第027話 闇に抱かれて…… ◆SzP3LHozsw


その男――神崎狂は、誰も居ないホテルの屋上で一人佇んでいた。
腰まで垂らした長い金髪に、夜中だというのに掛けた濃い色のサングラス。
トレードマークのガイコツのアバラ骨をあしらったジャケットを着た姿は、見るものを畏怖させる迫力に満ちている。
眼下に広がる島の風景を眺める神崎の胸中は、けして穏やかなものではなかった。


その名前が心の底で澱となって神崎を蝕んでいた。
過去に二度、神崎は日々野と拳を交えている。そのどちらも神崎は日々野の圧倒的なパワーの前に倒れていた。
ドラッグの力を借りても、ドラッグに頼らず本気でぶつかっていっても、どうしても日々野にだけは勝てなかった。
警察に出頭したあとも、日々野のことだけは忘れたことがなかった。
いつか必ず復讐してやると決めていた。
そして今、思いも寄らぬ形でそのチャンスが巡ってきている。
あの日々野晴矢と決着をつけられるときがすぐそこまで迫っている。
待ちに待ったのだ。この瞬間を――。

「これで終わりだ……日々野――。お前との因縁……これで全て断ち切ってやる」
神崎は吐き出すように呟いた。


【E-04/ホテル跡屋上/1日目・午前1時30分ごろ】

【男子09番 神崎狂@BOY】

状態:健康
装備:なし
道具:支給品一式(※ランダムアイテムは不明)
思考:1.日々野と決着をつける


投下順
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初登場 神崎狂 許容範囲

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最終更新:2008年02月11日 14:53