帰ってきて、早速出迎えてくれるのは殺生石。
「おかえりなさいませ。今夜は蛋白石達がいないので二人っきり……何か?」
いつも通りの着物姿。髪も艶のある黒で綺麗だし、9本の尻尾だって可愛く揺れている。
だけど、顔……何故か、僕の目の前にいる殺生石は、丸いメガネをかけていた。
「……殺生石、メガネ?」
「ええ」
「何か企んでるのかな?」
「いいえ」
じゃあ何でメガネなんだろう。
まず殺生石が目を悪くするなんて考えられないし、それ以外のメガネの用途なんて
いつかない。良くてたまねぎを切る時のガード?
「これは、たまねぎの汁で目を痛めないための道具です」
「え……」
その答えに、何故か笑いがこみ上げそうになる。
まさか殺生石がそんな、メガネでたまねぎの……あまり効果ないと思うけど。
とにかく、どこか子供っぽい発想を殺生石が実行するというのが、少し可笑しかった。
「……人の顔を、そんな風に見ないでもらいたいのですが」
「え? あぁ、ごめんね」
「だんな様。いつも思っていましたが、わたくしがちょっと変な行動を見せたからといって、笑うのはどうかと思います。これは閨でしっかりと話し合いを……」
「いやいや、それはダメだってば」
確かに、真剣に考えていたことに対して笑うのは失礼極まりない。反省しないと。
それよりも、殺生石の機嫌を何とか直さないと……。
「で、でもさ、殺生石って、メガネ似合うね」
「え?」
別にメガネをかけた女の子が、特別好きな訳ではない。
だけど、こうしてメガネをかけている殺生石の姿に、不自然さはあまり感じなかった。いつもと違う姿だけど、なんだか同級生にもこんな子がいたような、そんな感じだ。
「似合ってます、か……もう、だんな様ったら」
顔を赤くして、僕から目をそらす殺生石。
その可愛いしぐさが、今度は微笑ましく感じられる。
「そんな……優しい笑顔で、見つめないでください」
そういって、完全に顔を背けてしまう。
あんなに照れる殺生石を見るのは、もしかしたら初めてかも……。
「……計画通り」
ただ、その後に聞こえた不穏な一言が、どうしても僕の心を和ませてはくれなかった。
もしかして、僕は何か術中に嵌ったのかな……。
「おかえりなさいませ。今夜は蛋白石達がいないので二人っきり……何か?」
いつも通りの着物姿。髪も艶のある黒で綺麗だし、9本の尻尾だって可愛く揺れている。
だけど、顔……何故か、僕の目の前にいる殺生石は、丸いメガネをかけていた。
「……殺生石、メガネ?」
「ええ」
「何か企んでるのかな?」
「いいえ」
じゃあ何でメガネなんだろう。
まず殺生石が目を悪くするなんて考えられないし、それ以外のメガネの用途なんて
いつかない。良くてたまねぎを切る時のガード?
「これは、たまねぎの汁で目を痛めないための道具です」
「え……」
その答えに、何故か笑いがこみ上げそうになる。
まさか殺生石がそんな、メガネでたまねぎの……あまり効果ないと思うけど。
とにかく、どこか子供っぽい発想を殺生石が実行するというのが、少し可笑しかった。
「……人の顔を、そんな風に見ないでもらいたいのですが」
「え? あぁ、ごめんね」
「だんな様。いつも思っていましたが、わたくしがちょっと変な行動を見せたからといって、笑うのはどうかと思います。これは閨でしっかりと話し合いを……」
「いやいや、それはダメだってば」
確かに、真剣に考えていたことに対して笑うのは失礼極まりない。反省しないと。
それよりも、殺生石の機嫌を何とか直さないと……。
「で、でもさ、殺生石って、メガネ似合うね」
「え?」
別にメガネをかけた女の子が、特別好きな訳ではない。
だけど、こうしてメガネをかけている殺生石の姿に、不自然さはあまり感じなかった。いつもと違う姿だけど、なんだか同級生にもこんな子がいたような、そんな感じだ。
「似合ってます、か……もう、だんな様ったら」
顔を赤くして、僕から目をそらす殺生石。
その可愛いしぐさが、今度は微笑ましく感じられる。
「そんな……優しい笑顔で、見つめないでください」
そういって、完全に顔を背けてしまう。
あんなに照れる殺生石を見るのは、もしかしたら初めてかも……。
「……計画通り」
ただ、その後に聞こえた不穏な一言が、どうしても僕の心を和ませてはくれなかった。
もしかして、僕は何か術中に嵌ったのかな……。
◇
「マスター。私の古いメガネ、持って行きませんでしたか?」
「知らないぞ。というかペリドット、どうして俺に聞く……」
「マスターはメガネ、お嫌いですか?」
「……その好き嫌いが持つ意味について、ちょっと話し合おうか」
「知らないぞ。というかペリドット、どうして俺に聞く……」
「マスターはメガネ、お嫌いですか?」
「……その好き嫌いが持つ意味について、ちょっと話し合おうか」

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