霊力

霊力とは、を構成する霊子の量を表す言葉である。
主に魔法を使う際に取沙汰されるので魔力とも呼ばれるが、魔術でも同様の語を使っているため、混乱を避けるためにこのwikiでは霊力という言葉のみを使う。

霊力に一定の基準は存在せず、多くの場合は"その時期その地域における、平均的な成人の魂の霊子量"を100などとした比率で表される。一般に霊力が大きい(強い/高い)ほど強力な魔法や多くの魔法を同時に使えることを意味する。

一口に霊力といっても、比較したい条件によっていくつかの基準が考えられるので、以下に列挙する。




霊子量(瞬間霊力)

ある瞬間において、に蓄積されている霊子の量。
霊子量が多ければ多いほど精神的に安定しており、無くなると死ぬ。
霊子量は常に変動し続けるため、ある生物(又はグリシー)の"魂の強さ"を表すには不向きである。

限界霊力

が蓄積できる最大の霊子量。
魂には器としての大きさがあり、その大きさを超えた霊子は蓄積できない(一時的に溢れさせることは可能である)。
生物の魂は基本的に、中心で発生する霊子、魂から離散する霊子、霊的な引力により留められる霊子、の全てが釣り合い、一定の大きさを保っている。この一定の大きさこそが限界霊力であり、体調や精神状態によっては変動しない。経年によって緩やかに増える。
限界霊力を超えた霊子が(魔術などによって)集合すると、魂からの離散速度が速くなり、しばらくすると元の大きさに戻る。魔法の使用などで霊子量が減ると、今度は離散速度を発生速度が上回って、次第に回復していく。ただし、霊的引力は霊子量が少ないほど弱くなるのでそのぶん離散速度も上がるため、多量の霊子を短時間で失うと回復できずにそのまま死に至る可能性もある。
限界霊力は、性質上、肉体に関連付けられている生物の魂よりも純粋な霊体であるグリシーのほうが圧倒的に多くなる傾向にある。

実効霊力

自由に使うことのできる霊力。"魂の強さ"を比較する際には主にこれが用いられる。
グリシーは一般に生物と比べて大きな限界霊力を持つが、それはそうでないとすぐに消滅してしまうほど魂が不安定だからであり、いわば生存に必要な最低限の霊子がより多く要求されるということである。また、グリシーが具現化する場合、擬似肉体の構成に霊力の大部分を使うため、実際に使える霊力はさらに制限される。生物の場合も生存に必須な霊子量があることは前述のとおりである。
魔法を使う際に重要なのは、魂を構成する霊子の量ではなく、どれくらいの霊子を魔法の"燃料"に回せるかであって、当然これに"必須霊力"は含まれない。この"どれくらいの霊力を魔法に使えるか"を示すのが実効霊力である。
実効霊力は《限界霊力 - 必須霊力》で求められ、霊子量(瞬間霊力)と直接の関連は無い。
ゲームでいうところの"最大MP"はこの実効霊力に相当し、"現在MP"は残りの霊力(霊子量 - 必須霊力)に相当する。

魔法出力

厳密には霊力の一種ではないが、便宜上ここに挙げておく。
名前の通り、魔法を起こすのに使われる霊力のことである。
本質的に同じ現象を起こす魔法であっても、出力が大きければ大きいほどその規模や威力は増大し、当然そのぶん消費される霊力も大きくなる。
現象の規模や複雑さが大きくなるほどその量は指数的に増大する。「火を熾す」といった簡単に見える現象ですら、常人が回復できる半日分近い霊力を必要とするため、その場にある物ではどうやっても再現できない場合を除いて魔法を使うメリットは無いといってもよい。
魔術気功その他魔法の派生であるあらゆる技術についてもこの魔法出力を定義することができるが、それらの技術は何かしらの制限を設けることで魔法出力を1/100から1/10000程度にまで軽減している。



氷器比喩法

と霊力の関係を説明するのに、霊子を水分子に見立てた比喩法がある。

  • 魂は氷の器である。
    • 器の容積が限界霊力または実効霊力である(表したい状況によって変わる)。
    • 基本的に溶けることはない。
    • 空気中の水蒸気を吸着して大きくなり、徐々に容積を増やしていく。
  • 器にはが満たされている。
    • 器に入っている水が瞬間霊力である。
    • 水はゆるやかに蒸発するのみで、何もしなければ急に失われることはない。
    • (精神的に)少しでも動くと、たちまち器からは水が漏れ出す。
  • 器の水が減ると、器の底から水が湧き出て再び満たそうとする。
    • 水が湧き出る速度(回復速度)は、器の大きさ、水の残量、湿度と精神状態に左右される。
    • 基本的には1時間ほどで器1杯分の水が補充される。
  • 器の水が減りすぎると、水の量を回復することができなくなり、代わりに器が溶けて補充することになる。
    • 減った器の容積は3行目の方法でしか増やせない。
    • 器が完全に溶けてなくなることは魂の消滅を意味する。
  • 霊力を貯めるという行為は、水に表面張力を発生させることに対応する。
    • 表面張力を強めれば、それだけ器の容積を超えた量の水を保持することができるし、器が多少揺れても水がこぼれにくくなる。
  • 空気中の水蒸気量(湿度)が環境霊力に対応する。
    • 湿度が低ければそれだけ蒸発は速くなり、湿度が高ければ蒸発は遅くなる。
    • 水蒸気飽和状態では、水の自然蒸発が止まるほか、回復速度も向上する。
最終更新:2015年10月29日 01:21