「お早うございます……」
「あぁ、おはよう……ってどうしたんだ? 顔が悪いぞ?」
「別になんでもありませんわ……あっ」
「ちょ、鶏冠石!!」
「あぁ、おはよう……ってどうしたんだ? 顔が悪いぞ?」
「別になんでもありませんわ……あっ」
「ちょ、鶏冠石!!」
バタンと盛大に倒れた鶏冠石を抱き起こすと、それはもう人形とは思えないようなスゴい熱だった。
「ど、どうですか? なんか重大な問題でも……?」
「きっと疲労と季節の変わり目が重なって体調を崩しちゃったのね」
「というと?」
「ただの風邪だと思いますよ」
「きっと疲労と季節の変わり目が重なって体調を崩しちゃったのね」
「というと?」
「ただの風邪だと思いますよ」
にっこりと微笑むペリドットさんの言葉にホッと胸を撫でおろす。
「そうですか、てっきりシリアスなものかと……宝石乙女も病気したりするんですね」
「私たちにも心がありますから。病は気から、って言うでしょう?」
「な、なるほど」
「私たちにも心がありますから。病は気から、って言うでしょう?」
「な、なるほど」
のほほんとしているが、さすがに説得力がある。
とりあえず安静にして寝かせていれば問題ないらしい。
ペリドットさんは『そばについててあげてね』なんて言い残して去っていってしまったが
鶏冠石が起きた時に俺が近くにいたら怒鳴られないだろうか……。
とりあえず安静にして寝かせていれば問題ないらしい。
ペリドットさんは『そばについててあげてね』なんて言い残して去っていってしまったが
鶏冠石が起きた時に俺が近くにいたら怒鳴られないだろうか……。
「でも……」
ハァハァと喘ぐ鶏冠石は、その、今にも壊れてしまいそうなほど儚くて、とても放っておけなかった。
苦しそうな鶏冠石に何かしてやれることはないかと思った。
ペリドットさんは特に何もしなくていいって言ったけど、ただ見ているなんて……。
ペリドットさんは特に何もしなくていいって言ったけど、ただ見ているなんて……。
「ん……」
「!? 鶏冠石……?」
「!? 鶏冠石……?」
寝言、かな。
そうだ、マンガとかアニメならこういう時は女の子の手を――
そうだ、マンガとかアニメならこういう時は女の子の手を――
「おとう、さまぁ……おねえさま……」
――握れなかった。
俺は、やっぱりいつまでたっても頼りないマスター、か。
そりゃそうか。俺は大人っぽくもかっこよくも強そうでもないもんな。
そりゃそうか。俺は大人っぽくもかっこよくも強そうでもないもんな。
「うぅん……ますたぁ……?」
「あ、き、気がついたか鶏冠石」
「私、どうしましたの……?」
「まだ起き上がらなくていいよ。季節の変わり目に疲れが出ちゃったんじゃないかってさ。
最近夜遅くまで起きてたみたいだし、ムリしすぎたんじゃないか?」
「ど、どうして知っていますの?」
「いや、電気ついてたら気付くから」
「むー……」
「あ、き、気がついたか鶏冠石」
「私、どうしましたの……?」
「まだ起き上がらなくていいよ。季節の変わり目に疲れが出ちゃったんじゃないかってさ。
最近夜遅くまで起きてたみたいだし、ムリしすぎたんじゃないか?」
「ど、どうして知っていますの?」
「いや、電気ついてたら気付くから」
「むー……」
布団から手だけ出てる鶏冠石は可愛いな。
本当は、聞きたい。遅くまで起きてる理由も。なんで自分には手伝わせてくれないのかも。
でも……あんまり話をしてこじらせたらいけないか。
本当は、聞きたい。遅くまで起きてる理由も。なんで自分には手伝わせてくれないのかも。
でも……あんまり話をしてこじらせたらいけないか。
「それじゃ、なんかあったら呼んでくれ。下にいるからさ」
「え……?」
「ん?」
「え……?」
「ん?」
ちょっといつもと違う鶏冠石の声色は否応なく俺の足を引き留めた。
「なにか、ありましたの……?」
なにかなんか、ない。
ただ、何もできない自分が不甲斐なくて、信頼されてない自分が情けなくて――
ただ、何もできない自分が不甲斐なくて、信頼されてない自分が情けなくて――
「マスター、ちょっとそこの紙袋を取ってください」
「え? あぁ、これか? ほい」
「え? あぁ、これか? ほい」
ガサゴソと袋から毛糸の塊を取り出す。
それは伸ばせばマフラーの様な感じのモノになるんだと思う。
それは伸ばせばマフラーの様な感じのモノになるんだと思う。
「どうぞ!」
顔を自慢の髪と同じくらい赤くしながら、マフラー(のようなもの)を押しつけられた。
「あ、ありがとうございます」
「夜はコレを編んでいましたの」
「はぁ……」
「だから、貴方にプレゼントするために作ったんですわ! 寒くなってきたとか言ってらしたから!」
「え!? 俺のため!?」
「そうですわよ。貴方は私のマスターですもの! プレゼントを渡してはいけない道理があって?」
「いや、ない、けど……」
「もう! うじうじして! 私はもう少し睡眠を取らせてもらいます!」
「夜はコレを編んでいましたの」
「はぁ……」
「だから、貴方にプレゼントするために作ったんですわ! 寒くなってきたとか言ってらしたから!」
「え!? 俺のため!?」
「そうですわよ。貴方は私のマスターですもの! プレゼントを渡してはいけない道理があって?」
「いや、ない、けど……」
「もう! うじうじして! 私はもう少し睡眠を取らせてもらいます!」
そう言って布団をかぶってしまった。
プレゼントをされた、ってことはどういうことなんだ?
っていうか異性からプレゼントって初めて!?
いやその前に鶏冠石はもう寝るって言ってるしとりあえず部屋を出て――
プレゼントをされた、ってことはどういうことなんだ?
っていうか異性からプレゼントって初めて!?
いやその前に鶏冠石はもう寝るって言ってるしとりあえず部屋を出て――
「マスター」
「は、はいはいもう出て」
「手、握っててもよくってよ」
「は、はいはいもう出て」
「手、握っててもよくってよ」
一瞬何を言っているか理解できなかったが、布団からニョキッと出てきた手を見て我に返る。
「お手!」
鶏冠石の手を両手で包み込む。
その手はポカポカしていて、胸の中の何かを容易く溶かしてしまった。
その手はポカポカしていて、胸の中の何かを容易く溶かしてしまった。
「鶏冠石」
「はい?」
「早く、良くなれよ。このマフラー一緒に巻いてどこか散歩にでも行こう」
「ッ! もう眠ります!」
「はい?」
「早く、良くなれよ。このマフラー一緒に巻いてどこか散歩にでも行こう」
「ッ! もう眠ります!」
鶏冠石がそっぽを向いていたのが今回は助かった。
この頬を伝う涙を見られずにすんだから。
この頬を伝う涙を見られずにすんだから。