あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!
「俺は唇から輪っかを外したと思ったら首に輪っかを付けられていた」
何を言ってるか分からないと思うが俺も何がどうなったのか分からない。
これは
ワムウや
カーズの能力による幻覚だろうか?
いや、たぶん違うだろう。
ワザワザ死にかけの俺に(今はピンピンしているが)こんな事をする意味が無い。
解毒剤入りのピアスを取り戻すためならこんな事をする必要も無い。
それに、幻とか催眠術だとかそんな物じゃあないもっと恐ろしい物の片鱗を感じたぜ。
カーズ達の能力で無いなら荒木とか言うあの男の能力って事になる。
やつも柱の男か吸血鬼なのか?
だが、柱の男や吸血鬼の能力はあくまでも肉体操作だ。
これはそういう類のものじゃあない。とすると、何か別の超能力ってことか。
参加者の中にそれについて詳しい奴がいるかもしれない。
まずは、そういう人物を探すか。
しかし・・・、荒木は殺し合いのゲームだと言ってたな。
俺は乗る気は毛頭無いが、何人かこのゲームに乗っている奴もいるかもしれない。
リサリサ先生とJOJOが心配だ。
いや、JOJOはともかくリサリサ先生は大丈夫だろうがな・・・・。
ん?足元に何かあるな。これは・・・デイバッグか?
そういえば、荒木は「支給品」とか言ってたな。
罠かもしれない、だがそんなことで躊躇してる場合じゃあないな。
デイバッグのジッパーを開けて、中身を確認する。
中身は、食料だとか水とかそんなのだな。地図やコンパスまである。
石鹸水は・・・無いな。
服には石鹸水は仕込まれてはいないし、支給されていると期待しなかったわけじゃあない、
だが、荒木はそこまで甘くないようだな。
仕方ない、そこらへんの家から石鹸水をかっぱらってくるか。
周辺の建物で一番民家らしいレンガ造りの建物にに入ってみる。
(石鹸水があるところは・・・水周りだな。とりあえずこの部屋に入ってみるか。)
それらしい部屋をしらみつぶしに探すことにして、玄関からすぐ右に曲がった部屋を探すことにする。
おっと、俺の勘が良いのかどうなのかはわからないが、ここはちょうどキッチンだ。
ビンゴってやつだな。
キッチンの中に入り、シンクのそばから、
半透明でオレンジ色の容器を手に取る。
容器越しじゃあ確認しにくいが、中の液体はどうやら透明らしい。
この中に入ってるのは石鹸水だろうか?まさか薬品ってことはないだろうな・・・?
そんな事を考えながら、中の液体を手にとってみる。
その液体を擦ると、無数の泡が出た。ちゃんとした石鹸水らしい。
少し普通より波紋が通りにくい気がするが、泡も良くたつし、贅沢を言ってる場合じゃあないな。
石鹸水も手に入れたし、この民家を出る事にした。
道路に出た所で、石鹸水の入った容器をしまうためにデイバッグの口を開く。
ん?さっきは気がつかなかったが・・・奥に紙切れがあるな。
デイバッグに容器を入れてから、その紙を調べる事にした、
バッグの奥からその紙を引っ張り出そうとしたが、
その動作は中断せざるを得なくなっちまった。
物陰から銃弾が飛んできた。
とっさに避けたが、危なかったぜ。
さすがに無防備すぎたな。頭の片隅で反省しつつ、
反撃のシャボンカッターを叩き込むために、銃弾の飛んできた方向を向こうとした。
が、今度はその動作も中断せざるを得なくなっちまった。
今度は逆の方向から銃弾が飛んできた。
くっ!敵は一人じゃあねぇって事か!
避けきれないッ!指先に一点集中の波紋しかないッ!
何とか叩き落したが、クソッ!どこから攻撃が来るか分からないってのはヤバイぜッ!
まずはこの状況から脱出しなくてはッ!!
デイバッグを抱え、膝だけで跳躍し、敵の銃の射程距離外と思われる所まで脱出する。
しかし、敵は一人じゃあない。何処から攻撃が来るか分からないって状況は変わらない。
だが、攻撃が来る場所が分からないってのは、攻撃の来る方向の「可能性」が多すぎるからだ。
なら、どうするか?
答えはシンプルだ。
可能性が多すぎて迷うなら、その可能性を「限定」すればいい。
飛んでくる銃弾を叩き落としながら路地を曲がる。
その道は三方を高い塀で囲まれていた。
つまり、「行き止まり」
だが、これでいい。これで銃弾の来る方向は「限定」されたッ!
これなら銃弾の来る方向は制限され、こちらに銃弾を撃つには俺から見えるところから撃たなくてはならない。
姿さえ見せれば何人だろうとシャボンカッターを叩き込んでやるぜッ!
だが、俺の予想は外れた。
銃弾は「曲がって」来た。左右両方から。
銃弾が曲がってくるだとッ!?
