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  • GANTZにかけられた制限

GANTZにかけられた制限

最終更新:2008年08月04日 01:16

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GANTZにかけられた制限



「多恵を探すとしてじゃ、闇雲に動き回っておっては埒があかん」
「あぁ……」

 どう見ても小中学生にしか見えない自称仙人『太公望』は決して悪い男ではない。
 会ったばかりの俺を助けようとしてくれたのは、紛れもない事実だし、
勇気を持って多恵ちゃんに会いたいと言えば、良しと返事してくれた。
 ぶっちゃけ、土方さんのような腕力の強い人と別れてしまったことや、
移動力を無くしてしまった事は痛いと思っているけれど、
コイツはコイツで頼りになるんじゃないかとも思えてくる。
 しかし……
 これまで、雪女やら魚人やらパトカーやらで気づかなかったけど、
落ち着いて見ると本当に子供だよ。
 多恵ちゃんを探さなきゃならないのに、子連れって……

「のう玄野。わしらのおる場所はD-3。多恵がどこにおるかは分からんが……」

 いやしかし、この喋り方。とても演技とは思えないんだよなぁ。
 それに、雪女は本当だったし魚人ってのもマジっぽいし、大体GANTZだっているわけだし、
今さら仙人がいたところで、おかしくもないか。それに大切な事は、太公望がいい奴か悪い奴かだ。
仮にこいつがただの人間で、ただの小学生だったとして、だからってコイツに>気がないことや、
コイツが命の恩人である事は間違いないわけだ。今の俺にはそれだけで十分だな。

「聞いておるのか玄野。多恵と再会するための策じゃ」
「あぁ……すまない」


 今、俺と太公望は電波塔一階の管理人室にいる。
 すぐにでも多恵ちゃんを捜したい、そんな俺に対して太公望が冷静になれと窘めた結果だ。
 コイツが言うには広い島の中、闇雲に探し回っていても危険が増えるだけ。
 さらに多恵を見つけた後のことも考えなければ、再会後二人そろって死ぬこともあり得る。
 そんな理由で俺は今、彼の話を聞くことになったわけだ。
 本来なら、今すぐにでも多恵ちゃんの所にいきたい。でも太公望の言う通りでもあるわけで……

 さて、繰り返すがここは電波塔一階の管理人室。
 警備員のために用意された部屋は、最低限の機能だけを持っていてとても狭い。
 今ここにいる2人は、俺と太公望。
 本人の言を信じたとしても、見た目は小学生のコイツと2人でいるから、
まだ何とか入っていられる広さだ。これが、大人2人となってくると、少し窮屈になるだろう。
 しかし、この部屋にはその窮屈さを補って余りある性能がある。それは、防犯カメラだ。
 電波塔の入り口は、表と裏の2つあり、その2つともに防犯カメラが設置されていて、
その映像をここで確認する事が出来る。しかも入り口が2つあるのだから、
表門から誰かが入ってきた場合は裏から出て、裏から入ってきた場合は、
表から逃げればいい。
 その意味で、ここは下手な民家よりも随分と気の休まる施設だった。


「玄野よ、多恵のようなか弱き者を見つけたとき、わしは取りあえずここに匿おうと考えておる」
「あぁ、それは俺も同感だ。ちょっと狭いけど」
「命には代えられん。どうせ、長くて9日しかおらんのじゃしな」
「9日?」
「あぁ、9日じゃ。ワポルの言葉を思い出してみい。あやつは6時間ごとに禁止エリアを発表すると言っておった。
それはつまり、1日で4エリア、9日で36エリアが禁止対象になると言う事を意味しておる。少なくともな」
「少なくとも?」
「一度に発表されるエリア数が一つだと、あやつは言っておらん。2,3同時に禁止対象に挙がる事も考えられるじゃろう。
じゃが、どちらにせよ数はハッキリせん。分かるのは、遅くとも9日後には36エリア全てが禁止されると言う事じゃ」
「なるほど……」

