、妾も考えがありますからね」
トドメといわんばかりの一言を告げ、泣き真似をしながら風呂場へ向かう殺生石。
……あぁ、無事にこの状況沈静化出来るかな。
「せ、責任……ご主人様、ちゃんと養ってあげないと駄目ですからね!」
「いやだからそうじゃなくて……あぁーっ、殺生石! 反省してるからナントカしてよぉ!!」
わざとじゃないとしても、謝るしかない。
何せ、ちょっとしたことなら謝ればすぐ許してくれる殺生石が、先ほどからずっと僕を睨んでいる。着替えもせずに。
「足下不注意、ですね」
そして一言、痛い言葉を投げかけてくる。
いや、それで終わるとは思えない。ここからが厳しいんだろうなぁ。
「お気に入りの召し物でしたのに」
「せ、洗濯するから……」
「先ほど水浴びをしてきたばかりでしたのに」
「お風呂、洗ってくるから……」
「髪と尻尾がべたつきますね」
「手入れ……手伝うから」
「床も汚れてます」
「後で拭いておくよ……」
なんかすごく惨めだ……殺生石の視線も痛い。
「まさかだんな様に汚されるとは、思ってもいませんでした……」
「え、何その悲しそうな言い方はっ。というかニュアンス変だよ!?」
怒りの表情から一転、目を潤ませてこちらを避けるような態度の殺生石。
これでは僕が別の意味で汚したようにしか見えない。二人だけだからまぁいいけど……。
「あんな強引に……だんな様を信じていましたのに……」
「不可抗力だよぉ……」
「これからわたくし、どうしたら……しくしく」
えー、何んだろう、この空気。
というか、僕はどうすれば許してもらえるんだろうか。なんだかこのままだと責任を取れとか言われそうで。
「わたくしをこんなにしてしまった責任、もちろん取ってくれますよね?」
思った通りの事が……。
「え、えぇと……洗濯とか?」
「何を言っているんですか、もちろん責任を取ると言えば」
と、その言葉を遮るように居間のドアが開けられる。
「ただいまご主人様ー……あれぇ? 何ですかこの匂い。マンゴー?」
居間に入ってくるや、あちこちの匂いを嗅ぐ蛋白石。
やがて殺生石の尻尾に鼻を近づける……あ、くしゃみした。
「んぅ……マンゴーの香水?」
「違います。主様に汚されてしまったのです」
いや、その誤解される言い方はちょっと……。
「えーっ! ごご、ご、ご主人様ぁ! よご、汚され……えぇーっ!!」
「いやいやいやっ、何考えてるのさ! 汚されたっていうのは僕が転んで」
「こ、転んだ振りして押し倒したんですかっ!?」
「違うよっ!!」
大体いつも夜這いとかしているのは……いや、別に嫌じゃないから……いやいやいや! この状況で僕は何をっ。
それよりも蛋白石の誤解を解かないと。このままでは僕がナントカ罪とかで逮捕されてしまう。
というか、どうして僕がこんな弁明を……。
「殺生石、あんなにご主人様のこと大好きだったのに……乱暴するなんて酷いですよーっ」
「だからそんなことしないよぉーっ」
誤解を解くのは、相当骨が折れそうだ……はぁ。
「たまには意地悪も、悪くないですね」
何かを小声でつぶやいた殺生石。
その顔はやたらといい笑顔で、困っている僕を見るのが楽しそうで。
「責任を取ってくれなければ、妾も考えがありますからね」
トドメといわんばかりの一言を告げ、泣き真似をしながら風呂場へ向かう殺生石。
……あぁ、無事にこの状況沈静化出来るかな。
「せ、責任……ご主人様、ちゃんと養ってあげないと駄目ですからね!」
「いやだからそうじゃなくて……あぁーっ、殺生石! 反省してるからナントカしてよぉ!!」