第001話 桜木花道の決意 ◆jKyibSnggE


『ゲーム』の説明が終わって、ふと気がつくと桜木は道の真ん中で倒れていた。
どうやらガスのようなもので眠らされてここに運ばれたらしい。
近くに川の流れる音のようなものが聞こえる以外は、何も変わったところはない。
「くそっ、一体何がどうなってんだ? 殺し合いとか言ってたような気がするが…
 オヤジにしちゃあ手の込んだ冗談……冗談、じゃねえよな…あれはどう見てもゴリだった…」
見間違えるはずもない。あのゴリラに似た風貌。
それが見るも無残な肉塊に変わり果てて籠に押し込められ……そして、確かに嗅いだ血の臭い。
それは明らかに、ゴリこと赤木剛憲の『死』を意味していた。
「ゴリ……」
長いようで短かったゴリとの思い出が、桜木の脳裏をよぎる。
まだバスケのルールも知らなかった頃の初めての勝負…
辛い基礎練習の日々…リバウンドの重要さを教えてもらって…
気がつくと、桜木は涙を流していた。
「あ?なんで涙なんか流してんだ、カッコワリィ!」
慌てて涙を拭うと、桜木は改めて自分の置かれた状況について考え始めて……

――考えるのをやめた。
桜木が心に決めたことは二つ。
1、晴子さんを守る!
2、オヤジをぶっとばす!
得物として支給されたのはただのモップ。
(三井が仲間と一緒に殴りこんできた時に桜木が折ったモップだが、本人は忘れている)
少々心許ないが、何もないよりはマシであろう。
「晴子さん、待っててください!今助けに行きます!
 そしてオヤジ……待ってろよ、ぶん殴ってやるからな!」
そして桜木は、現在位置を確かめるためにもとりあえず川に向かった。

10分後。
目的の川にたどり着いた桜木は、月明かりの下、橋の上で地図と方位磁石を手に居場所を確認していた。
「さて、今どこにいるんだ?えーと……こっちが北だから…この川は東西に流れてるのか?
 ってことは………あー、もうめんどくせぇ!もっと分かりやすい目印を探す!」
地図を良く見れば、東西に流れている川はひとつしかないので、必然的に場所を絞れるはずなのだが、
今の彼はいつも以上に頭に血が上っているため、悠長に地図の確認などしていられなかった。
「川なら下流に行けば海に出るだろ。上流に向かって何も無いよりは場所が分かりやすいな」
桜木は地図をしまうと、下流に向かって川沿いを走り始めた。
「晴子さーーーん!待っててくださーい!」
守ると決意した、赤木晴子の名を叫びながら。

【D-3/橋のそば/1日目・午前0時30分】
【男子14番 桜木花道@SLAM DUNK】
  [状態]:健康
  [装備]:モップ@SLAM DUNK
  [道具]:支給品一式
  [思考]:1.下流に向かう
      2.晴子を探して守る
      3.オヤジをぶん殴る


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オープニング 桜木花道 宇宙最強のスラッガー

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最終更新:2008年02月11日 20:38