 まぁ、9日が3日になろうと、このゲームの危険性になんら変わりはなく。
 多恵ちゃんを一刻も早く探さなければならない事も同じだ。

「正直言って、9日間でこの島の中、危険人物を避けつつ人探しをするのは困難を極めるじゃろう」

 尤もな事だ。何せ、向こうも隠れながら移動しているに違いないのだから。

「そこでじゃ、わしらは少々危険じゃが、この島の特性を生かして人探しをしようと思う」
「特性って……」
「うむ。この島は奇妙な形をしておる。五つの小島が、渡り廊下のようなもので繋がったような奇怪な形じゃ」
「言われてみれば……」
「この島が、どうしてこんな形になったかは分からんが、分からんなりに利用させてもらう」

 太公望はずんぐりとした手袋で、渡り廊下を一つ一つ指差していく。


「いかなる者であろうとも、移動の際には必ずここを通らねばならん」
「アーロンは魚人だって言ってたけど?」
「揚げ足をとるでない、あれは例外中の例外じゃ。大体、おぬしの探し人はそんな特殊な女なのか?」
「あ、いやごめん……」
「まぁ、そんなわけじゃから、わしらはこの渡り廊下の近くで多恵を待とうと思う」
「なるほどね……」
「じゃが、当然。そうすると危険も多い。わしら自身アーロンのような危険人物が通る場所に身を置く事になるわけじゃからな」
「うーん……でもそれって……」

 太公望の指差した渡り廊下は合計11箇所。
 確かに、下手に島をめぐるよりは若干マシになるけど、それにしたってもうちょっと動く場所を減らしたいじゃないか。
 11じゃ、まだ多すぎる。2人で多恵ちゃんを探すには、ちょっと無謀な数だ。

「少し数が多すぎるんじゃないか」
「確かに、このままじゃとその通り。しかし馬鹿正直に11箇所全てを張る必要はない。
まず、先ほど別れた土方たちが北方を探してくれておる。北半分の捜索はあやつらに任せるんじゃ」

 言われてみて、俺は土方さんたちにも多恵のことを伝えておけばよかったと思った。
 まったく俺は……仕方ないがここは頷いておこう。

「あぁ」
「次に南半分の渡り廊下から人が通りそうな渡り廊下を考えてみい?」
「それは……やっぱ、街同士を繋ぐ所、かな?」
「その通りじゃ」
「そうすると、北側は土方さんに任せるとして、俺たちが見るべき場所は南側の高層ビル街と城下町を繋ぐ廊下。
そして、東の学校と城を結ぶ廊下、最後に西の学校と高層ビル街を繋ぐ廊下。合計四ヶ所」
「うむ、その通りじゃな。さて、そうなるとじゃ……」

 太公望は管理人室の窓のカーテンをそっと開け、そこから見えるツインタワーを指さす。


「わしらが目指すのはあの建築物の頂上じゃ」

 周囲を一望できる高い建物。地図に記された東京都庁のようなツインタワー。
 確かにここならば、この電波塔と同じように防犯設備も充実しているだろうし、
それに渡り廊下はおろか、幹線道路を通る人間だって一望できる。人探しにはうってつけの場所だ。

「むろん、いくらあの塔が展望に適しておると言っても、2人で人探しをするのは余りに無謀じゃ。
じゃからまずは、城下町やあの高い建築物が密集している地帯を回って仲間を捜す」
「あぁ、その中に多恵ちゃんがいれば万事解決だし、居なくても人手が増えれば……」

 俺はほんの少しだけさした希望に胸をわくわくさせた。
 初めてのミッション、初めての殺し合い、魚人や妖怪やらで驚かされてばかりだけど助かる可能性もある。
その事を改めて実感した。
 それにしても、ひょっとしたら、こいつは本当に仙人かもしれない。
 一瞬で、多恵ちゃんを探すための手段を考え出すのは、人間の子供にはとても無理だったろう。
 やっぱ仙人様は違うって事か。

「現状、この策に問題があるとすれば二つ。一つは2人で実行するには無理がありすぎるという点。
だからこそ、わしらはビルに行く前になんとしても新しい仲間を見つけねばならん」

 だからかな、俺にはこの後太公望の言うことが理解できなかった。

「そしてもう一つは、あの建物は頂上まで登れるか、ということじゃ」
「…………は?」

 何言ってんだ? 高層ビルだぜ? エレベーターぐらいあるに決まってるだろ。
 観光目的を兼ねたビルなら、高層階に展望フロアぐらいあるだろうし、
場合によっては展望階まで直通のエレベーターまである。こいつ、そんな当たり前のことも知らないのか?


