第008話 Yesterday Once More ◆SzP3LHozsw
ガラス玉みたいに輝きを失った瞳からは、もう涙が溢れることはなかった。
涙も心もすっかりカラッポになってしまったようだった。
大きな喪失感と虚無感――。
その二つだけが、赤木晴子の胸を占めている。
抜け殻となった晴子が今できることは、16年間のうちに経験してきた兄との思い出に浸るだけ。
涙も心もすっかりカラッポになってしまったようだった。
大きな喪失感と虚無感――。
その二つだけが、赤木晴子の胸を占めている。
抜け殻となった晴子が今できることは、16年間のうちに経験してきた兄との思い出に浸るだけ。
小さい頃から遅くまでバスケをしていたお兄ちゃん――カッコ良かったな。
私にレイアップを教えてくれたお兄ちゃん――優しかったな。
桜木君のことを伝えると筋トレをしながら全国の夢を語ったお兄ちゃん――熱かったな。
私にレイアップを教えてくれたお兄ちゃん――優しかったな。
桜木君のことを伝えると筋トレをしながら全国の夢を語ったお兄ちゃん――熱かったな。
そのどれもが昨日のことのように鮮明に思い起こされる。
赤木剛憲は、晴子のどの思い出でも逞しくて頼りになる存在だった。
しかし、その楽しかった昨日は二度と戻らない。
遅くまで練習に取り込む姿も、桜木に熱く指導する姿も、全国の夢を涙ながらに語る姿も、もう見ることができないのだ。
大好きだったお兄ちゃんは死んでしまったのだから。
赤木剛憲は、晴子のどの思い出でも逞しくて頼りになる存在だった。
しかし、その楽しかった昨日は二度と戻らない。
遅くまで練習に取り込む姿も、桜木に熱く指導する姿も、全国の夢を涙ながらに語る姿も、もう見ることができないのだ。
大好きだったお兄ちゃんは死んでしまったのだから。
晴子は膝を抱えてその間に顔を埋めた。
疲れていた。何も考えられないほどに疲れていた。
空気の抜けてしまった風船のように、晴子もまた萎んでしまっていた。
晴子の望むのはただ一つ、もう一度昨日に帰りたいということだけだった。
疲れていた。何も考えられないほどに疲れていた。
空気の抜けてしまった風船のように、晴子もまた萎んでしまっていた。
晴子の望むのはただ一つ、もう一度昨日に帰りたいということだけだった。
【E-05/神塚山山中/一日目・午前0時30分ごろ】
| オープニング | 赤木晴子 | 銀色の刃 |