第005話 イヤだよキモイ!お前(以下略 ◆jKyibSnggE


気がつくと、白川高菜は山の中にいた。
「こ、ここは…?」
周囲を見渡すが、見えるのは夜の闇ばかり。
月明かりが照らすものは、周囲の木々のみ。
ただ、どうやらここは山の頂上らしく、どの方向を見ても道は下り坂だった。
「…そうだわ、地図で場所を…」
地図を広げてみる。
『神塚山』…名前が記されているのは、島の真ん中に位置するこの山だけだ。
そして、どの方向へ歩いても麓まではかなりの距離である。
「……居場所は特定できたみたいだけど嬉しくない…」 ガビーン
高菜はしばらく地図を握り締めて震えていたが、やおら地図を地面に叩きつけると叫び始めた。
「こんなところに置いてくな、あんの白ブタが!そもそもいきなり殺し合いとか言われてもワケわかんないのよ!
 それにブタのクセにバスケなんてやってんじゃないわよ!肉が揺れてんのよ、ブタオヤジがぁ!」
思いっきりキレる高菜。
さり気に安西先生をこき下ろしている。
「はぁ……これからどうしよう」
ひとしきりキレたあと…高菜はようやくこれからどうするかを考え始めた。
とりあえずは知り合いと合流したいところだが…。

ジャガーさん――よく分からない行動をとる時もあるけど、なんだかんだで頼りになる人。
ピヨ彦くん――頼りになるかは分からないけど、一緒にいても害はないし安心できるかも。
ニンニン言う人(※)――いないよりはマシかも…いや、いなくても別に……うん、いない方がいいや、ウザイし。
※…ハマーこと浜渡浩満のこと。実際にはニンニン言いません。
「うん、とりあえずジャガーさんかピヨ彦くんを探そう」
約一名をあっさり切り捨て、行動方針を定める高菜。
このままここにいても仕方がないし、黙って殺されるわけにもいかない。
「私にはアイドルになる夢があるのよ…その為にはなんとしてもこんな殺し合いからは逃げ出さなくちゃ」
とりあえずいちばん近いと思われる、G-06の鷹野神社を目指して歩き始めようとして…
――ガサガサ
「…! だ、誰!?」
足元の石を拾って音がした茂みの方へ投げつける。
もちろんただの牽制のつもりだったのだが…
「い、痛っ!高菜殿、拙者でござるYO!」
…聞き覚えのある声がするなり、さらに石を投げまくる高菜。
茂みの中からは石がぶつかる音と悲鳴とが断続的に聞こえてくる。
「痛っ、ちょ、待って…痛いって高菜殿!せっしゃ…ハマーでござるYO!」
そう言いながら茂みの中から現われたのは、ついさっき(心の中で)切り捨てたばかりのハマーであった。
「や、やぁ高菜殿。拙者が来たからにはもう安心でござるYO」
「……なんでお前ここにいるんだこの黒ブタがぁぁ!」
「ガバス!」


思いっきり殴ってしまってから、高菜はふと思った。
「(…確かにハマーさんはウザイけど、数少ない知り合いだし、それにやっぱ男だし頼りになるかも…。
 どうしよう、殴っちゃったこと謝った方がいいわよね…)…あの、ごめn」
…なさい、と続けようとしたところで、高菜は絶句した。
「…(;´Д`)ハァハァ」
「気色悪りぃんだよこのブタ野郎ー!」
「ペッサー!」

【F-05/神塚山山頂/1日目・午前0時半ごろ】
【女子5番 白川高菜@ピューと吹く!ジャガー】
状態:興奮
装備:なし
道具:支給品一式、支給アイテム(未確認)
思考:1.ハマーキモッ!
     2.鷹野神社へ向かう
     3.殺し合いから脱出したい

【男子27番 浜渡浩満@ピューと吹く!ジャガー】
状態:殴られて小ダメージ(でも快感)
装備:なし
道具:支給品一式、支給アイテム(未確認)
思考:1.高菜に話しかける




初登場 白川高菜 がんばれ高菜
初登場 浜渡浩満 がんばれ高菜

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最終更新:2008年02月11日 20:50