「わしは以前、趙公明との戦いで落ちそうなほど高い階段を経験し……」
「おいおい。いくらなんでもビルにはエレベーターぐらいあるだろ?」

 仙人様は頭はいいけど俗世から離れてるってことか?

「お前、ビルも見たことないわけ? さっきから高層ビルのことを建物とか建築物とか言ってるし……」

 そういうと太公望から先ほどまでの自信たっぷりの口調が消えていく。
 年齢相応の申し訳なさそうな顔と、相変わらずのジジイ口調を組み合わせてこう言った。

「いや、その……すまぬが、一つ申し訳ないことを言うかも知れん」
「何だよ」
「実を言うとじゃな。非常時じゃから聞かなかったんじゃが……」

 もしかして、もしかして、こいつ……

「ビルってなんじゃ?」

 やっぱり、知らねーーーのかよ!!

「ビルはビルだろ! 地図に書いてある通りじゃネェか。何言ってんだよ!!」
「……玄野にとっては当たり前の事か?」
「いや、俺だけじゃなくて土方さんや三浦にとっても当たり前だと思うけど。
仙人って言うだけあって人間とは離れて暮らしてたって事か?」
「そういう訳ではない。わしは周の軍師として人間たちとも交流が深い」
「んじゃ、何で知らないんだよ。ってか、軍師って……」
「場の空気を読んで言わなかったが、あの『パトカー』や『花火』もわしの知る所ではない」
「はぁ?????」


 俺には太公望が何を言ってるのか、サッパリ分からなくなってきた。
 コイツは一体何者なんだよ。頭がいいのは分かったよ。でも常識知らず過ぎやしないか?
 俺たちの何倍も生きてるんじゃなかったのかよ?

「い、いや、百歩譲ってパトカーはまだ分かるぜ。だけどさ、花火は太公望が出して来たもんだろ?」
「うむ……簡単な説明書があったのでな。それで理解したのじゃが、周にも殷にも、そんなものは無かったんじゃ」
「何なんだよ一体……」
「確認しておくが、おぬしは人間じゃな?」
「当たり前だ」
「なるほど……じゃとすると、トンでもない事に巻き込まれたかも知れんのぉ」
「んな事は最初から分かってるって。殺し合いのゲームなんだからさ」
「いや、違う。そんなレベルではない」

 どう違うっての。

「おぬしはゆきめを覚えておるか? 自称妖怪の女じゃ」
「もちろん、覚えてるよ。あんな衝撃的なこと忘れられそうにない」
「うむ。細かいことだったので、気にしておらんかったが、あやつは妖怪仙人ではなく、妖怪と言っておった」
「それが?」
「わしは妖怪仙人なら知っておるが、妖怪は知らん」
「単に、妖怪仙人を略して妖怪って言っただけじゃないのか?」
「一般的には、妖怪仙人も普通の仙人も、仙人と呼称するのが習いじゃ」
「マジで細かいな」
「うむ。だから、あの女は妖怪仙人であって、たまたま妖怪と略しただけ、そう解釈する事も出来なくはない。
しかし、この手の細かい文化は意外と深く根付いているものじゃ。それに、妖怪は良いとしても魚人はどう説明する」
「魚人仙人?」

「ますます聞いたことがないわ。良いか玄野、わしはこう見えても70年以上生きておる。
人間界も仙人界も、それなりに知っておるんじゃ」
「つまり魚人仙人なんていないってことか」
「その通りじゃ」
「だったら何が言いたいんだよ」
「何と言うか、この世界は奇妙じゃ」

