マリシャス・テイル


【分類】
書籍(架空)

【初出】
断章のグリムI 灰かぶり

【解説】
19世紀中頃にイギリスの童話作家であるジョン・デルタによって記された自費出版本の通称。
原題は「人に科せられし残酷なる運命と戦うべき騎士たちの為に記す、
深みより来たる大いなる泡の秘密、あるいは悪意ある物語と非常に長い。
日本語では「悪意ある物語」と訳される。

私たちの心の、深く深く、とても深く。
もう『私』というモノすら分からなくなるほどの遥か深くに、神様がいます。
神様は深みの寝所で、ずっと眠り続けています。
神様はずっと、夢を見続けています。
神様はあるとき、悪い夢を見ました。
神様は全知なので、この世にある全ての恐怖をいちどに夢に見てしまいました。
神様は全能なので、自分の見た悪夢を切り取って、寝所の外に捨ててしまいました。
切り取られた悪夢は大きな泡になって、深みの寝所からゆっくりと上がっていきました。
大きな泡は上へ上へと浮かびながら、二つに、四つに、八つにと分かれていきました。
そしてたくさんの泡は、遥かな深みから次々と浮かび上がってきます。
私たちの。心へ向けて。
神の見た、悪夢の泡が。

という詩から始まる奇書に当たる代物。その信憑性は疑わしいとされながらも、
世界中に存在する怪現象に対して神の悪夢という回答を提示している。
その他の内容としては神の悪夢にまつわる幻想物語と、その不可避の災厄に対する人類への警告、
そしてその恐るべき事実を書き残す自分の罪の懺悔が書かれている。

断章騎士団設立の際には聖典として扱われており、騎士団の名前の由来にもなった。
また、泡禍という名称も上述の詩から取られたものである。

ちなみに鹿狩雅孝はこの本に記された内容に対し、幾つかの異論を持っているとのこと。


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最終更新:2011年10月05日 22:15