だが幸い、入ってくる方向は決まっている。何とかこの間に敵を探す方法を考えなくてはッ!
それに、銃弾が曲がるなら相手が一人って可能性も出てきた。
だが容赦なく銃弾は向かってくる。このままじゃあいつか当たっちまうッ!
ん?足元に黒いものが・・・デイバッグか。無我夢中で走ってたから気付かなかったが・・・。
そうかッ!デイバッグ!中には「水」がッ!
バッグから水の入った容器を取り出し波紋を流す。出来ればワイングラスが良かったんだが仕方ねえ。
波紋は腕を伝わりッ!体を伝わりッ!そして地面を伝わるッ!
敵は案外近くにいた。
「喰らえッ!シャボンカッター!」
思い切り放ったカッターは塀を貫通し、飛んでいく。
「ギニャアアッ!!」
どうやら・・・当たったみてーだな。
クソッ!何で俺の居る場所が分かったんだッ!銃弾の軌道も居場所がバレないように調整したのにッ!
「隠者の紫」みてーに索敵能力のあるスタンドか?
しかし、足に喰らっただけだが大声出しちまったぜ、我ながらみっともねー。
やっぱり、パートナーがいないと俺って駄目なんだろうか・・・。
だが、それよりも今のこの状況を何とかしないといけないみてーだな。
「てめー、仲間は何処だ?」
路地を歩いて頭にバンダナを巻いた男が近づいてくる。どうやら俺に仲間がいると思ってるようだな。
ここは警戒させるためにも嘘を付いておくか。
「まだ2、3人あんさんの頭蓋を狙って・・・」
「いや、仲間がいないのは知っている。」
だったら何で聞いたんだ!嫌味なヤローだぜッ!
バンダナの男が話しかけてくる。
「てめーは女の子にもいい加減な事ばかり言ってるだろ。違うか?」
「うるせーッ!『皇帝』ッ!」
目の前の男に向かって「皇帝」で銃撃する。だが、さっきと同じ円盤状の物で弾かれた。どうやらパワーは互角みてーだな。
だが、このままじゃあヤバイ!こっちが2発撃つ間に相手は3発ほど放てるッ!これじゃあ圧倒的に不利だ!
今度は逆に俺が奴の攻撃を銃弾で防御しなくちゃあならねえ。
だが、一発防御しきれず手に喰らって、「皇帝」を落としちまった!
「しまったッ!」
奴が銃を落としたッ!
「勝負は付いたな・・・おっと、その銃を拾うんじゃねーぞ。」
俺は奴に近づいていく。この距離ならもう銃を拾う隙も無い。
「とどめだッ!シャボン・・・」
だが、やっぱりこの動作も中断せざるを得なくなった。
奴の背後から俺の首めがけて銃弾が飛んできた。
「さっき、最後に撃った銃弾を、俺の背後で回転させておいた。どうやら油断したようだな。ヒヒヒッ」
とっさにガードするが間に合わねえッ!ガードに使った腕ごと首にヒットした。
なんとかガードしたが・・・首をやられて・・・呼吸が・・・整わねー・・・・。
だが、それを奴に悟られてはまずいッ!体に残ってる波紋を搾り出して・・・
「シャボンカッター!」
ニャニィーーーーッ!?奴の攻撃が俺のわき腹を切り裂やがったッ!
首に銃弾当てたのにまだ戦えるのかッ!?スタンドでガードした素振りもねー!
しかしこうなるとヤバイッ!俺の方もかなりダメージを喰らってる!
しかもこっちは奴の能力を完全に把握してねーッ!まともに戦えば仮に倒せても共倒れだ!
なら、俺がやる事は一つ!奴の体勢が整う前に・・・
逃げる!
すぐに俺は横の路地に飛び込んでダッシュした。相手が追いかけてくる素振りはない。
やれやれ・・・俺はこれからどうすりゃいいんだ?
【D-4/1日目 深夜】
【
ホル・ホース】
[時間軸]:「皇帝」の銃弾が当たって入院した直後。
[状態]:右手首と左腿に浅い切り傷。わき腹に深い切り傷。(傷口には波紋効果による火傷)
[装備]:なし。
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3(未確認)
[思考・状況]
1.とりあえず逃げる。
2.一緒に戦えるパートナーが欲しい。
3.女は見殺しにできねー。
[備考]
※ホル・ホースの悲鳴が近くの参加者に聞こえた可能性があります。
【
シーザー・アントニオ・ツェペリ】
[時間軸]:ワムウから解毒剤入りピアスを奪った直後。
[状態]:外傷は無し。呼吸困難(波紋の呼吸ができない程度)
[装備]:なし。
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3(未確認)、中性洗剤
[思考・状況]
1.荒木やホル・ホースの能力について知っている人物を探す。
2.ゲームには乗らない。
3.リサリサ先生やJOJOと合流する。
4.女の子がいれば助ける。
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最終更新:2008年08月13日 13:11