 真剣な顔で、太公望は何やら思案している。そりゃ、確かにこの世界はおかしいけど……

「玄野、おぬしは雪女の妖怪や魚人などについて、どれぐらい知っておった?」
「全く知らないよ」
「では、パトカーや花火は?」
「それは両方とも知ってる」

 腕を組み、瞳を絞るように閉じながら、太公望は太い指をトントンとさせて考えている。

「なら、この島のことは知っておるか?」
「島自体は知らないけど、ビルとか学校とか、島の施設なら……」
「島の施設は、どれも一般的なものか?」
「いいや、ピラミッドとかモアイとか、普通じゃ見かけない物もあるね」

 それだけ聞くと、太公望は絞っていた瞳を大きく見開いた。

「玄野、急いでおる所すまんが、わしに島のことを詳しく教えてくれ」

 正直な話、俺は多恵ちゃんのために急ぎたい気持ちで一杯だった。
 でも、太公望のまっすぐな瞳を見たら、こいつの話を聞くべきかもって思ったんだ。

◆ ◇ ◆

 太公望は玄野の話を聞きながら、違和感を覚えた。
 いや、玄野が話す世界の高すぎる技術力はどうでもいい。
 それは太上老君が見せてくれた未来図(過去?)の文明力を考えれば、決してありえない物ではないからだ。
 しかし……

「まず、この島は周囲が直角に曲がってるけど、これは多分元々あった島を埋め立てて作ったからなんだ。
埋立地って言って、俺の国じゃ珍しくない。それと、中にあるのは……」

 一つ一つの設備を丁寧に説明していく玄野。
 年齢を考えれば、彼自身の説明にも誤りは含まれているだろう。しかし、それは些細な事だ。
 真摯に語る彼の姿勢からは、少なくとも『嘘は言ってない』と分かる。
 太公望には、それだけで十分だった。

「そしてこれが……多分、軍事用の施設。位置から考えて船の出入りはなく、飛行機が離発着するだけだと思う」
「飛行機?」
「空飛ぶ乗り物の事」

(なるほど、霊獣のようなものかの)
 先ほどのパトカーが空を飛ぶようになったと考えれば、もっと正解かもしれない。

「その乗り物は、一回で何人ぐらいの人間を運べるんじゃ?」
「さぁ……そんなしょっちゅう乗らないしな。
でも、これはさっきも言ったけど軍事用の飛行機だから、普通の人はそもそも乗れないぜ」
「ほぉ」

 やはり、玄野はまだ15、6歳の子供だ。知らないこともあるらしい。
 太公望だって自分が同年代の頃に島の詳細を聞かれても、どこまで答えられた事やら。
 崑崙には、●●がありまして……、あそこにおわしますわ……

(無理だのぉ……)


「あと……この施設はよく分からないけど、発電所かな……
でも、場所がおかしい気もするし。何かの工場……もっと変だな……」

 分からない施設については、分かる者に後で聞けばいい。
 玄野の説明はあくまで暫定的なものだ。

「で、これが畑って、言わなくても分かるよな、さすがに」
「まぁな」

 太公望は兵農一体の策を周で実施した軍師だ。
 当然、農業の事は知っている。さて、その太公望から見て、この島の農業には若干違和感があった。

(ふむ、頭の枷が外れたようじゃ。先ほどまで不透明だったものがハッキリ見えてくるぞ)

 太公望の思考は、少しずつだが確実にまとまりつつある。
 今度は、玄野の言葉をさえぎり、太公望から質問してみる。

「そして、この『高層ビル』、これは多分50階前後のビルで1フロアあたり数十人から数百人の人間が入れる、じゃったな?」
「あぁ」
「では、質問じゃ。この島には昼間、最も商売が活発な時間帯に、何人ほどの人間が集まっておると思う?」
「そんな事いわれても……」
「高層ビル一つで、かなりの人間がいる、他の設備にもそれなりじゃろう。最も活発になる時間帯、この島には相当な人間がいたはずじゃ」
「確かにそうだけど……」

 太公望は手袋をはめた義手で、島の周囲をぐるりと撫で回す。


「ならば、この少ない田畑でどうやって、その人間を食べさせるわけじゃ?」
「え、それは……漁業でもやってるんじゃ……、って、ビルがあるわけだから、やっぱり島の外から運んできてるんだと思うけどな」
「どうやってじゃ? 先ほどの説明じゃと、飛行機は民間人には使えない乗り物のはず」
「船だよ、大体、飛行機にそんなたくさん荷物積めないって」

 太公望は再び、島の周囲をぐるりと撫で回す。

「気づかんか玄野? 違和感に」

 二回。太公望が良く見ろと、言わんばかりに指差した島の外周部。
 船が、それも食料や荷物を運ぶ船が来るのなら必ずあるべき物が、その外周部にはない。

「港……、港がないのか?」
「よく気づいたの、その通りじゃ。まぁ、可能性があるとすれば、玄野の知らん南東の施設じゃが……
港である可能性は低いな」

 くるりんと輝く目を細めながら、太公望は南東の施設に注意を注ぐ。
 この施設は、ゲームのキーとなる施設なのか、それとも単に玄野が知らないだけなのか。
 今は確認しようがない。探すべきは施設ではなく、玄野の知人、小島多恵。
 施設が気になったとしても、行くのは彼女を探した後だ。

「い、いや、よく考えてみたら、これだけの島に港が一つもないって変だよ。
多分、俺はよく分からないけど、これはきっと港……」
「違うな」
「何で、そう断言できるんだよ!」

 違和感は、太公望の中で既に違和感でなくなっている。
 それはもう、モヤモヤした言葉にしがたい奇妙な感覚と違い、はっきり他人
と意思共有できるレベルまで高まっている。


「玄野よ、この街が所属する本島はどこじゃ?」
「そんなの俺が知るわけないだろ」
「仮に、この島が、『従来の用途』で使われていて、本当に人が住んでいたのなら、
これだけの島じゃ、本島から誰かが毎日来ておったじゃろう」
「だからそうなんだろ? そんで、南東の建物が港でさ……」
「違う。この島に、港はない」
「だから何で?」
「外部からの進入を防ぐためじゃ」

 言われた瞬間、玄野はハッとした表情になる。

「外部からの進入……」
「通常のGANTZミッションでは、外部の人間はわしらの存在に気づかないんじゃったな?
じゃから、玄野には分からんかったじゃろう。しかし、これは普段のミッションとは違うところもあるはずじゃ」
「GANTZは、外部からの進入を嫌っている? でも何で、アイツには俺たちを周りの人間から隠す能力があるんだぜ」
「さぁのぉ……だが、その能力が今回もあるかどうかは怪しいとわしは思っておる」

 太公望は自身の首輪をトントンと叩きながら、そう呟いた。
 刹那、玄野の顔面が蒼ざめていく。普段は、脳内に爆弾。首輪なんてレトロな技術はGANTZの守備範囲外……だったはずだ。
 しかし、それが自分の首に実際にはまっている。GANTZが普段やらなくてもいい事をやっている。
 理由は一体……

「必要のない外部の人間に対する警戒。必要のない首輪。GANTZの能力は恐らく、100%発揮されておらん」
「ま、まさか……じゃぁ、一体このゲームは何なんだ? GANTZのミッションじゃないってのか?」
「そこまではわしにも分からん。じゃが、GANTZだけを考えていても正解には辿り着けん。それだけは確かじゃ」

 そして、太公望は手のひらを広げ、力強く地図を叩く。

「あとな、もう一つ重要な事がある。恐らく、この島は作られた島じゃ……それもこのゲームのためにな」
「はあ? 島を……島を作るって、何言ってんだよ」
「わしも自分で何を言っておるのか分からん。
空間宝貝という名の、亜空間を作る道具ならば知っておるが、これほど大規模な空間は作りだせんし……
こんな島は、まっとうなやり方では作れないはずじゃ。少なくとも、今のわしが思いつく範囲ではな」
「だったら何で……っていうか、最初に教えたろ、埋め立てだってさ。この島は埋め立て地なんだよ!」

 ふうっと呟いて、太公望は島の周囲を大きくぐるっと取り囲む。

「その埋め立てがおかしいんじゃ」
「埋め立てがおかしいって……」
「よいか玄野、海には深さがある。当然陸地から離れれば離れるほどに深くなる。
埋め立てによって、陸地を増やすのなら、本島近くを埋め立てるはずじゃ。
その方が利便性も増すし、埋め立ても遠洋よりは楽じゃからのう」
「そりゃ、そうだけど……って、いや、違うぞ太公望。
ここは元々本島から離れた群島だったんだよ、それを後から人工的に埋め立てて整形したんだ。それなら筋が通る」
「通らんな。本島近くの群島と、そうでない群島とではわけが違う。
わしは埋め立て地などよく知らんが、ここの島で人が生活するには本島の支援が必要だということなら分かる」

 続いて太公望は島中央部の像をくるくると弄ぶ。

「気づかんか? この島には、港以上に重要な何かが欠けている」
「像とセットになるもの?」
「違う、像の周りにあるものじゃ」
「湖、池……まさか……水がないってのか?」

 コクリと頷く太公望。


「その通りじゃ。雨水などをためておく場所はあるが、ここには生活用水の基本、川がない」
「あるじゃないか、ここにも、こっちも」

 無いといわれても、地図上には川らしき細長い水の流れが存在する。
 玄野は、それらを一つ一つ指でさしていく。

「それらは川ではない。川とは山から海へ流れるものじゃ。大方、その水たまりは埋め立ての際、島の間に出来ただけじゃろう」
「い、言われてみれば……」
「川が生まれるためには、雨が降るだけではだめじゃ。流水を作る傾斜、水を貯め込む森林、その他数々のものが揃っていて初めて川となる。
むろん、川がなくとも雨だけでそれなりの生活ができる。しかし、この島の規模では不可能じゃ」
「生活維持には、水がめを持った本島との連絡経路が必要」
「うむ」
「つまり、この島で生活することはできない……」
「その通り。誰もこんな島で暮らしていた者などおらんのじゃ」

 すべての説明を聞き終えた玄野の顔には、先ほどまで微かに残っていた覇気が一つもなくなっていた。
 元々、気力胆力に優れた人間ではない。どちらかといえばインドアな性格が玄野の特徴だ。
 そんな彼に、無慈悲な現実が突きつけられる。

「わざわざ島まで用意して、仙人やら魚人やら妖怪やら……いつにも増して過激なミッションじゃねぇかよ」
「……」
「アーロンたちから逃げなきゃいけない、多恵ちゃんを助けなきゃいけない……
それに加えて造られた島からも脱出しなきゃいけない。やること多すぎじゃねーか」
「……」



 玄野の精神にとって彼がGANTZの任務を知っていることは、きわめて重要だった。
 それは本人の与り知らぬところで、玄野の精神を安定に導いていたものでもある。
 自分は、他の人と違ってGANTZのミッションに詳しい。他の人が知らない情報を持っている。
 そんなことを、自分から自慢するような男でもなければ、自慢が頭に上るような男でもない。
 しかしそれでも、彼はただの高校生だ。
 情報の優位性は、彼自身も知らないところで、確かに彼の精神を落ち着かせていた。

「玄野よ、やらねばならぬことは確かに多い。じゃが、だからこそ付け入る隙もある」
「付け入る隙って、もう首輪外しただけじゃダメだって、わかってんじゃねーか。
島まで作る相手なんだぞ……それもご丁寧に外部から隔離して」

 太公望は首を振る。

「確かに、わしらは外部から隔離され、首輪をつけられておる。
しかし、考えてもみい、もしもお主がGANTZの能力を手に入れたとしたら、同じことをするか?」
「わかんねーよ」
「わしならせん。島も首輪も、GANTZの能力があれば不要じゃ。
こんな面倒くさい事をしておるのは、それなりの理由があるはずなんじゃ」
「それなりの理由って……」
「そこまでは分からん。じゃが、さっきも言ったようにGANTZが自分の能力を100%発揮できなくなっている可能性は高い」

 もっとも、これは非常に好意的に見た場合の可能性である。
 実際には、単にGANTZが遊んでいるだけ、の可能性が高いぐらいだと太公望は心の中で思っている。

「じゃ、じゃぁ……」
「一見複雑なシステムじゃが、それはつまり、そうしなければわしらを逃してしまう可能性があるからじゃ。
外部からの侵入を嫌うのも、侵入されて困るから以外の何があろう」


 ここでもやはり、進入されて困るから以外に、単に遊んでいるだけが加わる。しかし、それは口には出さない。
 太公望の見立てでは、玄野は生きようとする意志が弱い。
 ここで、彼に酷い現実ばかりを見せていけば、精神が破綻しかねない。
 先ほどの説明の中、玄野は太公望の常識では考えられない説明を一回だけしていた。
 間違いではない、嘘でもない。しかし、きわめて非常識。
 とても、15,6の男子とは思えない言葉。

──え、それは……漁業でもやってるんじゃ……、って、ビルがあるわけだから、やっぱり島の外から運んできてるんだと思うけどな

 自分たちが食べている食料が、どこから来たのか。
 どうやって作られているものなのか。家族を養っているものさえ多い年齢でありながら、この答えはない。
 少し想像を働かせれば、分かるレベルの内容だったはずだ。
 もちろん、原因は彼自身ではなく、彼の住む世界の異常なまでに高い技術水準にあるのだろうが、
それでも、やはり非常識だ。そして、この非常識が何を意味しているかと言うと、玄野が日常的に生死をイメージしていない事。
 食が細れば死ぬ。そんな当たり前のことさえ、彼の頭には、日常的にない。
 例えるなら、妲己や殷の皇太子たちのように、彼はそんなレベルの人間なのだ。
 だから太公望は、玄野を殷洪たちと同じように扱う事を決めた。
 少なくとも彼の前では、悲観的な情報を流さない。そう思っている。


 たとえGANTZのミッションをいくらこなそうとも、それは『ミッション』という限られた状況の中での意識。
 長い時間経てば、それは次第に薄れていき、日常生活の意識が顔を出す。
 そうなってくると、玄野は年の割には、生命に対する感覚の薄い少年になりさがる。
 なんとしても、そうなる前に脱出しなければならない。

「普段は脱出できないGANTZのミッションじゃろうが、今回は違う。
これだけ条件がそろっておる。のう玄野、わしらには希望の光がたくさんあるではないか」
「……あ、あぁ」

 釈然としない表情で俯く玄野の肩をポンッと叩きながら、

「では、話は終わりじゃ。多恵を探しに行くぞ」

とだけ言って太公望は、一人先に管理人室を一足先に出ていく。
 その心には、これから始まるミッションへの言い知れぬ不安があった。


【D-3 電波塔一階管理人室 / 一日目 早朝】
【玄野計@GANTZ】
【装備】:無し
【所持品】:支給品一式 未確認(0~3)(宝貝はないようです)
【状態】:健康
【思考・行動】
1:ビル街の近くで太公望と共に仲間を集める。多恵達を探す。ツインタワーに登る。
2:ツインタワー頂上から仲間と協力して多恵を探す(1で見つからなかったとき)
3:みんなで脱出する。
※参戦時期はゆびわ星人編前です。
※この殺し合いをガンツの「ミッション」ではないかと考えています。
※この島が殺し合いのために用意された舞台だと考えています。
※GANTZの能力が制限されている可能性を考え始めました。

【太公望@封神演義】
【装備】:無し
【所持品】:支給品一式 打ち上げ花火五本 未確認(0~2)(宝貝はないようです)
【状態】:健康
【思考・行動】
1:仲間を集める。信頼できそうな相手には花火を渡す。多恵達を探す。
2:宝貝が欲しい。
※この殺し合いをガンツの「ミッション」ではないかと考えています。
※この島が殺し合いのために用意された舞台だと考えています。
※GANTZの能力が制限されている可能性は半々だと思っています。


038:妄想が現実を駆逐する 投下順 040:世界の車窓から
038:妄想が現実を駆逐する 時間順 040:世界の車窓から
032:探し人 太公望
032:探し人 玄野計

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